あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第40弾は、文豪・芥川龍之介×イラストレーター・おくのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
ではお命を頂かせて下さい。わたしもすぐにお供します。
藪の中で、一人の男の死体が見つかった。だが、関係者の証言はそれぞれ食い違い、果たして真相はどこにあるのだろうか。
芥川龍之介の名作が、和のモチーフを独特な感性で描く大迫力の作品で人気を集めるイラストレーター・おくによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
子どもから勧められて読んた。
読んでみたら自分が大学生の時に見た黒澤明の映画『羅生門』!
Wikiのあらすじを読んで「あーそうだったそうだった!」と感慨に耽った。
大学生の時に非常に強く感銘を受けたので記憶に残っていた。
1つの事実からここまで食い違った見解になるのすごい。
左今の高市氏に対するリベラル派の人達と世論調査の支持率みたい。
Posted by ブクログ
はい、龍ちゃんの名作中の名作短編『藪の中』です
もう、深すぎて身悶えするんですが、まずは『乙女の本棚』だけにおくさんのイラストに触れたい
今までのシリーズに登場した方々とはかなり毛色が違って、シリーズに新風を吹き込んだと言いたい
とても良い
若干コミカルな感じもありつつ和のテイストがもうなんていうか好き
もしかしてかなり有名な方なのかも知れんが、そっち方面詳しくないのでごめん
はい、で『藪の中』ね
まぁ、知ってる人は知ってるだろうけど、「証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた(ウィキペディアより)」っていうね
そりゃあ言うわ
真実は藪の中言いたなるわ
もし当時SNSとかあったら、最初に言い出した人相当鼻息荒かったと思う
で、あっという間に拡散したね
だって言いたいもの「藪の中」
これはもうあーだこーだ言いたい奴
良い方の純文学
基本純文学ってよく分からんのだが、ちーとも分からん悪い純文学と分からないからあーだこーだ言いたくなる良い純文学とあってね
これはもう完全に後者ね
今の時代だったら、完全に芥川賞受賞してたわてなんのタイムパラドックスやねん!
Posted by ブクログ
単語がいくつか難しい。仏教用語とかも出てくるから、気になったら調べながら読んだ。
1人の男が死んでいる。男は妻と藪の中を進んでいたら、盗人に会ったらしい。
盗人は「自分が男と戦って殺した」と言う。
妻は「盗人に無体をされ、一緒に死のうと自分が小刀で刺した」と言う。
男の幽霊?は「自分で小刀で胸を刺した」と懐古する。
しかし最初の男の死体の発見者は小刀を見ていない。
女は消える。
真実はわからない。
「藪の中」。
タイトル通り。
Posted by ブクログ
全員の証言が違い本当に藪の中。そして文章に注意がいき絵を見る事すら忘れていた。やはり芥川龍之介の小説は熱中して読むことができる。
惹かれることがない、かぐや姫をおもわせる、日本昔話のような絵だった。
Posted by ブクログ
表紙捲ってびっくり。絵柄が全然違う。というかこの話証人が沢山出てくるので巡る度ガラッと絵柄が変わって楽しかった。斬り合いの描写に合うあの一枚絵が凄い。暗闇の中の小刀の描写に感服。
読み終わって題名に頷くしか出来なかった。犯人が分からない。
Posted by ブクログ
今日3月4日は、半村良のご命日
龍ちゃんのレビューしている時では
ないのですが、龍ちゃんと仲良しは誰?論争に
どうしても参戦したくなってしまったのです
時は平安
事実とみなされる事は二つ
侍が死体で発見された事
結婚したばかりの嫁の行方がわからぬ事
この侍の死を巡る七つの証言や告白で小説と成す
検非違使に問われたるは
死体を発見した木樵
死ぬ前の夫婦を見た旅法師
侍を殺したと思われる盗人を捕らえた放免
不明の嫁の母親
そして盗人の自白
不明の嫁らしき女の清水寺での懺悔
殺された侍の死霊が巫女を通し告白
何回か読み直すたびに発見がある
そしてそれぞれが語る状況が見事に折り合わない
その全くどこも合わなさがすごいんだろうなあと
男女盗人それぞれが自分の精神のきよさを主張
懺悔する女の生命力の強さに感心するけれど
