芥川龍之介のレビュー一覧
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いづれも芥川龍之介のことを知らないと理解できない作品だと思う。その意味で、読んだが理解できなかった。特に『蜃気楼』は意図さえもわからない。解説やWikipediaには敢えて筋も中身もないものをこさえようとしていたと書かれているが、本当にそうなんだろうか。主人公はただただ何をみても聞いても気味悪さを感じて独り妄想に走りがちになるが、友人や妻の返答で実は全て何でもない取り越し苦労であったことに気がつく。そういう場面がいくつか繰り返されて終り。なるほど一読すると中身も筋もない。三島由紀夫らは、詩的な作品だと述べ、ほかにも絵画的だと評価した人もいるらしい。短篇なので、筋はつけにくい。短篇だからそう感じるだけなのではないかと思う。何にしても芥川龍之介のことはよくわからないので、どの作品も読んでいて理解できなかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに読んだ芥川龍之介の作品でした。
今回強烈に感じたのは、和の様式美とでも言うべき彼の文章の美しさです。全作通じてカタカナが殆ど見当たらず、ほぼ全て漢字とひらがなのみ。熟語の並ぶ堅苦しさも若干感じこそすれ、それは日本語本来の美しさや様式美に通ずるように感じました。
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さて、本作に収められている作品ですが、「袈裟と盛遠」、「蜘蛛の糸」、「地獄変」、「奉教人の死」、「枯野抄」、「邪宗門」、「毛利先生」、「犬と笛」の8作品。
「蜘蛛の糸」は非常に有名ですが、恥ずかしながら私は芥川龍之介といえば、これと「羅生門」くらいしか知りませんでした。
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で、今回本作をすべて読んで、「袈裟と盛遠」、「枯野抄」、「邪宗門」に興味を持ちました。どれも歴史を題材にした小説ですが、そこに芥川氏一流の創作が挿入されている形でしょうか。
「袈裟と盛遠」はどうやら源平盛衰記に典拠した作品のようですが、殺人者と被害者という対立関係に内在している一種の共犯関係ともいうべき心理を描いています。この二人は不倫関係の末に、男が、女の旦那を殺そうとして誤って女を殺すというもの。しかし本作ではこの誤認をお互いが予測しているという筋立てであり、その心理描写が絶妙。なお、ソースである源平盛衰記は違った書き方であるそう(未読なのですが、盛遠が誤って女を殺してしまい、それを悔いて出家するとか)。
今でこそ、心中テーマはもはや驚くほどでもありませんが、本作は初出が1918年。きっと今以上にセンセーショナルに映ったのではないかと思い致します。
「枯野抄」は、松尾芭蕉が亡くなる直前、その弟子たちが師匠の死を前にして、夫々の思惑を思い巡らす場面を描いています。人はおよそ、大切な人の死を前に、死者を悼むのではなくむしろ自分の行く末や顛末を考えていたりするという、シニカルな情景をあぶりだします。その節操のなさを本人たちが自覚している点もまたユニークです。これは舞台などで見たら映えるのではないかと夢想してしまいました。
「邪宗門」は平安時代を題材にした伝奇小説とでもいえる作品ですが、残念ながら未完。どうなるのかとワクワクしながら読んでいたので一層残念でありました。本作を読んで私は中学生の時に一瞬ドはまりした藤川圭介氏の「宇宙皇子」を思い出しました。歴史上の人物+超能力とか魔力とか、そういう取り合わせにどうやら弱いようです笑
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ということで、久方ぶり(30年ぶりくらい?)に芥川龍之介氏の作品を楽しみました。
氏の作品は日本文学・文芸の祖という扱いでか、中学や高校とかで取り上げられることが多いと思います。ただし、到底その年代では楽しめないのではと感じました。
