芥川龍之介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ芥川龍之介最晩年の苦悶の短編集。こちらの気持ちが下降気味だと引きずられてしまう。
何故そこまで死を希望したのか、理由は幾つか読んでみたけれど、本当のところはわからない。ただ、相当な遅筆だった事、スペイン風邪に2度かかり、2回目はかなり重症だった事は、今回知った。
たぶんこの本はもう読まないと思うので覚書です。
「大導寺信輔の半生」
芥川の半自伝的小説と言われている。精神的風景画として6章からなる。未完らしい。
本所 出身地への嫌悪・恨み
牛乳 母乳への憧れから牛乳への嫌悪
母親は身体が弱く信輔に母乳を与えず
貧困 幼児期の貧困への嫌悪・敵意
学校 中学校での孤独 規則への嫌悪 教師へ -
Posted by ブクログ
昭和48年5月30日 改版14版
(日焼け変色の為、今回で廃棄)
文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読
シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。
作家活動初期の頃の短編集。少し堅いというか道徳的な内容が多いかなぁ。漱石が芥川を激推ししていたのは有名らしいけど、手紙の中で、無暗にカタカナ使わない方が良いとアドバイスしていた。そう言われると、英単語をそのままカタカナで使っている言葉は、読者を選択する感じがしてしまう。
巻末に当時の先輩作家さん達からの書評が掲載されていた。厳しめの評価の方 -
Posted by ブクログ
久しぶりに芥川の作品に触れたいと思い本作を読むことにした。
今まで読んだ芥川の作品は、羅生門や地獄変のように箴言的なものを感じたり、蜜柑のように描写がきれいなものが多いと思っていた。
本作は、晩年に作られた作品を集めたものらしく、今まで読んできた芥川の作品とは違ったものだった。
特に、死後に出版された「或阿呆の一生」と「歯車」は中身ががちゃがちゃしており、これを解説を見ないで、いろいろと理解できる人がいたらすごいと思った。
ただ、理解しにくい内容でも、何となく不安感や厭世感は見えているので、そのあたりの空気感を楽しむのには良いのかもしれない。