芥川龍之介のレビュー一覧

  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    図書室。芥川を紐解きたくて。
    「奉教人の死」がとても良かった。イエスキリストとはこういう人だったのかも。
    「地獄変」も良かったな。

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    2024年12月26日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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     <乙女の本棚>シリーズの一冊。といっても、「乙女」には似つかわしいとは思えない内容だ。強盗、レイプと殺人の話だから。表紙イラストも血の付いた小刀をかざしている絵だ。ただ他のイラストもそうだが、本の内容に合った怪しい絵ではある。

     黒澤明監督の『羅生門』は、この短編『藪の中』を原作としているが、タイトルや設定は同じく芥川の『羅生門』を元にしている。

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    2024年12月25日
  • あばばばば

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    店番の若い女性

    店番の若い女性への観察が、微に入り細にわたっている。そして、観察者は彼女に対してずいぶんな思い入れがあるように感じられる。ところがしばらく店で彼女を見なかったら、今度は赤ん坊をつれて登場してきた。そして、恥じらっていた以前の面影はなく、強い母親になりきっていた。表題の「あばばばば」に主人公そして作者の哀惜の念が込められていると思う。

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    2024年11月17日
  • 孔雀

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    寸鉄

    おとぎ話や昔話を題材にして洒落た話やウイット アイロニーに満ちた作品にするというやり方は、多くの近代作家がやっているが、芥川龍之介もその代表的な作家である。イソップ物語の多くのエピソードの中からこのエピソードを拾い出し、寸鉄人を刺すような短文に仕上げている。

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    2024年11月17日
  • 羅生門 鼻 芋粥 偸盗

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    学生時代に読んだ『羅生門』と『鼻』であるが、他の2作については読んだことがなかったので手に取った。平安時代が背景ということで敬遠していたが、これが中々どうして面白い。とりわけ『偸盗』が響いた。緊迫感や苦悩がありありと伝わって臨場感を強く感じられる。登場人物の個性が魅力的で、かつ陰鬱とした前半からスッキリとしたオチへと導かれて発生するカタルシスも気持ちが良い。

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    2024年11月08日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • 【語注付】地獄変

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    読んだのはこの表紙の集英社文庫ではないです。(すみませんが、この表紙絵は好きではありません。)

    口絵に芥川の小さい頃の写真等や黒澤監督の地獄変の映画シーンの写真があり良いです。巻末の注釈もありがたいです。

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    2024年10月29日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとおくさんのコラボ作品『藪の中』です。おくさんのイラストは初めて見ました!なんとも、この作品にピッタリなイラストですね♪

     藪の中で、武士の遺体が発見されたことをについて、それぞれの立場から証言を引用している感じなんですけど、証言の内容が合わないんです。その真相はいかに…??

     なんか、古さを感じさせない作品ですよね!そのままドラマになってもよさそうな…そんな面白さを感じました。誰かが嘘を??でも、何のために?そして、どうして??とか、突き詰めたくなる…けど、真相は「藪の中」です^^;

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    2024年10月25日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    この作品には以下の6編が収録されている

    「偸盗」、「地獄変」、「竜」、「往生絵巻」、「藪の中」、「六の宮の姫君」

    個人的に一番印象に残ったのは「偸盗」かなー。芥川が放つ独特の世界観と物語が折り重なっているような気がした。出てくる登場人物たちはどこか歪んでいる人が多いのだけれど、時折見せる人間味も垣間見えて全員を憎むことはできない。
    最後は、兄弟の絆かそれとも愛をとるのかという選択を読者に見せつけてくれた気がして、とても感慨深かった。

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    2024年10月15日
  • 藪の中(乙女の本棚)

