芥川龍之介のレビュー一覧
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感想としては、全体的に、リアリストかつ悲観的な方だったのかなというイメージを受けた。
知性は極めて高く、古典を原案ととる作品が多く、読書量がうかがわれる。
残っている所謂娯楽や芸術を目的とした近代文学の最初に近い世代なので、参考とする作品が、後の文豪より少なかったと思われる。この本に関しては、今昔物語が最も多い。
同じ文豪と呼ばれる谷崎、太宰、川端と異なり、純粋な娯楽というより、何らかの教訓を含んだ話が多い。夏目漱石より若いが、材料を古典にとっているので、さらに古典な香りがする。
愛妻に対する手紙を読んだことがあったので、
暗い?イメージはなかったのだけれど、なんというか
覗いては不幸に -
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ネタバレ表紙の紹介では、広い意味で「子供向け」とあったが、ブラックユーモアや、人生の汚さを扱ったものもあり、どうだろうと思った。
父は、思春期の友達の前で、そうとは知らない友達が、自分を見送りに来た父親をからかうのに同調する青年と、からかわれているのが青年の父であることを知っている私の話。
気持ちはわかるが、気分は良くない。
酒虫は深い。体内に寄生する虫のせいで酒に酔えないと、坊主に言われ、取り除いてもらう。すると、酒を飲めなくなり、健康も害していく。これに3つの解釈を唱える。1には、幸運であった酒虫が、悪僧によって除かれしまった。2は、元々酒虫とは関係なく、健康が害された。3が深い。酒を飲めない -
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ネタバレ地獄変は教科書で学んだ宇治拾遺物語の「絵仏師良秀」の続きのお話。
燃え盛る家の中で女房子供が燃えているのを見て、不動明王の背中の火を描いたというサイコ良秀は、今回も健在。
地獄の様子を屏風にしろと言われ「私は見たものしか書けん!」と、自分の娘が牛車で燃やされても、絵を描いていた。
良秀が芸術のためなら家族の命だって厭わないという狂信的な芸術至上主義なのはわかったけど、それだけじゃ「宇治拾遺物語」と同じ。
ここからが芥川。語り手のうさんくささ(事実を言っていない可能性)と、大殿の実際の行動から、良秀も大概だけど、大殿もかなり性格が悪そう。
そんな大殿が良秀を嗜めようと、見たこともないは -
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いづれも芥川龍之介のことを知らないと理解できない作品だと思う。その意味で、読んだが理解できなかった。特に『蜃気楼』は意図さえもわからない。解説やWikipediaには敢えて筋も中身もないものをこさえようとしていたと書かれているが、本当にそうなんだろうか。主人公はただただ何をみても聞いても気味悪さを感じて独り妄想に走りがちになるが、友人や妻の返答で実は全て何でもない取り越し苦労であったことに気がつく。そういう場面がいくつか繰り返されて終り。なるほど一読すると中身も筋もない。三島由紀夫らは、詩的な作品だと述べ、ほかにも絵画的だと評価した人もいるらしい。短篇なので、筋はつけにくい。短篇だからそう感じ
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ネタバレ久しぶりに読んだ芥川龍之介の作品でした。
今回強烈に感じたのは、和の様式美とでも言うべき彼の文章の美しさです。全作通じてカタカナが殆ど見当たらず、ほぼ全て漢字とひらがなのみ。熟語の並ぶ堅苦しさも若干感じこそすれ、それは日本語本来の美しさや様式美に通ずるように感じました。
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さて、本作に収められている作品ですが、「袈裟と盛遠」、「蜘蛛の糸」、「地獄変」、「奉教人の死」、「枯野抄」、「邪宗門」、「毛利先生」、「犬と笛」の8作品。
「蜘蛛の糸」は非常に有名ですが、恥ずかしながら私は芥川龍之介といえば、これと「羅生門」くらいしか知りませんでした。
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で、今回本作をすべて読んで、「袈 -
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「地獄変」が余りに強烈だ。
溺愛する娘を車ごと炎で焼き、その様を地獄変の屏風として描くという、狂気じみた物語。
親である良秀、娘を召し上げた大殿様、彼らの情愛と執着が物語の進行と共に狂気を帯びてゆく。
良秀にかぎっては、大殿様との直接の場面前にも、地獄変屏風のリアリティを求める余り弟子を痛めつけるという奇行に走るのだが。
物語は第三者の口語敬体(です・ます調)の丁寧語(でございます)で語られるのだが、
敬意を持って丁寧な口調であればある程、狂気の沙汰が恐ろしい。
車に火を着けてからみるみるうちに車を包む炎の様子、炎の中の娘の姿、良秀と大殿様のそれぞれの表情の変化、それらが息をもつかせぬ緊張感 -
ネタバレ 購入済み
ファンタジー
河童の国に行って生活をするというファンタジー作品です。河童と河童語で話すところはおとぎ話のようです。しかし、割と生々しいというか、生臭そうな感じで、子供向けでは無さそうです。
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ネタバレ収録作品は、『秋』『黒衣聖母』『或敵討の話』『女』『素戔嗚命』『老いたる素戔嗚命』『南京の基督』『杜子春』『捨児』『影』『お律と子等と』『沼』『寒山拾得』『東洋の秋』『一つの作が出来上るまで』『文章と言葉と』『漢文漢詩の面白味』
また最後には同時代人の批評も載っている。
『素戔嗚命』は長いせいか、よく覚えている。正直、素戔嗚命に感情移入はできなかった。というか性格が悪いと思った。特に娘と娘の彼氏に対して。
『南京の基督』では、名状しがたい気持ち悪さを感じた。良さが分からなかった。
『杜子春』はある程度話は知っていたが、読んでみても面白かった。人間の真理をついているように感じた。