【感想・ネタバレ】羅生門・鼻のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月10日

芥川龍之介はやはり素晴らしい
この内容をこの短さで出してくる素晴らしさ

長編SFにもなりそうな「欠陥は世界から自分を守る薄い膜のようなもので、それがなくなると生身で世界に向き合わねばならない」みたいなテーマをよく鼻なんていうモチーフでかけたよなあ

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Posted by ブクログ 2021年12月07日

現代の小説とはやはり一線を画す作品。
知らない言葉がたくさんあるからこそ注釈を確認しながら読み進めるのだが、それがまたいい。
星新一が好きな私にとってはこのショートショートが飽きずに読めてまたよかった。中学生の時以来に羅生門を読み直したが、やはり当時でも引き込まれた面白さは変わらない。鼻も芋粥ももっ...続きを読むと早く読んでたらなぁ。中でも邪宗門は続きが読みたかった。

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Posted by ブクログ 2021年06月27日

羅生門、鼻、芋粥、運、袈裟と盛遠、邪宗門、好色、俊寛の8編が収まる永久保存の蔵書。今昔物語をモチーフに人間の生々しさが溢れる王朝もの。「そう思うのはその方の心が狭いからの事じゃ。弥陀も女人も、予の前には、皆われらの悲しさを忘れさせる傀儡の類に外ならぬ。-」こう言い放つ若殿と摩利信乃法師との対決は見て...続きを読むみたいが未完。近年解釈にあるように似た者同士で引き分けか。結局人間とは・・・。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月02日

[羅生門]
悪の正当化の仕方を知れば自分も正義を振りかざしてる暇はない
人間みんな自分が一番
それを知ったら負けてはいられないよね…

[鼻]
悲しいけど、ひとは他人の幸せを不満に思ってその心地よさをへし折ろうとする
あんまり周りに幸せを透かさないで、静かに自分なりに幸せに生きていきたい

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

久々の芥川龍之介の再読。大河ドラマ(光君へ)で関心を集めている平安時代初期の時代背景に注目。近代小説家(自然派と言われた人々)の有名人の一人である芥川龍之介の作品から王朝物文学の傑作を読む。良く勉強しているのにはただただ驚くばかり。

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Posted by ブクログ 2023年06月20日

「心の裏側」

芥川龍之介の「羅生門」を読んだのは先週だった
映画『羅生門』を観て、どうしても気になってしまったから
短編で読みやすいが内容はとても奥深く人は生きるためは何者にもなれるのだと思ったものです。
「鼻」
どんな本なのかと読み進むとこれまた意外
これも短編で読みやすい
読みやすいが深読みす...続きを読むるとどこまでも深い
噺家がやればなかなかの笑い話だけども心の動きがよく分かる
漱石さんお墨付きになるわけだ
今度は芥川龍之介の短編集を読んでみたいです。

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Posted by ブクログ 2023年06月17日

引き続き昔の文学を…の流れで、芥川龍之介作品を。
オーディオリスニングにて読める代表作をパラパラ(蜘蛛の糸、蜜柑、羅生門、トロッコ、杜子春、鼻)と…代表して感想をここに記載。

いや…何かエモいやん、芥川龍之介・大先生( ̄∇ ̄)

美しいながらも読みやすい…程よく装飾性のある文章、個人的にはスゴく心...続きを読む地良かったです。

今読むと話自体は決して珍しくはないんですが…
芥川龍之介作品とは、その超絶王道なストーリーを「巧みな筆力」と「偉大なる文豪の肩書き」を命綱にして読む作品なのかなぁと…我ながら、結構なお手前で…( ̄∇ ̄)wwwww

あと、どの作品も最後(あたり)の一文が素晴らしいですね。
羅生門で言うところの「下人の行方は、誰も知らない。」的な(笑)

