ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
1pt
大正7年、芥川はすでに文壇に確たる地歩を築き、花形作家としての輝かしい道を進んでいた。愛娘を犠牲にして芸術の完成を図る老絵師の苦悩と恍惚を描く王朝物の傑作「地獄変」、香り高い童話「蜘蛛の糸」ほか、明治物「奉教人の死」、江戸期物「枯野抄」など溢れる創作意欲の下に作品の趣向は変化を極めている。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
未完の『邪宗門』を初めて読んだ。序盤から芥川らしい世界観に浸り面白かったが、終盤、摩利信乃法師と僧都の法力合戦になったあたりで未完のまま放置したのもわかるような気がした。あのあたりで詰んだ感じがした。最後まで長編をものにできなかった芥川に足りなかったものは何だったのだろうかと思う。
読んだ話は ・袈裟と盛遠 ・蜘蛛の糸 ・毛利先生 ・犬と笛 で、まだ半分は読み切ってない状態なんだけど、ここまですごく面白かった。有名な話は蜘蛛の糸と地獄変なんだろうけど、自分のお気に入りは『毛利先生』『犬と笛』かな! とくに『犬と笛』は、難しい単語が無いから初めて読むならおすすめ!日本の昔話の...続きを読むような話。子供に読み聞かせてもいいと思う。
芥川作品の中で蜘蛛の糸が1番好きな小説。お釈迦様は何でもお見通しですね。人間とは醜い生き物でもあるなと。私もカンダタの立場なら、同じようにしていたのかもしれません。私の中の教訓本。卑しい心ではなく、相手を思いやるキレイな心を持って生きたい。
考えながら読む、ということが許されなかった。それほどに話に引き込む言葉選び、描写の仕方、構成。ただただ面白く、貪るように読み進めていきました。 解説を読んではじめて考察することができました。 これは一度だけでは考察しきれない作品だと思います。それほどに、お話の一つひとつが面白すぎるので。 蜘蛛の糸...続きを読むはずっと小さい、それこそ小学生のころに杜子春などと一緒に読んだ記憶がありますが、大人になってから読むとまた違った見方ができて面白いですね。 解説をうけて、確かにこれを子供に読ませるのは、酷いかもしれないなぁと思いました。あまりにも現実を突きつけすぎていますよね。ここから反省をして次に生かしていると知り、納得しました。 この本は、一度めは純粋にお話を楽しみながら読む。 二度めは芥川の考え、思いを推し量りながら読む。 二度だけではきっと足りないでしょう、何度も読むことで芥川の考え方を理解できると思いました。 すぐに2周目にいきたいところですが、ほかにも読みたい本がたくさんあるので、また後日、日を置いてから読んでみたいと思います。 でも、それでもまた「面白い!」と思って考えられないのかな…そんな気もしています。 芥川は芸術家ということが、この一冊からでもよく理解できました。本当におもしろかったです。
羅生門を読んでから、芥川龍之介さんの作品に触れてみたいと思い買ってみましたが、凄く面白かったです。 所々言葉の意味が理解できず、読めないところもありましたが、勉強になりました。個人的に、「蜘蛛の糸」、「毛利先生」、「犬と笛」が心に残っています。
色んなパターンの作品を読めて面白かった。格調高く静かな印象なのに、臨場感があって手に汗握る作品ばかり。『袈裟と盛遠』が一番好きかも。
図書室。芥川を紐解きたくて。 「奉教人の死」がとても良かった。イエスキリストとはこういう人だったのかも。 「地獄変」も良かったな。
