【感想・ネタバレ】蜘蛛の糸・杜子春のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

芥川作品のうち、主に児童文学チックなものを集めたもの。
蜘蛛の糸は、天国から地獄、そしてまた天国、このコントラストが素晴らしく、カメラワークを通した情景が目前に浮かんでくる。
杜子春は、仙人になるよりも人間らしく生きることを肯定する、道徳的、倫理的美しさが映える。
そして何といってもトロッコ。個人的...続きを読むには芥川作品でベスト。良平の心理の変転、帰途を急ぐ様子、村で母に抱かれた際の描写、全てが大人になった今でも深く心に刺さってくる。

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Posted by ブクログ 2024年01月29日

再読に次ぐ再読。
大好きな作品集。
何度読んでも、面白さは変わらない。
トロッコが特に好き。少年の心細さを体感してしまう。
この時代の作家は凄いですね。

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

「魔術」、「猿蟹合戦」、「白」がお話としてとても好きだった、「蜜柑」は文章が綺麗で好き、読書ノートの感想めちゃ長になった

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Posted by ブクログ 2024年01月18日

「蜘蛛の糸」
「犬と笛」これぞ龍之介の短編!!ってかんじがして大好き
「蜜柑」
「魔術」谷崎潤一郎の『ハッサン・カンの妖術』のマテイラム・ミスラを巧妙に利用して試みた二重虚構。粋。
「杜子春」
「アグニの神」
「トロッコ」帰り道のあの泣きたくなるような不安感が分かりみすぎる…
「仙人」
「猿蟹合戦」...続きを読む最後の一文、“君たちも大抵蟹なんですよ。”……!!??恐怖!!そもそもこれはEテレの昔話法廷そのものでは?
「白」

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Posted by ブクログ 2023年12月02日

ああ、思い込みって勿体無い。
羅生門、地獄変、蜘蛛の糸あたりを子供の頃に読んだせいか、芥川龍之介=仄暗い怖い話を書く作家、と思い込み、あまり読んだ事がなかった。
こんなに素敵な作家の作品を今まで読まなかったなんて、私のバカ!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月25日

短い絵本むきの話がたくさん載っており、起承転結がくっきりしていて読みやすい。芥川龍之介の文章は本当に読みやすい。
「蜘蛛の糸」あまりにも有名な話なので、芥川の作品とは知らなかった(仏典やロシア版もあるようだけど)。
「杜子春」別の話と勘違いしていた。仙人になるための試練の話だけど、「封神演義」を彷彿...続きを読むとさせた。
「猿蟹合戦」童話の後、裁判になったらどうなるか、という話。「昔話法廷」と同じ形式。
「白」主人公の犬自体は不幸だけど、人助けをする伝説の犬みたいになってる!

巻末に芥川の人生の概要が載っている。子供の頃から読書が好きで本当に利発なようだけど、母親も義兄もそして芥川も精神を病んでいる様子から、遺伝的素養があるのかも、と感じた。

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Posted by ブクログ 2023年08月11日

どれも面白くて楽しく読めた。
芥川ってこんなに読みやすかったんだ。
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地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。
大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間とし...続きを読むて自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。
魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。
少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。

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Posted by ブクログ 2023年03月19日

深みのある童話
大事な事が書かれている童話
という感じです
やっぱり芥川はいいですね
蜜柑、泣いてしまった

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

短いお話の中に素晴らしい情景描写と、人生の教えのあるお話でした。
あまり古さを感じさせない内容です。

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Posted by ブクログ 2022年09月25日

芥川龍之介の少年少女向けの作品を集めた短編集。芥川は短編の名手と言われますが、さもありなんという素晴らしい出来。個人的には、たった6ページで鮮烈な印象を与えてくれた「蜜柑」が大好きです。

