【感想・ネタバレ】舞踏会(乙女の本棚)のレビュー

あらすじ

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人気シリーズ「乙女の本棚」第44弾は、文豪・芥川龍之介×イラストレーター・Sakizoのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

「私は花火のことを考えていたのです。我々の生(ヴィ)のような花火のことを」

鹿鳴館で行われる舞踏会に初めて参加した明子。そこで彼女は、あるフランスの海軍将校に声をかけられる。

芥川龍之介の名作が、ロマンティックな世界観や装飾をあしらったデザインが好評を博すイラストレーター・Sakizoによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

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Posted by ブクログ

ある方のレビューを読んで余計に切なくなり2度読みをすると煌びやかな舞踏会の回想と青年に語っている老婦人との対照に理解した上で読むのと違った印象を受ける。そして絵が理解を助けてくれるので2度読みしても1時間もかからずに読めてしまう。芥川龍之介の作品は品があって自分は好きだなあと改めて思う。

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

 芥川龍之介は、1892年(明治25年)3月1日に東京に生まれ、1927年(昭和2年)7月24日に亡くなりました。作品は短編小説が多く、東京大学英文科出身であることからか、文章構成の仕方は英文学的・翻訳文学的で、論理的に整理された簡潔・平明な文体が特徴的です。
(以下、Wikipediaの記載などをもとに書きました。)
 この作品『舞踏会』は、1920年(大正9年)に雑誌『新潮』1月号に掲載され、翌年3月に新潮社刊行の『夜来の花』に収録されました。
 作品中に登場するピエール・ロティ(Pierre Loti 1850年1月14日−1923年6月10日)は実在の人物で、フランスの作家です。
 本名はルイ・マリー=ジュリアン・ヴィオー(Louis Marie-Julien Viaud)と言い、フランス海軍士官として世界各地を回り、訪れた土地を題材にした小説や紀行文、当地の女性との恋愛体験をもとにしたロマンチック小説を多く書き残しました。

 ロティは、1885年夏にフランスの戦艦トリオンファント号の海軍士官として長崎に約1ヶ月滞在し、日本人女性のおカネさんと同棲した経験から小説『マダム・クリザンテーム』(邦題『お菊さん』)を著しました。その年の秋には鹿鳴館のパーティにも参加し、そのときの見聞を「江戸の舞踏会」(短編集『秋の日本』に収録)に書いています。
 しかし、この中でロティはダンスを踊る日本人を、「しとやかに伏せた睫毛の下で左右に動かしている、巴旦杏(はたんきょう、とがりすもも)のようにつり上がった眼をした、大そうまるくて平べったい、小っぽけな顔」「個性的な独創がなく、ただ自動人形のように踊るだけ」と表現しているそうです。
(あらら? 本作『舞踏会』のイメージと違うわ。。。)

 芥川龍之介はロティに大いに関心を持ち、「ピエル・ロティの死」という文章を書いたほか、「江戸の舞踏会」に題材を得たこの作品『舞踏会』を書きました。(他にも、三島由紀夫はロティと芥川に影響を受け戯曲『鹿鳴館』を執筆しました。)

 ヒロインの明子という名前は鹿鳴館時代の「明治」から取られたらしいです。作中には皇室の菊の紋章が2度出てきますし、階段や舞踏室に無数に飾られた菊の花の描写は、国の威信を懸けて鹿鳴館を設け、西欧に追いつき追い越そうとする明治政府の強い意志と勢いが表されているかのようです。
 そして、その勢いと対比するかのように、ドンと音高く華やかに空一杯に咲き誇るものの、一瞬の後にはパラパラと夜空に消えていく花火、そしてヒロイン明子とフランス海軍将校の出逢いの儚さが、美しく描写されています。

 美しいですねぇ♡ 短編の名手 芥川龍之介の作品の中でも、いろいろな作家から高く評価されているのがよく分かる気がします。

 本作中、明子は17歳(明治19年 1886年)の秋にフランス海軍将校と舞踏会で踊った思い出を、32年後の大正7年(1918年)秋、49歳の時にH老婦人として、ある青年小説家に話します。
 青年小説家は、話を聞いた後で「奥様はそのフランス海軍将校の名をご存知ではございませんか」と尋ねます。

 この後の会話が、この小説の肝の1つだと思います。
 ぜひ本作でお読みくださりたく♡


でも、ちょっとタネ明かしを。(Wikipediaより)
 なお、刊行本収録の際、最後の老夫人と青年小説家の対話の部分は改稿された。
 H老夫人はフランス人青年を、ピエール・ロティだと知らなかったことになっているが、初稿では、最後の場面で青年小説家から海軍将校の名前を訊ねられた夫人が、それに答える部分は以下のようになっており、彼女がロティの素性を知っていたことになっている。

「存じておりますとも。Julien Viaud(ジュリアン・ヴィオ)と仰有る方でございました。あなたも御承知でいらつしゃいませう。これは『お菊夫人』を御書きになった、ピエル・ロテイと仰有る方の御本名でございますから。」—芥川龍之介「舞踏会(初稿)」

 芥川は、この結末を刊行本収録の際、夫人がロティの素性を全く知らないということに改変している。芥川が終結部で、対照的な夫人と青年の関係を描いていることについて、江藤淳は、青年小説家の「教養主義の空虚さ」を浮き立たせるものであると解説している。また、三好行雄は、「名を知ることで実を喪失する知的教養主義の〈空虚さ〉」を批判するためだと考察している。

