芥川龍之介のレビュー一覧

  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    読んでいて、書き手の顔が浮かんでこない。僕にとって、そういう感覚を覚える作家はそう多くない。第三者に語らせるという、表面上の技巧の話ではない。作者と関係の無い場所で起こった出来事を、作者と関係のない人が記述したものを読んでいる感覚。しかし、どの作品も無駄がない。何故、これ程読みやすいのか。読み手が、敢えて文章の意図を汲み取ろうとせずとも、文字を追っているだけで、流れるように物語が進んで行く。今回は軽く読みさらってしまったので、今後、精読を重ねたい。

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    2024年04月03日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    「大導寺信輔の半生」(だいどうじしんすけ)
    大正十四 年一月
    芥川の自書自伝ということ
    とても、とても興味深いです
    本所、牛乳、貧困、学校、本、友だち、、

    「玄鶴山房」(げんかくさんぼう)
    昭和二年 一、二月
    読み進めるうちにぞわぞわぞくぞく、、山房内の物理的には狭い空間での出来事。しかし内部の人間の仄暗い思いがどこまでも這うように広がっていくかんじがする。
    解説によると、これは“念には念を入れた、まったく用意周到な、細工のこまかい、小説である”と。

    「蜃気楼」
    昭和二年 三月
    文庫解説より“芥川がもっとも自信をもった作品であり、(中略)全篇無気味な美しさから成立っている。”

    「河童」

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    2024年03月31日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    乙女の本棚3連発、3つ目。
    檸檬、蜜柑、と続きました。たまたまです。
    イラストレーターさんが檸檬と蜜柑、一緒なのは敢えてですよね、きっと。

    鮮明さは手前で読んだ檸檬のほうがビビッドなんですが、夕暮れどきの汽車、煤、蜜柑、の色の移り変わりと、主人公の世の中を胡乱でダウナーなところから、少女の勝手な行動に気持ちが落ちきって、そこから蜜柑と少女の光景に心が彩られる移り変わりが凄く伝わってきました。

    芥川龍之介、好きなんです。
    この作品、知らないと思ってたんですが読んでいる途中で思い出しました。
    あ、この作品、芥川龍之介だったのか、やっぱり私、好きだ、芥川、って乙女のように自分の気持ちを再確認でき

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    2024年03月24日
  • 歯車 他二篇

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    芥川龍之介の遺稿の一つ。苦悩と傑作。

    「歯車」あらすじ
    筋のない小説の一種で、きわだった構想はないが、幅の広い作品で、芥川龍之介が直面した人生の種々相をそっくりとり入れようとしている。

    作品を順に4つに分けると
    ① 知人の結婚式に向かう途中、主人公はレインコートを着た幽霊の話を耳にする。その時を境に、「僕」は幾度となくレインコートを着た人間を目にするようになる。
    ② 義兄がレインコートを着て自殺したと知り、「僕」は世の中に存在する様々な物や言葉から死に対する連想をするようになる。
    ③ 憂鬱に苛まれた彼の視界には原因不明の半透明な歯車が広がっている。歪んでいく精神状況で、自分も

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    2024年03月02日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    初めて芥川龍之介の作品をちゃんと読んだ。高校の現代文に出てきた羅生門で少し知ってたくらい。結論めちゃくちゃ面白かった。 短編だから読みやすい。

    初めの「老年」が難しすぎて自分には合わないかな〜と思ってたけど、それ以降は面白いもの多くて、芥川の世界に引き込まれていった。

    特に仙人、羅生門、鼻、野呂松人形、芋粥、大川の水、葬儀記が好きだった。

    文章そのものや言葉の使い方、表現の上手さは去ることながら人物の心情を描くのが本当に上手い。100年以上前の作品なのに情景がぱっと浮かんでくるし、人物の喜怒哀楽がひしひしと伝わって感情移入出来る。

    作風は今昔物語とか宇治拾遺物語とかの歴史ものを題材に

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    2024年02月20日
  • 芥川龍之介作品集 蜘蛛の糸【試し読み】