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Posted by ブクログ 2022年08月09日

国語の授業でしか読んだことがなかった芥川龍之介。又吉直樹さんの著書でお勧めされていたので読んでみた。児童向けに書かれた短編集で読みやすい。勧善懲悪的な教訓めいた話もいくつかあったけど、それだけにとどまらない面白さ、特に題材の豊富さに魅かれた。犬好きなので「白」という犬が主人公の話にきゅんときた。

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Posted by ブクログ 2022年08月10日

芥川作品は、時を超えて、その時時の私の心に迫ってくる。
生徒に教える時には勿論、何気無く読みたくなることがある。
特に「トロッコ」の少年の心理描写は、何度読んでも素晴らしい。小学1年生の時に年上の人と遊んでいたのに、「一人で帰る」ことになり迷子になった経験と重なる。
最後の現在の描写に気持ちが重なる...続きを読む時期もあったが、今は違う。
その時々の読みができて素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2022年02月11日

芥川龍之介さんに出会えた作品。
短編集で一話一話が短いので読みやすい。

この人は、
凄く丁寧な言葉遣いだった。
このような言葉遣いの人は
初めてだったけど
読みにくいなと感じることはなかった。
それは、話が面白いからだと思った。


この中では「猿蟹合戦」が一番好き。

「猿蟹合戦」は、昔話のさる...続きを読むかに合戦の
続きをえがいたもの。

猿を殺した蟹は死刑になる。
昔話だけを読んだ読者は蟹を可哀想だと思うだろう。
だが、蟹の死は当然だ。
蟹は必ず天下のために殺されるのだ。

  昔話の奥深さを知って改めて面白いなと思った。


「白」も好き。

臆病な自分を見返せる。

大切な仲間を見捨てると、自分も見捨てられる。
忘れられる。必ず自分に返ってくる。

でも、ただ悲しいと思うだけではだめなのだ。
それを反省して心を入れ直す。
臆病な自分を捨てることが大切なのだ。


この本で自分を見直すことができた。
臆病になってしまったり、欲張りになってしまった時は
この本を読もう。

人間の現状が今、ここにある。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

蜘蛛の糸

改めて読むと「人間ってこんなもんだろ」と思う様になってしまった。

激混みする電車のなかで広告として流したらいいと思います。( ᐛ )و

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

古典作品としては非常に読みやすいです!
また、芥川作品は短い話の中に多くの学びがあるのが素晴らしいですね!!

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

芥川龍之介と言えば羅生門を教科書で読み、地獄変、蜘蛛の糸を思いだしたんです。

こちらは少し物語がやさしい、わかりやすい感じでした。

その中でもはじめて読んだ蜜柑にとても惹かれました。

これは…好みのやつだ。

どの時代も、平然たる、日常の、生活での感情の機微は凹凸があるのだと思うが、作品そこに...続きを読むトリップしたような後読感で気持ちよかった。

こういう生活感があって、そこでのちょっとした非日常がすきなのかも。

龍之介目線。

列車でどこぞへ向かうのだが、ほぼ客のない列車内で、発車まで座席でなにを思うでもなく退屈に待つ龍之介。

やっと発車の笛がなる中、一人の娘が乗り込んでくる。
身なりがいかにもいなか者然としている娘。

その娘の存在が龍之介の退屈を払拭してゆくイメージなんですが、龍之介が娘を見る目の変化と、娘の境遇、諸々がわたしにはとても善き。でした。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

