芥川龍之介のレビュー一覧
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表紙や作者の紹介ページで使われるイラストがとても美しい。適度に服装、髪型は本人の雰囲気を残しつつ、完璧に美化されていてイラストレーターの腕の良さにたまげる。
文豪たちの最後の作品を集めた本で、まとめて読むとその文豪らしさがよく感じられて良い。
芥川の「歯車」 私も偏頭痛持ちだからこの現象(閃輝暗点)よくわかる!と共感するとともに、精神病になりやすい家系の人なんじゃないかと邪推してしまった。
太宰の「グッド・バイ」 女性関係の華やかな作者の理想の別れ方を描こうとして、結末までいかなかったのは収集つかなかったのかな、と思った。
梶井「のんきな患者」 若い頃から結核を患ってたから、今回の主人公 -
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感想
芥川龍之介の本を読むのは、同じく新潮文庫の『蜘蛛の糸・杜子春』に続いて2冊目。
こちらの方は今昔物語などの古典がもとになっている話が多くて、芥川龍之介風に古典を解釈したら、というもの。
有名な『羅生門』『鼻』『芋粥』は、国語で習ってぼんやりと覚えていたものの、改めて読むと面白い。
どれも童話的な雰囲気で、その中に「人間って、こんなことするよなあ」というエピソードが含められている。
こういうところが、長く読みつがれている所以なんだろう。
特に私は『羅生門』が好きだった。
不気味な雰囲気、細かい描き込み、人間の我欲。
「悪を働いた人には、何をしてもいいのか?」ということを思い -
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どの話も初見。古めかしい文体の上に言葉遣いが凝っているので、最初とっつきにくさはあったが、慣れると一気に引き込んでくれる手腕は相変わらずお見事。最後まで面白く読めた。
個人的に一番気に入ったのは「戯作三昧」。里見八犬伝を読んだことがないし馬琴についても何も知らないが、気難しい主人公が甥っ子の何気ない一言に励まされて涙ぐむ場面なんて、純粋すぎてこちらも思わず泣きそうになった。また、芥川も創作する上でこんな気持ちを抱くことがあったのかもと、勝手に親近感を覚えた。
「或日の大石内蔵之介」「お富の貞操」「庭」など他の話も良かった。共通するのは、芥川の登場人物に対する眼差しが中立であること。そして内省的 -
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ネタバレこれこそまさに地獄。正真正銘の地獄。こんなエグい話をよくも書けたな、と驚くと共に溜め息が出た。ストーリーも秀逸だが、文章が凄くて、地獄変の屏風絵が私の脳内に生々しく浮かび、実際に見た事あるような気がしてきたからそら恐ろしい。そして、電車の中で読んでいた私は、ラスト数ページで涙が止まらなくなってしまった。猿の良秀にやられた。
絵師の良秀は腕は良いが変わり者。人に嫌われていたが、唯一、娘だけは愛情たっぷりに男手ひとつで育てていた。その娘はというと心優しく、愛嬌もあり大殿様の所に奉公しており、皆んなに可愛がられていた。
ある日、良秀は大殿様から地獄変の屏風を描くように仰せつかわされる。地獄を描くた -
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芥川龍之介は、1892年(明治25年)3月1日に東京に生まれ、1927年(昭和2年)7月24日に亡くなりました。作品は短編小説が多く、東京大学英文科出身であることからか、文章構成の仕方は英文学的・翻訳文学的で、論理的に整理された簡潔・平明な文体が特徴的です。
(以下、Wikipediaの記載などをもとに書きました。)
この作品『舞踏会』は、1920年(大正9年)に雑誌『新潮』1月号に掲載され、翌年3月に新潮社刊行の『夜来の花』に収録されました。
作品中に登場するピエール・ロティ(Pierre Loti 1850年1月14日−1923年6月10日)は実在の人物で、フランスの作家です。
本 -
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地獄変
1.大川の水
彼にとっての愛すべき東京
隅田川の話で良いか?隅田川→東京→生活
哀愁
2.羅生門
高校生ぶりに。意外ととてもシンプルな話だった、当時は老婆の衝撃やばかった気がするけど、下人も大概やべーなwてか狂ってんの人じゃなくて世、世が人を狂わせた説、不可抗力
3.鼻
有名、初めて読んだ。
人は人の不幸を同情する割に、その不幸をどうにか立て直した人を見ると逆に面白くなく思う、みたいなところの段落、読んでて気持ちよかった。この人結構叙情的?暗めの情だけど。
4.芋粥
人生のテーマはなんだっていい、それを笑うやつには笑わせとけば良い
でももしかしたらその人生のテーマは、別の人の