芥川龍之介のレビュー一覧

  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんが乙女の本棚シリーズで描いた作品を集めた画集。
    全部で6作品収録だが全文収録は芥川龍之介の「悪魔」のみ、他は抜粋して収録している。
    悪魔は初めて読んだが短い文章になんとも言えない感情を詰め込んだ作品。イラストの宣教師と悪魔との対比が良かった!

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    2025年10月08日
  • 羅生門・鼻

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    あの太宰治が偏愛していたという芥川龍之介の代表作。学生のときに教科書で初めて読んだ羅生門に加え、名作の数々をゆっくりじっくり読んだ。
    今昔物語を題材として書かれたものが多いとのことだったが、特に印象に残ったのは「芋粥」と「俊寛」。あとがきにもあったが、芋粥は「理想や欲望は達せられないうちに価値があるので、達せられれば幻滅するのみ」というテーマに共感した。「俊寛」は、作中の俊寛様の台詞が胸に響く。大事にしまっておいて、つらいことがあったとき、取り出して眺めてみようと思う。
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    人間は、時として、充されるか、充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまう

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    2025年09月29日
  • 羅生門・鼻

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    ネタバレ

    羅生門と鼻をそれぞれ青空文庫のPDFをダウンロードして、分からない単語をメモしながら読んだ。
    羅生門
    高校の頃授業で読んだ時、「右頬のニキビ」を繰り返し書いてある意味がよく分からなかったのを思い出した。思い出したタイミングでどういう意味なのか検索して「ニキビは若さの象徴」であることや、「最後にニキビから手を離す事で盗みをはたらく躊躇いを払拭した暗喩」という解釈を読み、これは自分で自分なりに見つけたかったなぁと検索した事を後悔した。まだまだ読書初心者なので、今後自分なりの解釈が持てるようにしていきたいと思わされる作品だった。個人的には遭遇した男もニキビ面とあったので、不衛生な環境を表現したのかな

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    2025年09月27日
  • 羅生門・鼻

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    ネタバレ

    生き抜くために犯す罪。混沌とした時代において倫理観は後回しになるのだろう。最後、着物を盗んだ後の彼の人生はどうなったんだろう

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    2025年09月19日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    「或阿呆の一生」は話がブツブツ切れて、よくわからなかった。
    「歯車」は死ぬ間際で、精神が疲労してるのが滲んだ作品だと感じた,

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    2025年09月15日
  • 杜子春

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    電車時間の読み物

    芥川2冊目
    『秋』再読した、めっちゃ好き。文章綺麗すぎる。
    『南京のキリスト』も好きだな、『お律と子らは』はちょいど最近観た小津監督の『東京物語』を思い出した。

    文学の話はそんなに詳しくないけど、芥川って思ったより寓話みたいな、なんかそういう感じだった。調べた感じ確かにそういうのが得意らしく、なんか全然関係ない物語の奥深くに潜む達観した感じ?暗い感じ、葛藤(いや、葛藤はそこまで感じとれなかったかも)がメッセージとして読み取れるみたいな。秋はそっち系じゃないけど、なんかうつくし過ぎたんだよな

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    2025年09月02日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    新紀元社の文豪アンソロジー第三弾。『文豪誕生』、『文豪死す』に続いての今回は『微妙な関係』。
    ということで、切り口は
    (1)芥川と谷崎の「文芸的な、余りに文芸的な」論争
    (2)無頼派三人衆(座談会エピソードなど)
    (3)中原中也と周囲の友人達
    となっています。

    人物相関図や年表、代表作の紹介(あらすじに加えて、その作品の解説付き)なので、文豪に興味ある人の入門としてはとても良い本だと思います。

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    2025年08月20日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    乙女の本棚シリーズ。
    ほんのわずかな時間を切り取っただけの内容なのに、登場人物達の背景が伝わってきます。さすが芥川龍之介。主人公の態度が終始、女の子に対して上から目線だなと思わなくもないですが…。
    今作は、げみさんのイラストによって、ちょっとした映画を見たような気分になれました。それくらい、イラストと内容が合っています。素敵でした。

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    2025年08月06日
  • 藪の中・将軍 アニメカバー版

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    ネタバレ

    藪の中が凄く良かった。
    何が起きたかがぼんやりと浮かび上がり、真相は分からない。ミステリーのようだけど、知りたいけど明かされない、スッキリしないで終わるのが最高に面白い。

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    2025年08月04日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    表題作『河童』が面白かった。
    人間社会への風刺が痛快だ。

    久しぶりに文豪に位置付けされている作品を読んだが、ハウツー本ばかり読んでいたせいか、読むのに難儀した。
    古典は咀嚼するのに苦労するが、噛むほどに味わいが出て来る料理のような感覚だった。
    この夏は積読になっている太宰作品を読みたい。

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    2025年07月24日
  • 羅生門・鼻

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    【2025年84冊目】
    下人と老婆の一幕を描いた「羅生門」、鼻の大きさに悩む和尚の「鼻」、芋粥を欲するあまり忌避することになる「芋粥」、御仏に従って財を手に入れた女「運」、愛と肉欲に悩む「袈裟と盛遠」、未完の異作「邪宗門」、恋焦がれた女を諦めるために奇行に走る「好色」、島流しにあった男が語る真実「俊寛」――表題作を含めた8作の短編集。

