重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人は、ある日を境に得るものより失うものが多くなる。それまで与えられ、または自らの意思で得たものの多くが蒸発するかの如く失われてゆく。それら全てが存在を示す証であって、失う度に心には穴があき、心許なさが募る。失ってしまうのは人との繋がり、心の穴は寂しさ、この過程を老いという。あいた穴の埋め方で老いた時の居場所や居心地が変わるのだが、それは人との繋がりを如何に保って行くかということ。最たるものは血の承継。これだけは何事にも揺らぐことのない、逆に言えば決して断つことのできない、理屈抜きの繋がりなのだ。
「おい、息子。わかったようなこと書いてんじゃねーぞ。」
「やっぱり干物ですよ。水分の抜き方が大切っ -
Posted by ブクログ
とても心が温まるお話だった。ぜひ色んな方に勧めたい作品。
何度も目頭が熱くなって、会社のデスクで泣きながら読んだ小説は初めてかもしれない。
ここからはレビューではなくただの1人語りです。
私の両親は私が小1の頃に離婚している。離婚してからは母親の実家で暮らしていたので、離婚後の父のことは何一つ知らない。養育費すら入れてなかったらしいので、消息不明。生きてるとは思う。今何歳なのかも知らない。あまり父の記憶もない。
いい別れ方をしなかったようで、離婚して25年以上経つがいまだに母の前では父の話はタブーだ。
母からは嫌と言うほど父の悪口を聞かされた。何かと「ここが似ている」と嫌味ぽく言われ -
Posted by ブクログ
工業、ものづくりの現場がわかる本として秀逸。
重松清の確かな文章に支えられて、ものづくりって良いな!と思わせてくれる。
自分も子供の頃、何でも工場でロボットが簡単に作れると思ってたクチなので、大人になって建設現場や工場で人が行う作業の多さにとても驚いた。
工場作業員、現場作業員、と言うと下に見る人たちがいるが、そんなことないんだぞ。めちゃめちゃすごいんだぞ、誰にでも出来ることじゃないんだぞ、君たちが仕事で使うスマホやパソコンや快適なオフィスだって、全部この人たちがいないとできないんだぞ。
もちろん現場作業に伴う危険や労働人口の減少もあり、自動化や無人化が進むことは必然なのだけど、その前段階と -
Posted by ブクログ
先生と生徒の忘れられない繋がりを興味深く読ませてもらいました。先生からの支援は、生徒の人格形成に深く刻まれ、大切だと言うことを改めて感じました。
現在の先生方は、時間的余裕が無かったり、先生自身がメンタルにかかったりで大変だと聞きます。民間のA I等のデジタル技術を活用し、無駄なことは大胆に切り捨て、真に生徒の成長支援に繋がることに時間を費やせる環境を作って欲しいと思います。
今の教育現場の状況では、先生なりたい人材が集まらないのではないかと大変心配です。先生の働きやすい環境のために、革新的な改善を文部科学省、政府の皆さんには強く望みたいですね。
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Posted by ブクログ
この作者には毎度泣かされます。文字は霞むし、マスクの縁はびちゃびちゃになるわで人前で読むのはちょっと厳しい。作者は泣きのツボをよく心得ていらっしゃる。
人生は苦難の連続、修行の場というけれど、今の人生は一回こっきりだから、楽しく生きてくださいね。自分に正直になって心を楽にするといいのよ。自分の生きる場所が見えてくるから。それとね楽しく生きるには人を知るための学びが必要なんですよ。理屈だけじゃダメ。どんな人生もかならず誰かと関わりを持って成り立ちます。なぜなら人生は高く広く深いものだから一人では受容しきれない、先生そう思うのよ。分かり合える相手を得たら是非分かち合ってくださいね。きっと楽しいわよ