こうしてまとめて芥川を読めてようやく教科書の呪縛から逃れられそう。

年少者向けの短編をまとめたものだということで
大人目線のものは『蜜柑』だけ。
でもどれも不思議が当たり前にある世界が楽しい。

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

今の時代に読んでもどれもが読みやすく、また、どれにも教訓を得る。世代を重ねて読みつがれる本というのはこのようなものを指すのだろう。

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Posted by ブクログ 2023年09月13日

芥川龍之介が残した児童向けの短編童話集。
表題の蜘蛛の糸、杜子春以外にも短くてすぐに読める短編が収められている、

表題の2作はもちろんよかったが、個人的に蜜柑もとても良かった。

ストーリーが面白いだけでなく訓示めいたものもあり、皮肉の効いたユーモアもありでなかなか面白い

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Posted by ブクログ 2023年08月09日

短編の名士である芥川龍之介の作品の中でも、
児童文学よりの作品が多く収録された一冊。

ひと昔前の文学作品はどうにも、取っ付きにくいイメージがありますが、とても読みやすかった。

王道ですが、印象深いのは以下の作品。
「蜘蛛の糸」
どんな人間にも慈悲深いほんの一面はあるが、やはり強欲、我欲が先に立っ...続きを読むてしまう人間に本物の福は訪れないということ。。

「杜子春」
愛情に勝ちうるものは何もないということ。
達観した仙人になるよりも、愛の感情を持って生きることのが幸せかもしれない、、時に大変だけど。

「トロッコ」
この作品は最後まで読んで共感できた物語。
社会人になってゴールの見えない仕事に邁進する中で、小さな頃に体験した、日が暮れていく中1人帰路を急ぐ先の見えない心もとなさをふと連想する。
うーん、、確かに似ている。。

「蜜柑」
人を見た目で勝手に思い込み判断してはいけないですね。とても短い話ですが印象ぶかかった!

アグニの神、魔術 もミステリアスで面白かった。
なんだかんだ、ほとんど印象に残りました!

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Posted by ブクログ 2023年06月17日

引き続き昔の文学を…の流れで、芥川龍之介作品を。
オーディオリスニングにて読める代表作をパラパラ(蜘蛛の糸、蜜柑、羅生門、トロッコ、杜子春、鼻)と…代表して感想をここに記載。

いや…何かエモいやん、芥川龍之介・大先生( ̄∇ ̄)

美しいながらも読みやすい…程よく装飾性のある文章、個人的にはスゴく心...続きを読む地良かったです。

今読むと話自体は決して珍しくはないんですが…
芥川龍之介作品とは、その超絶王道なストーリーを「巧みな筆力」と「偉大なる文豪の肩書き」を命綱にして読む作品なのかなぁと…我ながら、結構なお手前で…( ̄∇ ̄)wwwww

あと、どの作品も最後(あたり)の一文が素晴らしいですね。
羅生門で言うところの「下人の行方は、誰も知らない。」的な(笑)

綺麗なフリオチのストーリーを、最後の圧倒的な美しい文章で仕上げつつ、ピリッとした緊張感を持たせる…コレが「文学」感を出してるんかなぁと。

「ええ感じのオチ書いたやろ」って、ほくそ笑んでる芥川龍之介さんの顔が浮かんできますね…うっすら漫才の最後で言ってんなぁ…「もうええわ」って…したり顔で…(´∀`)


<印象に残った言葉>
・下人の行方は、誰も知らない。(P18)

・ーこうなれば、もうだれも嗤うものはないにちがいない。内供は心の中でこう自分に囁いた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。(P29)

・しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。その玉のような白い花は、お釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら蕚を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、なんとも言えないよい匂いが、絶え間なくあたりへ溢れております。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。(P70)

・暮色を帯びた町はずれの踏切と、小鳥のように声を挙げた三人の子供たちと、そうしてその上に乱落する鮮やかな蜜柑の色とーすべては汽車の窓の外に、瞬く暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。そうしてそこから、ある得体の知れない朗らかな心もちが湧き上がってくるのを意識した。(P152)

・塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細々と一すじ断続している。……(P236)


