芥川龍之介のレビュー一覧

  • 藪の中(乙女の本棚)

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    はい、龍ちゃんの名作中の名作短編『藪の中』です

    もう、深すぎて身悶えするんですが、まずは『乙女の本棚』だけにおくさんのイラストに触れたい

    今までのシリーズに登場した方々とはかなり毛色が違って、シリーズに新風を吹き込んだと言いたい
    とても良い
    若干コミカルな感じもありつつ和のテイストがもうなんていうか好き
    もしかしてかなり有名な方なのかも知れんが、そっち方面詳しくないのでごめん

    はい、で『藪の中』ね
    まぁ、知ってる人は知ってるだろうけど、「証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた(ウィキペディアより)」っていうね

    そりゃあ言うわ
    真実は藪の中言

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    2024年09月28日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    最高におもろい!洗練されすぎている
    なんで昔の話なのにこんなに今面白いんだろうと思うけど、結構その時代の話ってよりファンタジー要素みたいな創作の部分がでかいからなのかもしれん

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    2024年09月22日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    ネタバレ

    芥川は「河童の世界」を通じて痛烈に日本のありさまを問うてきます。

    ひとりひとり(一匹一匹?)の河童がなんと個性的でユーモラスなことか。そして、なんと不気味なことか・・・。

    これが芥川龍之介の決死の抗議、人生最後の警告の意味も込めての作品だったかと思うとぞっとします。彼はこの作品の発表後一年も経たずして自殺してしまいます。

    芥川龍之介の死から間もなく100年になります。ですが100年経っても芥川の作品は決して色あせません。文学の力は連綿と今を生きる私たちに受け継がれています。

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    2024年08月28日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    本書所収『地獄変』

    この作品を読んでいると、まるでサスペンス映画を観ているかのような緊張感に自分が包まれていることを感じます。天才画家良秀が弟子を鎖で縛ったりミミズクをけしかけるくらいまではまだいいのです。「また始まったよ良秀の奇行が」くらいのものです。ですがそこから段々妙な予感が私達の中に生まれ、次第に不気味に思えてきます。「まさか、良秀がやろうとしていることって・・・」とついハラハラしてしまいます。この徐々に徐々に恐怖や不安を煽っていくスタイルは、ミステリーのお手本とも言うべき実に鮮やかなストーリーテリングです。さすが芥川龍之介です。

    この作品には「完璧な絵を描き上げんとする狂気の画家

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    2024年08月28日
  • 羅生門・鼻

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    ネタバレ

    ま~それにしても芥川龍之介の短編技術の見事なこと!羅生門を上り、夜の闇に現れる不気味な気配。そこに何がいるのかと大人になっても変わらず夢中になって読んでしまいます。まるで映画的な手法と言いますか、臨場感がとてつもないです。

    この作品である一人の男が悪の道へと踏み出すその瞬間を決定的に捉えた芥川。その微妙な心理状態を絶妙にえぐり出したラストは絶品です。

    『羅生門』は厳しい。厳しい厳しい世の有り様をこれでもかと見せつけます。悪の道へ踏み出すというのはどういうことなのか、まさにそこへと通じていきます。実に素晴らしい作品です。

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    2024年08月28日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    ネタバレ

    『蜘蛛の糸』は芥川龍之介が初めて書いた児童向け文学で、仏教説話としても有名な名作短編です。私も僧侶という仕事柄、この『蜘蛛の糸』のお話を法話や仏教書で見聞きすることは数多くありますが、このお話はお寺関係という枠を超えて日本人全体に親しまれてきた作品ではないでしょうか。

    そして本書巻末解説では『蜘蛛の糸』制作についての詳しい解説が説かれていたのですが、これが私にとってかなりの驚きでした。簡単に要点をまとめると、⑴『蜘蛛の糸』が元々仏教由来なのかどうかはわからないということ、⑵この作品がドストエフスキーやトルストイとも関係があるという2点があげられます。
    これは興味深かったです。

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    2024年08月28日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    世の中を憂い、平凡で退屈な出来事ばかりの記事を汽車の中で読む。3等車から来た田舎娘にうんざりしながらも存在感を消すべくうたた寝をしていると隧道に入る直前に娘が窓を開けようと悪戦苦闘している。煙が入るのに頓着する様子もなく、また、紳士らしく主人公も注意しない。長閑さが絵と共に溢れてみえる。
    そして夕焼け色が芥川龍之介の作品らしい。
    そして最後に3等切符を大切に持ちながら2等車に座っている。その描写にも長閑さが感じる。

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    2024年08月16日
  • 藪の中

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    書いている最中、筆者自身が面白くて仕方が無かったであろう事が伝わってくる
    何度も通読して味わえる佳作