きっと明子にとって、フランス海軍将校との出逢いの思い出にはどうでも良いことなのでしょう。。。♡

なんとなく調べる学習のようなレビューになりましたが、こんな風に遊ぶのも時には良いでしょう(と思ってくださいネw)

本当に美しい小説でございました♡
Sakizoさんのイラストとともに読むとさらにトレビア~ンですよ♡
キュンキュンとオススメいたします♡

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

切ない
でも、これが本当に御伽話なんかじゃなかったのがもっと切ない
美しい思い出の走馬灯の流れに合わせて私とどうかワルツを

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

芥川龍之介文学忌、河童忌

1920年大正9年「新潮」雑誌掲載

17歳の令嬢 社交界デビューへと
父と共に鹿鳴館へ
フランスの海軍将校に見そめられダンスを踊る
儚く艶やかな一夜
それが明治19年の出来事

大正7年老婦人の回想という形で
小説家の青年に語られる

ピエール・ロティ「お菊さん」
軍人であり文筆家 彼の「江戸の舞踏会」が着想
本名は ジュリアン ヴィオー

当時の国策としての鹿鳴館
日本の女性達は菊のごとく花火のごとく
美しかったんですよ

SAKIZOさんの女性陣のドレスが美しく
なーんとなく 着せ替えの切り絵を思い出し

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

イラストが美しすぎる…!!
ロティって誰だろ。
舞踏会ってこんな感じなのかな。
行くことはないけれど憧れてしまいますね。

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2025年03月31日

Posted by ブクログ

砂糖菓子のような美しく豪華ながら優しい色彩のイラストと、夢のような物語。
比較的暗い話の多い乙女の本棚シリーズのなかでは、明るく懐かしくロマンティックな一冊。
目の保養になるなぁ。

話自体が短いためか、今回は全ページにイラストあり。作品によっては文字だけのページが多いこともあるが、その点、すべてにイラストがついているのもポイント。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズ。
表紙の紳士の顔が濃く、どんなお話なんだろう…と思ってみたら。イラストと内容がピッタリの素敵な作品でした。

明治時代、とある舞踏会に出席した令嬢明子の体験が語られていきます。何と言っても描写が素晴らしく、イラストと相まって華やかな舞踏会の様子がこちらに伝わってきます。舞踏会の様子も、そこに集う美しい令嬢達も、叶うことならぜひ直に見てみたい…そんな気持ちになりました。

きっとこの将校と過ごしたのは、この日だけだったのでしょう。明子にとってこの舞踏会の夜は、まさにこの本の表紙のように美しく儚く、素敵な一夜だったんだろうなと思いました。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

乙女の本棚の一冊。
ここまで読んだなかでは、最も絵と文章の相性がよかったような気がする。
終盤、「老婦人」と呼ばれる人物が、自分より年下であることに衝撃を受けた。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鹿鳴館でおこなわれる華やかな舞踏会にやってきた十七歳の明子は、そこでフランスの海軍将校と出会い、すてきな一夜を過ごす。
場面転じて、老夫人となった明子は、たまたま汽車で乗り合わせた小説家の青年にその思い出を話して聞かせる。
しかし、彼女が記憶していた名前と、青年が思い当たった人物の名前とは異なっていた、ということが分かって幕はおりる。
謎の残る結末だったけれど、夢のような一夜を前に、本名なんて、本当なんて、別に大したことではないようにも私には思えた。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

芥川龍之介の頭の中では、どのような場面が、人物が描かれ、書かれた小説だったのだろうか。彼が生きていた時代には、実在し、舞踏会も開かれていたろうから。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

 乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとSakizoさんのコラボ作品『舞踏会』です。Sakizoさん、初めて知ったイラストレーターさんです。ちょっと、私の大好きなマツオヒロミさんの作風に似ていますかね…でもマツオヒロミさんは“和”のテイストも強いからちょっと違うかな、Sakizoさんは“洋”のテイスト!!でも、いい感じっ゚+.(´∀`*).+゚

 このストーリーの主役は、17歳の明子…初めての鹿鳴館での舞踏会、フランスの海軍将校にダンスを申し込まれ、高まる胸を抑え切れないほどの想いを経験します。32年後、明子はその時の淡い想い出を語るというもの…。

 大事にしたい想い出って、何年経とうとも色あせることはなく、残りますよね!私にもそんな想い出…ある、のかなぁ(´-`).。oO

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

ピエール・ロティ?知らんわ!( ゚д゚ )クワッ!!

はい、41おネェでございますよ
そして、Sakizoさん初めまして
まさにこの作品を描くために選ばれたような人なんだが…

舞踏会ですよ
天下一武違うわ!

うーん、なんていうかな〜
とっても美しいイラストなんだが、わいが乙女の本棚に求めるのは、この場面を忠実にかつ美麗に再現しましたよ!じゃなくてさ

そういう解釈もあるのか!とか
うわーなんかよく分かんないけどそんな感じやなーとか
なんていうかこっちにも想像する余地を残しといてくれるやーつなのよね

じゃないと「読まずにレビュー」も出来ないし(そこか!)

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2025年03月03日

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