芥川龍之介のレビュー一覧

  • 羅生門・鼻・芋粥 アニメカバー版

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    ○目次
    「老年」/「ひょっとこ」/「仙人」/「羅生門」/「鼻」/「孤独地獄」/「父」/「野呂松人形」/「芋粥」/「手巾」/
    「煙草と悪魔」/「煙管」/「MENSURA ZOILI」/「運」/「尾形了斎覚え書」/「日光小説」/「大川の水」/「葬儀記」/注釈・解説/吉田精一「芥川龍之介-人と作品」/三好行雄「作品解説」/年譜

    芥川龍之介の青年期の作品も多数含まれているが、なにか熟成したような、人生を俯瞰したかの如き作品になっている。
    「老年」や「ひょっとこ」は敗残した人生や「偽」という仮面を被った人生の虚しさや儚さを見事に描いているし、「鼻」・「羅生門」・「芋粥」のように人間のエゴイスティックな

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    2016年02月22日
  • 【語注付】地獄変

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    ネタバレ

    装丁 小畑健氏による芥川氏の表紙だったんだが。。
    解説 高橋敏夫氏。深く解説してくれる。
       北方謙三氏。好きなんだな~と思う解説。

    羅生門・鼻・地獄変・蜘蛛の糸・蜜柑は教科書で知っていたが、その他も結構面白い。
    文体が作品によって違う(古典風だったり)ので
    ものによっては読み解くのが大変だが。
    多彩、というイメージ。

    奉教人の死がベルサイユのバラみたいに漫画化できそうだな、と思った。ろおれんぞ は しめおん を兄として、ひょっとしたらそれ以上に慕ってそうだったので。

    大川の水
    羅生門

    芋粥
    地獄変
    蜘蛛の糸
    奉教人の死
    蜜柑
    舞踏会

    藪の中
    トロッコ

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    2015年10月01日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    芥川の中では聞いたことの無いような作品が多かった。いい機会に読めたと思う。一つひとつの短編同士が繋がっていることでいくつかのまとまりとしてすんなり溶け込むことができ、彼の中では非常に読みやすかった。しかしまだ最近のものと比べると難しく感じるので今後も慣れ親しんでいきたい。やはり有名どころは面白く「地獄変」や「藪の中」は秀逸だった。

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    2015年08月31日
  • 蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇

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    やっぱり短編は面白いですね。すっと読めます、すっと。ちょっと苦手な話もすぐに終わりますし。まあ好みの話も終わりが早いんですけどね、それを含めて好きなのかもしれません。私が彼の作品を知ったのは杜子春でした。毎朝5分ほどNHKあたりでやっていたのを記憶しています。それから早10年、『父』を理解できるレベルに成長できました。次の10年ではどこまで理解を深めることができるのやら。

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    2015年08月19日
  • 舞踏会・蜜柑

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    大正八年度作品集と裏には記されている。但し解説によればこの時期芥川は作品の美的完成を見るのに大層苦心していたそうである。作中主体から客体への転落(芥川は停滞或いは退歩と呼ぶ)、恐らくは青年期特有の輝く感性の死。其処から熟成していくことは彼にはできず、狂気へと転落しながら喘いでそれでも作家たろうとしていたのだろう。その生き様には感服する。真似はしないしできないが。
    それにしても短編というものは、連作でもない限りひとつひとつの余韻が大きく次へ進むまでに間が必要なように感じる。そういう意味では決してこの作品群も「無駄」とは言えないと思う。

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    2015年05月10日
  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    芥川の鋭い筆致によって人間の業、強さ弱さを浮かび上がらせた作品を、うまくまとめていると思う。装丁が美しいのもポイント。最後の一編だけすこし「ちがう」気もしたが、巻末には年表も付いていて十分に楽しめた。

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    2015年03月08日
  • 杜子春・南京の基督