    #深い #ダーク #怖い

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    2024年08月01日
  • るしへる

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    天主教とも呼ばれた、『でうす』を崇める宗教に対して反駁した書物
    『はでうす(破提宇子)』についてを解説している
    でうすよりも、『るしへる』に同意する人間が少なからずいるという

    #共感する #ダーク #タメになる

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    2024年08月01日
  • 木曽義仲論

    購入済み

    力作である
    木曾義仲についてというから
    まずはと、おごれる平家は久しからずという所から念入りに書いてある
    義仲を男らしいと、締めくくっている
    鵜呑みにはしないが、読んでいて楽しくなる

    #ドキドキハラハラ #タメになる #カッコいい

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    2024年08月01日
  • 軍艦金剛航海記

    購入済み

    芥川の作品でも特筆して面白い
    軍艦金剛の中で、いつもの不平不満よりも
    物珍しさが勝っているらしく生活を楽しんでいる
    文末もいい
    こういうのばかり書いていればいいものを

    #タメになる #ハッピー #ドキドキハラハラ

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    2024年08月01日
  • しるこ

    購入済み

    珍しく、食べ物の題名で
    ちゃんと飲み食いについて書いてある
    『梅園』や『松村』のような汁粉でないと、しるこ屋ではないという事だ
    廣小路の『おきな』はもう無い、やれば出来るじゃないかと言いたい

    #ほのぼの #タメになる #笑える

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    2024年08月01日
  • かちかち山

    購入済み

    かちかち山、童話でありながら
    無惨極まりない展開である
    その話の結末の後を、タヌキに惨殺された妻の仇を討ちながら
    ただ悲嘆に暮れる夫と兎の姿が描かれる

    #共感する #切ない #怖い

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    2024年08月01日
  • アグニの神

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    タイトルから、他の作品にあるような神話的な味付けかと思いきや
    ストレートな冒険小説とでもいうべき佳作であった
    悪い外国人にこき使われる日本人の少女を日本人の書生が助け出す、良いじゃないか
    こういうのは幾らでも読みたくなる

    #アツい #カッコいい #ドキドキハラハラ

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    2024年08月01日
  • 正岡子規

    購入済み

    正岡子規全集にあたり、芥川が
    正岡子規と、夏目漱石や大塚保治のエピソードを紹介した寄稿文
    芥川は友人に対しては良い人間であるらしい

    #胸キュン

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    2024年08月01日
  • 谷崎潤一郎氏

    購入済み

    芥川と、谷崎潤一郎の、珍道中とでもいえる掌編
    二人の人間性がうかがえ、そしてただただ楽しく読める佳作である

    #胸キュン #笑える #ほのぼの

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    2024年08月01日
  • 地獄変

    購入済み

    人の事を姿形から『猿』呼ばわりする事、
    猿とまで呼ばれた男と本物の猿、
    猿とは日本において何なのだろう
    屈折した思いが投影されるのが猿という生き物であるように感じる

    #切ない #ドロドロ #ダーク

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    2024年08月01日
  • 松江印象記

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    松江は風光明媚な城下町であるからか
    文学や随筆の題材になりがちなようだ
    芥川は、千鳥城と呼ばれた松江城や
    運河にかかる橋について記している

    「都会の金属の橋とは違って木造の橋が今も多くて良い」や
    「天守閣を破壊するな銭ゲバども」という書き方なのが
    いかにも都会もののブンガク屋だなと感じさせはする

    #笑える #タメになる #ほのぼの

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    2024年08月01日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    学生時代に読みましたが、大人になって改めて読むと学びがあるのだと実感しました。
    杜子春が好きですね。人としてどうあるべきかを
    ストレートに伝えてくれるお話の数々。

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    2024年07月29日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    芥川龍之介文学忌、河童忌

    1919年「私が出逢った事」から改題
    横須賀線での出来事
    あーまた読んでしまった
    田舎娘は、これから東京へ働きに行くのだろう
    2等列車に乗り込んだ田舎娘
    娘の切符は三等切符
    その音、身なりに作者の表現は手厳しい
    しかし、疲労と倦怠のどんよりとした陰を娘の投げた鮮やかなみかんの色が消し去っていく

    そして、今まで活字で読んでいた「蜜柑」を乙女の本棚で読んで びっくりした
    長い間、この列車をボックスシートでイメージしていたのでした
    ロングシート!
    車両の表現を探してみたら、そうです
    ロングシートでした
    頭の後ろに窓があったり
    娘が隣に来たり反対に行ったり
    思い込みで読ん

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    2024年07月24日