綺麗なフリオチのストーリーを、最後の圧倒的な美しい文章で仕上げつつ、ピリッとした緊張感を持たせる…コレが「文学」感を出してるんかなぁと。

「ええ感じのオチ書いたやろ」って、ほくそ笑んでる芥川龍之介さんの顔が浮かんできますね…うっすら漫才の最後で言ってんなぁ…「もうええわ」って…したり顔で…(´∀`)


<印象に残った言葉>
・下人の行方は、誰も知らない。(P18)

・ーこうなれば、もうだれも嗤うものはないにちがいない。内供は心の中でこう自分に囁いた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。(P29)

・しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。その玉のような白い花は、お釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら蕚を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、なんとも言えないよい匂いが、絶え間なくあたりへ溢れております。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。(P70)

・暮色を帯びた町はずれの踏切と、小鳥のように声を挙げた三人の子供たちと、そうしてその上に乱落する鮮やかな蜜柑の色とーすべては汽車の窓の外に、瞬く暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。そうしてそこから、ある得体の知れない朗らかな心もちが湧き上がってくるのを意識した。(P152)

・塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細々と一すじ断続している。……(P236)


<内容(「BOOK」データベースより)>
この天才を越えた者がいただろうか? 近代知性の極に荒野を見た作家の珠玉作品集。
小説家の登龍門である「芥川賞」に、その名をとどめる芥川龍之介は、深刻な人生の悩みに耐えながら、機智と諧謔と博識を駆使し、みごとな短篇小説を書き残した。
平安時代、荒廃した都で途方に暮れていた下人は、若い女の遺体から髪を引き抜く老婆に怒りを燃やす……「羅生門」。
蜘蛛の糸につかまって自分だけ助かろうとした男のエゴイズムの果てを描く「蜘蛛の糸」。
贅沢と転落を繰り返し、人間に愛想をつかした若者が仙人になりたいと望んで……「杜子春」。
新鮮な抒情、傑出した虚構、そして明晰な文章で、今なお人々を魅了してやまない不世出の天才の代表的作品を、一冊に収めた21世紀への日本の遺産。

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Posted by ブクログ 2023年03月26日

各短編小説は、小説毎にいろんなスタイルを用いていて面白い。古典からくる物語だけではなく、近代的な文学小説の形態もあり表現の幅が広い。人間のエゴイズムを表現した羅生門だが、他の作品でも人間の本質的に持っている暗い部分が見られる。ただ、単純にその本質を伝えたいだけの作品ではないような気がしてならない。同...続きを読む時に人間関係の複雑さなど、現代でも見られるいじめの本質なども描かれているし、何度か読んでようやく全体の深さや枠を捉えられそうな作品ばかりである。これを短編の中に入れ込んでいる芥川龍之介の技巧が計り知れず、一読では何も感想が書けないのが正直なところでした。

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

短編歴史物語です。
羅生門、芋粥、鼻など短くてもとても面白かったです。
何だか滑稽だけどとてもユーモラスでもありました。
邪宗門は、ここからというところで終わっていて不完全燃焼でモヤモヤで一杯です。

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Posted by ブクログ 2022年12月27日

周囲の人間のエゴイズムに左右される内供が自身のコンプレックスに苛まれる姿、ちくりと今の自分に刺さりました。

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Posted by ブクログ 2022年08月13日

「鼻」は、様々な解釈があると思うが個人的にはこれは自意識の話だと思う。

自身の長い鼻のせいで嘲笑の的となっていた禅智内供は、その特異な身体的特徴にコンプレックスを抱いていた。しかしそれを治す方法を聞きつけ、鼻は見事通常の長さになるも、今度はその短くなった鼻を恥ずかしく思うようになり、それはそれでコ...続きを読むンプレックスに。

髪を短く切りすぎてしまった翌日、教室に入る時のあの恥ずかしさや、初めて人前で眼鏡をかける時のあのソワソワした感じ、卑近な例だがそういう類の自意識の暴走を思い起こさせられる。

