あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第25弾は、若き日の芥川龍之介が翻訳したアイルランドの文豪・イェイツ×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
少年は薔薇と百合とを両腕に抱えきれぬほど集めた。
アイルランドの湖のほとりで、老人と少年は今まさに秘密の儀式を執り行おうとしていた。
若き日の芥川龍之介が翻訳したイェイツの『春の心臓』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
妖精や神話が好きだったので、より面白く読めた。物語に出てきた紅帽子の精霊が特に印象に残った。アイルランドの赤帽子と同じ存在なら、悪い妖精なので老人は騙されたのかもしれない。
そもそも老人が求めたような永遠の命というものはなくて、生命や自然の美しさがあり、それらが最盛の状態である事を春の心臓と表現し、永遠と続く生命の繋がりや重なりを現しているのかもと思った。
戸口を葉っぱでふさいでいた老人はその美しさを見ることもなく死に、夢見た青春もなく寂しく終わっていく。それに対して少年は脈々と続く生命の美しさを感じ、答えを見つけた。
願望を追い求めすぎて閉じ篭もると、答えが見えなくなるのかもしれない。日々に目を向けて、向き合って生きたいと感じた。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
泉鏡花の時にも思ったのだが、やはり注か解説がほしいところ。ルビももう少しほしい。読むのにけっこうストレスがかかる。
だいたいの話はわかったと思うのだけど、答え合わせというか、ヒントというか、なんかちょっとよくわかっている人の話を聞いてみたいんだよね。
Posted by ブクログ
ついに手を出してしまった乙女の本棚シリーズ
イラストはとてもきれいでした。
ただ、文章が古臭くて読みにくく、肝心の内容がいまいち分からずでした。
Posted by ブクログ
はい、ゆーさんにだけ大好評の『読まずにレビュー』第4弾です!(ドキューン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!というちょっと頭のおかいや誰がやねん!( ゚д゚ )クワッ!!
(先に表紙拡大して確認してみてね)
はい、というわけでねイェイツ作『春の心臓』です
もう主人公いきなりヤリイカ頭に被っとるやん!んでなんか釣り竿持っとるやん!
主人公ヤリイカ漁師なのはまず確定ね
ここまでは割とイージーですな
しかし、場所はどう見ても山の中、はて?なぜにヤリイカ漁師が山の中に?
つかヤリイカの旬て冬よね
春ってことはもうヤリイカ漁は終わっとるわな
そもそもイェイツって何人やねん?
待てよ…ヤリイカ…イカ墨パスタ…( ゚д゚)ハッ!…イタリア人か!陽気なイタリア人か!なんか英語名っぼいけどイタリア人か!
分かったぞ!
〈あらすじ〉
イタリア南部に住むヤリイカ漁師のホノジロは得意先のパスタ店で小麦農家のトヲジと知り合いになりイタリア北部の山奥の自宅に招かれます
ヤリイカ漁も終わった春にホノジロがトヲジの家に遊びに行くと、そこは春の色鮮やかな風景が広がります
住むところも違えば、性格も価値観も正反対の二人でしたが、いつの間にか親友と呼べる関係に
しかし、ある日ホノジロはひょんなことからトヲジが重い心臓病を患い余命わずかであることを知ります
何とかしたいホノジロですが、自分はしがないヤリイカ漁師どうすることもできず、苦悩の日々を過ごすことに
そんな中、ホノジロは漁師仲間たちから伝説の黄金のヤリイカの噂を聞きます
季節外れの春に地中海に出現する黄金に輝く巨大なヤリイカの心臓を食べることで心臓病が治ると言うのです
トヲジを救うため春の地中海へ漕ぎ出すホノジロ
果たして黄金のヤリイカを釣り上げることはできるのか?
トヲジに残された時間は残り僅か!
熱き男たちの友情物語の結末は!?
〈感想〉
いやぁ、まさか最後あんなことになるとは…びっくりです
それにしても二人のやりとりが本当に楽しかった!ずっと見ていたい
男の友情っていいよね!
Posted by ブクログ
芥川龍之介文学忌、龍之介忌
芥川龍之介が 若い頃、生徒の為に翻訳した一編
魔術師の厳しい過酷な修行
それを支える若い少年
少年は献身的に仕えるが 魔術に伴われる現象を恐れている
魔術師は少年に金貨を残しており
生命の秘密を見出した際には
彼の人生を歩むことを希望する
魔術師は永遠の命を求めて古の神々のごとくになろうとしていた
魔術師がその命の終わりの朝、春の心臓が動き出していた
絵はホノジロトヲジ
作品の幻想的な雰囲気をよく描いている
ラストの慈しみ憐れむような真摯な少年の言葉は今の社会にも当てはまるのかなと思う
御心次第で、御行状や御一生の中にも見当たったものを
ケルト神話が大元のようです
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、イェイツさん(アイルランドの詩人)・訳は芥川龍之介さんで、ホノジロトウジさんのコラボ作品「春の心臓」です。ホノジロトウジさんのイラストはどこまでも、幻想的で神秘的な感じを醸し出しています。
物語の舞台はジル湖の湖岸…登場人物は老人と少年。17歳の顔の赤い少年は老人を師匠として慕い、老人は老いと断食などの修行からその顔には鳥の脚のように肉がない…。ここで秘密の儀式を行うために、少年は老人からの命を受けて、抱えきれないほどの薔薇と百合の花を集める…。
ちょっとわかりにくかったかな…遠い国のお話なので色々がつかみにくかったのは、私の読解力がたりなかったからだと思います。でも、なんとも悲しいエンディング…このあと、少年はどんな生き方をするんだろう…。この少年の未来が、明るいものであるように願いたいです。
Posted by ブクログ
ジル湖の岸に魔術師の老人と弟子の少年がいた。
老人は戒行の終と心願成就を目前にしていたが、少年は師を助けながらも恐れていた。
老人は少年に己のこれまでの行いと目的を語る。
ホノジロトヲジさんの挿絵と芥川の訳も手伝い私の目には妖しく暗い幻想物語だと映った。
Posted by ブクログ
アイルランドの詩人・劇作家、ウィリアム・バトラー・イェイツ。初めて読むどころか、名前さえも初めて知ったのですが、ノーベル文学賞受賞者なのですね。
芥川龍之介が訳したってなんとなく驚き。内容と言葉遣いが難解で、私の読解力では摑み損ねた。
秘密の儀式に失敗した老人と、静かにみつめる少年、薔薇と百合、鶫の鳴き声、そういったひとつひとつが物寂しく、その雰囲気はいつまでも余韻をひくものだった。