芥川龍之介のレビュー一覧

  • 文豪死す

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    表紙や作者の紹介ページで使われるイラストがとても美しい。適度に服装、髪型は本人の雰囲気を残しつつ、完璧に美化されていてイラストレーターの腕の良さにたまげる。

    文豪たちの最後の作品を集めた本で、まとめて読むとその文豪らしさがよく感じられて良い。
    芥川の「歯車」 私も偏頭痛持ちだからこの現象(閃輝暗点)よくわかる!と共感するとともに、精神病になりやすい家系の人なんじゃないかと邪推してしまった。

    太宰の「グッド・バイ」 女性関係の華やかな作者の理想の別れ方を描こうとして、結末までいかなかったのは収集つかなかったのかな、と思った。

    梶井「のんきな患者」 若い頃から結核を患ってたから、今回の主人公

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    2025年11月30日
  • 杜子春

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    ネタバレ

    食べるものも住む所もない杜子春は、[何を考えているんだ]とおじいさんに問われる。お金がなく困っている杜子春に、おじいさんはお金のありかを教える。主人公はお金を得たが!満たされず、幸せとは何なのかと葛藤する。
    人間にとって大切な物は何か、人間らしく生きていくとは何なのかと考えらさせれる良作である。

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    2025年11月18日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    6話からなる短編集で、どれも『今昔物語』や『宇治拾遺物語』をベースにしている。
    古典的な言い回しや語彙が使われているにもかかわらず、非常に引き込まれる内容で素晴らしかった。
    どの話も情景が鮮やかに浮かび上がる。
    悪や憎しみの中に芽生える愛、芸術と狂気、神仏への信仰、そして虚しさを抱えた人生など、どのテーマも強烈で、読んでいて圧倒される。
    他の作品もぜひ読んでみたいと思った。

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    2025年11月08日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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    子どもから勧められて読んた。
    読んでみたら自分が大学生の時に見た黒澤明の映画『羅生門』!
    Wikiのあらすじを読んで「あーそうだったそうだった!」と感慨に耽った。

    大学生の時に非常に強く感銘を受けたので記憶に残っていた。
    1つの事実からここまで食い違った見解になるのすごい。

    左今の高市氏に対するリベラル派の人達と世論調査の支持率みたい。

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    2025年11月05日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    2025/10/31
    p.8
     それは油気のない髪をひっつめの銀杏返しに結って、横なでの痕のある皸だらけの両頬を気持の悪い程赤く火照らせた、如何にも田舎者らしい娘だった。しかも垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻がだらりと垂れ下った膝の上には、大きな風呂敷包みがあった。そのまた包みを抱いた霜焼けの手の中には、三等の赤切符が大事そうにしっかり握られていた。私はこの小娘の下品な顔だちを好まなかった。それから彼女の服装が不潔なのもやはり不快だった。最後にその二等と三等との区別さえも弁わきまえない愚鈍な心が腹立たしかった。

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    2025年10月31日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    心情小説という感じ。善人であるべきか悪人であるべきか迷いに迷う下人。老婆の話しを聞いて免罪符を手にした下人は自らの迷いを断ち切ることになる。それにしても老婆の話しを少し聞いたくらいで簡単に考えは変わるものかと思う。

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    2025年11月02日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    【羅生門】
    救いようのない話。

    悪いのは誰なんだろう。下人か、老婆か、詐欺を働いた女か、下人を解雇した主人か、羅生門に死体を運んでくる人か、都の衰退を止められない権力か、都に住むすべての人々か、その全部か、そのいずれでもないのか。

    わかりやすさはない。後味もよろしくない。心に引っかかって、ささくれている。

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    2025年10月10日
  • 羅生門・鼻

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    感想

    芥川龍之介の本を読むのは、同じく新潮文庫の『蜘蛛の糸・杜子春』に続いて2冊目。

    こちらの方は今昔物語などの古典がもとになっている話が多くて、芥川龍之介風に古典を解釈したら、というもの。

    有名な『羅生門』『鼻』『芋粥』は、国語で習ってぼんやりと覚えていたものの、改めて読むと面白い。

    どれも童話的な雰囲気で、その中に「人間って、こんなことするよなあ」というエピソードが含められている。

    こういうところが、長く読みつがれている所以なんだろう。

    特に私は『羅生門』が好きだった。

    不気味な雰囲気、細かい描き込み、人間の我欲。

    「悪を働いた人には、何をしてもいいのか?」ということを思い

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    2025年10月05日
  • 戯作三昧・一塊の土(新潮文庫)

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    どの話も初見。古めかしい文体の上に言葉遣いが凝っているので、最初とっつきにくさはあったが、慣れると一気に引き込んでくれる手腕は相変わらずお見事。最後まで面白く読めた。
    個人的に一番気に入ったのは「戯作三昧」。里見八犬伝を読んだことがないし馬琴についても何も知らないが、気難しい主人公が甥っ子の何気ない一言に励まされて涙ぐむ場面なんて、純粋すぎてこちらも思わず泣きそうになった。また、芥川も創作する上でこんな気持ちを抱くことがあったのかもと、勝手に親近感を覚えた。
    「或日の大石内蔵之介」「お富の貞操」「庭」など他の話も良かった。共通するのは、芥川の登場人物に対する眼差しが中立であること。そして内省的