<内容(「BOOK」データベースより)>
この天才を越えた者がいただろうか? 近代知性の極に荒野を見た作家の珠玉作品集。
小説家の登龍門である「芥川賞」に、その名をとどめる芥川龍之介は、深刻な人生の悩みに耐えながら、機智と諧謔と博識を駆使し、みごとな短篇小説を書き残した。
平安時代、荒廃した都で途方に暮れていた下人は、若い女の遺体から髪を引き抜く老婆に怒りを燃やす……「羅生門」。
蜘蛛の糸につかまって自分だけ助かろうとした男のエゴイズムの果てを描く「蜘蛛の糸」。
贅沢と転落を繰り返し、人間に愛想をつかした若者が仙人になりたいと望んで……「杜子春」。
新鮮な抒情、傑出した虚構、そして明晰な文章で、今なお人々を魅了してやまない不世出の天才の代表的作品を、一冊に収めた21世紀への日本の遺産。

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

昔から何度も読み返している作品。
読み返せるだけの深みと面白さがやっぱり詰まっている。短いストーリーだからこそ印象に残って、後世に伝えたいと思えるのだろう。たぶん笑

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Posted by ブクログ 2023年01月29日

 「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」の十作品を掲載する。
 あまり硬くなりすぎずに読める作品集ではあり、やはり短編の切れは素晴らしい。
 だからと言って内容、特に蜘蛛の糸・蜜柑・杜子春・トロッコについては短いながらも秀作と言えよう。
...続きを読む 特に蜜柑、トロッコの主人公の心理描写や心境変化については、読者は必ず主人公と一体となるように受け取れてしまう。
 ともに中学の時?に読んで以来だったが、古臭くもなく、また杜子春については鉄冠子は三国志の左慈のことだったのかなどと新たな発見もあり、しかも単に古典に典拠するだけでなく、そこに時代を超えた日本人における普遍性を見据えて創り上げていくことは、まさに芥川の妙手と言えよう。

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Posted by ブクログ 2023年01月18日

 文学作品は苦手という方にもおすすめの短編集。小学校や中学校でも触れたことがある「蜘蛛の糸」や「トロッコ」などを中心に10編が収録されている。
 多少言葉遣いが難しい部分もあるが、物語自体は平易なものが多い。しかし、内容は深く考えさせられるものが多い。人間のエゴイズムについて書かれた「蜘蛛の糸」や「...続きを読む魔術」、人間の浅はかさに触れ生き方について書かれた「杜子春」などなど、バラエティに富んだ作品集。
 芥川龍之介を初めて読む人にはいいかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年10月18日

少年少女のための寓話的な短編集だけど、
中国の伝記を題材にしながらも、
スマートに研ぎ澄まされた日本語の物語が紡がれていることに感嘆する。

また、大人になっても忘れない、子どもの頃のあの思い出を描いた『蜜柑』『トロッコ』にセンチメンタルを感じた。

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Posted by ブクログ 2022年09月13日

有名な『蜘蛛の糸』、『杜子春』を含む10編の短編からなる。少年物と言われるだけあって、王朝物に比べるとずっと理解しやすい。

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Posted by ブクログ 2022年07月17日

芥川龍之介の作品が10編収められた作品集。

芥川龍之介の作品は、『羅生門』と『蜘蛛の糸』ぐらいしか読んだことがなかったが、この作品集は読みやすくとても良かった。それもそのはず、この作品集は、主に少年少女のために書かれた作品を集めたものらしい。教訓めいたものが多かったが、大人が読んでも十分に面白く楽...続きを読むしめた。

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Posted by ブクログ 2022年06月12日

自分は「蜘蛛の糸」が1番印象に残りました短い文章なのに、犯罪者たちの幸せになりたいという感情が逆に自分を追い込んでしまっているように思え、当時や現在の社会の形を物語っているような気もしました。

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Posted by ブクログ 2024年02月08日

講義で芥川龍之介の作品を読んで、「蜜柑」が気に入ったため、「蜜柑」が収録されているこちらを購入しました。どの作品も読みやすくて面白い。「蜜柑」「杜子春」がお気に入り。

