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Posted by ブクログ
冒険家である二人が、地図にも記されていないミャンマーの密林奥地で“眠る”ことを目的に探検へ挑む紀行エッセイです。
ジャングル特有の湿気や闇、動植物の息遣いがリアルに描かれ、まるで現地にいるような臨場感に引き込まれました。
高野氏の大胆さと角幡氏の慎重さという対照的なスタイルの掛け合いが絶妙で、二人の冒険観の違いが異色な旅に深みを与えていました。
自然の恐怖と美しさを両面から味わえる一方で、ボリュームのある内容だけに、読むには少し覚悟が必要かもしれません。
それでも、見知らぬ世界にまみれて眠るという発想は、日常から解き放たれたい読者の心に強く響く一冊でした。
Posted by ブクログ
【ノンフィクションは事実を積み上げていって真実に近づければいいものだと思うんですけど、小説は事実の積み上げもなくて真実を書かなくちゃいけないというイメージがあるんですよ】(文中より引用)
探検家と作家という二つの顔を持つ高野秀行と角幡唯介による対談録。早稲田大学探検部での活動に加え、ソマリアや北極への渡航、そして自身の経験を書き記すことの意義について語り尽くした一冊です。
思った以上に「書くこと」論やノンフィクション論にページが割かれている印象を受けました。ただそれが、探検というテーマを目的として読み始めた人にも「なるほど」と思わせてくれるほどに興味深い点が嬉しい驚き。結果としては幅広い楽しめる稀有な内容を持つ作品になっていると思います。
これを入り口にお二人の著作に入るのも☆5つ
Posted by ブクログ
高野秀行(1966年~)氏は、東京都生まれ、早大第一文学部卒。大学在学中に『幻の怪獣・ムベンベを追え』(1989年)で作家デビュー。代表作は、『ビルマ・アヘン王国潜入記』(1998年)、『西南シルクロードは密林に消える』(2003年)、『謎の独立国家ソマリランド』(2013年/講談社ノンフィクション賞)。植村直己冒険賞受賞(2024年/探検家・山田高司と共同)。
角幡唯介(1976年~)氏は、北海道生まれ、早大政経学部卒。代表作は、『空白の五マイル』(2010年/開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、『アグルーカの行方』(2012年/講談社ノンフィクション賞)、『極夜行』(2018年/本屋大賞ノンフィクション賞、大佛次郎賞)。
本書は、ともに早大探検家出身(10歳差あるので大学時代に一緒に活動はしていない)の高野氏と角幡氏の対談で、2014年に出版、2016年に文庫化されたもの。上記の通り、2013年に講談社ノンフィクション賞を共同で受賞した後のタイミングに当たる。
私はノンフィクション物が好きで、高野氏の『アヘン王国』や『ソマリランド』、角幡氏の『空白の五マイル』や『アグルーカ』も読んでいる。一方で、対談本については、一人の作家の書き下ろしと比べて、焦点がボケたり、当たり障りのない内容となっていることが少なくなく、基本的には好まないのだが、この二人の対談がつまらないはずはないと思い、読んでみた。
目次(対談のテーマ)は、第1章:僕たちが探検家になるまで 第2章:早稲田大学探検部 第3章:作家として生きること 第4章:作品を語る 第5章:探検の現場 第6章:探検ノンフィクションとは何か で、まさに、探検をすることとそれを書くことについて、縦横無尽の議論が為されている。
私は、両氏の作品や、作品のあとがき等で書かれているポリシー的なものも認識しているので(角幡氏についてはエッセイや冒険論も読んだ)、大きな驚きはなかったのだが、同じ探検部出身で、同じ探検家(冒険家)+ノンフィクションライターと呼ばれるにもかかわらず、(誤解を恐れずにシンプルに言うと)感覚派の高野氏・理論派の角幡氏、人が好きな高野氏・自然が好きな角幡氏、動の高野氏・静の角幡氏。。。と、両氏は意外なほど対照的な印象が強く、その点は興味深かった。
また、二人が探検部の先輩後輩であることから、両氏の心理的距離が一般の対談よりも近く(年長の高野氏のさりげない気配りも感じる)、その点も本書を面白くしていると感じた。
両氏の作品を読む人ならもちろん、冒険+ノンフィクション好きなら十分に楽しめる一冊と思う。
(2024年7月了)
Posted by ブクログ
大好きな著者さんどうしの対談なので、ゆっくり味わって読もうと思ったのに、面白いので、ついつい一気読みしてしまった。
クスッと笑えるところあり、名フレーズありで、またまたお二人の著作を読みたくなってしまう。
印象的だったのは、二人の共通点。
後先考えずに行動して、緻密に文章を組み立てるところ。
何をしたかより、どう文章化しているかで勝負したいところ。
既存のジャーナリズムに限界を感じているところ。
自分が読んで感じていたことは、あながち外れてもいないなぁとと思った。
あと、高野さんが子どもの頃に好きだった本が、私の好きだった本と同じで嬉しかった。『ドリトル先生』のシリーズは、冒険・探検好きの入り口として、案外、王道なのかもしれない。
Posted by ブクログ
似てると思われ括られて対談することになったが、アプローチから何から違うので似てないのだけれど、という2人。とはいっても、読み手としてはそれがいいんだけれどね。お互いの特徴とか考え方とかどっちもが面白い。たくさんあるエピソードから取捨選択されパッケージされてると思うといろんな本もう一度読みたくなる。冒険探検にまつわる本も紹介されてて2人が、「これ本当なんですかねー?」とかいってて面白い。2人の本読んでて感じる「どうやってるんやろ」がめいっぱい解説されてて、この対談本を入り口にいろいろ読むのもいいけど、たくさん読んだ上で対談で疑問の答え合わせするほうがオススメかも。
高野さんの文章が軽すぎる?じゃあ角幡さんの読めばいいよ!角幡さんのはかたすぎる?じゃあ高野さんの読めばいいよ!!!両氏の作品は自信をもってオススメいたします!!!
Posted by ブクログ
ノンフィクションを書く二人の作家の対談本。ノンフィクション作家の苦労や「あるある」が語られる。
ノンフィクションとニュース、ジャーナリズムの類似点、相違点が語られるところがとても印象に残った。
どちらも事象を観察して出来るだけありのまま伝えるが、やはりそこにはストーリーや所謂「盛り場」が必要で、嘘にならないように、一方で面白くなるように書くことが求められる。綱渡りのような危うさがある。
ノンフィクションはあることが起きるまでの変化を描くことが出来るが、ニュースは起きないと描けない(まだ起きていないことはニュースとしての価値がない)
物書きのマネタイズについて触れられていたり、色んな悲哀を感じられる本。
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