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    平安時代、とある侍の死をめぐる短編。
    死骸の発見者の木樵り、強盗を捕らえた放免、侍の妻の母親らの証言から始まるミステリ仕立てで面白かった。
    また、捕らえられた強盗、侍の妻、侍の死霊によって語られる内容も三者三様の矛盾ばかりなため、殺害事件の真相は一切の不明。
    藪の中ではほんとうには何が起こっていたのだろう?真犯人は誰なのだろう?と、謎が多くて闇深さがあり、とてもワクワクさせられるラストだった。
    挿絵もたっぷりで、セリフ一文だけの頁も結構あってめちゃ贅沢。
    芥川が地の文に書き添える『(皮肉なる微笑)(陰鬱なる興奮)(快活なる微笑)(昂然たる態度)(突然迸るごとき嘲笑)』とかが、なんか厨二っぽくて

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    2024年10月09日
  • 本所両国

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    懐かしい雰囲気

    東京下町の典型として本所両国界隈を題材に描き出された、芥川龍之介のエッセイである。大正年間に明治時代や江戸時代の名残を「懐かしい雰囲気」と表現しているところが、いつの世も変わらない解雇のセンチメンタリズムを漂わせているところが面白い。令和時代の今日、本所両国界隈を歩けば、大正年間は愚か昭和時代の名残でも「懐かしい」という評価になるのだろうな。

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    2024年10月01日
  • 仙人5

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    大人の童話である。

    短編の名手 芥川龍之介の書いた大人の童話である。どの作品もひねり 皮肉が効いていてできの良いショートショートの味わいがある。とりわけ桃太郎は悪役と英雄の逆転に、幻想味を付け加えて出色の出来だと感じた。

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    2024年10月01日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    肉迫の筆致とドラマティックな展開による物語でどれも読者の善悪の価値観に訴えかける力を持つ芥川龍之介による短編集。

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    2024年09月25日
  • 蜘蛛の糸・杜子春

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    ふと、昔から有名な本を読んでみようと思って最初に手に取った一冊。
    どの話もすごく綺麗。
    少年文学すごい。
    とくに杜子春と白が好きだった。

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    2024年09月17日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。
    横須賀線に乗った私。発車間際に乗り込んできた小娘と2人きり、列車は動き出すのだが……。

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    2024年09月01日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    やっぱり地獄変が1番印象的だ。燃え盛る地獄を描くために娘が焼死する様子を見るなんて恐ろしすぎる…!!

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    2024年08月26日
  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    中学、高校時代に芥川龍之介を貪るように読んだ。
    ほとんど文庫で読んだのだが、どうしても書簡集も読みたくて、全集の書簡集の巻も愛読した。

    好きな作品はいくつもあるが、あまり取り上げられることのない、「袈裟と盛遠」(1918)に非常に感銘を受けた。
    袈裟と盛遠、共に人の名前だ。
    つまり、「トリスタンとイゾルデ」(「イゾルデとトリスタン」)と言ったようなタイトルだ。
    袈裟は袈裟御前、女性の名前。
    「盛遠」は、出家する前の文覚のことだ。
    だから、袈裟は女性の名前と共に、後の盛遠の出家を象徴している。

    文覚は、伊豆に流罪となった時に同じく伊豆に流されていた源頼朝と知り合う。
    頼朝にその父義朝の髑髏を

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    2024年08月16日
  • 文豪死す

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    文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
    表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
    登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
    それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
    特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。

    文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良

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    2024年08月15日
  • 羅生門・鼻

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    ネタバレ

    「羅生門」
    主人公が、死人の髪を抜いている老婆を見つけた時は、自分の正義のもとに怒りを露わにしながら老婆を捕らえるが、その死人は罪人であり、こうなるのも仕方がないと老婆が説明すると、主人公は老婆の服を剥がして盗み逃げてしまう。正義の揺らぎがすごくわかりやすく描かれている作品だと思いました。
    「鼻」
    大きな鼻がコンプレックスの主人公がなんとかして鼻を小さくするも、依然として周囲から笑われる。そしてある日突然鼻がまた大きくなると主人公は安堵感を覚える。
    人にはコンプレックスが大なり小なりあり、たとえそれが解消されてもコンプレックスは尽きない。と言うことを言いたかったのかなと思いました。

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    2024年08月14日