そういう、誰もが抱く些細だが(本人にとっては)重大な心の揺れを上手に描いている。
結局、自分を一番苦しめているのは他人の視線ではなく、自分が自分自身に向けている視線。

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Posted by ブクログ 2022年07月29日

芥川龍之介の作品を読むのは高校の授業以来。羅生門を読んだだけだ。この短編集にもそれが収録されていて、改めて読み返した正直な感想としては、「以前読んだときと印象は変わらない」の一言だった。しかし他作品を通しで読んでみると、その印象はまったく変わってくる。芥川が描きたかったもの、表現したかったものがなん...続きを読むとなく見えてくるような気がしてきたからだ。しかしそれもまだ、確証には至っていない。朧げに感じるのは、彼は作品を通して他のどの作家よりも、激しい何かと格闘してきた、ということだけだ。そしてその正体は本書を読んだだけでは理解できないだろう。もっと読んでいかねばならないと感じた。

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Posted by ブクログ 2022年06月05日

再読。
色々あるけれど、芥川龍之介の文学にも人格にも、完璧ではなかったことはあるんだけど、

それでもやっぱり、悪く言う人って好きじゃないw

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

羅生門
善悪の彼岸を飛び越え生き延びることを決心した下人の先に広がる世界は底なしの闇。そこに何があるかは、手前で渡ってからのお楽しみということなのか。

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Posted by ブクログ 2021年12月07日

羅生門はもう何度読んだことになるかな、続編と称される偸盗と比べると後者のほうが好き。鼻はコンプレックスて気の持ちようという寓話で夏目漱石に絶賛されたのも納得。芋粥は空腹が最大の調味料というか、物に不足を感じるくらいが幸せ(願い事は叶うと色あせる)というこれまたよい寓話、バケツ一杯のプリンとか子供の...続きを読む時に夢見たけど実際に目の前に出されるとうえーでしょうね。運はよく理解できなかった。袈裟と盛遠は平家物語で話自体は知ってたけどあえて書くほどのものではなかったかも。邪宗門は異色の超能力対決ながら、クライマックスを迎える前に天才芥川をしてすら完成させられなかった作品、きちんと収録されているのは誰か書き足して完成させてくれという出版社の願いか。好色は女性に異様な憧憬を抱える歪んだ色男の話’’まり’’の扱いが性的歪みをほのめかす尾籠な変態作品で私はとても気に入りました。俊寛は菊池寛のものをすでに読んでたのでそちらよりは盛り込んだ心象風景は多いけれどもパイオニアの菊池寛のほうが私は好き。少なくとも羅生門・鼻・芋粥、この3作のうちどれかを未読の人は手にとる価値はあるでしょう。

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Posted by ブクログ 2021年12月05日

『羅生門』『鼻』『芋粥』がやはり面白い。こんな短編の中で、人間の欲や虚栄心、善悪などについて抱く心の表と裏などその本質に迫る事を文章もわかりやすく簡潔に表しているなんて、しかも20代前半の初期の作品なんて、知らなかったわけではないが改めてすごい、と思った。
この短編集は今昔物語など平安時代に材料得た...続きを読む小説が収められている。原文はなかなか読める機会もなければ、自力で読むのも困難と思われる中、作者の解釈を加えた小説とは言え、この様に面白楽しく触れる事が出来るのはそれだけでも素晴らしい。全てにおいて描かれている人間の姿は現代にも通じると感じた。
また平安時代の情景を感じ取れる巧みな表現の数々にも引き込まれる。周囲を気にしながら、と言う切羽詰まった場面では「…梅の青葉の影がさしている部屋の前後へ目を配りながら…」などなど。
『好色』で、範実と義輔が「天が下の色好み」の平中を天才だ、違うと言って問答する好色問答もちょっと面白い。
また、夏目漱石が絶賛し目をかけていた、と言うだけでも漱石先生のファンとしては、特別な思いが湧いてくる。他の作品も少しずつ読み進めたい。

