芥川龍之介のレビュー一覧

  • 羅生門・鼻

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    陰鬱で不気味な羅生門。人生に詰んだ下人の心が行ったり来たりする。生きていくために盗人になろうか、どうしようか。(若いんだから、真っ当に働けよ、と思ったのは私だけではないはず)
    羅生門の二階で罪深い老婆の悪行を見て、人の心を取り戻し正義を守ろうとする。
    が、その老婆の言い訳を聞いて反転する。
    コロコロ心変わりをしていくさまに、読んでる私も右往左往してしまう。
    気持ちがひっくり返るのが面白い。そして最後は…。

    「羅生門」は昔、読んだ記憶があるものの今イチ面白さがわからなかった。そして大人になった今、マイ芥川ブームで作品の読み直しを始めて改めて物語の深さに気づいている。どの作品も面白過ぎる。人の心

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    2025年07月05日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    ネタバレ

    『蜘蛛の糸』
    生前に一度だけ蜘蛛を助ける善行をした悪人に、お釈迦様が極楽へとつながる蜘蛛の糸をお下ろしになった。
    追って糸につかまる悪人どもを蹴落としてひとり助かろうとした男だが、糸は切れて地獄の底へと姿を消して…。
    昼前の極楽浄土の些事。

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    2025年06月23日
  • 芥川龍之介短編集 蜘蛛の糸・羅生門など

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    読みやすくなっているようだったので、現代文学ではないものもと思って読んでみた。

    うっすらと覚えのある「蜘蛛の糸」、「鼻」、「羅生門」、「杜子春」。
    改めて読むとこんな話だったのかと新鮮だった。

    時に気味の悪いくらいの描写で人間の汚い部分を表現し、それは幾年もの時を超えても変わらず心に突き刺さる。

    しかし、昔の言葉は難しい。。。
    100%は理解できず雰囲気で読み進めた部分もあったかも知れない…

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    2025年06月18日
  • 文豪死す

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    文豪たちの遺作を集めた本。
    太宰治のグッドバイ、初めて読んだけど続きがめちゃくちゃ気になる…!!!

    各作家の作品のあらすじ紹介がわかりやすくて、面白そうで、読んでみたいのをたくさん見つけられた。
    名作系にハードルの高さを感じていたけど、作家のあらすじや経歴をみて、だいぶハードルが下がった。

    夢野久作知らなかった!女坑主は読み終えたあと「あの時のあのセリフはどういう意味?」ってなって読み返してしまった。

    読んでみて良かった。自分の読める小説が広がりそう。

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    2025年06月15日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    4.0/5.0

    世の中を見つめる冷めた視線や皮肉っぽい視点が全編に貫かれているように感じた。
    生きることに対する絶望や、恐怖、やるせなさ等々晩年に芥川が抱えていた苦痛がひしひしと伝わってくる。
    明らかに死を意識して書かれたであろう『或阿呆の一生』や『歯車』、当時の日本社会に対する皮肉や捩れを異世界を通して描いた『河童』
    自らに対する嫌悪感や劣等感の捌け口として文学に頼っていたことが伺える箇所が多く、勝手に親近感を感じたりもした。

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    2025年06月01日
  • 羅生門・鼻・芋粥 アニメカバー版

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    三宅香帆さんの『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』を読んで芥川龍之介を読んでみようと思い、中古本を購入。食わず嫌いをしていて損したな、と思った。
    短編読み切りなので通勤中にサクサク読める。描写が上手だと、こんなにも場面を想像しやすいのか、と感心もした。

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    2025年05月12日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    藪の中と地獄変は久々に読んだが、やはり藪の中は面白かった。地獄変はところどころ記憶と違うなと思うところがあったがまあ良かった。所々曖昧な描写は考察のしがいがある。
    他の短編も短いものが多くて気楽に読めた。
    往生絵巻とか短いしオチとしては好きかも。竜のオチは途中予想できてしまったが、面白かった。今昔物語のオチとは違うらしい。姫君の話はまあ普通くらい。偸盗はそんな好きじゃなかった。

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    2025年05月04日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    100年以上前に書かれた物なので注釈が無いと分からない。しかし、いちいち注釈を確認しながら読むのは苦痛。

    芥川龍之介の初期の作品を集めた物で、なんだろうか、凄く研ぎ澄まされた刀でも突き付けられながら読む…と言う感覚があった。が、一方で小説と言うか個人の日記を読んでいる(?) 様な作品もあった。

    巻末の解説を読んでみると、、いや~そんな深いところまでは読み取れない、分からないスッ…(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)

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    2025年04月29日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    『地獄変』は中学生くらいの頃に読んだんだけど今回読み直したら思ってたのと違った…多分『宇治拾遺』とごっちゃにしちゃってたんだな〜

    解説に

    『地獄変』の良秀は、他の思う通りの傑作を完成したが、しかしそのためには最愛の娘の生命を犠牲にするという残酷な所業をあえてした。絵を完成したのち、一たん道徳的な気もちに立ちかえると、くびれ死なざるを得なかったというところに、芥川の芸術家としての、また同時に人間としての、生き方なり、立脚地なりがあった。

    って書いてあって、宇治拾遺の方も『地獄変』も「芸術と道徳の相剋・矛盾」が語られるイメージがあるんだけど『地獄変』はちょっと違う気がする。

    確かに良秀は芸

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    2025年04月27日
  • 河童 他二篇

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    『河童』・・・面白おかしく読み進めていたら、なんだか所々、重く暗くなってきて、後半は心がざわざわしてしまった。産まれるか否かを自分で決めることになっていること、また、産まれた時が老人で徐々に若返っている河童が、だから欲に囚われずに幸せだというのが印象的。
    他の二篇も薄暗い話なのだけど、妙な綺麗さがあって良かった。

