芥川龍之介のレビュー一覧

  • 河童 他二篇

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     河童の国に迷い込んだら、慣れるまでちょっと時間がかかる。たとえばこんなことがある。河童の出産では、まず父親が母の股に口を付け、赤ん坊にこう尋ねることになっている。「お前はこの世界で生まれてくるかどうか、よく考えて返事しろ」突然こんなこと訊かれても、困ると思う。ちなみにこの赤ん坊は生まれるのを断ったらしい。「僕は生まれたくありません」かくのごとく河童の世界は変である。しかしできることなら一度のぞいてみたい。河童のトック君あたりとおしゃべりしてみたいものである。(けー)

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    2009年10月04日
  • 河童 他二篇

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    末期芥川の小説三篇。どれも死が匂う。これだけの短さの中で世界の空気を描く作家は、少ないだろう。
    『三つの窓』は良作。これを読むためだけに買ってもいい。平和を伴った閉塞の中で滅びを思う、この明るい小説こそ、芥川の真骨頂と感じられる。

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    2009年10月04日
  • 藪の中・将軍 アニメカバー版

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    大文豪芥川の短編集。なかでは「藪の中」、「俊寛」、「将軍」が印象深い。古さを感じず流れるようで心地よい。

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    2026年06月11日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    やはり芥川、太宰、オダサクは面白いね。スルスル読めちゃう。安吾、中也は初見読みづらいが読み込むと面白さが出てきそう。初心にたちかえり、この辺の小説を読み返したい。汚れちまった自分にもまだ響くのだろうか。しかし文豪は短命が多い。タバコ吸いで、ストレスまみれで、寝不足で、酒飲みでないと文章は生まれないのかな。

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    2026年06月04日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    『歯車』が読みたくて買った
    芥川の晩年に近い作品 全体的に暗い
    自殺者とか狂人とか作家とか、どの作品も芥川自身のことを暗示しているんだろうなと思った
    「死」に関する話が多かった印象
    芥川は色んな人を軽蔑してたけど、そんな自分も軽蔑してる、みたいな複雑な心理状態だったのかなと思ったりした
    生まれながらに抱いていた劣等感に近い感情は少し太宰治にも通じる気がした

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    2026年05月19日
  • 杜子春

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    ネタバレ

    金で贅沢をし尽くした末にある虚しさや、利害で繋がっている人間関係の脆弱さ等を描きながらも、対比として杜子春と母親の間の偽りのない愛情が描かれており、人生で大事にすべきものは何かを今一度考えされられた。
    お金でも空疎な人間関係でもなく、自分を本当に大切にしてくれる人や、自分が本当に大切にしたい人を、ありのままに大切にすることですよね。
    ただ、そこまで現実は極論で語れないと思いますし、これらの要素は相互に干渉し合うものだと思うのですが、この話は主人公がろくでもなかったり、極端だったりするのが奇譚として面白く、メッセージとしても分かりやすいのが良かったと思います。

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    2026年05月13日
  • 春の心臓(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。芥川龍之介訳の海外作品。

    一言で表すと、難しかった。
    永遠の命の為に修行を重ねてきた老人と、その老人に仕えていた青年。ラストはどういう事なんでしょう。青年の方が真理?に気付いていた、という事なのか、それとも別の読み方ができるんだろうか?
    理解出来なかったけど、挿絵のおかげか情景は想像できるような、雰囲気のあるお話でした。

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    2026年05月05日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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    〈乙女の本棚シリーズ〉
    芥川龍之介+Sakizo

    鹿鳴館の階段の両側にある大輪の菊の花は、花びらが乱れ咲いていて、その側を昇り降りするのは菊の花にも負けぬほどの色とりどりのドレスを纏った婦人たち。
    その中で17歳の明子もフランス語と舞踏の教育を受けていたので、見知らぬフランスの海軍将校と「美しく青きダニウブ」のヴァルスを踊る。
    踊りのあと…
    花火のことを考えてたと言う将校。

    夢のひとときのような舞踏会。
    それぞれに何を思い、感じたのだろうか。

    時が過ぎ…
    汽車のなかで見た菊の花束を見て思い出すのは、舞踏会のこと。
    お菊夫人を書いたピエル・ロティではなく、ジュリアン・ヴィオ。

    菊と舞踏会

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    2026年04月26日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    絵がとても素敵でした。