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Posted by ブクログ 2021年04月23日

 収録作品は何れも今昔物語や源平盛衰記、宇治拾遺物語など平安時代の文学に題材を得て、芥川先生なりに解釈、脚色して新たな作品にしたもの。王朝物と言われている。
 中でも一番出典が多い、今昔物語を題材にした作品は、平安時代の庶民や貴族でも凡庸な人物を扱った、人間味、生命力に溢れ、残酷さもあり、可笑しさも...続きを読むあり、魅力的な作品が多かった。
 「羅生門」は災害続きですっかり寂れた都で、生きていく手段がなく、羅生門の所に佇んでいた男が、死体から髪の毛を抜いて鬘を作ろうとしている老婆を見て、その老婆から着物を剥ぎ取って自らの命を繋いでいく、生命力の残酷さが描かれている。
 「鼻」「芋粥」はロシアのゴーゴリの「鼻」「外套」の影響を受けていると解説にあった。たまたま直前にゴーゴリの同作品を読んでいたので、比べることが出来た。なるほど、「芋粥」「外套」の主人公はどちらも最下級の役人で冴えない、貧乏で、常に周りから馬鹿にされている人物。その主人公が唯一拘ったのが「外套」ではロシアでの生活必需品の、〈外套〉で、「芋粥」では主人公にとっては贅沢な料理であった〈芋粥〉だった。「外套」では重苦しい気持ちになったが、「芋粥」は可笑しい、ほんわかした気持ちになることが出来た。
 「好色」は〈天が下の色好み〉と噂された平の貞文が唯一自分に振り向いてくれない、美女侍従にとった行動が…!!いやあ、もうバカ殿です。こんな下品たお話が今昔物語にあり、それを芥川先生の上品な文章で皮肉っぽく書かれている時点で面白い。
 今昔物語そのものを私が読むことはないと思うが、芥川先生の筆により再構築された平安時代の古典の世界を私は大事にしたい。そうやって、時代の途中の人がその時に受けた影響で解釈したり脚色したりしていけるのも古典の面白さかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年02月15日


1.おすすめする人
→日本文学に興味がある、定番を読んでみたい

2.内容
→芥川龍之介の書く内容が独特で
 着いていくのに必死だった。
 少しでもいいから、日本史を勉強しておくと
 読みやすいのかもしれない。
 羅生門は不気味さが勝ってしまった。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

「羅生門」と「鼻」を読んだ.
羅生門は高校のとき教科書で履修したが、当時は文学がかなり嫌いだったので、長いイメージだった.読んでみると、10ページちょっとで短かった.
鼻は長かった.「人間の心には互に矛盾した2つの感情がある」の部分が確かに...になった.極端に尖った個性は何にも変えられないね......続きを読む
芋粥...
正直、芥川龍之介、教育的(?)な話という感じがしてあまり好きじゃないかもしれない.説教臭いとまではいかないが、本質がそこにあると感じた.