    羅生門を読みたくて手に取りました。何度読んでも好きすぎる。文体も比較的読みやすい作品だと思います。鼻は以前読んだことがあったのですが、忘れてたので新鮮に楽しめました。邪宗門は長い割にイマイチ物語の輪郭を捉えきれないままに終わっちゃいました。好色がある意味一番怖

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    2025年07月21日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    ネタバレ

    ■江戸川乱歩「鏡地獄」
    既読を再読。

    ■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
    未読のまま。
    水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。

    ■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
    初読。まさことまき。
    百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
    推理小説<恋愛小説。

    ■泉鏡花「妙の宮」 ★
    初読。
    たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。

    ■木下杢太郎「少年の死」
    高原英理・編「少年愛文学選」で既読。

    ■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
    初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
    Misanthrope はフランス

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    2025年07月08日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    総題の漢字よし。
    収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
    カバーイラストも素敵。
    新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!

    ■坂口安吾 桜の森の満開の下
    既読を再読。

    ■芥川龍之介 影 ★
    初読。
    芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
    しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
    しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。

    ■江戸川乱歩 芋虫
    既読

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    2025年06月24日
  • 【語注付】地獄変

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    芋粥
    子供の頃のことだけど、欲しい物が手にはいったあとの喜びは意外に早くフェイドアウトしていった。今は、仕事をやめたら好きなミュージカル、いつでも見にいけると思うけど、いざ、そうなったら行きたい気持ちは今ほどではない気がする。芋粥を恋い焦がれていた時を懐かしむ五位。彼は何かを手に入れることも幸せだか手にい入らない時の中にも良さがあることを知った。
    成長していると思う。

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    2025年06月22日
  • 蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇

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    ダラダラと一年近くにわたって読んでいた本。
    この数年では最も時間がかかった本かもしれない。

    内容は広義で子供向けの短編が17本もあり、細切れで読むには向いていたが、なぜか 妖婆 が私には手強くて、そこで数ヶ月止まってしまっていた。

    単純明快でキレのいい文に洒脱さとアイロニー。
    多くの短編は、芥川のいいところがバンバンと感じられて楽しかった。

    猿蟹合戦は最後の一文を見て、ああ、これ昔読んだなあと雷に打たれたようにハッとした。
    昔読んだのは 舞踏会 が入っていた気がするが。

    昔から好きなのは、トロッコ、杜子春、魔術。
    この辺は本当にうまいなあと、今回もしみじみと思った。
    今回おそらくはじめ

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    2025年08月28日
  • 春の心臓(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    泉鏡花の時にも思ったのだが、やはり注か解説がほしいところ。ルビももう少しほしい。読むのにけっこうストレスがかかる。
    だいたいの話はわかったと思うのだけど、答え合わせというか、ヒントというか、なんかちょっとよくわかっている人の話を聞いてみたいんだよね。

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    2025年06月15日
  • 羅生門・鼻

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     自分が自分でいることを、世間が許してくれない。
     自分と同じコンプレックスを持つ人を探して安心しようとするなんて、自分が嫌ってる人間の価値観と同じ目線で他人を見てるってことなのにね。

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    2025年06月14日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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     初めて触れた、芥川作品。羅生門は高校生の時に授業で触れて以来の読書でした。大人になった今、羅生門に登場する老婆、下人それぞれの動向を見ていると、各々の事情があったのだなぁと改めて思い出されました。女の死体から髪の毛を引き抜く行為、その老婆の衣服を剥ぎ取る行為。それぞれがお互いの「正義」(と言っていいのか分かりませんが)を主張してしまう場面は現代の生活においても度々みられているなぁとしみじみ思いました。他の作品は、芥川節が炸裂しており、私の様な頭では少々理解に苦しむ様な作品ばかりでした。もっと芥川に触れることで作品の世界の美しさを感じられるように精進したいと思います。

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    2025年06月11日
  • 羅生門・鼻

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    ネタバレ

    教養がもう少しあれば理解できたかも。
    注解がなければもっと分からなかったかも。
    正直、「羅生門」と「鼻」はだから?って感じでた。
    「芋粥」はいや、食べれるんだから嬉しくない?と思ったんですが、よくよく考えると芋粥くれるって言った人馬鹿にしてるのか?と思いました。このあたりも文章ちゃんと理解できてないから心情が伝わってこないんだなと思いました。
    「邪宗門」はあっちこっち話飛ぶな、摩利信乃法師腹立つなと思ってやっと若様懲らしめてくれるのかと思った未完って…。解説読んでずっこけました。
    「好色」はお昼休憩に読んではいけない。
    唯一、「俊寛」だけは面白かったです。多分すでに知ってた話だったからかなと、

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    2025年06月05日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    芥川の名作。これは乙女でなくても大丈夫。いや、乙女の本棚シリーズなのにこれでいいのかと心配になる場面もある。でも、乙女の気持ちなんて「藪の中」なわけであるから、これでいいのか。

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    2025年05月13日