芥川龍之介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
あの太宰治が偏愛していたという芥川龍之介の代表作。学生のときに教科書で初めて読んだ羅生門に加え、名作の数々をゆっくりじっくり読んだ。
今昔物語を題材として書かれたものが多いとのことだったが、特に印象に残ったのは「芋粥」と「俊寛」。あとがきにもあったが、芋粥は「理想や欲望は達せられないうちに価値があるので、達せられれば幻滅するのみ」というテーマに共感した。「俊寛」は、作中の俊寛様の台詞が胸に響く。大事にしまっておいて、つらいことがあったとき、取り出して眺めてみようと思う。
──────────────────
人間は、時として、充されるか、充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまう -
Posted by ブクログ
ネタバレ羅生門と鼻をそれぞれ青空文庫のPDFをダウンロードして、分からない単語をメモしながら読んだ。
羅生門
高校の頃授業で読んだ時、「右頬のニキビ」を繰り返し書いてある意味がよく分からなかったのを思い出した。思い出したタイミングでどういう意味なのか検索して「ニキビは若さの象徴」であることや、「最後にニキビから手を離す事で盗みをはたらく躊躇いを払拭した暗喩」という解釈を読み、これは自分で自分なりに見つけたかったなぁと検索した事を後悔した。まだまだ読書初心者なので、今後自分なりの解釈が持てるようにしていきたいと思わされる作品だった。個人的には遭遇した男もニキビ面とあったので、不衛生な環境を表現したのかな -
Posted by ブクログ
【2025年84冊目】
下人と老婆の一幕を描いた「羅生門」、鼻の大きさに悩む和尚の「鼻」、芋粥を欲するあまり忌避することになる「芋粥」、御仏に従って財を手に入れた女「運」、愛と肉欲に悩む「袈裟と盛遠」、未完の異作「邪宗門」、恋焦がれた女を諦めるために奇行に走る「好色」、島流しにあった男が語る真実「俊寛」――表題作を含めた8作の短編集。
羅生門を読みたくて手に取りました。何度読んでも好きすぎる。文体も比較的読みやすい作品だと思います。鼻は以前読んだことがあったのですが、忘れてたので新鮮に楽しめました。邪宗門は長い割にイマイチ物語の輪郭を捉えきれないままに終わっちゃいました。好色がある意味一番怖 -
Posted by ブクログ
ネタバレ■江戸川乱歩「鏡地獄」
既読を再読。
■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
未読のまま。
水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。
■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
初読。まさことまき。
百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
推理小説<恋愛小説。
■泉鏡花「妙の宮」 ★
初読。
たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。
■木下杢太郎「少年の死」
高原英理・編「少年愛文学選」で既読。
■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
Misanthrope はフランス -
Posted by ブクログ
ネタバレ総題の漢字よし。
収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
カバーイラストも素敵。
新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!
■坂口安吾 桜の森の満開の下
既読を再読。
■芥川龍之介 影 ★
初読。
芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。
■江戸川乱歩 芋虫
既読 -
Posted by ブクログ
ダラダラと一年近くにわたって読んでいた本。
この数年では最も時間がかかった本かもしれない。
内容は広義で子供向けの短編が17本もあり、細切れで読むには向いていたが、なぜか 妖婆 が私には手強くて、そこで数ヶ月止まってしまっていた。
単純明快でキレのいい文に洒脱さとアイロニー。
多くの短編は、芥川のいいところがバンバンと感じられて楽しかった。
猿蟹合戦は最後の一文を見て、ああ、これ昔読んだなあと雷に打たれたようにハッとした。
昔読んだのは 舞踏会 が入っていた気がするが。
昔から好きなのは、トロッコ、杜子春、魔術。
この辺は本当にうまいなあと、今回もしみじみと思った。
今回おそらくはじめ -
Posted by ブクログ
初めて触れた、芥川作品。羅生門は高校生の時に授業で触れて以来の読書でした。大人になった今、羅生門に登場する老婆、下人それぞれの動向を見ていると、各々の事情があったのだなぁと改めて思い出されました。女の死体から髪の毛を引き抜く行為、その老婆の衣服を剥ぎ取る行為。それぞれがお互いの「正義」(と言っていいのか分かりませんが)を主張してしまう場面は現代の生活においても度々みられているなぁとしみじみ思いました。他の作品は、芥川節が炸裂しており、私の様な頭では少々理解に苦しむ様な作品ばかりでした。もっと芥川に触れることで作品の世界の美しさを感じられるように精進したいと思います。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ教養がもう少しあれば理解できたかも。
注解がなければもっと分からなかったかも。
正直、「羅生門」と「鼻」はだから?って感じでた。
「芋粥」はいや、食べれるんだから嬉しくない?と思ったんですが、よくよく考えると芋粥くれるって言った人馬鹿にしてるのか?と思いました。このあたりも文章ちゃんと理解できてないから心情が伝わってこないんだなと思いました。
「邪宗門」はあっちこっち話飛ぶな、摩利信乃法師腹立つなと思ってやっと若様懲らしめてくれるのかと思った未完って…。解説読んでずっこけました。
「好色」はお昼休憩に読んではいけない。
唯一、「俊寛」だけは面白かったです。多分すでに知ってた話だったからかなと、