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月10日

「羅生門」
恐らく2回読んでいます
感想としてはこの下人と老婆の二人しか登場人物っていなかったっけ?と思いました
一応再読なんですけど全く前回読んだ時の感想を覚えていません
ですが恐らくは似たような感想ではないと思います
確か去年?に読んで今日読みましたが去年の間に色々な本を読んだので違うと思います...続きを読む
感想ではなくなりましたが話を戻して感想は当時は戦いというものがなく多分時代は平安時代なんですけど震災が多かった時代だったので亡くなる方々が多かったと思いますが、
羅生門の中で髪を取っている老婆…
少し不気味だなと最初は思いましたが当時震災で餓死寸前なので生きるためには死者の髪の毛を引き千切って売ったりして生きていかなければ行けないので髪を取っている老婆でしたが…
ちょっとした事ですけど下人は侍ですかね?二本差しとは感じませんでしたが刀は持っていたので老婆を切り捨てることも出来ましたしですが老婆の言い分も正しいので切り捨てませんでした
少し理解できないところもありましたが奥が深いなと思いました
「鼻」
主人公の内供は鼻がとても長く恐らくこの本の表紙が内供ですかね?まあこの表紙ほどの長さで弟子たちから馬鹿にされていたので無理矢理鼻を短くしましたが逆効果で、哂われたので最終的に元の長い鼻に戻りました
感想としては最初の場面で内供が鏡を見て鼻を見てとても気にしている様子が書かれているのですがまあ気にしているのは間違いなさそうですよね
そして鼻を短くしますが哂われる
そして翌日ですかね?起きたら鼻が長くなっている
これで思ったのは元々の自分が一番だということですかね
嘘の自分で生きていくのは辛いだろうな〜と思いました
「芋粥」
感想を率直に言うと主人公の五位ってとても冷静だと思うんですよね
途中で芋粥にありつきたいと言ってたので芋粥好き?になったのかと思いました
少し昔の言い方のところが多かったので感想という感想はないのでそんな感じです
「運」

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Posted by ブクログ 2023年06月22日

感想としては、全体的に、リアリストかつ悲観的な方だったのかなというイメージを受けた。

知性は極めて高く、古典を原案ととる作品が多く、読書量がうかがわれる。
残っている所謂娯楽や芸術を目的とした近代文学の最初に近い世代なので、参考とする作品が、後の文豪より少なかったと思われる。この本に関しては、今昔...続きを読む物語が最も多い。

同じ文豪と呼ばれる谷崎、太宰、川端と異なり、純粋な娯楽というより、何らかの教訓を含んだ話が多い。夏目漱石より若いが、材料を古典にとっているので、さらに古典な香りがする。

愛妻に対する手紙を読んだことがあったので、
暗い?イメージはなかったのだけれど、なんというか
覗いては不幸になるだけの自分の中の深淵を覗くような作品が多い。

面白いと、単純にはいえない。

羅生門は、人が生命の危機に面して、生きるために道徳を捨てるのかという主題。(改作前は、捨てると分かる内容。改作後らしい今著書では、どちらともとりにくい締めの一文となっている。

鼻は、これも意地悪だ。意地悪すぎて、ちょっと私には思ったことない感情だった。単純なのかも。
目に見える障害?がある間は、人は哀れむが、それが解消されると、その人の不幸をどことなく願ってしまうという嫌な話。夏目漱石は絶賛したらしい。

芋粥は、気持ちがよく分かる!
好きなものも食べ過ぎるとという話。
私も子供の頃、ハンバーガーを注文せず、ポテトだけをお腹いっぱいになるまで食べたいと思っていた。
でも、バランスが悪いと許されず、したことがなかった。
それが、フランスのシャモ二を旅行中、ムール貝のポテト添えを注文したら、ビックリする量の鍋いっぱいのそれが届いた。納得(満足ではない)して、それ以降は、確かにポテトでお腹を満たしたいという気持ちは、嘘のように消え失せた。引用もあり、それだけの気持ちではないが、この作品集の中で、一番わかりやすい。

運。
これも意地悪だ。悪いスタートがあっても、最終的にお金持ちになった逸話を聞いて、それでいいと観音様にお参りに行くことを決める話。逸話を話した茶屋のじいさんは、お金より、まっとうな幸せがいい派で、不賛成だった。

袈裟と盛遠
出店元では、貞女という設定らしい袈裟を、実は計算高い女ではないかという疑いから描かれた話。
袈裟と盛遠側の両側から語られる。
サスペンス仕立てになっていて、うまい。

邪宗門
解説によると、苦手な長編にトライしようとして、面白くなってきたところで、まとめきれないと断念した作品とのこと。
天罰の力を弄ぶ神父と、仏教の戦いの様な感じ。
前半は神父優位で、なんとなく、キリスト教非共感の私からは不愉快で、おっ、逆襲の開始か?と思われたところで、終わり。。。

好色
これは、汚い。
好みではない。
好きな人のどこまで、受け入れられるかという話だけど、精神的なつながりを意味しない。

俊寛
あの悲劇の俊寛が流行ったらしい。
倉田百三の書いた、今の文楽の俊寛と同じ恨み節。菊池寛が書いたらしい、実は幸せだった説。
それに触発されて書いたとの内容。
有王を語り手として進む。菊池寛よりかな?

