芥川龍之介のレビュー一覧
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「秋」
理想とは手に入れた瞬間から色あせてしまうものだと
直観的に知っていたのであろう彼女は
あえてそれに背を向けるのだが
そのことが果たして正しかったのか間違っていたのか
誰にもわからない
後悔することもできず彼女は呆然と「秋ーー」なんて
「黒衣聖母」
黒の聖母は残忍かもしれないが
祈りを強制はしないし
少なくとも祈ってるあいだ救われてるんだよねぇ
「或敵打の話」
苦しい者こそ救われる
苦しみの無い者には救いも無い
救われたいという欲求はそれほどにも切実だが
切実ゆえに嘘の救いであっさりだまされてしまうんだねぇ
「女」
芥川に最初の子供ができた直後の作品
ちょうど「狂人の娘」に悩まされ -
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「或日の大石内蔵之助」
坪内逍遥の「小説神髄」から
近代日本文学は始まったとされるのだが
それにおいてまず批判されたのは
江戸期の戯作文学
その中でも、「勧善懲悪」と呼ばれた
読んで字のごとく、いいもんがわるもんをやっつける
単純なお話だったという
武家社会においては、特に「忠義」というものが
善きこととして人々にすすめられたのだけど
これは、日本人のナショナリズム・ナルシズムにも
密接にかかわる重大な問題である
「信じられるもの」のために、命をかけたいのだ
しかし、そのような物語になんの疑問もなく熱狂することは
あまりに信用ならない
あまりに軽薄なことではないだろうか
「戯作三昧」
滝沢馬 -
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芥川龍之介さん、ものすごい口悪い。
例えば、「小児」の項(言葉遣いは意訳)――
軍人は子どもに近い。英雄らしい身振りで喜んだり、栄光を好んだりするのは特に。機械的な訓練を大事にしたり、動物的な勇気を重んじたりするのも小学校だけに見られるこの。殺戮を何とも思わないところなんかはもう子どもとしか言いようがない。特に子どもにそっくりなのは、ラッパとか軍歌とかに鼓舞されれば、なんのために戦うかも考えずに喜んで敵に挑むところ。
だから、軍人が誇っているものだって必ず子どものおもちゃにそっくりだ。派手に飾った鎧兜なんて成人の趣味にあうものじゃない。勲章だって・・・本当に不思議だと思う。酔ってるわけで -
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芥川龍之介の王朝物。
「運」…仏のご利益についての短編
「道祖問答」…道命阿闍梨と翁の短編
「袈裟と盛遠」…袈裟と盛遠の独白からなる短編
「地獄変」…地獄変を描く絵師の短編
「邪宗門」…異形な沙門をめぐる短編(未完結)
「竜」…源隆国と思われる人が双紙を編む短編
「往生絵巻」…多度の五位という人物が出家した短編
「好色」…平貞文の短編
「藪の中」…今昔物語の『妻ヲ具シテ丹波ノ国ニ行ク男大江山ニ於テ縛ラルル』を題材にした短編
「六の宮の姫君」…身寄りのない姫と、姫を残して京を去る男の短編
「二人小町」…小野小町と玉造小町の短編
「運」の題材も今昔物語『貧女清水観音値盗人夫語第三十三』だそう。
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羅生門 有名な作品をやっと読んだ。漫画なので細かいところははぶいているのかもしれないが、漫画なので、死体のところとか、おばあの怖さとかが描かれていたように思う。人間のエゴってなんだろう?生きるためだから、仕方がないから、といって、何でも許されるのだろうかと考えた。蛇を魚だといってうるのは、産地偽装とか最近のに置き換えらえるだろうか。おいはぎもしていいのだろうか?下人も、盗人の濡れ衣を着せられて、首になった。家族がいないからいだろうといわれて。人間のエゴって、どこまで深いんだろうと思った。
偸盗(ちゅうとう)愛するが故に、許せないというのがあるのだろうか。他に人にとられるくらいなら、殺してもいい