角幡唯介のレビュー一覧

  • 新・冒険論(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    2018/4/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2020/8/20〜8/23

    角幡さんの冒険とは何か、について、まとめられた本。「探検というのはシステムの外側にある未知の世界を探索することに焦点をあてた言葉であり、冒険の方はシステムの外側に飛び出すという人間の行為そのものに焦点を当てた言葉だ」という「はじめに」の一文の考察が素晴らしい。

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    2020年08月23日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    三浦しおんさんの解説が本書の性格を端的に表している。実は「雪男」的なものは世の中には結構あって、いつ自分がそれに絡め取られていくかは分からない。

    それ故に、高学歴のエリートと評していいような人でもオウムにはまったりしてしまう。そこまでいかなくても、ちょっとしたオタク的な趣味にハマるのもそれに近い事なのかもしれない。
    作者は一貫して冷静であろうと努めるが、それでも時折、それに絡め取られそうになる。それがまたなんとも人間的でいい。題名に込められた思いを考えると深いものを感じる。

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    2018年02月02日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    早大探検部の先輩である高野秀行とは違い、未確認生物に懐疑的だった著者。ツアンポー峡谷を探検する前に、新聞記者の職を投げ打った不安定な立場で偶然にであった雪男捜索隊への誘いという切っ掛け。それが適当に距離を置いてリポートでする視座を得たのかもしれない。しかし、それによって雪男を目撃する幸運に恵まれなかった……それが本書のタイトルとなった深い意味に繋がる。映像に収めようと意図しても、露出オーバーだったり、濃霧に阻まれたり。さて、雪男は実在するのか? 21世紀の現代でも謎なのだ!

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    2017年11月30日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    辺境作家高野さんと、早稲田大学探検部後輩の角幡さんの対談本。彼らの本をぼほすべて読んでいる身としては、過去に読んだ彼らの紀行文をなぞるエピソードがたくさんでできて、読書メモリーが刺激された。

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    2017年09月23日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    似てると思われ括られて対談することになったが、アプローチから何から違うので似てないのだけれど、という2人。とはいっても、読み手としてはそれがいいんだけれどね。お互いの特徴とか考え方とかどっちもが面白い。たくさんあるエピソードから取捨選択されパッケージされてると思うといろんな本もう一度読みたくなる。冒険探検にまつわる本も紹介されてて2人が、「これ本当なんですかねー?」とかいってて面白い。2人の本読んでて感じる「どうやってるんやろ」がめいっぱい解説されてて、この対談本を入り口にいろいろ読むのもいいけど、たくさん読んだ上で対談で疑問の答え合わせするほうがオススメかも。
    高野さんの文章が軽すぎる?じゃ

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    2017年01月08日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    タイトルで中身の想像が大体ついてしまう本ですが、とは言え面白いのは、著者が同じようなルートを実際に旅すること。説得力は物凄くあるし、ルポは引き込まれるような面白さがあります。

    しかし、著者の探検はフランクリン隊のそれとは違って、大義は無いのではないか。国の威信をかけて新たな貿易路である北西航路を開拓する探索と、そのトレース。大変な冒険なのは文章からも、途中に挟まれた写真(いや、やっぱ写真があると違う!)からも感じられるのだけど、そこに危険を承知で行くのか、と思うと何だか切ない気持ちになります。
    フランクリン隊の真相的な何かに迫るかというと、彼らの不可解な行動(船を放棄して、また戻る?)も別に

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    2016年10月21日
  • 探検家の憂鬱

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    探検家&ライター・角幡唯介のエッセイ集。
    2012年発刊の『探検家、36歳の憂鬱』に、数篇を加えて文庫化されたもの。
    著者は、『空白の5マイル~チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞(2010年)、大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)をダブル受賞しており、今最も注目される探検家&ライターのひとりである。
    本書では、そうした著者ならではの切り口での考察が綴られている。
    ◆ノンフィクションの行為と表現~「書くことでも映像をとることでも・・・結果として表現に置き換えることを前提に何かの行為をする場合、その行為の純粋性を保つことは想像以上に難しい。・

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    2016年01月11日
  • 探検家の憂鬱

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    自分の生き方が社会に認められない、マッチしていない、もっとロマンのある生き方をしたいみたいな人にお勧め
    探検家でありノンフィクション作家である葛藤が人間らしくて好き、水虫の件とかも・・・

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    2015年11月01日
  • 雪男は向こうからやって来た

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     UMAのなかでも実在する可能性の高いもののひとつが雪男らしい。とはいっても、体長3メートルもあるような巨大な生物で、牛や鹿を襲って食うような怪物ではなく、人間の成人より身長は低い150センチくらいの猿(猿人?)の一種。なんらかの理由で高地の雪山で生活するようになったんじゃなかろうか、と専門家?は見ている。

     はじめにお答えしましょう。雪男はやってきません。


     しかしながら、なんだ、つまんねえ、やっぱりいないんじゃねえか、期待させやがって、けっ! とはなりません。
     雪男に魅了された人々の体験記として読むと、それはそれは面白い。