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Posted by ブクログ 2023年04月10日

「好色」が衝撃的
それだけでも読む価値あり。

世に出た当時は先鋭的な小説だったのでしょうが、
全体的に私にはあまりフィットしませんでした。。
読解力が足りないのかな。。。

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Posted by ブクログ 2023年01月29日

 著者の「王朝もの」と呼ばれる作品集の第1集。
 表題作の「羅生門」は昔から高校の教科書にも取り入れられているあまりにも有名な作品。下人の心情変化が実に興味深い。また、同じく表題作の「鼻」はユーモラス漂う作品で読みやすく、親しみやすい印象を受ける。その他に、夢を追うことについての問いかけ的作品の「芋...続きを読む粥」など計8編収録の短編集。
 「王朝もの」のためか、言葉遣いが丁寧すぎて読みにくい部分が多い印象を受けたが、内容は面白い作品が多い。

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Posted by ブクログ 2022年09月07日

羅生門、鼻など芥川龍之介の王朝物8編を収録。その中の1編、邪宗門は80ページほどあり、かつ未完である。注釈が約50ページあり。名作なんだろうが、面白いかと言われたら、イマイチですね。

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Posted by ブクログ 2022年05月24日

芥川龍之介 王朝物短編8編

羅生門 1915 今昔物語
長引く飢饉。荒れる京の都。生きる為の最後の迷い。生き抜く為のエゴイズム。

鼻  1916 今昔物語・宇治拾遺物語
鼻のコンプレックスを持った男。鼻を小さくしても、安寧は訪れず。世間は人の幸福を妬み不幸を笑う。世間を憚る自身の気持ちの問題。
...続きを読む
芋粥 1916 宇治拾遺物語
周囲から虐げられていた男。芋粥を思う存分食べたいと願う。悪意を持って芋粥をもてなす上役。願っていた事が叶ってしまった男の虚脱感。

運 1917 今昔物語
貧しい若い女が観音にお参りして、生活の安定を願う。お告げを受け、盗賊の男の妻になってしまう。生活は安定するが、果たして、幸福とは。

袈裟と盛遠 源平盛衰記
これは、面白い。男と女のミステリー。上を男の独白、下を女の独白。盛遠はある袈裟を欲情のまま犯す。袈裟は贖罪の為、夫の殺人を依頼して自分が身代わりとなって殺される計画を立てる。愛のない男女の悲しい最後。

邪宗門 1918 大鏡•栄華物語
未完なので、何を書こうとしてたのかわからない。
面白いのは、地獄変で、絵師の娘を目の前で焼き殺し地獄絵を描かせた、あの大殿の息子・若殿が主人公。父親とは、真逆の性格で仲も宜しくない。
話の感じだと、政略的な感じかな?