あくまで懺悔
侍は言い訳したいだろうけどもはや死霊
イラストはおくさん
和的テイストが多いらしい
ちょっと愛らしさを感じる人物達が魅力的
小説ととても折り合っているなと思います
Posted by ブクログ
内容も好きだし、今まで読んだ乙女のシリーズの中で一番絵本っぽくて良かった。
3人のうち誰を犯人と思うかで、その人の思考タイプが分かりそう。
(皮肉なる微笑)とか、厨二心擽る表現してくれる芥川龍之介大好き。笑
Posted by ブクログ
<乙女の本棚>シリーズの一冊。といっても、「乙女」には似つかわしいとは思えない内容だ。強盗、レイプと殺人の話だから。表紙イラストも血の付いた小刀をかざしている絵だ。ただ他のイラストもそうだが、本の内容に合った怪しい絵ではある。
黒澤明監督の『羅生門』は、この短編『藪の中』を原作としているが、タイトルや設定は同じく芥川の『羅生門』を元にしている。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとおくさんのコラボ作品『藪の中』です。おくさんのイラストは初めて見ました!なんとも、この作品にピッタリなイラストですね♪
藪の中で、武士の遺体が発見されたことをについて、それぞれの立場から証言を引用している感じなんですけど、証言の内容が合わないんです。その真相はいかに…??
なんか、古さを感じさせない作品ですよね!そのままドラマになってもよさそうな…そんな面白さを感じました。誰かが嘘を??でも、何のために?そして、どうして??とか、突き詰めたくなる…けど、真相は「藪の中」です^^;
Posted by ブクログ
平安時代、とある侍の死をめぐる短編。
死骸の発見者の木樵り、強盗を捕らえた放免、侍の妻の母親らの証言から始まるミステリ仕立てで面白かった。
また、捕らえられた強盗、侍の妻、侍の死霊によって語られる内容も三者三様の矛盾ばかりなため、殺害事件の真相は一切の不明。
藪の中ではほんとうには何が起こっていたのだろう?真犯人は誰なのだろう?と、謎が多くて闇深さがあり、とてもワクワクさせられるラストだった。
挿絵もたっぷりで、セリフ一文だけの頁も結構あってめちゃ贅沢。
芥川が地の文に書き添える『(皮肉なる微笑)(陰鬱なる興奮)(快活なる微笑)(昂然たる態度)(突然迸るごとき嘲笑)』とかが、なんか厨二っぽくて笑ってしまった。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
芥川の名作。これは乙女でなくても大丈夫。いや、乙女の本棚シリーズなのにこれでいいのかと心配になる場面もある。でも、乙女の気持ちなんて「藪の中」なわけであるから、これでいいのか。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
藪の中を読むのは初めてで、こんな内容だったのか!と驚きました。真相は誰にも分からない。短い内容ですが、なんだか心に残る作目です。様々な関係者からの証言で構成された文章は、スッキリしていてすばらしいなと思いました。
Posted by ブクログ
侍は胸を刺され死に、その妻は生きている、盗賊は捕縛された。これは事実ではあるが、藪の中で実際起こった出来事とは…
全ての証言が食い違うミステリでもあり、アンチミステリでもある名作が、おくさんによるイラストで絵本のように楽しめる!
真実は全て藪の中…
Posted by ブクログ
どのページの絵も素晴らしいのだけれど、『藪の中』の「多数視点」という技法がいまいち相性が良くないのか、絵が文章に勝ってしまっているのか、この物語の持っている「現実世界の不確実性」みたいなものがどうにも伝わりづらかった。私の読み取り能力不足だとは思う。内容忘れていたので、ネットで原作の解説を見つけて「どういう事になっているのか」は理解した。
Posted by ブクログ
推理モノではなく、チグハグな証言、本人たちの保身と悔悟の入り混じった心情、それらにもんやりとした読後感を持つのが、この作品の魅力…かな?このもんやり感は唯一無二。
元ネタの古典も読んだが、あちらは「旦那が情けない…」というしょーもない?テーマだったので、それをこの何ともいえぬもんやりな事件に仕立て上げたのは凄い。
おく氏の漫画チックながら鬼気迫る、鈍色な色彩のイラストは本作にめちゃくちゃ合っている!