    陰鬱な空気を割って入るみかんの色の鮮やかさの描写は好きだけど、前半めちゃくちゃ差別しててなんだよという気持ちになる……

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    2026年04月23日
  • お時儀

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    ごく短い作品だが

    芥川龍之介のお時儀は芥川龍之介が得意とする短編の中でもとりわけ短い作品である。当時流行していた私小説の典型であるが、誰しも思い当たるであろう心の揺れ きらめきをやや衒いを帯びた文章で語っている。この作者にしては鋭さがないかな。

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    2026年03月19日
  • 奉教人の死

    購入済み

    芥川龍之介の切支丹物

    芥川龍之介が得意とした擬古文短編の中の代表的な切支丹物である。芥川龍之介らしい深い洞察やシニカルな見方はなく、割合と素直に読める作品である。もっとも、擬古文はなかなかに読みにくいが。

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    2026年03月14日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    名だたる文豪の耽美小説集なので、好きな人には気が狂うほどのめり込む作品群です。
    ただし読むのになかなかの精神的カロリーを要するので、ちょっと疲れている時に読むと目が滑ってしまいます。もともと好きな作品も何作か入っているのに、いまは読むのにとても時間がかかってしまった自分が悲しい。
    心に余裕のある時にどうぞ!

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    2026年03月10日
  • 杜子春

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    ネタバレ

    子供の頃本作を「児童文学全集」で読んだ。金持ちになって好きなものを腹いっぱいに食べる杜子春を見て「自分なら何を食べる?」と考えた。ケーキも寿司もいい。考えて考えて出した結論が「きんぴらごぼう」。いやそんなの金持ちじゃなくても食べられるでしょ。死ぬほど食えよと心中突っ込んだが、実際そんなもんだ。そう思わない?

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    2026年03月01日
  • 羅生門・鼻

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    本書は「王朝もの」と呼ばれる一群の短編小説である。『今昔物語集』や『宇治拾遺物語集』といった古典を題材に、芥川独自の視点で再構築された作品群だ。

    私は原典である『今昔物語集』は未読だが、著者にはそこに強く惹かれるものがあったのだろう。
    事実、本作のうち5編は同書を土台として創作されている。

    いずれの作品も人間心理を深く追求しており、そこで描かれる「侘び寂び」は単なる静けさや美しさにとどまらない。人間のエゴや無常観、人生の残酷さを背景とした、妖しげで寂しい空気感を伴っているのが特徴だ。

    特に興味深く感じたのは「邪宗門」である。
    しかし、物語が最高潮となる主人公と法師の対決場面で、突如として

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    2026年01月28日
  • 羅生門・鼻

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    2026年 日本文学クラシック特集
    そのテーマと純粋さ
    いつの時代も人間の本質は変わらない事の再確認

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    2026年01月11日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    話では聞いたことはありけど
    しっかりと読んだことがない話がたくさんあった
    こういう話だったのかと思ったm

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    2026年01月02日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    “蜘蛛の糸”はこんなに短編だったか?と、いつぐらい振りかわからないが、非常に懐かしく読ませてもらった。“猿蟹合戦”や“魔術”あたりは、皮肉がありつつも、読み応えがあった。

    仏教(法華経)をモチーフにされたものも多く、短編集ながらも読み応えのある一冊。

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    2025年12月20日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    どれも理解しやすいです。面白い!
    芥川を薦めるならこの1冊からが入りやすそうです。
    個人的には「蜜柑」推し。

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    2025年12月19日
  • 歯車 他二篇

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    この作品は、難しく簡単な読み物である。
    繊細な神経の持ち主ゆえの苦悩、常人では理解できない感性を伝え、わかりやすく表現している。
    言葉を頭で理解出来ても、心に染み込んでいかない気味悪さを感じた。
    ネガティブな行動を芥川なりのユニークな表現で昇華した作品。

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    2025年12月17日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    表紙の紳士の顔が濃く、どんなお話なんだろう…と思ってみたら。イラストと内容がピッタリの素敵な作品でした。

    明治時代、とある舞踏会に出席した令嬢明子の体験が語られていきます。何と言っても描写が素晴らしく、イラストと相まって華やかな舞踏会の様子がこちらに伝わってきます。舞踏会の様子も、そこに集う美しい令嬢達も、叶うことならぜひ直に見てみたい…そんな気持ちになりました。

    きっとこの将校と過ごしたのは、この日だけだったのでしょう。明子にとってこの舞踏会の夜は、まさにこの本の表紙のように美しく儚く、素敵な一夜だったんだろうなと思いました。

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    2025年11月29日