芥川龍之介のレビュー一覧
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芥川が二十歳そこそこで書いた作品に触れ、只々、感嘆してしまう。
若い青年の書いた文章のわりに、大人びてというより老けすぎていて、なんだか生き急いでいるようで、ちょっぴり哀しくなってしまった。
本書は表題3作品の他プラス15作品収めてあり、その中でも私が印象に残った作品は『葬儀記』。
これは夏目漱石の葬式の記なのです。
大正5年12月に胃潰瘍のため死去した漱石先生の死顔に、たくさんの文学青年たちが最後の別れを惜しんでいる様子が伝わってくる。
その文学青年たちの中でも若いほうであった芥川が、忙しない葬儀中にあたふたとしている姿に、やはり年相応の幼さがあり、あんなに大人びた作品を書いている反面、『 -
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事をなそうとする人には、逆説が有用な警句を与える
しかし怠け者には、逆説が言い訳をもたらす
「侏儒の言葉」は、いろんな意味で芥川的だ
後世の批評を、ほとんどこれで先取りしてると言っても過言ではあるまい
「西方の人」「続西方の人」
芥川は若いころから聖書を愛読していたらしい
しかし、キリスト教の信徒というわけではなかった
彼が愛したのは、あくまでイエス・キリストとその物語で
「悲しき天才」としてのキリストに、どうものめりこんでいたフシがある
…しかし悲しき天才ということで言うならば
たとえば、イエスに洗礼を与えたバプテズマのヨハネも悲しき天才だったし
芥川に言わせれば、ゴルゴダにおいてイエスを -
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「道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与えたる損害は完全なる良心の麻痺である」(修身:p11)
「軍人は小児に近いものである。英雄らしい身振りを喜んだり、所謂光栄を好んだりするのは今更此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、動物的勇気を重んじたりするのも小学校にのみ見得る現象である。殺戮を何とも思わぬなどは一層小児と選ぶところはない。殊に小児と似ているのは喇叭や軍歌に鼓舞されれば、何の為に戦うかも問わず、欣然と敵に当ることである。
この故に軍人の誇りとするものは必ず小児の玩具に似ている。緋縅の鎧や鍬形の兜は成人の趣味にかなった者ではない。勲章も―わたしには実際に不思議であ