中学、高校時代に芥川龍之介を貪るように読んだ。 ほとんど文庫で読んだのだが、どうしても書簡集も読みたくて、全集の書簡集の巻も愛読した。 好きな作品はいくつもあるが、あまり取り上げられることのない、「袈裟と盛遠」(1918)に非常に感銘を受けた。 袈裟と盛遠、共に人の名前だ。 つまり、「トリスタンと...続きを読むイゾルデ」(「イゾルデとトリスタン」)と言ったようなタイトルだ。 袈裟は袈裟御前、女性の名前。 「盛遠」は、出家する前の文覚のことだ。 だから、袈裟は女性の名前と共に、後の盛遠の出家を象徴している。 文覚は、伊豆に流罪となった時に同じく伊豆に流されていた源頼朝と知り合う。 頼朝にその父義朝の髑髏を見せて、平家追討の決起を促したと言われている。 源氏の勝利後、鎌倉幕府の朝廷に対する窓口として権勢を奮った。 頼朝死後、後鳥羽上皇の時代に失脚、流罪になる途中で客死する。 仏教(真言宗)を政治に使う正に「怪僧」と言える。 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、市川猿之助がこの奇怪な僧を、奇怪に演じていた。 だが出家前、盛遠は北面武士だった。 と言うことは、「怪僧」とは縁遠い、家柄、容貌、武芸、蹴鞠、和歌に優れた若者だったはずだ。 (平清盛、西行も北面武士。ルックス抜群、運動神経抜群、武芸抜群のスーパーエリートたちだ) 芥川の本作には、モデルがある。 「源平盛衰記」だ。 袈裟は人妻、その美貌の人妻に恋をするのが北面武士、盛遠。 盛遠は、袈裟の夫を殺害しようとして、誤って袈裟を殺してしまい、そのため出家した、と語られている。 文覚の出家譚としての物語だ。 芥川は、これを、近代人の心理ドラマに換骨奪胎してみせた。 話法は、独白体。 盛遠と袈裟の別々の独白を並べることで、物語を重奏的に仕上げている。 これを、より複雑にすると「藪の中」(1922)になる。 従って、芥川23歳の作品、「袈裟と盛遠」は、過度的な作品であると言える。 「信用できない語り手」という独白体を生み出したのは、エドガー•アラン•ポーだ。 ポーの作品はほとんどが、「信用できない語り手」による語りで成り立っている。 夫の殺害を持ちかける盛遠の、それを言ってはダメだと意識的には抑圧しながらも、無意識のうちに口が勝手に動く恐ろしさは、ほとんどポーの短編を思わせる。 だから、本作も、二人の「信用できない語り手」による独白として、眉に唾つけて読まなくてはならない。 本作は、枠組みとしては三角関係だが、独白が二つしかないことから分かる通り、実質的には、男と女の二人の心理劇だ。 第三の男は「夫」という袈裟というヒロインを縛る存在であれば、誰でも よいのだ。 だから、この三角関係は、「中原中也-長谷川泰子-小林秀雄」の正当なる三角関係というよりも、吉本隆明の体験した擬似三角関係に近い。 芥川龍之介は、彼の同世代の中原悌二郎の彫刻に感動したと語っている。 この中原の師事したのが、ロダンに直接師事した荻原守衛(碌山)だ。 芥川が、守衛の傑作「文覚」と「女」を見ていたという証拠はない。 見ていなくとも、芸術家との繋がりの深かった芥川のことだ、「文覚」と「女」の存在も、その作品の背景も知っていた可能性は強い。 だから、「袈裟と盛遠」のもう一つのモデルとして、相馬黒光と荻原守衛を想定することも可能だろう。 芥川の「袈裟と盛遠」の裏には「黒光との守衛」があったと、思うのだ。 守衛の「文覚」は、煩悩の塊のような彫刻だ。 それは今にも人を殺すような迫力を持ち、その内なる暴力をかろうじて両腕を組んで抑え込もうとしている男の危うさを表現している。 守衛は姉のように慕う黒光が、夫の不倫で苦しむのを見かねて、噴出しようとする黒光に対する愛と、その夫を殺害したいという内なる暴力を、「文覚」となって抑え込もうとしていたのだ。 組んだ腕を解いた瞬間、その愛と暴力は迸る。 だから、「文覚」は、守衛の自画像だった。 守衛の「女」は、遺作だ。 彼が30歳で結核で死去した後に、アトリエで発見された作品だ。 遺品整理に訪れた黒光は、その彫像を発見した瞬間、息が止まり、倒れそうになったと語っている。 「これは私だ」と直感した、と言う。 後ろ手に縛られた(手を組んだ)女性が、それでも天を見上げて、立ち上がろうとしている。 