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

学生時代の教科書で読んだきりの芥川
実家の父の書棚にいくつかあったのを拝借


■蜘蛛の糸
お釈迦様のいる極楽の美しさ、穏やかさと地獄の暗さ、絶望のコントラストがいいですね
子供の頃はそんなことより、人を蹴落として自分だけが助かろうとするとバチが当たるんだと教訓めいた読み方しか出来なかった
大人にな...続きを読むると、さてこれは自分ならどうするよ?
となる
うんうん考えてみたが、とりあえず誰にも追いつかれないようにダッシュで糸を登ってみる…という何とも器の小さい結論に
大した人間じゃないことがバレます

■犬と笛
植物、動物すべての生命体を魅了し、神から褒美まで貰える笛を奏でる主人公
どんな音色かぜひとも聞いてみたいものだ
まさに芸は身を助ける
最後に二人の姫のどちらと結婚したのか気になるなぁ
だってこれって一波乱ありそうじゃないですか(笑)

■蜜柑
短いながらも見事に映像化される作品
主人公の疲れ切った倦怠感とうんざりする平凡な日常
そこに現れた嫌悪感を抱かせる少女
ザラっとした男の心が爽やかな旋風が吹き飛ばされ、美しい情景に変わる鮮やかな筆術

■魔術
凄い魔術を扱うインド人の不思議な館で人の欲深さが試される
この不思議な雰囲気のある館が気になり、妄想が止まらない
妄想→古くて埃っぽくて暗い よくわからない調度品が無秩序に配置されている
微かにエスニックなお香の香りが漂う
出されたティーカップは古くて茶渋がこびりついている
ティーソーサーは少し欠けている………なんて感じ
そしてジンが登場
どうやら芥川は「アラビアンナイト」の翻訳を試みた事があるようだ

■杜子春
舞台は唐の都洛陽
主人公杜子春はお金のある贅沢な暮らしと無一文の暮らしを仙人に操られ、人間に愛想を尽かす
そして仙人の弟子になるのだが…
この修行により人間らしい正直な暮らしに目覚める…
この修行がなかなかのものでちょっと杜子春を見直した
ようやく彼は大切なものに気づいたのだ
大切なことは目立たなくて案外近くにあるってやつですな

■アグニの神
上海が舞台
強欲な魔法使いのインド人老婆
その婆さんの元に香港の日本領事館の娘が拉致られている
救世主はピストルを所持している遠藤という日本人
いつも婆さんが魔法を使うときに呼び出すのがアグニの神
最後はこの神の怒りに触れお陀仏になるのだが…
これはよくわからなかったなぁ
内容はともかく、「杜子春」の華やかだが柔らかい雰囲気の都、洛陽とこの華やかだが下世話な感じの上海の雰囲気がそれぞれしっかり浮かび上がる

■トロッコ
もうこれは誰しもが味わったことのある酸っぱ苦い思い出だ
それを思い出す大人の疲れた、特に明るい未来があるかわからない先の見えないような日常が重なる…
という描写

個人的にはこの「あるある体験」の生々しい少年の感情が鮮明で悪くない

■仙人
うわー
これまた強欲な人間の登場
えげつないわ この医者夫人のおばさん
でも正義は勝つのです
ああ、良かった!

■猿蟹合戦
なんとまぁ「猿蟹合戦」のその後の話
猿と仕留めた蟹たちは警察に捕まり、監獄に投ぜられ、主犯格の蟹は死刑に
社会の風刺を取り入れて面白く話を展開させて膨らませているパロディ作品なのだろう
面白さが全く理解できなかったが…

■白
罪を冒した犬が命をかけて(本心は生きる事を諦めて)罪滅ぼしをしていく
これが最後に報われる
こういう話は子供の情操教育にとても良さそう
複雑さやヒネリはないが、素直に読めて心が洗われる
個人的に好きである


道徳や哲学が散りばめられており、とにかく全ての作品に余韻があり、読書後暫く考えさせられる
映像描写の素晴らしさと奥行き感が見事である
ただ、好みではないなぁ
うーん
ワタクシの情緒が欠落しているのでしょう
まぁ正直になることは大切なはず…

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