芥川龍之介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「地獄変」が余りに強烈だ。
溺愛する娘を車ごと炎で焼き、その様を地獄変の屏風として描くという、狂気じみた物語。
親である良秀、娘を召し上げた大殿様、彼らの情愛と執着が物語の進行と共に狂気を帯びてゆく。
良秀にかぎっては、大殿様との直接の場面前にも、地獄変屏風のリアリティを求める余り弟子を痛めつけるという奇行に走るのだが。
物語は第三者の口語敬体(です・ます調)の丁寧語(でございます)で語られるのだが、
敬意を持って丁寧な口調であればある程、狂気の沙汰が恐ろしい。
車に火を着けてからみるみるうちに車を包む炎の様子、炎の中の娘の姿、良秀と大殿様のそれぞれの表情の変化、それらが息をもつかせぬ緊張感 -
ネタバレ 購入済み
ファンタジー
河童の国に行って生活をするというファンタジー作品です。河童と河童語で話すところはおとぎ話のようです。しかし、割と生々しいというか、生臭そうな感じで、子供向けでは無さそうです。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ収録作品は、『秋』『黒衣聖母』『或敵討の話』『女』『素戔嗚命』『老いたる素戔嗚命』『南京の基督』『杜子春』『捨児』『影』『お律と子等と』『沼』『寒山拾得』『東洋の秋』『一つの作が出来上るまで』『文章と言葉と』『漢文漢詩の面白味』
また最後には同時代人の批評も載っている。
『素戔嗚命』は長いせいか、よく覚えている。正直、素戔嗚命に感情移入はできなかった。というか性格が悪いと思った。特に娘と娘の彼氏に対して。
『南京の基督』では、名状しがたい気持ち悪さを感じた。良さが分からなかった。
『杜子春』はある程度話は知っていたが、読んでみても面白かった。人間の真理をついているように感じた。 -
Posted by ブクログ
暗い
芥川が自殺の直前に書いた物語たちであるのでそれが自然だったりはするのだが
芥川の「唯ぼんやりとした不安」を書いていると言われている河童は特にそれがすごく読み取れるような気がする
芥川は周囲と価値観が合わなかったのかもしれない
だから、周りの人物を河童に見立てることで小説という形を取った彼なりのSOSを発していたのかもしれない
こんなことを言えるのも、芥川が自殺したという帰結を知っている今だから言えるのかもしれないけれど…
リアルタイムでこれを読んだ時、もし、芥川と知り合いだったら自分は彼に何と声をかけるだろうか
そんなことを考えていた -
Posted by ブクログ
ネタバレ芥川龍之介最晩年の苦悶の短編集。こちらの気持ちが下降気味だと引きずられてしまう。
何故そこまで死を希望したのか、理由は幾つか読んでみたけれど、本当のところはわからない。ただ、相当な遅筆だった事、スペイン風邪に2度かかり、2回目はかなり重症だった事は、今回知った。
たぶんこの本はもう読まないと思うので覚書です。
「大導寺信輔の半生」
芥川の半自伝的小説と言われている。精神的風景画として6章からなる。未完らしい。
本所 出身地への嫌悪・恨み
牛乳 母乳への憧れから牛乳への嫌悪
母親は身体が弱く信輔に母乳を与えず
貧困 幼児期の貧困への嫌悪・敵意
学校 中学校での孤独 規則への嫌悪 教師へ -
Posted by ブクログ
昭和48年5月30日 改版14版
(日焼け変色の為、今回で廃棄)
文学講座 「シューマンと芥川龍之介」視聴、再読
シューマンと芥川が歴史的背景、精神性、作品の芸術性など類似性が高くドッペルゲンガーなのだというようなことを楽しそうに講義されてました。
作家活動初期の頃の短編集。少し堅いというか道徳的な内容が多いかなぁ。漱石が芥川を激推ししていたのは有名らしいけど、手紙の中で、無暗にカタカナ使わない方が良いとアドバイスしていた。そう言われると、英単語をそのままカタカナで使っている言葉は、読者を選択する感じがしてしまう。
巻末に当時の先輩作家さん達からの書評が掲載されていた。厳しめの評価の方