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    「秋」
    理想とは手に入れた瞬間から色あせてしまうものだと
    直観的に知っていたのであろう彼女は
    あえてそれに背を向けるのだが
    そのことが果たして正しかったのか間違っていたのか
    誰にもわからない
    後悔することもできず彼女は呆然と「秋ーー」なんて

    「黒衣聖母」
    黒の聖母は残忍かもしれないが
    祈りを強制はしないし
    少なくとも祈ってるあいだ救われてるんだよねぇ

    「或敵打の話」
    苦しい者こそ救われる
    苦しみの無い者には救いも無い
    救われたいという欲求はそれほどにも切実だが
    切実ゆえに嘘の救いであっさりだまされてしまうんだねぇ

    「女」
    芥川に最初の子供ができた直後の作品
    ちょうど「狂人の娘」に悩まされ

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    2015年03月05日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    既に読んでる短篇集とかぶってるのもあった気がするけど、限定カバーに惹かれて購入。

    芥川作品はなんだか定期的に読みたくなる時が来る。
    好きなんだけど、どこがどう好きかと言われるとはっきりと言えないとこがもどかしい。
    しいて言えば、寂寥感や孤独感を感じるところだろうか…。

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    2014年10月24日
  • 【語注付】地獄変

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    自分が読んだのはこんな間抜けな装丁のやつではなかったんだけど。芥川龍之介は蜘蛛の糸とか羅生門とか鼻みたいな時代小説よりもこの本の後半に収録されている蜜柑や舞踏会、秋みたいな現代を舞台にしたものが面白いと感じた。

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    2014年10月19日
  • 【語注付】地獄変

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    羅生門、地獄変、鼻、トロッコは作品そのものが筆舌し難い力を持っているなあ。芥川龍之介の生の力なのか、それとも死へ向かう力なのか。仏教に通ずる世界観(というか芥川は仏教徒なのか?)が華やかにもおどろおどろしく描かれている。蜘蛛の糸ではその天国の華やかさが、カンダタのいる地獄とはっきりとした差異をもって描かれており、また地獄変ではより凄惨な地獄の様子がグロテスクにもどこか美しく描かれている。一つ一つの作品が芥川龍之介の悍ましいほどのエネルギーの投影であり、一色他に評論できるものではないと、これを書きながら痛感している。

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    2014年07月07日
  • BUNGO 文豪短篇傑作選

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    名作ばかりを集めているのだから、当然面白い。ベストアルバム的な。
    ただ、ベストアルバムには全体でのストーリーが感じられないのでそれが嫌だったりします!

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    2014年07月05日
  • 戯作三昧・一塊の土(新潮文庫)

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    「或日の大石内蔵之助」
    坪内逍遥の「小説神髄」から
    近代日本文学は始まったとされるのだが
    それにおいてまず批判されたのは
    江戸期の戯作文学
    その中でも、「勧善懲悪」と呼ばれた
    読んで字のごとく、いいもんがわるもんをやっつける
    単純なお話だったという
    武家社会においては、特に「忠義」というものが
    善きこととして人々にすすめられたのだけど
    これは、日本人のナショナリズム・ナルシズムにも
    密接にかかわる重大な問題である
    「信じられるもの」のために、命をかけたいのだ
    しかし、そのような物語になんの疑問もなく熱狂することは
    あまりに信用ならない
    あまりに軽薄なことではないだろうか

    「戯作三昧」
    滝沢馬

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    2014年06月16日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    地獄変は相変わらずの壮絶さ。高校の時の国語の先生と絶賛し合ったのがとても懐かしかった。好色は恋狂いってまさにこんな感じだと思えた。今まで真剣に人のことに恋した事のない人ほど人に真剣に恋すると辛い思いをするものですね。

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    2014年02月02日
  • 羅生門 杜子春

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    羅生門、杜子春をはじめ芥川龍之介の短編名作が集合。芥川というと難しいイメージだがそんなことはなかった。もちろん深読みすればきりがないでしょうが。