好色 1921 今昔物語 宇治拾遺物語
恋愛上手な男が、一人の女性に夢中になってしまう。冷たくされても諦めない。ちょっと病む。遂に嫌いになるために、女の排泄物を食べちゃう。
まあ、女は他のものとすり替えていたんだけど。

俊寛 1922 源平盛衰記
流刑となった俊寛は、物語では絶望して嘆いていたとなっているが、実はそれなりに島に馴染んで、日々を送っていた。都の噂が全てでないよ。って感じ。

そのうち古典も読めればとは思います。たぶん、ビギナー用になるけれど。

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Posted by ブクログ 2022年05月12日

できるだけ同じ作家の本は作風に偏見を持ってしまわぬよう3冊は読むようにしている
というわけで芥川3冊目
芥川作品王朝モノ


■羅生門
ぜんぜん記憶に残ってない…
読み終わってやっと、確かにそんな話だったなぁ…と薄らぼんやり

この下人の変わり身の早さにはおかしみを感じると同時にどうしようもない人間...続きを読む臭さに妙に納得してしまうのだ 
だからこの悪事を不思議と憎めないのだ
髪の長い女の屍骸の髪を抜く老婆に激しい憎悪を抱く
これも偽りのない感情であろう…

しかし子供が読むには怖い気がする
死体の髪をむしる婆さんだけでも恐ろしいのに、下人の豹変には肝を冷やすんじゃないのかなぁ


■芋粥
途中まであまりにもうだつの上がらない、かつ煮え切らない五位にうんざりし、読む気が失せそうに…
滑稽過ぎなのだ
が、芋粥はあまりに美味しそうだし、あれほど熱望したのにいざとなったらちょっとしか食べられない…とか
わかるなぁ
ま、何事も分相応ですな
そんな横で立派にお使いをした狐が芋粥食べちゃう
なんだかおかしな構図で最後はクスっとしてしまう


■袈裟と盛遠
盛遠は鎌倉時代の文覚上人の俗名である
文覚出家前のお話
ちなみに「鎌倉殿の13人」では市川猿之助が悪目立ちして演じておられる(笑)

これは楽しめた
前半は盛遠の独白
後半は袈裟の独白

昼ドラのようなストーリー
〜あの人は来るのかしら
〜今夜私を殺しに来るのだ
何とも陳腐なセリフなのにニヤけてしまう
これぞ悲劇と喜劇の極み(喜劇が勝つのだ)
これは恋愛ではなく、恋愛の悲哀に転換させた人間のエゴだなぁ
勝手に自分の落とし所を自分の理屈で持っていく
そして、二人共が…ってのが面白い


■邪宗門
なんと未完の作品
ええええー
電車で声を上げそうになった!
こんな良いところで⁉︎

「地獄変」とかなり被る登場人物たち
懐かしいっ!
(しかし堀川の大殿様はやっぱり嫌なヤツじゃん
語り手も同じ人物らしいけど、地獄変ほど褒めてないわねぇ 今回若殿様を結構持ち上げてますが、こちらもなかなかしたたかな方とお見受けしますけど…そしてあの絵師の良秀もチラリと登場 ああ、娘の乗った燃えしきる車を思い出す)
異教の怪しくて強い摩利信乃法師が大暴れ
横川の僧都さえも負けてしまう
そこへ若殿様が登場…
終わり( ̄◇ ̄;)

全て中途半端で意味深で…気になりすぎる

大殿の若殿親子の執拗な比較は何か意味あるの?
とか
摩利信乃法師と姫様の関係は?
とか
もちろん
摩利信乃法師と若殿の決着は?
とか
気になるじゃあありませんか!
冒頭に若殿様の生涯でたった一度の不思議な出来事…とあるからきっとこの事なんだろうけど…
うー
残念だぁ

■好色
平中(平貞文)の驚愕のお話…
平家の三人兄弟の真ん中というのが名前の由来
雑過ぎますがな
兎にも角にも色好みのそしてなかなかのイケメンらしい
平中が今とってもお気に入りなのは、とある侍従
どんな女性も落とせる!と自信満々の平中が、手こずっている
文を送っても送っても返事を寄越さない
せめて「見つ(文を見た)」とひと言だけでも…と切望すると、平中の文のこの二文字を切り取って貼り付けた文を送り返す(笑)
他にも手を変え、猛アタックするものの、侍従はのらりくらりと賢くかわし続ける
とうとう送った文は60通に…
平中はプライドはズタボロ、侍従を諦めようと何度も思うが無理…
そしてもう発狂寸前
こうなったらあの女の浅ましい所をみつけることだ!と決意
そして極めつけの最後の事件が…
ちなみにこの章タイトルは
「まりも美しとなげく男」
わかります?
「まり」…
まり…
まり…
漢字にしましょう