学究から離れた大人の方が振り返って読まれることで、かつては分からなかった面白味が感じられるのではないでしょうか。また平安期を題材にした作品が多いので、京都方面にご縁がある方、関西の方は一層楽しめるのではと感じました。たしか「邪宗門」には烏丸とか河原町とかの描写が出てきていました。私には阪急線の急行の駅、という程度しか思い出がないのですが笑 本作を読みながら京都旅行にでも行きたいものです。
あ、あと最後に。これ、表紙がとっても素敵です。絵柄もそうですが、紙の素材が和紙のような手触り感になっています。そのザラザラ感も楽しめる作品です。 -
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「地獄変」が余りに強烈だ。
溺愛する娘を車ごと炎で焼き、その様を地獄変の屏風として描くという、狂気じみた物語。
親である良秀、娘を召し上げた大殿様、彼らの情愛と執着が物語の進行と共に狂気を帯びてゆく。
良秀にかぎっては、大殿様との直接の場面前にも、地獄変屏風のリアリティを求める余り弟子を痛めつけるという奇行に走るのだが。
物語は第三者の口語敬体(です・ます調)の丁寧語(でございます)で語られるのだが、
敬意を持って丁寧な口調であればある程、狂気の沙汰が恐ろしい。
車に火を着けてからみるみるうちに車を包む炎の様子、炎の中の娘の姿、良秀と大殿様のそれぞれの表情の変化、それらが息をもつかせぬ緊張感で語られてゆくシーンは凄まじい。
ここからは余計なお話。
私は芥川龍之介の作品が長らく苦手だった。
学生時代の教科書で「走れメロス」「蜘蛛の糸」など触れてきたが、プライベートでは手を出せずにいた。
しかしあるTV番組がきっかけで、「地獄変」から触れ直す事になった。
昔「あらすじで読む世界名作劇場」という番組があった。
芸能人が名作を様々な手法でプレゼンするという番組。
誰が司会だったか、どんな作品が紹介されたか、もう全く覚えていないというのに、「地獄変」だけは思い出せる。
市川春猿さん(当時)が、切り絵を使って、時には自身が演じながらプレゼンした。
春猿さんの鬼気迫る語りに、「地獄変」をきちんと読んでみようと思ったのだ。
そういうハッとさせられる瞬間、たまにありませんか?
今後も、そんな時は躊躇わず新しい作家さんの作品に触れていきたい。 -
ネタバレ 購入済み
ファンタジー
河童の国に行って生活をするというファンタジー作品です。河童と河童語で話すところはおとぎ話のようです。しかし、割と生々しいというか、生臭そうな感じで、子供向けでは無さそうです。
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ネタバレ収録作品は、『秋』『黒衣聖母』『或敵討の話』『女』『素戔嗚命』『老いたる素戔嗚命』『南京の基督』『杜子春』『捨児』『影』『お律と子等と』『沼』『寒山拾得』『東洋の秋』『一つの作が出来上るまで』『文章と言葉と』『漢文漢詩の面白味』
また最後には同時代人の批評も載っている。
『素戔嗚命』は長いせいか、よく覚えている。正直、素戔嗚命に感情移入はできなかった。というか性格が悪いと思った。特に娘と娘の彼氏に対して。
『南京の基督』では、名状しがたい気持ち悪さを感じた。良さが分からなかった。
『杜子春』はある程度話は知っていたが、読んでみても面白かった。人間の真理をついているように感じた。 -
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暗い
芥川が自殺の直前に書いた物語たちであるのでそれが自然だったりはするのだが
芥川の「唯ぼんやりとした不安」を書いていると言われている河童は特にそれがすごく読み取れるような気がする
芥川は周囲と価値観が合わなかったのかもしれない
だから、周りの人物を河童に見立てることで小説という形を取った彼なりのSOSを発していたのかもしれない
こんなことを言えるのも、芥川が自殺したという帰結を知っている今だから言えるのかもしれないけれど…
リアルタイムでこれを読んだ時、もし、芥川と知り合いだったら自分は彼に何と声をかけるだろうか
そんなことを考えていた