芥川龍之介のレビュー一覧
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【2025年84冊目】
下人と老婆の一幕を描いた「羅生門」、鼻の大きさに悩む和尚の「鼻」、芋粥を欲するあまり忌避することになる「芋粥」、御仏に従って財を手に入れた女「運」、愛と肉欲に悩む「袈裟と盛遠」、未完の異作「邪宗門」、恋焦がれた女を諦めるために奇行に走る「好色」、島流しにあった男が語る真実「俊寛」――表題作を含めた8作の短編集。
羅生門を読みたくて手に取りました。何度読んでも好きすぎる。文体も比較的読みやすい作品だと思います。鼻は以前読んだことがあったのですが、忘れてたので新鮮に楽しめました。邪宗門は長い割にイマイチ物語の輪郭を捉えきれないままに終わっちゃいました。好色がある意味一番怖かったかも…思いもよらぬ展開に「恋は盲目どころちゃうやろ」と戦きました。
読みにくい物もありましたが、羅生門だけで価値がある一作といえば、作者に怒られるかもしれませんね。でも羅生門はやっぱり何度でも読み返したいなと思ってしまいます。 -
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ネタバレ■江戸川乱歩「鏡地獄」
既読を再読。
■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
未読のまま。
水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。
■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
初読。まさことまき。
百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
推理小説<恋愛小説。
■泉鏡花「妙の宮」 ★
初読。
たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。
■木下杢太郎「少年の死」
高原英理・編「少年愛文学選」で既読。
■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
Misanthrope はフランス語で「人間ぎらい」の意味。
■夢野久作「死後の恋」 ★
どこかで読んで、ポッドキャストで朗読を何度も聞いて、また読んだ。
グロテスクと美が結びついたらこうなる。
■芥川龍之介「疑惑」
初読。
まあまあ。
■小川未明「百合の花」
初読。
太郎。勇。独楽。泉。お花。百合の花。
言葉と絵で描く夢のような。
■中島敦「文字禍」 ★
再読、かもしれない。
いわゆる「ゲシュタルト崩壊」を、その概念が提唱されるもっと前に小説化している。
しかもある意味残酷童話的な話として。
これは面白い。 -
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ネタバレ総題の漢字よし。
収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
カバーイラストも素敵。
新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!
■坂口安吾 桜の森の満開の下
既読を再読。
■芥川龍之介 影 ★
初読。
芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。
■江戸川乱歩 芋虫
既読を再読。
■泉鏡花 浮舟 ★
初読。
少年士官、袂の懐中時計が消えたと思いきや、遭遇した赤ん坊が持っている。
赤ん坊は落ちないよう橋に赤い帯で結ばれている。
という、それだけの話。
それだけなのに、耽美で禍々しい予感だけが、際立つ。
■折口信夫 身毒丸
初読。中公文庫で読み切れなかったのだ。
で、実際読んでみても、あまり文意が読み取れず。
俊徳丸伝説をもとにした謡曲や説教はもとより知らず。
中上健次や三島由紀夫文脈で名前を聞いたことがあるくらい。
wikipediaに、
>折口信夫は俊徳丸伝説から仏教的・教義的な要素を取り払い、近世芸能の原始的なかたちを再現することを意図して短編小説「身毒丸」を書いた(大正6年発表)。「身毒丸」は「しんとく丸」にこの字を当てはめたもので、主人公は先祖伝来の病を持つ田楽師の息子として描かれている。折口信夫は「しんとく丸は『俊徳丸』と表記されることが多いが、もともとは『身毒丸』と表記されていたのだろう」と語っている。
