芥川龍之介のレビュー一覧

  • 羅生門 杜子春

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    息子が小学生の頃読んだ本を何気に手に取る。
    芥川龍之介、ゴイゴイスーだ。
    特に蜜柑が秀逸。歴史に名を残す小説とはこういう作品集なのだと痛感。

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    2020年05月23日
  • 地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇

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    芥川の王朝物のなかから短めのもの十一篇が収録された短編集。


    芥川って今まで本当に「羅生門」と「蜘蛛の糸」しか読んだことがなかった。なんかもう馬鹿みたいだけど、めちゃくちゃに上手い!自分が今までどれだけ教科書的な先入観に侵されていたかを反省。
    とにかく文章を目で追うだけでうっとりしてしまう。「運」の、簾の隙間から覗く往来の風景描写。「地獄変」「邪宗門」での、『大鏡』の語り手を思わせる人を食った語り口。「道祖問答」「好色」「二人小町」の洒落たユーモア。漱石門下で西洋文学の読み方をガッチガチに身につけながら、日本中古の説話集から題材をとることによって、捉え直された物語のエッセンスが凝縮され、完全に〈今〉の小説と感じられる。たしかにこの人はすごい発明家だ。
    「竜」は西崎憲の「雨竜見物」の元ネタかな?というかそれが収録された『蕃東国年代記』の宇内というキャラクター自体、「邪宗門」の若殿をモデルにしているように思える。『蕃東国〜』は日本をモデルにした架空の極東の島国という設定で、西洋から見た東洋のイメージを巧みに織り込んでいたが、芥川にもそういう逆輸入されたオリエンタリズムが溢れていて、だからこそ現代的なんじゃないだろうか。小説の形式としては完全に西洋文学で、平安貴族界のドンファンを描いた「好色」や、黄泉の使者すら手玉に取る女たちを描いた「二人小町」などの喜劇はフランスっぽい。「邪宗門」の摩利信乃法師もアポリネールの贋救世主みたいだし、「道祖問答」はオスカー・ワイルドっぽい。全体に、ユルスナールの『東方綺譚』も思い出させる。
    また、はじめてまとまった作品群を読んだが、こんなに〈恋〉をテーマにした作品が多いのはイメージになかった。愛ではなく、より執着と幻想に近い〈恋〉。あるいは、その執着を引き起こす〈運命〉を取り扱い、身を滅ぼすほどの破滅へと人を導く恋の引力を物語の中心に据えていたのが意外だった。「藪の中」はここに男のメンツ問題が絡んできてドラマティック。でもこれ、誰の話が正しいにしろ、女は責められる謂れなくない? 一番好きなのは「邪宗門」!未完なのを知らずにエッと声を上げてしまった。こんないいところで……。
    作中の女性観にイラッとするところがなくて、これもすごいと思う。もちろん王朝時代を舞台にしているのだから、登場人物たちは夜這い当たり前・女は男の所有物・行き遅れは無価値、という価値観の持ち主なのだが、それに対して地の文には人を物のように扱うことへの批判的な目線がはっきりと感じられるのだ。同じ目線は男女の関係だけではなく、身分制度というものにも当然向けられている。また、理想のみを見て実態から目を背けることの滑稽さをも描いており、崇めるにせよ見下すにせよ、他人を自分に都合よく解釈する視線には疑問を呈している。その上で、キャラクターをオブジェのように作り出して配置する物語作者としての自覚も強い。この二つが合わさると、今日基準のリテラシーで眺めても手放しで素晴らしいと思える作品になるのだなと思った。フィクション作家はみんなこうであってほしいものだよね。
    あと、思ってるより全然エンタメ小説だったのも驚きだった。どんだけ先入観強いんだよって感じだけど(笑)、文体も勿体ぶったところがないしリーダビリティが高い。芥川が衒学趣味と言われたのは、自然主義小説全盛期に虚構世界のディテールを突き詰める人だったからなのかもしれない。精巧に作られたジオラマをのぞいているような、色褪せないきらきらのブローチみたいな小説。

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    2020年06月12日
  • リライトノベル 邪宗門

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    よく見かけるような異なる時代へのタイムトラベルもの。これぞ王道ラノベ? ストーリーは分かりやすいし、時代物ながらとても読みやすくて好印象。原作をまったく知らないのでどこまでが原作通りでどこからが追加されたストーリーなのか分からない。ぜひ原作も読んでみなくては。摩利信乃法師の行動原理、背景がもう少し詳しく描かれたら、ただの悪者で終わらず、より深い物語になったかもしれない。遠田志帆さんのイラストは文句なしに素晴らしい。タイトルの「リライトノベル」は、もしかしたら「リライト」以外に「ライトノベル」にもかかっているのかな?