     著者は半信半疑のまま雪男捜索隊に参加する。しかし雪男

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    2017年08月15日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    雪男を追っている本かと思いきや、雪男を追っている男たちを追っている本であった。
    中学生や高校生のころであれば、「結局、雪男はいるのか、いないのか、はっきり」と思っただろうが、今は全くそうは思わない。むしろこういった雪男を見た人物たちに興味がある。それは自分自身が登山をかじったりして、登場人物の幾人かを本・雑誌で読み知っているというのもかんけいしているかな。

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    2015年08月30日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    雪男を探しに行ってどうなった!?
    というより雪男という存在に魅せられた人々のはなし。
    著者の雪男に対しての一歩引いた視点がまたいい。

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    2014年12月15日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    雪男は本当にいるのか、いないのか、ということよりも雪男に魅せられた人たちの話が面白かったり悲しかったり。

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    2014年05月03日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    探検、冒険、未踏の地といった派手な惹句にとどまらない記憶に刻まれる記録と著者の生々しい感情の動きがある。過去の探検隊の足跡を追いながら、現代社会における「冒険」の意味やあり方を考えさせる。ひとたび読み始めると、日々の細々した仕事からの疲れやこだわりが吹っ飛び極北の地で白い息を吐きながらひたすら歩き続ける人の姿に夢中になる。なぜこんなに人は冒険に取りつかれるのかという謎と、過去の探検隊にまつわる謎がオーバーラップしていき、いつの間にか引き込まれてしまう。

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    2014年03月01日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    著者は早大探検部出身で元新聞記者だ。さすがにジャーナリストだけあってか荒唐無稽なものに対して少し醒めた思いで向き合っているところがとてもよいと思った。
    新田次郎文学賞を受賞しているが、文章が非常にうまく、また、単なる冒険記ではなく、入念な取材がなされていて作品としての深みを感じた。有名な登山家を目撃していたという話にはとても興味を覚えた。

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    2014年01月18日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    1845年、英国から極地探検に出発したフランクリン隊129名全員死亡。
    著者・角幡と北極探検家・荻田泰永はその軌跡を辿る旅に出発する。
    103日間、1600キロの極地探検。
    何故そこまでして・・
    著者・角幡さんは、自身が(何故?)という思いを抱き続け極地を行く。
    角幡さんが探検を終える時、私が抱く(何故?)も綺麗に回収されていた。フランクリン隊の軌跡。もう少し追ってみたくなった。
    冒険家の思いに少しだけ寄り添えた気がする。

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    2013年11月08日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    カクハタ氏とは同じ大学で同級生、考え方も似ていて凄い共感する。この新作も本人の内面に関する記述にシンパシーを感じながら読み進めた。

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    2013年09月14日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    少し長いが引用。
    『探検家が探検をすることには多くの人が様々な理由をつけてきた。……そんなことは人間が探検をする本当の理由にはならない。探検をしない人たちが考え出した分かりやすい理屈に過ぎないのだ。悩みや葛藤や逡巡という要素を取り除いた、やらない人たちが納得するためだけの、きれいに体裁を整えた説明なのだ。……彼らは北極の自然に囚われていた。人が命を懸けて何かをすることを説明するのに必要なものは、もしかしたら囚われてしまったという、心の片隅に突き刺ささった小骨のような心情のひだを持ち出すだけで十分なのかもしれない。囚われるというのは恐ろしいことなのだ。』
    「探検」と「北極の自然」を「カヌー」に置

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    2013年06月07日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    人間の極限が飾られることなく書かれている。フランクリン隊全滅は歴史の一つとして記憶していただけだが、探検家して最後を遂げられて幸せだったのではないだろうか。出産直後の麝香牛を射殺し、生まれたばかりの仔牛も射殺するところはとても悲しく罪悪感にかられた。

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    2013年04月07日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    ほわー!ホントにこんなとこしてる人いるんだなーっとただただ驚嘆!
    思えばこーゆー探検ドキュメントみたいなの読んだのって初めてかも。
    北極かあ。
    つーか10度以下になった時点で冷える~っと悲鳴をあげている私には絶対無理。
    が、そーゆーありえない状況が、日常になると、それがあたりまえでなんとも思わなくなる、とゆーのが印象的だった。
    なるほど、どーゆー状況でも人間は慣れるものなんだな、と。
    こう町の影がみえてきて、そこへ向かっていくうちに、
    人のいる世界が日常へと変わっていく、とゆー感覚が、すごいなーっと。
    にしても、ほんと、どんだけ過酷なんだっ。
    血がつららになる、とか。もうありえない。痛すぎるぞ

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    2013年02月07日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    寒い日に読んでいるとますます寒くなってきます。麝香鹿や鳥も解体するし、地図から高低差を読み取らなければいけないし、GPSで距離や方向、時間数を割り出す能力もいるし、食料や武器の装備も計算できないといけないし、何よりも無事に行程を終える心身が不可欠で冒険家の備えは多岐にわたると思いました。冬休みに見たレッドクリフの諸葛孔明みたいな軍師でないといけないわけですね。『世界最悪の旅』を読んでみたくなりました。

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    2013年01月27日