    映画館でアクション映画を観た後の街中で、何か危険が迫っている気がしてしまう私。この本を読み終わったばかりの今、自分の作品の評価を死後に気にする河童と芥川龍之介が重なって、ここの私の感想が届いたら何か起こるんじゃ?とそわそわしている。
    世界に入りすぎ(笑)

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    2025年04月03日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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    イラストが美しすぎる…!!
    ロティって誰だろ。
    舞踏会ってこんな感じなのかな。
    行くことはないけれど憧れてしまいますね。

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    2025年03月31日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    主に地獄変の感想となります。
    モデルとなる宇治拾遺物語は何となく知っている程度です。それを元に描かれた画師・良秀の芸術と狂気の紙一重の描写が重く思えました。

    作品を生み出すため自身の愛情を込めた人物が犠牲となった際の良秀の情景描写で、人としての良心と芸術家としてのエゴが相反し、複雑に混ざりながら葛藤している様子が痛いほど伝わります。
    その後、事象を経て描いている良秀の様子は忘我の状態と表現すべきか、神懸かり的な様子で描写されていました。その場面は読んでいて、ついに作品を生み出すために犠牲を厭わなく思ったのかと怖さを抱きました。その一方で、常人では到達できない所に辿り着いたのかとも思いました。

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    2025年03月23日
  • 羅生門・鼻

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    源平盛衰記や仏教用語など調べないとわからないことが多くあったのでそこは難しかった。ただ、羅生門など教科書に載るような短い話は理解が比較的簡単で面白い。

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    2025年03月17日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    短編集で読みやすい
    羅生門は教科書ぶりに読んだ
    これを機に、教養として日本文学をまた久々に読みたいなと。

    羅生門は、生きていくために必死な人間の、
    さまざまな悪の部分を垣間見た。
    誰にでもこういった部分があるのかな、人間の本質を見た。

    鼻は、滑稽

    芥川龍之介の物語は奇妙。
    でもなぜか引き込まれてしまってそれもまた奇妙!

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    2025年03月09日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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    今日3月4日は、半村良のご命日
    龍ちゃんのレビューしている時では
    ないのですが、龍ちゃんと仲良しは誰?論争に
    どうしても参戦したくなってしまったのです

    時は平安
    事実とみなされる事は二つ
    侍が死体で発見された事
    結婚したばかりの嫁の行方がわからぬ事

    この侍の死を巡る七つの証言や告白で小説と成す
    検非違使に問われたるは
    死体を発見した木樵
    死ぬ前の夫婦を見た旅法師
    侍を殺したと思われる盗人を捕らえた放免
    不明の嫁の母親

    そして盗人の自白

    不明の嫁らしき女の清水寺での懺悔

    殺された侍の死霊が巫女を通し告白

    何回か読み直すたびに発見がある
    そしてそれぞれが語る状況が見事に折り合わない

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    2025年03月04日
  • 舞踏会(乙女の本棚)

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    砂糖菓子のような美しく豪華ながら優しい色彩のイラストと、夢のような物語。
    比較的暗い話の多い乙女の本棚シリーズのなかでは、明るく懐かしくロマンティックな一冊。
    目の保養になるなぁ。

    話自体が短いためか、今回は全ページにイラストあり。作品によっては文字だけのページが多いこともあるが、その点、すべてにイラストがついているのもポイント。

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    2025年02月26日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    内容も好きだし、今まで読んだ乙女のシリーズの中で一番絵本っぽくて良かった。

    3人のうち誰を犯人と思うかで、その人の思考タイプが分かりそう。

    (皮肉なる微笑)とか、厨二心擽る表現してくれる芥川龍之介大好き。笑

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    2025年02月19日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    河童の出産のシーンが最高でした。
    カワウソとの戦争はアニメーションで見てみたい。
    きっと可愛いから。

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    2025年02月02日
  • 奉教人の死(新潮文庫)

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    悪魔の賭けと煙草の伝来を描いた「煙草と悪魔」、題の通りさまよえるユダヤ人当人の語った話を描いた「さまよえる猶太人」、「ろおれんぞ」と呼ばれる少年がキリスト教寺院を追われ薨るまでを描いた「奉教人の死」、悪の権化として単純に描かれがちな悪魔の奥行きを描く「るしへる」、「強い者に仕えたい」と考え、高名な王、王が恐れる悪魔を経て主上へとたどり着く山男の「きりしとほろ上人伝」、黒衣の観音像とそれに纏わる親子の祈りの話を描く「黒衣聖母」、キリスト教の伝来を阻害あるいは侵食しようとする日本の神々の攻防のさまを描く「神神の微笑」、大泥棒の恩返しと、更にその恩に報いる男の「報恩記」、洗礼を受けた少女と養父母の信

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    2025年02月01日
  • 羅生門・鼻・芋粥 アニメカバー版

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    ネタバレ

    教科書以外で芥川龍之介作品を読むのははじめてだった。時台背景とか言葉が難しく感じるところは多々あったけど、情景の丁寧な切り取り方とか読むと長く愛されてきた理由が分かる気がした。

    羅生門は突如暇を出されてしまったかわいそうな下人が老婆の出現によって印象がコロッと変わってしまい、その卑小さというか弱さがとても人間らしくて、自分の弱さも目の前に突きつけられた感じがした。

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    2025年01月11日