打ちひしがれながらも、逞しく生きようとする女性の姿をこれほどダイナミックに造形した作品は他にない。 師であるロダンもこれを見たら絶賛したことだろう。 黒光とその夫は、新宿中村屋を作り、若き芸術家の支援を行っていた。 その夫を殺し、黒光を奪う、という内側から噴出する想いをかろうじて抑えた守衛は、密かに、黒光の苦悩と希望を彫刻に込めていた。 それを見た時の黒光の衝撃を思う。 守衛が3歳年上の人妻黒光に出会ったのは、彼が17歳の時、出身地安曇野ででのことだった。 その時、黒光は、白いパラソルをさしていたという。 そんなハイカラな格好を見たこともなかった少年にとって、白いパラソルをさした都会的な知的で芸術的な美女の姿は、モネの「パラソルをさす女」のように眩しく、正に「ミューズ」に見えたことだろう。 この出会いが、守衛を芸術に導き、パリに導き、ロダンに導き、黒光との再会に導いた。 芥川が、守衛と黒光の関係を知っていたかどうかは分からない。 だが、「源平盛衰記」という原型に、守衛と黒光の関係を投影することで、平安時代の物語は、近代の物語に変貌した、という想いを抑えることが出来ない。 守衛は知る由もないが、黒光は、その後も活躍する。 日本に亡命していたインド独立運動家ラース•ビーハリー•ボース(もう一人チャンドラ•ボースがいるので混乱しやすい)を保護した。 ボースは英国から指名手配されていたので、日本政府はボースを国外退去させようとした。 それを匿ったのが黒光だった。 ボースは、黒光の娘と結婚している。 黒光は、インド独立を側面から支えたのだ。 そのボースから教えられたのが、中村屋のインドカレーだ。 NHKの朝ドラ「なつぞら」で比嘉愛未が演じた「川村屋」のマダムこそ、黒光だ。 最後に、芥川の「袈裟と盛遠」の与えた影響を見てみたい。 誰も指摘したのを見たこともないが、三島由紀夫の「愛の渇き」は、三島の「袈裟と盛遠」だと思うのだ。 三角関係による殺人が描かれている。 (芥川の作品は、殺人の直前の場面で終わっている) ただ、「袈裟と盛遠」で、殺人を犯すのが、盛遠であり、殺されるのが袈裟であるのに対して、「愛の渇き」では、殺人を犯すのが「袈裟」であり、殺されるのが「盛遠」だという転回がある。 しかし、「袈裟と盛遠」にしても、殺人の主導権を握っているのは、袈裟の方だ。 だから、「愛の渇き」において、「袈裟」自身が「盛遠」を殺害してもなんの不思議もない。 鎌倉時代に作られた「源平盛衰記」の文覚出家譚の物語は、「黒光と守衛」と言う実際のドラマを介すことで、芥川龍之介によって、近代心理劇に生まれ変わり、それを三島由紀夫は換骨奪胎することで、謎に満ちた現代ドラマを生み出した。 こう考えることが出来るのではないか。
本屋で、ブックカバーが可愛かったので買いました。 芥川龍之介の作品はもっと読みにくいものかとおもったけど、意外にも読みやすかった 地獄変で、芸術家の真骨頂を垣間見た
蜘蛛の糸は小学生の頃読んで好きだったなぁと懐かしくなりました。 地獄変は独特の雰囲気と簡潔で深い物語で好きです。オマージュ作品も多数あるみたいなので少しずつ追っていきたいな。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
蜘蛛の糸・地獄変
新刊情報をお知らせします。
芥川龍之介
フォロー機能について
「角川文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
芥川龍之介作品集 蜘蛛の糸【試し読み】
羅生門
試し読み
愛読書の印象
秋
秋 或阿呆の一生 影
芥川龍之介王朝小説集
芥川竜之介歌集
芥川龍之介切支丹小説集
「芥川龍之介」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲蜘蛛の糸・地獄変 ページトップヘ