    購入済み

    知っている様で知らない

    羅生門も蜘蛛の糸も、大抵の人は内容を知っている。
    羅生門に至っては、複数の漫画で攻撃技にもなっているし、蜘蛛の糸は無慈悲な鬼にぶった切られたり仏がクレーンゲームで景品ぎちぎちにさせたりする。
    けれど、どちらの小説も真面目に読んだのは何時の日か。
    難しい漢字も読み仮名が振られているから安心。

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    2024年02月10日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    ネタバレ

    絵本の醍醐味を堪能した!舞台情景が鮮明に(リアル)に脳内に飛び込んできた。汽車の二等席は自分しかいない。動き出す直前、みすぼらしい13,14歳の娘が入ってきた。不快に思う主人公。気を紛らわすために新聞を読むが、退屈な人生を感じる。ウトウトしたが娘は自分の席の横に移動し、窓を開けようとする。そして石炭の真っ黒い煙が入ってきた。咳き込む、怒りが。娘は蜜柑を汽車の外へ。見送りのため懸命に手を振っていた弟達だろうか。この娘はこれから奉公に行くのか。娘を見る目が一気に変わる。個々の人生模様、強く生きなくては。⑤↑

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    2024年02月10日
  • トロッコ・一塊の土

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    短い文の中に、トロッコの駆け抜ける躍動感、少年が感じた心細さや恐怖心が手に取るように伝わってきた。少年の心細さの要因として、暗闇の中で今日は母に会えないかもしれないという気持ちがあったのではないかと思う。最後の「26の歳、彼はどうかすると理由もないのにその時の彼を思い出すことがある」という文に涙がでてくる。その感情知っているかもしれない。大人になっても突然、母(自分の生命の帰る場所、この場合必ずしも母親ではない)場所へ辿り着けないように感じ、言いようのない心細さを感じる場合がある。

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    2024年02月03日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    再読に次ぐ再読。
    大好きな作品集。
    何度読んでも、面白さは変わらない。
    トロッコが特に好き。少年の心細さを体感してしまう。
    この時代の作家は凄いですね。

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    2024年01月29日
  • 奉教人の死(新潮文庫)

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    近代日本文学の面白さのひとつが、東洋と西洋の文化のぶつかり合い、そこから発するところを知ること。
    鷗外や漱石もその文脈から読み解くと面白いし、そのスタンスは各々特徴がある。
    また、白樺派や社会主義者もキリスト教の影響を受けているが、宗教として定着したかは疑わしい。

    芥川龍之介のこの短編集は上記にある時代背景から、テーマを切支丹物とし描く。ただ、キリスト教の良し悪しきを問うものではなく、且つ一方的な視点から描いているものでもない。読者側の解釈が求められるので、それが面白い。

    芥川龍之介自身は、聖書を常に身近に置いていたようだ。彼にとってのキリスト教がどのような位置づけにあったのか、これはもう

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    2024年01月21日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    「蜘蛛の糸」
    「犬と笛」これぞ龍之介の短編!!ってかんじがして大好き
    「蜜柑」
    「魔術」谷崎潤一郎の『ハッサン・カンの妖術』のマテイラム・ミスラを巧妙に利用して試みた二重虚構。粋。
    「杜子春」
    「アグニの神」
    「トロッコ」帰り道のあの泣きたくなるような不安感が分かりみすぎる…
    「仙人」
    「猿蟹合戦」最後の一文、“君たちも大抵蟹なんですよ。”……!!??恐怖!!そもそもこれはEテレの昔話法廷そのものでは?
    「白」

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    2024年01月18日
  • 春の心臓(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    妖精や神話が好きだったので、より面白く読めた。物語に出てきた紅帽子の精霊が特に印象に残った。アイルランドの赤帽子と同じ存在なら、悪い妖精なので老人は騙されたのかもしれない。
    そもそも老人が求めたような永遠の命というものはなくて、生命や自然の美しさがあり、それらが最盛の状態である事を春の心臓と表現し、永遠と続く生命の繋がりや重なりを現しているのかもと思った。
    戸口を葉っぱでふさいでいた老人はその美しさを見ることもなく死に、夢見た青春もなく寂しく終わっていく。それに対して少年は脈々と続く生命の美しさを感じ、答えを見つけた。
    願望を追い求めすぎて閉じ篭もると、答えが見えなくなるのかもしれない。日々に