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    2025年09月30日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    目を閉じて朗読を聴いた。
    今は珍しくなった新聞や汽車、素朴な子供の描写が鮮明に浮かんできた。
    タイトルの蜜柑の場面はあまりにも美しかった。

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    2025年09月19日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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    ある方のレビューを読んで余計に切なくなり2度読みをすると煌びやかな舞踏会の回想と青年に語っている老婦人との対照に理解した上で読むのと違った印象を受ける。そして絵が理解を助けてくれるので2度読みしても1時間もかからずに読めてしまう。芥川龍之介の作品は品があって自分は好きだなあと改めて思う。

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    2025年09月13日
  • 或阿呆の一生・侏儒の言葉

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    芥川の信念や、生き様や、死と生への向き合い方を目に焼き付けられる一冊。
    読後、私は芥川龍之介という一人の人物の、生涯の観測者になった様な気がした。

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    2025年09月11日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

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    2025年08月12日
  • 杜子春

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    貧乏か裕福かの物差しで語られる序盤から、次第に「人間にとって大切なものとは何か」を問う内容へ変化していきました。仏教的な要素も感じられるほか、登場人物たちのキャラクターも面白みがあり、芥川作品の中でもお気に入りの1つとなりました。

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    2025年08月06日
  • 芥川龍之介 名作ベストセレクション「羅生門」「鼻」「芋粥」「蜘蛛の糸」「河童」「或阿呆の一生」など

    購入済み

    羅生門など教科書で読んだことがある作品以外にも、色々な作品があってとても良かった。
    まだ途中までだが、残りもすぐに読み切ってしまえそうだ。

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    2025年07月24日
  • 芥川龍之介短編集 蜘蛛の糸・羅生門など

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    なかなか手が出なかった、芥川龍之介の大判の短編集。紙質など含めて読みやすい一冊。作品ごとの解説、芥川龍之介の年表など含めて永久保存したい。

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    2025年06月21日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これこそまさに地獄。正真正銘の地獄。こんなエグい話をよくも書けたな、と驚くと共に溜め息が出た。ストーリーも秀逸だが、文章が凄くて、地獄変の屏風絵が私の脳内に生々しく浮かび、実際に見た事あるような気がしてきたからそら恐ろしい。そして、電車の中で読んでいた私は、ラスト数ページで涙が止まらなくなってしまった。猿の良秀にやられた。

    絵師の良秀は腕は良いが変わり者。人に嫌われていたが、唯一、娘だけは愛情たっぷりに男手ひとつで育てていた。その娘はというと心優しく、愛嬌もあり大殿様の所に奉公しており、皆んなに可愛がられていた。
    ある日、良秀は大殿様から地獄変の屏風を描くように仰せつかわされる。地獄を描くた

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    2025年06月21日
  • 羅生門・鼻

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    学生時代に読んだことがありますが、久しぶりに読みました。羅生門は、とにかく不気味で今読んでも怖かったです。鼻は面白かったです。またいつか再読しようかと思います。

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    2025年06月08日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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     芥川龍之介は、1892年(明治25年)3月1日に東京に生まれ、1927年(昭和2年)7月24日に亡くなりました。作品は短編小説が多く、東京大学英文科出身であることからか、文章構成の仕方は英文学的・翻訳文学的で、論理的に整理された簡潔・平明な文体が特徴的です。
    (以下、Wikipediaの記載などをもとに書きました。)
     この作品『舞踏会』は、1920年(大正9年)に雑誌『新潮』1月号に掲載され、翌年3月に新潮社刊行の『夜来の花』に収録されました。
     作品中に登場するピエール・ロティ(Pierre Loti 1850年1月14日−1923年6月10日)は実在の人物で、フランスの作家です。
     本

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    2025年05月25日
  • 【語注付】地獄変

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    地獄変

    1.大川の水
    彼にとっての愛すべき東京
    隅田川の話で良いか?隅田川→東京→生活
    哀愁

    2.羅生門
    高校生ぶりに。意外ととてもシンプルな話だった、当時は老婆の衝撃やばかった気がするけど、下人も大概やべーなwてか狂ってんの人じゃなくて世、世が人を狂わせた説、不可抗力

    3.鼻
    有名、初めて読んだ。
    人は人の不幸を同情する割に、その不幸をどうにか立て直した人を見ると逆に面白くなく思う、みたいなところの段落、読んでて気持ちよかった。この人結構叙情的?暗めの情だけど。

    4.芋粥
    人生のテーマはなんだっていい、それを笑うやつには笑わせとけば良い
    でももしかしたらその人生のテーマは、別の人の

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    2025年05月20日