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    2020年03月28日
  • 杜子春

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    教訓になる

    蜘蛛の糸と同じような匂いがした。利己主義の人はいつか痛い目を見るだろうし、優しい人は巡り巡って幸せになれるのだろう。芥川龍之介さんのが作品は、起承転結がはっきりしていて分かりやすいのが評価されている理由だと思った。

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    2020年03月10日
  • 蜘蛛の糸

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    良い教本

    勧善懲悪がテーマとなっている作品です。現世のうちに徳を積み重ねていると、天国へ行けるかもしれません。情けは人の為ならずの精神を大事にしたいと思いました。

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    2020年03月10日
  • 杜子春

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    杜子春 芥川龍之介 角川文庫

    久々の杜子春
    きれいな日本語にホッとしながら
    さっぱりとした物語に
    いっとき素の自分になれたように
    世間のシガラミを忘れることができた

    改めて考えれば
    素に嘘なく暮らすことができれば
    何よりだということを想うが
    それこそが永遠にありえない道のりだとも知る
    芥川龍之介ですら夢の又夢でしかなかった
    目標だったのだろうから

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    2020年03月10日
  • 羅生門

    購入済み

    面白い

    下人の悪に対する心持ちが変化していくのが面白い。下人の心情が細かく書かれていて読みやすかった。何回読んでも面白い。

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    2020年03月10日
  • 或阿呆の一生

    購入済み

    難しい

    芥川龍之介さんの一生を書いたものですが、私には難しすぎました。元来、私の想像力が乏しいことに原因があると思いますが、表現が豊かすぎて逆に想像しにくかったです。

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    2020年03月09日
  • 鼻

    購入済み

    困難を乗り越えた人を快く思うのか、それとももう一度苦しんで欲しいと願うのかの二択において、私は困難を自分の力でこじ開けた人には前者を、困難を運によってこじ開けたものには後者を思う。
    自分の外見にコンプレックスを抱いている人は読んでみるといいかもしれません。

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    2020年03月09日
  • 点鬼簿

    購入済み

    読みやすい

    入りから終わりまで、滑らかに展開していて読みやすい。殊に終わりの部分は、唸るほどに綺麗にまとめられていた。

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    2020年03月06日
  • 蜘蛛の糸・地獄変

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    考えながら読む、ということが許されなかった。それほどに話に引き込む言葉選び、描写の仕方、構成。ただただ面白く、貪るように読み進めていきました。
    解説を読んではじめて考察することができました。
    これは一度だけでは考察しきれない作品だと思います。それほどに、お話の一つひとつが面白すぎるので。

    蜘蛛の糸はずっと小さい、それこそ小学生のころに杜子春などと一緒に読んだ記憶がありますが、大人になってから読むとまた違った見方ができて面白いですね。
    解説をうけて、確かにこれを子供に読ませるのは、酷いかもしれないなぁと思いました。あまりにも現実を突きつけすぎていますよね。ここから反省をして次に生かしていると知り、納得しました。

    この本は、一度めは純粋にお話を楽しみながら読む。
    二度めは芥川の考え、思いを推し量りながら読む。
    二度だけではきっと足りないでしょう、何度も読むことで芥川の考え方を理解できると思いました。
    すぐに2周目にいきたいところですが、ほかにも読みたい本がたくさんあるので、また後日、日を置いてから読んでみたいと思います。
    でも、それでもまた「面白い!」と思って考えられないのかな…そんな気もしています。

    芥川は芸術家ということが、この一冊からでもよく理解できました。本当におもしろかったです。

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    2019年06月24日
  • 羅生門 鼻 芋粥 偸盗

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    芋粥と偸盗は初読み。芋粥は、気持ちが分かるような気がして、気の毒な気持ちになった。人の欲というものは案外、儚くて頼りないものだ。満たされないくらいが幸せなのだろう。偸盗は、今まで読んだ芥川の作品の中でも長い方だったが、話の流れに従って、登場人物の心の移り変わる様が感じられ良かった。憎しみと愛の壮絶なせめぎ合いを超えた兄弟愛に感動した。周りは変わっても阿濃の次郎と子への思いは変わらない。そんな阿濃がとてもいじらしい。

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    2019年05月03日
  • 走れメロス/くもの糸 3

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    はしれメロスは、ともだちをたすけるためにいっしょうけんめいはしるおはなしです。さいごにおたがいをたたいてだきあうところが一ばんすきです。

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    2019年01月11日
  • 杜子春

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    一番思い出深い作品

    芥川龍之介の作品の中では短編で子供向けの話の様だけどかなり深い話です。子供の頃読んだ時は地獄の描写が恐ろしかったのですが「蜘蛛の糸」より感覚的に好きです。

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    2018年06月25日
  • 河童 他二篇

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    本編収録の『蜃気楼』について


    話のない話

    『蜃気楼』に対する直接的な評価を記す前に、少し考えてみたいことがあります。そのことが、『蜃気楼』 の魅力の片鱗を知る前提となるはずです。それは、言語の機能についてです。

