芥川龍之介のレビュー一覧

  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    芥川龍之介の作品は子どもの頃以来かも。
    蜜柑を汽車の窓から弟達に向かって投げる少女(おそらく)とその光景が文章から鮮やかに目の奥に浮かび上がるのだが、この絵本がさらに鮮やかなものにしてくれる。
    辛い別れの場面なんだろうが、暮れゆく夕焼け空と金色の蜜柑、本当に綺麗な絵だ。

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    2024年01月25日
  • 河童・或阿呆の一生(新潮文庫)

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    タイトル作「河童」

    芥川晩年の作品。生活やお金、宗教、芸術などに関する芥川の考えが記されているような作品。河童の設定が絶妙に近未来的でとてもSFチック。職工屠殺法の部分が衝撃で印象的。

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    2024年01月17日
  • 侏儒の言葉 文芸的な,余りに文芸的な

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    十代の頃、新潮文庫で初めて「侏儒の言葉」を読んだ時、閃光のようにきらめく知性と厭世的なポーズに酔いしれ憧れた。二十代で再読した時には、頭でっかちで底の浅いひ弱な精神しか見出せなかった。不惑を過ぎて「文藝的な、余りに文藝的な」と合わせて改めてこの箴言集を読み、芥川がなぜ自ら命を絶たねばならなかったのか少し分かるような気がした。

    詩人兼ジャーナリストでありたいと願った芥川は詩的精神と知性をともに追い求めた。だが彼の知性は詩人に徹することを肯んぜず、その詩的精神は散文芸術としての総合性とあい入れなかった。芥川の中の詩人とジャーナリストがギリギリのバランスを保つことができたのがアフォリズムという形式

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    2023年12月29日
  • 歯車 他二篇

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    晩年の死を意識した頃の短編集。龍サマの神経がヒリヒリしている感じが伝わって来て痛々しい。
    その一方で「或る阿呆の一生」に登場する狂人の娘は誰?といった下世話な勘繰りをしてしまい、いろいろググってしまった。

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    2023年12月17日
  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    短編の持つ力
    きゅっとその物語の世界に
    入り込んでしまう

    「邪宗門」が未完なのが悲しい

    一二三館書店にて購入

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    2023年10月15日
  • 藪の中・将軍 アニメカバー版

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    大正10年(1921年)98年前
    藪の中に男の死体
    事件に関わる登場人物が証言をする
    それぞれの人が
    どう見えて
    どんな風に語るか
    を遠巻きに見ていて
    その違いを皮肉ぽく見ている話
    (どんな風に思っているかではない)

    違いが大きい程ハッとするし
    衝撃受けて心に残る

    最後の方に作者の
    0〜35才までの年譜が
    載っていて興味深かった
    辰年辰月辰日辰刻
    生まれなので龍之介
    7ヶ月  実母フク発狂
    10歳   フク死亡
    12歳   実母の妹と父の間に異母弟
         母の実家(芥川)の養子になる
    29歳   「藪の中」執筆後
         中国等に視察員として特派
         この後多数の病気
    35歳 

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    2023年10月08日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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     乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとげみさんのコラボ作品「蜜柑」です。やっと手にすることができました!!

     横須賀線の汽車の車中が物語の舞台…。鬱々としていた私が出会ったのは、見すぼらしい風情をした13,14歳くらいの少女だった…。そもそもなぜ自分とこの少女が一緒の車両に乗らなければならないのか…と感じながらも、その少女から目が離せない…。だけど、少女が車窓から見送りの弟たちに蜜柑を放る場面は、そこまでの重い雰囲気が一気に晴れて清々しさを感じさえ感じさせます。きっと、少女は家族のもとを離れて奉公先に行くのであろう…見知らぬ場所へ行くのに不安もあるだろうに、こうして家族の幸せを願っている

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    2023年10月07日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    地獄変を読みたくて。
    地獄変だけ読んだ感想です。

    平安時代かぁ…。
    私は大昔に思いを馳せる時、きっとこの時代、一部の特別な人をのぞき人の命は道端の石ころのようなものだったんだろうと思う。
    今のような人はみな平等という考え方は一切ないし、気に入らなければ殺される。病気も治す術はないかったのではないか。死体が道端に転がっていたような時代。
    絵師良秀は、大殿様から地獄編の屏風を描くように指示され、地獄の様子を描くために弟子を縛りあげたり、鳥に襲わせたりする。路端に転がってる皆が目を背ける死体にも近づいて行って具に観察したりする、奇人変人だ。
    そんな良秀は一人娘のことは可愛がっていて、大殿様のもとで

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    2023年10月05日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    過去に読んだ記憶がうっすらとあったが、こんなにしっくり読めたのは年を重ねたせいかもしれない。

    挿し絵のタッチが変化していくのも良かった。
    挿し絵が、というより文章が挿し絵を引き立てているように感じた。
    とにかく文章表現が天才的。

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    2023年10月04日
  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    新技巧派ならではの表現の癖を感じられて面白い。夢と現実を行き来するような虚構の遊戯性を強調する文体は反自然主義ならではで、どこか童話らしさをも感じさせる。
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    ①『地獄変』
    完全な地獄屏風を完成させるために娘を豪華の炎に追いやる良秀。彼の中に「完璧なる芸術」を希求する欲求と、非人道的な方法で愛娘を美の遂行のために殺してしまう事への葛藤が相剋しており、なかなかに考えさせられる作品。特に炎の描写は圧巻。生きたことのない時代にも関わらず、燃え盛る馬車のイメージがまざまざと浮かんでくる。あっという間に物語に引き込まれてしまった。

