あらすじ
写実の奥を描いたと激賞される「トロッコ」、一つの事件に対する認識の違い、真実の危うさを冷徹な眼差しで綴った「報恩記」、芥川文学の転機と言われる農民小説「一塊の土」ほか中期の名作21編を収録。
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Posted by ブクログ
表題作含む短編21篇。やはり『トロッコ』が素晴らしい。誰しも子供の頃、大人に突然一人にされてしまった不安感を感じたことがあるだろう。涙を堪えながら一人家まで歩いて帰る良平の不安が胸に迫ってきてたまらなかった。
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没落の侘びと寂びの話。
久しぶりに芥川龍之介を読んでみた。
昔と今で印象が変わった話としては、「庭」が昔繁栄していた名残りでまだ何とか体裁を保っているけど、確実に没落していく荒廃の感じが隠せない今現在の日本を現しているようでとても興味深いかった。
ニコ没も良いと思うし、没落自体侘び寂びがあるけど、中身はないのに体裁だけは必死に整えながら、それ自体も無くなり忘れられていく詫び寂びのある没落も良いな、と。
あと、表紙おしゃれ。
Posted by ブクログ
短い文の中に、トロッコの駆け抜ける躍動感、少年が感じた心細さや恐怖心が手に取るように伝わってきた。少年の心細さの要因として、暗闇の中で今日は母に会えないかもしれないという気持ちがあったのではないかと思う。最後の「26の歳、彼はどうかすると理由もないのにその時の彼を思い出すことがある」という文に涙がでてくる。その感情知っているかもしれない。大人になっても突然、母(自分の生命の帰る場所、この場合必ずしも母親ではない)場所へ辿り着けないように感じ、言いようのない心細さを感じる場合がある。
Posted by ブクログ
気に入った作品
あくまで個人のメモとして
「庭」
人の営み
無常感
たった9ページなのに
時の流れの余韻
「猿蟹合戦」
社会風刺もあるようだけど
パロディ面白い
こういうの国語の教科書に
載せればいいのに
「一塊の土」
外づら内づら
家族間のエゴ
フラストレーション
それでも生きていく
一二三館書店にて購入