角幡唯介のレビュー一覧

  • 書くことの不純

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    内在と関係を冒険の行為と表現にあてはめ、芸術性の議論につなげたり、三島の生き方との相似性を考えたりと、思索を広げてくれる良い読書だった

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    2025年01月01日
  • 裸の大地 第二部 犬橇事始

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    ウヤミリックの最期が知りたくて読み始めた。
    けれど、それ以上に、角幡さんと犬達との関係の深まりや、それによって極地の深部に分け入っていく高揚感に魅了される。
    そして、ラスト数ページが本当に切ない。
    3シーズン目をこの圧倒的な喪失感から始めなければならなかったのかと思うと、たまらなく辛い。
    いや、角幡さんがそこまで感傷的になったかはわからないけれど、でも、旅の仲間を失いながらでないと、しかも、時には自分の手で息の根を止めてやりながらでないと続けられないのが旅なのだとしたら、旅というのは本当に魂が剥き出しになる行為なのだと感じる。

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    2024年11月20日
  • 探検家とペネロペちゃん

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    探検家、角幡唯介の最大の冒険はチベットの山奥でも極北でもなく子育てだった。出産、子育てという大冒険を面白おかしく、しかし大真面目に語る一冊。

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    2024年09月09日
  • 裸の大地 第二部 犬橇事始

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    極地旅行家の角幡唯介が犬橇を始め、犬たちと極北を旅する2年間の物語。これまでの人力の橇で旅していた時とは違う世界が広がっていく。
    同じ場所を通過するのにしても、村の人々とのやりとりにしても、世界の見え方が変わっていき、それにより旅の仕方も大きく変化していく過程が角幡節で書かれていくのがとても面白い。

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    2024年08月29日
  • 探検家とペネロペちゃん

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    タイトルに惹かれて読みました。
    高野秀行さんの著書は読んだことがあり、同じ早稲田の探検部出身とあってなるほど、、と。
    さくらももこを彷彿とさせる文章で、他の著作も読みたいです!


    私も娘のことは、生まれた時「なんて美しい顔」と驚き、都度ほれぼれと眺めてる部類の親。笑

    うちは夫も私もワンゲルなので、0歳のときから背負子で娘を山に連れてってました。
    私も夫も山好きで、必然的に娘も一緒に。。
    USJもディズニーも惹かれない。
    でも、知床から西表島、屋久島、北アルプスから南アルプス、夏山から雪山まで、連休の度に豪遊(テント泊メイン)して楽しんでます。。

    子連れ登山、カヌー、海。。映える写真も撮れ

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    2024年08月25日
  • 極夜行

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    足かけ4年の集大成となる探検。デポ設置含めた極夜行に向けての事前準備を描いた「極夜行前」を読むことでさらに本作品に没入出来ます。
    一般人が到底経験出来ない、命を懸けた探検なのでとにかく異世界で凄まじい光景が活字からでも充分に伝わってきます。また、ともに旅をしているウヤミリックという犬との深い絆も描かれていて、ストーリーに厚みが出ている印象です。
    静かな夜に、ゆっくりと角幡さんとともに旅をする感覚で少しずつ読み進めたい作品。

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    2024年08月20日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    ツアンポー渓谷はこの本を読むまで聞いたこともなかったが、読んでいてとてもワクワクした。

    ただの個人の探検の記録ではなく、なぜツアンポー渓谷に挑むのか、過去の探検家の挑戦の歴史とともに伝えている所が良い。

    読後にグーグルアースで探検の足跡を辿るのも楽しかった

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    2024年08月18日
  • 裸の大地 第一部 狩りと漂泊

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    極地探検家・角幡唯介が新たな旅の視点に気づく2018年の旅とそれにつながるまでの経緯を記した一冊。「狩り」を通じて土地を見ることで、新たな自分だけの地図をつくる旅がここから始まっていく

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    2024年08月16日
  • 極夜行

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    他で同じような物語を読めないという意味で、読む価値がある物語です。

    ノンフィクションだからこそのハプニングで途中からハラハラドキドキしっぱなしでした。

    同じような表現が繰り返えされるため、冗長で読み難い部分もありますが、それを超える魅力があります。

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    2024年07月12日
  • 極夜行前

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    太陽が1日中登らない極夜期間の北極圏冒険の準備段階の話。
    馴染みのない地名ばかりなので、Googleマップで画像を見ながら読み進めた。

    一般人からするとイカれてるしか思えないこも挑戦が、なぜこんなに面白く感じるのか自分でも不思議に思うぐらい夢中になった。

    最後が衝撃、早く極夜行を読みたい

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    2024年07月12日
  • 漂流(新潮文庫)

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    生の鶏肉、鳥肉を食べるところだけでもいろんな要素が盛り込まれて、十分です。お腹いっぱいになりました。

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    2024年07月11日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    角幡唯介さん「空白の五マイル」、チベット•ツアンポー峡谷の人跡未踏の秘境の地に魅せられた探検家の作者が自ら足でその軌跡を残すノンフィクション探検譚。

    凄く興奮させられる緊張感漂う物語だった。この場合物語というよりは体験談といった方が適切だろう。

    その作者の体験談が凄いとしか言いようがない。

    すぐ隣にある「死」を感じながらの極僻地での「生」の物語。
    並大抵の物語ではない、ストイックの極みであり、精神と時間の究極の濃厚さが描かれている。

    この作品の最後、作者があとがきで何故危険と知りながらも探検するのか?という問いに対しての気持ちを回顧録みたいに語っている。
    我々人間の本能的で遺伝的な「人

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    2024年06月12日
  • 極夜行

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    著者の本は、普通じゃ死んでしまうことを、結構サラッとかいてます。年齢的に集大成な旅というのもわかる。何故病院から、始まるのか?なるほど。犬への考察もなるほど。相棒犬もいろいろな意味で良かった。

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    2024年06月07日
  • 極夜行

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    ネタバレ

    これは最高傑作?

