角幡唯介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらず角幡さんの文章はおもしろい。
エベレストには登らない。
なーんも考えないでただ流されてるまま生きちゃってる
私にはなかなか言えないわー。
ついつい主流に乗りたくなるんだよなー。
冒険には全く援助を受けてない、というのにそうなのかあっとびっくり。
てっきりいろいろバックがついてるのかと。
本当に自分がやりたいことをやってるだけなんだなー、
日本人には単独で動く冒険家が多い、というのが面白かった。
自然を征服しようとする文化と自然と一体化しようとする文化と。
どっちがいい、というわけじゃないんだろうが、文化的違いというものがてき面その行動に現れる、というのが面白いと思う。 -
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Posted by ブクログ
著者のことは全く知らなかったが、タイトルにも惹かれて本屋で手に取った。登山家かと思ったが冒険家で、最近は極地で冒険活動をしているらしい。冒険の内容も凄そうだが、それは別の本にまとめられているようで、本書は冒険や日常を綴ったエッセイ(ビーパル連載の単行本化)。冒険活動を超えて文章が面白いので、著者の日常や考えも興味をそそる。
本書のおかげで、グリーンランドのシオラパルクという世界で最も北に位置する集落の場所も地図で確認したし(スカンジナヴィア半島の北端よりずっと北にあった。)、そこでの生活ってどんなものなんだろうかとか色々と想像が膨らんだ。 -
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Posted by ブクログ
探検家・作家の角幡さんのエッセイ。
雑誌の連載をまとめた本で、著書には書けなかった登山や探検の裏事情、考えたこと等、探検活動に対する著者の想いが書かれていて大変面白かった。テーマはほぼ困りごと。探検家である著者には常に困り事が付きまとう感じがする。上手く行っていることは、別段書くことでもないので、困り事が話題になるのは仕方ない。家庭の事、妻との関係や旅行時の手続きのような些細な出来事から、極地での生死に関わるような問題まで、いろいろなテーマを取り上げて考察する。
著者の探検スタイルは、どちらかと言えば結果重視ではなくプロセスを楽しむことが重要と考えている。単にどこかに到達するだけなら、便利で安 -
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購入済み
2019年にこの本を読みました。なぜこの時期に読んだのか…
実は2019年GWに山口敏太郎さんのインタビューに答えました。
概略を言えば1991年にネパールの比較的初心者でも行きやすいランタン渓谷をトレッキングしている時
標高2,800m程度の原生林で身の丈155cm程度の全身黄褐色の毛で覆われた類人猿と10mほどの距離で遭遇しました。
詳細は山口敏太郎さんのYouTube「アトラスラジオ」で語っています。
「アトラスラジオ イエティ」検索で出てくると思います。
Yahooニュースにも東スポの記事として出ていました(現在削除されています)
概略は知ってましたがこの機に -
Posted by ブクログ
探検部の元学生(と言いたいくらいなんか若い…)が、チベットの空白地帯に飛び込んでいく話。
著者の本は4冊目ですが、順番としては本著が探検家として世に出した最初の著作のようですね。経験を重ねた「アグルーカの行方」なんかと比べると本著は圧倒的に若くて粗削り。
時系列にならずにエピソードを挟んでくる書き方も本著の時点から始まっているのですね。嫌いじゃないけど、ちょっとあざといような。
内容はチベットのツアンポー渓谷を旅する話な訳ですが、渓谷自体のスペックはどうやらグランドキャニオンも比ではないレベルの凄いもののようなのに、「大変さ」が先に立ちすぎて、その場所に魅力を感じるような記述にはなっていない -
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Posted by ブクログ
本屋で手に取り目次を見ると、本多勝一さんの名前や彼が展開していたパイオニアワーク論が目に入る。僕も学生のころ熱心に読んでいたので、著者がどう解釈して自身の冒険に投影してきたのか、大いに興味がわいた。
エベレストが初登頂された後は、ルートを変えたり、無酸素で挑戦したりとバリエーションを変えないと、それは冒険とは呼べない。『初』がつかないと冒険とは呼べないのだ。パイオニアワークとはそういうものと理解している。誰も行ったことがない『地理的空白』がなくなった現代で、冒険は難しい。極夜の北極圏を旅する冒険を『発見』した著者のうれしそうな顔をテレビで見た時、冒険で飯を喰うことの社会的な大変さを感じた。