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    2014年01月31日
  • フーシギくん他 水木しげる漫画大全集

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    ネタバレ

    『フーシギくん』

    『ムーラちゃん』

    『水木しげるの妖怪めぐり』

    『ひろすけ童話 泣いた赤鬼』

    『ざしきわらし』

    『こわいおばけのはなし バタバタ石』

    『一つ目入道の話』

    『日本民話ものがたり ようかい百ものがたり』

    『日本神話 やまたのおろち』

    『日本名作 くもの糸』

    『怪談名作 耳なし芳一』

    『日本むかし話』

    『六助とヒトデくん』

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    2014年01月26日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    芥川龍之介の『蜘蛛の糸』『藪の中』『悪魔』『羅生門』『不思議な島』『地獄変』を読んだ。残酷さの感覚が簡潔と感じる。故意に怖がらせようとか驚かせようとか言う作者の押し付けが皆無。ぐーっと引きこまれる感じは、耳元で読み聞かせて貰っている様な感じになる。漱石とか太宰が回りくどく感じたよ…芥川読むと。物凄く現代的、と言うのかなぁ。

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    2013年12月25日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    まず、この作品集を20そこそこの芥川が執筆したということに大変驚いている。読んでいてたまに深呼吸しないと胸が苦しい。面白かったかと問われれば素直に首肯できないが、凄まじいエネルギーを感じた。「鼻」や「羅生門」が良かったと感じる私は未熟者だろうか。有名どころ以外では悪魔の話が良かったな。2012/173

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    2013年11月15日
  • BUNGO 文豪短篇傑作選

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    なんだろうこのくくりは、とちょっともやもやするけど一編一編は素晴らしい。三浦哲郎の「乳房」以外は全部読んだことある作品だったけど。なんで谷崎は「冨美子の足」にしたんだ。
    「グッド・バイ」は何回読んでも同じところで笑える。

    小説に出てくる食べ物って芥川の芋粥ですらなんとなく食べたくなるのに岡本かの子の「鮨」だけはちっとも鮨食べたくならない(褒めてます)。

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    2013年10月26日
  • 侏儒の言葉・西方の人(新潮文庫)

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    芥川龍之介さん、ものすごい口悪い。

    例えば、「小児」の項(言葉遣いは意訳)――
     軍人は子どもに近い。英雄らしい身振りで喜んだり、栄光を好んだりするのは特に。機械的な訓練を大事にしたり、動物的な勇気を重んじたりするのも小学校だけに見られるこの。殺戮を何とも思わないところなんかはもう子どもとしか言いようがない。特に子どもにそっくりなのは、ラッパとか軍歌とかに鼓舞されれば、なんのために戦うかも考えずに喜んで敵に挑むところ。
     だから、軍人が誇っているものだって必ず子どものおもちゃにそっくりだ。派手に飾った鎧兜なんて成人の趣味にあうものじゃない。勲章だって・・・本当に不思議だと思う。酔ってるわけで

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    2013年09月15日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    芥川龍之介の王朝物。
    「運」…仏のご利益についての短編
    「道祖問答」…道命阿闍梨と翁の短編
    「袈裟と盛遠」…袈裟と盛遠の独白からなる短編
    「地獄変」…地獄変を描く絵師の短編
    「邪宗門」…異形な沙門をめぐる短編(未完結)
    「竜」…源隆国と思われる人が双紙を編む短編
    「往生絵巻」…多度の五位という人物が出家した短編
    「好色」…平貞文の短編
    「藪の中」…今昔物語の『妻ヲ具シテ丹波ノ国ニ行ク男大江山ニ於テ縛ラルル』を題材にした短編
    「六の宮の姫君」…身寄りのない姫と、姫を残して京を去る男の短編
    「二人小町」…小野小町と玉造小町の短編

    「運」の題材も今昔物語『貧女清水観音値盗人夫語第三十三』だそう。

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    2013年07月19日