    正直前半というか、最初の印象は、

    「読みづらい本だな」

    というものだった。

    話の展開も単調だし、読むのやめようかな?面白くならなそう…

    と思っていました。

    でも無理やり?読み通していくと、

    そう、保管していた補給物資が、シロクマにことごとく食い荒らされていた、というあたりから、見事に物語に引き込まれていた。

    「事実は小説よりも奇なり」

    その言葉を地で行く展開。

    探検を共にしてきた犬を食わなきゃならないという切迫した現実。

    なにより最初の驚きは、
    犬が人糞を食べるという…

    犬が著者の排泄した糞を出したそばから食べ始め、肛門をなめ…

    腹が減っているから?

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    2024年06月06日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    内容は”冒険の現象学”。この人の冒険ノンフィクションからの流れで読むと面食らうかも。ハイデガーをちゃんと踏まえて、この人の今まで経験してきた"冒険"を考察している。ちゃんとした哲学書にもなっているので、著者のファンだけでなく、哲学クラスタにもいいと思います。ハイデガーが『存在と時間』で提示した日常の事物から展開する"現象学"のやり方は、好悪はともあれ、これだけ射程/応用範囲の広いものなのだと改めて興味深い。

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    2024年02月08日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    人はなぜ冒険をするのか、山に出かけるのかの答えは人はなぜ結婚をするのかの答えと同じということを哲学的に論考している。思いつきと隆起した事態がその答えであるとハイデガーや中動態等を持ち出して論理を展開していく過程は迫力がある。「探検家とペネロペちゃん」も衝撃的だったが本書も別の意味で衝撃的ある。これらの衝撃源である角幡夫人の書いたものを読みたい。

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    2024年02月02日
  • 極夜行

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    現代に、これだけ素晴らしい日本語を書ける人がいるのかと、衝撃を受けた。
    情景描写はリアルで美しく、適度にユーモアがおり混ざる。想像を絶する過酷な旅のストーリーなのに、何度も笑ってしまった。
    脱システムを目的に探検をする、という思想も、最高です。文明社会で何を失ってしまったか、自分でも省みる機会になった。
    真似したくはないし、決してできないけれど、でも羨ましすぎる極夜行。

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    2024年01月01日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    序章の「結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか」だけを読むだけでも、この本を買った価値はある。これまで見たり聴いたり読んだりしてきた、どんな結婚観よりも説得力がある。著者は結婚は選択ではなくこれまでの過去の経験や選択が積み重なり、それが事態として隆起したものなのだと言う。なるほど、本質をついた鋭い考察だと思う。第2章以降も、ハイデガーの存在と時間や國分功一郎の中動態の世界などを引用しながら関与や事態についての、哲学的な考察が続くのだけど、ちょっと油断すると理解できないような小難しい話のわりに、具体的な例が面白おかしく書いてあるので、ちゃんと最後まで楽しく読ませてしまうところが、著者の文章力とウィッ

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    2023年12月24日
  • 極夜行前

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    長い時間をかけて読んだ。
    そうするとこの冒険を追体験しているような感じがしてすごく面白かった。本を開けばそこには、何もかもを凍らせる極寒の大地が広がっていて、不思議と児童書を読むようなワクワクがあった。

    「極夜行」が面白くて手に取った本だったが、準備期間でもトラブル続きでヒヤヒヤする。もう、極夜が来るなと警告してるような、運命めいたものも感じる。それを跳ね除けて極夜行を遂行、達成した著者の行動力や知識力はもちろん、運命力にも人並み外れたものを感じた。
    セイウチに襲われたり、(ズボンのチャックが開いてたせいで危うく死にかけた場面は思わずニヤッとした)ウヤミリックを厳しくしつけたらスレた中学生み

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    2023年12月20日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    読後の脱力感が半端ない。
    一人旅が好きで、単独登山も(かつてだけど)、冬山もやっていた自分(角幡さんの足元にもおよばないが)にとっては、共感するところが多かった。
    情景だけでなく心の動きも見事に描写され、読みながらハラハラさせられた。

    最後のことばより。
    どこかに行けばいいという時代はもう終わった。どんなに人が入ったことがない秘境だといっても、そこに行けば、すなわちそれが冒険になるという時代では今はない。
    濃い緑とよどんだ空気が支配する、あの不快極まりない峡谷のはたして何が、自分自身も含めた多くの探検家を惹きつけたのか。歴史の中に刻みつけられた記憶の像は、地理的な未知や空白などといった今や虚

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    2023年11月21日