    当然のことではありますが、言語はあくまで表象であり、そのものではありません。「愛してる」といっても、当の「愛」なるものは言語化不可能な総体のことですから、人間は「愛する」という行為の具体例をひとつひとつ挙げることはできますが、「愛」のすべてを説明しきることができません。つまり、人間が理性とともに感性を持つ生き物であるかぎり、理性の領域に属する事柄は言語化可能であっても、感性の領域に属する事柄は、理性では永遠に解することができません。

    しかしながら小説は、仮にそれが芸術であるならば、そうでありながら、つまり感性の領域を問題としながら、その表現に言語を用いるという、大いなる矛盾を抱えています。もちろんさまざまな種類の文芸作品があり、それらのすべてがすべて、純粋に(書き手の、あるいは読み手の)感性を言語化する営みだけではありません。しかし、少なくとも芥川龍之介という人は、言語表現の限界と格闘した作家です。『蜃気楼』の特殊性は、おそらくここに、つまり芥川の企ての無謀さに起因しているのではないか、それこそがこの作品の魅力になっているのではないかと思うのです。

    『蜃気楼』は、「話のない話」です。すなわち、なにか筋があるわけではなく、ただ淡々とある日の情景が描写されるだけで、オチというオチがありません。しかし、読者はこの作品を読むことで、ひとつの幻視体験をします。

    ここで読者が目にする幻は、「唯ぼんやりとした不安」(芥川の遺書にある言葉)です。少なからぬ人が、時折この不安を覚えるのではないかと想像しますが、これは具体的に何とはいえない、得体の知れない影で、タチが悪く、存在することの必然性の無さ、生の無意味さを執拗に問わせます。この不安は、前述の「愛」と同様に、感性の領域では確かに存在するのに、それを理性の領域で認識しようとした途端に的外れとなって、その手から滑り落ちてしまいます。しかし、『蜃気楼』は、まるで一枚の絵画のように、読む(幻をみる)人の感性に隠された、その荒涼とした地平を想起させる、そしてその人の感性に巣食う、その不安という言語化不可能なものを言語化しようと試み、またそれに成功した稀有な一編ではないでしょうか。

    言語化できないなら、「唯ぼんやりとした不安」とやらは、実在しないのかも知れません。しかし、この理屈では、同じく言語化できないものすべてが実在しないことになってしまいます。では、人間は幻なのか。そうではないと、感性はいいます。優れた作家は、理性でもこれを認識しようと、言語化を試みるわけで、その無謀な企てに成功する人は多くありません。

    人間が人間となって以来、この無謀な企ては絶えず繰り返され、「人間」が打ち立てられてきたのであるとすれば(まるでこれはカミュですね)、『蜃気楼』が今後も読まれつづけることを祈らねばならないように思います。もし彼のような作家が読まれなくなったとき、それは人間が人間ではなくなる、すなわち動物か機械になるときではないかー合理化を最高善とする現代社会の行く先さえ暗示するといえば、深読みでしょうか。しかし、これからも『蜃気楼』は、読む人、読む時代の不安を映しつづけることだけは確かであろうと思います。願わくばこの明瞭な鏡が、あの海岸に打ち捨てられないことを祈るばかりです。

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    2018年05月05日
  • 羅生門 鼻 芋粥 偸盗

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    少しのきっかけ、その時の感情により、どちらにも転んでしまう人間の情が書かれた本でした。
    個人的には偸盗が好きでした。

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    2018年05月06日
  • 詩集

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    天才芥川の本領が香る小品

    発想がさすが天才的。何かほろ苦い読後感を喚び起こさずには置かない。貝殻もそうだったが、芥川は二度とは現れない天才だろう

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    2017年09月21日
  • 蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇

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    中学の授業で読んで、私が小説を好きになったきっかけの一作。風景と主人公の心情のリンクなど、いちいち「そうなんだ!」と新鮮に感動したことを覚えています。そしてなんとも不穏な結びの文章。今読んでも面白い。今でも芥川が一番好きな作家です。

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    2015年12月15日
  • 河童 他二篇

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    河童について。物語としてはとても面白かったが、読む前に聞いていた人間社会の風刺とはそこまで強く結びつかなかった。私が現代に生きているから?感受性が足りないから?だが相変わらずアフォリズムの宝庫だった。彼の中でベスト3に入る作品かもしれない。蜃気楼について。解説を読むまですんなりと理解できなかった。これを楽しめるようになると彼を語れるのか。三つの窓について。これぞ短編というでき。体にしみこむような悲壮感が漂う。全てにおいての解説が読みやすかった。

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    2015年11月12日
  • 歯車 他二篇

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    瞼を閉じると死の匂(ひかり)。
    光のない暗もある。

    出尽くす才能。
    そこまで行かなきゃ見えない匂があると知る。

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    2015年07月13日