角幡唯介のレビュー一覧
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地図上にはもはや空白がなくなってしまった現在、新しい冒険、探検はどこにあるのか? かつて「空白の5マイル」でチベットのツアンポー峡谷の空白を埋めてしまった著者の答えは、地図を持たない「登山」だった。著者にとって未知の山域である日高山脈を地図なしで漂泊した4回、都合49日の記録。
チベットの峡谷や極北、辺境の冒険家である著者にして、2000メートル程度の日本の山域が地図がないだけで冒険のフィールドになってしまう。「人が生きるには未来予期が必要だ。未来予期こそ人間の第一の存在基盤である」のに、地図がないだけでその滝の向こうに何が広がっているかわからない状況は存在基盤が脅かされる怖れを抱くに -
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なんだろうな?探検とは?
探検家に魅了される秘境?
一度自転車で日本一周したら、その虜になり、アルバイトして何度も行きたくなるとか。
僕の場合、ジョギングの魅力を知ったが最後、どんなに、足の怪我に悩まされても、走ることをやめられないということとか。
ギャンブルと同じなのかも?と思ったりした。
一度探検の魅力を知ってしまうと、また探検したくてたまらなくなるのではないか?
それはもう、探検したことのない人には、理解できないのではないだろうか?
なぜ命を落とす危険性があると知りながら、人は未開地?秘境?を目指すのか?
なんとなく想像するに、
血湧き肉躍る高揚感?危険と隣り合わせの状況 -
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高野秀行(1966年~)氏は、東京都生まれ、早大第一文学部卒。大学在学中に『幻の怪獣・ムベンベを追え』(1989年)で作家デビュー。代表作は、『ビルマ・アヘン王国潜入記』(1998年)、『西南シルクロードは密林に消える』(2003年)、『謎の独立国家ソマリランド』(2013年/講談社ノンフィクション賞)。植村直己冒険賞受賞(2024年/探検家・山田高司と共同)。
角幡唯介(1976年~)氏は、北海道生まれ、早大政経学部卒。代表作は、『空白の五マイル』(2010年/開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、『アグルーカの行方』(2012年/講談社ノンフィクション賞)、『極夜行』(2 -
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ネタバレようやく読書の時間を取れるようになってきたため再開。
二部構成、各6章-2章構成
探検家の魂のノンフィクション自叙伝
・メインストーリー
チベットのツアンポー峡谷にある、
前人未踏の空白の五マイルを日本の探検家が単独で踏破を試みる。
・サブストーリー
途中、角幡氏の回想シーンと、ツアンポー・チベットの案件にまつわる歴史的叙述のシーンがある。
・構成
基本的には角幡氏の探検中のシーンがほぼありのまま語られる。
・特に印象的な場面など
p.177
当然のことだが、滝には地元の人たちから呼び習わされてきた名前があった。〜米国人が思い入れたっぷりに名付けた「ヒドゥン・フォール・オブ・ドルジェパ -
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角幡唯介(1976年~)氏は、北海道生まれ、早大政経学部(早大探検部)卒のノンフィクション作家、探検家。
『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞(2010年)と大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞(2013年)、『極夜行』で本屋大賞ノンフィクション賞(2018年)と大佛次郎賞を受賞。
本書は、自ら、チベット奥地の峡谷や極夜の北極などに挑む冒険を行い、それをノンフィクション作品として発表してきた著者が、「冒険とは何か?」、「人は何故冒険をするのか?」、「冒険の意義とは何か?」等について綴ったものである。初出は、季刊雑誌「kotoba」の2 -