とあるが。
なんとなくホモホモしい雰囲気で、いいといえばいいのだが。
■小栗虫太郎 白蟻 ★
初読。
面白……かったかどうかはわからないが、なんだか凄みのある文章だった。
というのも、人里から隔絶された家族は全員狂って、野生に返っていると思いきや、実際は明朗な滝人という女。
明朗というか、小栗式衒学を織り交ぜる形で、木の根っこに対して延々語りかける、その絵面はもう狂人。
しかも子供はフリークスで、足元の草むらをザザザーッと這い進む、それを殺人の道具にしちゃう、という、もうドウカシトル話。
その背後には、夫が入れ替わっているのでは!? という疑念があるわけだが、その犯行理由が凡庸に思えるくらい、クルットル設定で、あー確かに「黒死館殺人事件」でもワケワカランが勢いは凄まじかったなと思い出した。
■谷崎潤一郎 刺青
既読を再読。
■夢野久作 瓶詰地獄
既読を再読。
■太宰治 駈込み訴え
既読を再読。
耽美幻想という函に入れられることで、別の見え方。
■夏目漱石 夢十夜
既読を再読。 -
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ダラダラと一年近くにわたって読んでいた本。
この数年では最も時間がかかった本かもしれない。
内容は広義で子供向けの短編が17本もあり、細切れで読むには向いていたが、なぜか 妖婆 が私には手強くて、そこで数ヶ月止まってしまっていた。
単純明快でキレのいい文に洒脱さとアイロニー。
多くの短編は、芥川のいいところがバンバンと感じられて楽しかった。
猿蟹合戦は最後の一文を見て、ああ、これ昔読んだなあと雷に打たれたようにハッとした。
昔読んだのは 舞踏会 が入っていた気がするが。
昔から好きなのは、トロッコ、杜子春、魔術。
この辺は本当にうまいなあと、今回もしみじみと思った。
今回おそらくはじめて読んで良いなと思ったのは、老いたる素戔嗚(ほとんど古事記そのままですけど芥川味があってすごい)、雛。
三つの宝 という子供用のお芝居で、アフリカの黒人の王様が人格が素敵すぎてびっくりした。お姫様、見る目ないんじゃないか。
ところで。
今回、岩波文庫では芥川《龍之介》ではなく、《竜之介》表記になっている、と聞いてこの本を手に取った。
本当に、「竜」になっている…いったいなぜ。
本人と三兄弟やその子孫はこれで嫌がらないのか。
かつて国語のテストでバツがついた竜之介側の人たち、この本を片手にもっと立ち上がってもよいのでは。 -
Posted by ブクログ
初めて触れた、芥川作品。羅生門は高校生の時に授業で触れて以来の読書でした。大人になった今、羅生門に登場する老婆、下人それぞれの動向を見ていると、各々の事情があったのだなぁと改めて思い出されました。女の死体から髪の毛を引き抜く行為、その老婆の衣服を剥ぎ取る行為。それぞれがお互いの「正義」(と言っていいのか分かりませんが)を主張してしまう場面は現代の生活においても度々みられているなぁとしみじみ思いました。他の作品は、芥川節が炸裂しており、私の様な頭では少々理解に苦しむ様な作品ばかりでした。もっと芥川に触れることで作品の世界の美しさを感じられるように精進したいと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ教養がもう少しあれば理解できたかも。
注解がなければもっと分からなかったかも。
正直、「羅生門」と「鼻」はだから?って感じでた。
「芋粥」はいや、食べれるんだから嬉しくない?と思ったんですが、よくよく考えると芋粥くれるって言った人馬鹿にしてるのか?と思いました。このあたりも文章ちゃんと理解できてないから心情が伝わってこないんだなと思いました。
「邪宗門」はあっちこっち話飛ぶな、摩利信乃法師腹立つなと思ってやっと若様懲らしめてくれるのかと思った未完って…。解説読んでずっこけました。
「好色」はお昼休憩に読んではいけない。
唯一、「俊寛」だけは面白かったです。多分すでに知ってた話だったからかなと、理解がしやすかった。
ただ、わたしどこで俊寛知ったのか覚えてないんですよね…。鎌倉殿の13人か以前読んだ平家物語か??なんか映像浮かぶから鎌倉~の方かと思ったんですが、調べてもそれらしいのが出て来ない…
こっちの俊寛の方が私は好きです。というか、知った当時も普通現地の人と交流持ったりしないか?思った記憶…