角幡唯介のレビュー一覧
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似てると思われ括られて対談することになったが、アプローチから何から違うので似てないのだけれど、という2人。とはいっても、読み手としてはそれがいいんだけれどね。お互いの特徴とか考え方とかどっちもが面白い。たくさんあるエピソードから取捨選択されパッケージされてると思うといろんな本もう一度読みたくなる。冒険探検にまつわる本も紹介されてて2人が、「これ本当なんですかねー?」とかいってて面白い。2人の本読んでて感じる「どうやってるんやろ」がめいっぱい解説されてて、この対談本を入り口にいろいろ読むのもいいけど、たくさん読んだ上で対談で疑問の答え合わせするほうがオススメかも。
高野さんの文章が軽すぎる?じゃ -
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タイトルで中身の想像が大体ついてしまう本ですが、とは言え面白いのは、著者が同じようなルートを実際に旅すること。説得力は物凄くあるし、ルポは引き込まれるような面白さがあります。
しかし、著者の探検はフランクリン隊のそれとは違って、大義は無いのではないか。国の威信をかけて新たな貿易路である北西航路を開拓する探索と、そのトレース。大変な冒険なのは文章からも、途中に挟まれた写真(いや、やっぱ写真があると違う!)からも感じられるのだけど、そこに危険を承知で行くのか、と思うと何だか切ない気持ちになります。
フランクリン隊の真相的な何かに迫るかというと、彼らの不可解な行動(船を放棄して、また戻る?)も別に -
Posted by ブクログ
探検家&ライター・角幡唯介のエッセイ集。
2012年発刊の『探検家、36歳の憂鬱』に、数篇を加えて文庫化されたもの。
著者は、『空白の5マイル~チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞(2010年)、大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)をダブル受賞しており、今最も注目される探検家&ライターのひとりである。
本書では、そうした著者ならではの切り口での考察が綴られている。
◆ノンフィクションの行為と表現~「書くことでも映像をとることでも・・・結果として表現に置き換えることを前提に何かの行為をする場合、その行為の純粋性を保つことは想像以上に難しい。・ -
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UMAのなかでも実在する可能性の高いもののひとつが雪男らしい。とはいっても、体長3メートルもあるような巨大な生物で、牛や鹿を襲って食うような怪物ではなく、人間の成人より身長は低い150センチくらいの猿(猿人?)の一種。なんらかの理由で高地の雪山で生活するようになったんじゃなかろうか、と専門家?は見ている。
はじめにお答えしましょう。雪男はやってきません。
しかしながら、なんだ、つまんねえ、やっぱりいないんじゃねえか、期待させやがって、けっ! とはなりません。
雪男に魅了された人々の体験記として読むと、それはそれは面白い。
著者は半信半疑のまま雪男捜索隊に参加する。しかし雪男 -
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少し長いが引用。
『探検家が探検をすることには多くの人が様々な理由をつけてきた。……そんなことは人間が探検をする本当の理由にはならない。探検をしない人たちが考え出した分かりやすい理屈に過ぎないのだ。悩みや葛藤や逡巡という要素を取り除いた、やらない人たちが納得するためだけの、きれいに体裁を整えた説明なのだ。……彼らは北極の自然に囚われていた。人が命を懸けて何かをすることを説明するのに必要なものは、もしかしたら囚われてしまったという、心の片隅に突き刺ささった小骨のような心情のひだを持ち出すだけで十分なのかもしれない。囚われるというのは恐ろしいことなのだ。』
「探検」と「北極の自然」を「カヌー」に置 -
Posted by ブクログ
ネタバレほわー!ホントにこんなとこしてる人いるんだなーっとただただ驚嘆!
思えばこーゆー探検ドキュメントみたいなの読んだのって初めてかも。
北極かあ。
つーか10度以下になった時点で冷える~っと悲鳴をあげている私には絶対無理。
が、そーゆーありえない状況が、日常になると、それがあたりまえでなんとも思わなくなる、とゆーのが印象的だった。
なるほど、どーゆー状況でも人間は慣れるものなんだな、と。
こう町の影がみえてきて、そこへ向かっていくうちに、
人のいる世界が日常へと変わっていく、とゆー感覚が、すごいなーっと。
にしても、ほんと、どんだけ過酷なんだっ。
血がつららになる、とか。もうありえない。痛すぎるぞ