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    2023年12月30日
  • 羅生門・鼻

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    日本人の国民的図書である。大正を代表する小説家である芥川龍之介の短編集だ。その中でも最もポピュラーな「羅生門・鼻」を読んだ。この本には「羅生門」「鼻」「芋粥」「好色」「邪宗門」「俊寛」などが載っている。数ある短編集の中でも、有名どころをまとめた作品だ。まあ邪宗門と俊寛はちゃんと読んだわけじゃないのだが、別にいいだろう。今昔物語という作品がベースになっている作品ばかりなので、そっちを知らないと楽しめないかと思ったのだが、別にそんなことはなかった。タイトルにもなっている羅生門と鼻は本当に皮肉が効いていて面白い。ただ流石大正の作品というだけあって、言葉遣いが今と若干違うが、かといって読みづらいような

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    2023年12月13日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    これはいいぞ!
    今のところシリーズベストかと

    はい、12おネエは芥川龍之介&げみさんの『蜜柑』です
    郷愁をそそる古いフイルム映画のようなげみさんの蜜柑の舞うイラストが良すぎです

    この一枚を見るためだけに手に取っても良いですね

    そして龍ちゃんの文章からは存分に日本語の美しさを感じることが出来ました!
    まぁ半分はそんな分かったようなこと言いたかったのと半分は身贔屓と半分は心からそう思ったのです


    ん?

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    2023年10月27日
  • 杜子春

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    杜子春
    お金がなくなれば離れていってしまう人たち。そんな虚しさはいつの時代でもあると思います。
    大切なものに気付いた杜子春の最後の決断、すごく良かったです。

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    2023年10月27日
  • トロッコ・一塊の土

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    気に入った作品
    あくまで個人のメモとして

    「庭」
    人の営み
    無常感
    たった9ページなのに
    時の流れの余韻

    「猿蟹合戦」
    社会風刺もあるようだけど
    パロディ面白い
    こういうの国語の教科書に
    載せればいいのに

    「一塊の土」
    外づら内づら
    家族間のエゴ
    フラストレーション
    それでも生きていく

    一二三館書店にて購入

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    2023年10月03日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    表紙がかっこよかったので思わず買ってしまいました。煙草と悪魔はいつ読んでもゾッとしますね。悪魔は転んでもただは起きない……

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    2023年07月13日
  • 羅生門 鼻 芋粥 偸盗

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    『羅生門』『鼻』『芋粥』『偸盗』。1文が短く、無駄なく、小気味がいい。短中編だが、どれも読みごたえがあり、余韻もある。
    とくに『芋粥』が気に入った。欲望は叶えられないうちが花なのだ。
    『偸盗』は映画のような場面転換の妙。死に行く者と生まれ来る者が重なるラスト。筆一本でこれだけのシーンをつくり出すとは。もっとたくさんの作品を読んでみよう。

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    2023年06月18日
  • 【語注付】地獄変

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    何十年ぶりに芥川を手に取ってみた。
    まずは、芥川龍之介の写真。ここまで印象にのこる作家も珍しいが、それほど、心に残る何かがあるのだともおもう。
    羅生門の人の中にある曖昧な善悪の境界、生と死の混在する現実は、妙な納得を強制的にさせられる感じ。
    鼻と芋粥も、望んだものが手に入ることが、自分自身の中の何かを失くすことでもあるという矛盾の可能性を見せてくれる。
    地獄変は、純粋さと、美しさと、悪意とが、人間臭さのなかに見出される。クライマックスが派手であるが故に、心に残る。
    奉教人の死もまた、人の感情や世俗のなかに埋もれる純粋さと、集団の犠牲にはその集団が意味づけしていく不条理さに気付かされる。
    舞踏会

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    2023年05月30日
  • 【語注付】地獄変

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    恥ずかしながら、国語の授業以来の芥川だった。

    当時は感じ得なかったが、こんなに緻密で多彩で表現力豊かだったんだと思わされた。

    地獄変は解釈の仕方がさまざま。語られてない余白がある。余白があるからこそ、時代を超えて読み継がれていく物語になるんだろうな。

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    2023年05月20日