すみません
※この先は下ネタだめな方や、お食事中、お食事前の方はご注意くださいませ
そうとうとう侍従のまり(糞)の入った箱(便器)を女の童が運んでいたところ、その箱を横取りする
この中を見れば百年の恋もさめるはずだと…
そしていざオープンΣ(゚д゚lll)
んん?
あれ?
おかしい
そんな馬鹿な…
薄い香水に濃い香色の物が二つ三つ沈んでいる!
平中は何度も髭にも触れるほど匂いを嗅ぎ、水をすすってみる∑(゚Д゚)
……
丁子(香木)の香がたちこめ、よくよく見れば香細工の糞を作ったのだ
恐るべし侍従…
何枚も上手過ぎる侍従に身も心もやられてしまい、とうとう平中は死んでしまうのだ…

キョーレツ極まりないんだけど、最後切ないのよ…ええ
これは喜劇のはずか悲劇が最後に勝ってしまった珍しいパターン
はぁ色々な意味でドキドキが止まらない…

■俊寛

平家打倒の陰謀に加担したとされ、鬼界が島に流された僧、俊寛のお話
同じく流刑にあった他の面々には恩赦がおり、迎えの船が来るか、俊寛はひとり残される
しかし出来た男なのだ
居心地は悪くない
やかましい女房に小言を言われることもない
そうカラッと島に会いにきた有王に語る
俊寛に仕える主人の悲運を嘆き泣いてばかりいる有王に
何よりまず笑う顔を学べ
と教える
有王は都に帰らず、俊寛の御側勤めをするというが、俊寛はそんなことしたら娘に誰が便りを届けるのだと反対する
粋な男なのだ
無粋なワタクシはどんなオチがあるのかと、探り探り読み進めたが、こちらはそういうゲスの勘繰りの要らない誠に出来た僧侶の話

他、「鼻」、「運」

匂い立つような季節の移り変わりの描写は本当にお見事で、日本の古き良き情緒にはんなり
〜橘花の匂と時鳥の声とが雨もよいの空を想わせる…
〜御池の水に、さわやかな星の光が落ちて、まだ散り残った藤の匂がかすかに漂ってくるような夜…

今昔物語はもちろん
平家物語、源平盛衰記、宇治拾遺物語など
そろそろ読んでおかなくては…
そろそろ…

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Posted by ブクログ 2022年02月26日

国語の教科書でもお馴染み羅生門
人間のこころの移ろいをここまで短く、それでいてありありと表現している
これぞ純文学といった作品

昔、学校で読んだ時はちょっと怖かった

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Posted by ブクログ 2022年01月15日

全体的に文章が難しく言葉を調べながら読みました、それでも無知な自分では内容が理解できないところもあった。
ただ好色という短編は衝撃でした、芥川がこういう危ない内容の小説を書いていたのだと知れてよかったです。

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Posted by ブクログ 2021年10月09日

平家物語で、俊寛の喜界島流刑の場面を読み、同じ題材を芥川龍之介はどう書いたのか興味があって読んでみた。

三人中、俊寛一人だけ恩赦が得られず発狂するのが平家物語での描写だが、芥川龍之介は、達観した俊寛を描いている。世界に囚われているのは皆同じ、という論法は、芥川自身の人生観だろうか。

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Posted by ブクログ 2022年01月09日

2021年1月再読。


今日の天災や飢饉でさびれすさんでいた頃の話。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する『鼻』。ほかに、怖...続きを読むい怖い『芋粥』など、ブラック・ユーモアあふれる作品6編を収録。

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