    地獄変が人々に認めら

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    2023年09月23日
  • 羅生門・鼻・芋粥

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    生きていれば誰もが直面する苦しさ、やり切れなさ、物悲しさ、切なさ、侘しさ、そういったものを鮮やかに切り取っている。文体やスタイルが多様であることにも驚かされるが、モチーフに自身のテーマを綺麗に乗せて展開する手腕、そしてこのような人生の一側面を優しさと共に見つめて切り取る眼差しに感嘆する。

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    2023年08月11日
  • 鼠小僧次郎吉

    購入済み

    短編の魅力

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    2023年07月18日
  • 羅生門 鼻 芋粥 偸盗

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    雨の羅生門。下人が雨宿りのため、門の二階に上がると、老婆が死体の髪を抜いている。人髪でカツラを作って売るらしい。芥川龍之介『羅生門』1915

    芥川龍之介『鼻』1916

    人間は時として、満たされるか満たされないかわからない欲望のために一生を捧げてしまう。しかしその愚を笑う人は、つまるところ、人生に対する路傍の人に過ぎない。芥川龍之介『芋粥』1916

    お釈迦様は地獄で苦しむ罪人カンダタ(犍陀多)を救うため、地獄の底に蜘蛛の糸を垂らす。カンダタが細い糸を登り始めると、下から多くの罪人がわらわら登ってくる。糸は切れない。カンダタ「お前たちは下りろ」と叫ぶと、糸は切れてしまった。芥川龍之介『蜘蛛の

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    2025年05月30日
  • 羅生門・鼻

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    「心の裏側」

    芥川龍之介の「羅生門」を読んだのは先週だった
    映画『羅生門』を観て、どうしても気になってしまったから
    短編で読みやすいが内容はとても奥深く人は生きるためは何者にもなれるのだと思ったものです。
    「鼻」
    どんな本なのかと読み進むとこれまた意外
    これも短編で読みやすい
    読みやすいが深読みするとどこまでも深い
    噺家がやればなかなかの笑い話だけども心の動きがよく分かる
    漱石さんお墨付きになるわけだ
    今度は芥川龍之介の短編集を読んでみたいです。

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    2023年06月20日
  • 地獄変・偸盗(新潮文庫)

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    再読。回数不明。王朝物。
    毎度、偸盗が面白いと思う。作者が駄作としていることは残念である。他の作品にはないような躍動感、メロドロマっぽさ。その他、地獄変と藪の中がお気に入り。

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    2023年06月09日
  • 羅生門(まんがで読破)

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    まず短編集なのを初めて知った。

    表題は1番初めのものだが、マジで気色悪い内容だった。ホラーすぎる。いや、こんな話が生み出されて後世に継がれるってのが不思議。文才が際立っているのだろうと推測する

    『鼻』が夏目漱石に絶賛されて、教職のかたわらこの短編集を刊行。しかし、薬物自殺、享年35歳。本当に人生はわからない。

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    2023年05月17日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    檸檬の白熱灯に対して、この蜜柑では夕焼けに踊る蜜柑。蒸気機関列車の疾走感と陽の温かみにほんのり心が温まる。

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    2023年02月20日
  • 乙女の本棚7 蜜柑

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    芥川の大好きな短編「蜜柑」。
    少女(小娘)が、走りゆく電車の窓から弟たちに蜜柑を勢いよく放るシーンはこれまでも目に浮かぶほど鮮やかで、それがそのままイラストとして再現されており感動しました。蜜柑と夕焼けの、あたたかなオレンジ色がとっても素敵。
    乙女の本棚は考案した人にお礼を言いたいほど素晴らしいシリーズだと思ってる。毎月2冊ぐらい読んでいって今年のうちに読破するのが目標!

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    2023年02月18日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    正直、前半の『運』『道祖問答』はあまりおもしろくなく、妙に説教臭さばかり鼻についた。『袈裟と盛遠』に至っては全く意味がわからない。
    次の『地獄変』は伊藤整などの小説評論や近代文学の概括によく出てくるので期待しつつ、流石にちょっと面白いなと思ったが、その続編みたいな入り方で始まった『邪宗門」の前半はまた退屈になり、後半になって盛り上がってきたところでこの作品は中絶。
    『龍』『往生絵巻』とまた説教臭いのが続き、買ったのを少し後悔し始めながら『好色』を読み始めると、平中が侍従のとこに忍び込む夜の情景がやたらにリアルで、文字通り実際にみるようだったことで急に感動を覚え、『藪の中』は少し狐に摘まれたよう

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    2023年01月23日
  • 【語注付】地獄変

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    私の読んだ版では、小畑健のデスノート風の芥川の肖像が表紙だったが、今は変更されているようだ。
    内容は入門編というべきか、現代ものも王朝ものも有名どころを集めてある。読み口も柔らかく読みやすいものが多い(地獄変はやや難しいか)。

    わたしは三島由紀夫が讃えたという(と、北村薫の小説で読んだ)「舞踏会」を読むために入手。

    べつに岩波文庫など他のレーベルでも同作は読めるし、巻末に註が集められちゃっているせいで読み進めるのがやや面倒なわけだけれど、集英社文庫版ならではの要素として、高橋敏夫先生の解説がとても面白くて、よかった。

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    2022年12月20日