角幡唯介のレビュー一覧
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角幡唯介『荒地で生きる「新・冒険論」改訂』ヤマケイ文庫。
角幡唯介による冒険論。本多勝一で始まり、大江健三郎で締めるという構成で、極めて論理的であり、納得出来る内容であった。大江健三郎の『日常生活の冒険』は一度読んでみたいと思った。
早稲田大学で探検部に所属していた角幡唯介はアウトドアスポーツから逸脱したような山登りや川下り、洞窟探検といった様々な経験を経て、三原山火口のマグマを肉眼で見るという『三原山計画』を切っ掛けに、国内外で様々な冒険や旅に挑み続ける。
昔の大学生は、学問を究めるという欲求よりも社会に出るまでのモラトリアム期間を享受するという欲求の方が強かったようにも思う。そんな中 -
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冒険家である二人が、地図にも記されていないミャンマーの密林奥地で“眠る”ことを目的に探検へ挑む紀行エッセイです。
ジャングル特有の湿気や闇、動植物の息遣いがリアルに描かれ、まるで現地にいるような臨場感に引き込まれました。
高野氏の大胆さと角幡氏の慎重さという対照的なスタイルの掛け合いが絶妙で、二人の冒険観の違いが異色な旅に深みを与えていました。
自然の恐怖と美しさを両面から味わえる一方で、ボリュームのある内容だけに、読むには少し覚悟が必要かもしれません。
それでも、見知らぬ世界にまみれて眠るという発想は、日常から解き放たれたい読者の心に強く響く一冊でした。 -
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**1. 『43歳頂点論』から導き出された核心**
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角幡氏の思想を、人生の「固有性」と「身体性」という観点でまとめると以下のようになります。
**◆「予定調和」への反逆と偶然の肯定**
・脱・ライフモデル信仰
良い大学・企業という既定のレール(累計)を歩むことは、未来が予測できてしまう「死んだ人生」に等しい。
・偶然という超越性
人生を動かす真の衝動は、計画外の「偶然の出会いや出来事」から生まれる。この「ズレ」こそが、その人の人生の固有度(オリジナリティ)を決める。
**◆ 30代という「黄金期」の定義**
・肉体×経 -
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衝撃的。
フィンランドに住んでいるので、日が出ないことの鬱々とした気持ちはものすごくわかる。(冬でも4、5時間、日は出ますが)
自分は十年ほど前、学生の頃にインドへバックパッカーとして訪れた。目的地だけを決め、行き方は事前にはろくに調べずに行った。悪い人の車に乗せられたり、ぼったくられたり、無駄足を踏んだりと苦労したが、充実感を感じたのを覚えている。
自分の経験とは比べものにならないが、この本の、極夜での旅を通じた現代の便利なシステムの外に出ること、ヒトとしての原体験を得ることは、まさに自分がハタチの頃に欲していた根源的な欲求、そして自分のインド旅はそれが表出したものだったのだと、何年も経 -
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ネタバレ極夜のグリーンランドを犬とともに旅する過程が、筆者の生々しい言葉で克明に記されている。トラブル続きで太陽も出ず、絶望に囲まれたような旅路だが、軽快でウィットに富んだ言い回しと、筆者なりの冒険、そして今回のテーマである太陽と月、光と闇などについての考察などは興味深く、文量は多かったが、夢中で読んでしまった。おそらく旅の間に書き留めたものをベースにしているだろうが、同じ旅の中でも、完全なる極夜の中で半分鬱?のような状態のときと、太陽の気配を感じて終わりが見えて来たときのメンタルの差が、筆のタッチの違いなどでも出て来ているのがリアルだった。前日譚もあるので、楽しみにしたい。
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冒険家×ノンフィクション作家が書くこと、生きることの意味を問うこと。
私は山が好きだが登山ではなく歩山で、主に平地では見られない山の花々を見るのに歩いてきた。今は平地を徘徊するようになってしまったが。
最近渓谷探検を見てこれが冒険家なのかと実感した、驚異的なテレビ番組だった。
角幡さんは素晴らしい書き手だと感銘を受けた。知らなかったが登山家でもあり山から下りれば作家になってノンフィクション賞を数々受けている人だった。
少し前になるが、映画の「エヴェレスト」を見た、これは組織的に役割分担をしたチーム登山が描かれていて今はこんな形なのかと驚いた、全員が下山できなかった実話をもとにしていたそうで、 -
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エゴがすごい。そして探検という民間から離れた世界を論拠するので尚更分かりにくい、、と思ったら本質的には生と死の話から派生しているから不易性があるし、更には現代社会へのアプローチもあり普遍性もある。ものすごく共感したし、勇気をもらった感覚もある。現代の全中年が読むべき、くらいに面白かった。
個人的には自分には遅れてきたリビドー、権力意志より強い想いもあると再確認した。
そして何者にもなっていない感覚と、なりかけている可能性も感じた。それも本書に出てくる幾つかのグラフが分かりやすく説得力があったから。
あと、内容を遠ざけない文章の読みやすさも秀逸。 -
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極夜行本番に至るまでの準備期間の記録。
準備期間か、それって面白いのかなと思ったが「極夜行」が面白かったので読んでみた。結果、これを読んでこそ、極夜行を最大限楽しめると思った。
角幡さんの探検は、現代システムを脱出して、できるだけ自分の手で準備して本番を遂行することが一つ大きなテーマに感じた。
ソリを引いての探検になるため、食料や燃料の全てを一度に運ぶことはできず、旅程のポイントに事前に配置することになる。
それすらも徒歩やカヤックを駆使して自分の手で運ぶ。極夜の時期ではないにしても、やはり極北地域の行程には予想もできない自然の猛威がある。
本番さながらにハラハラドキドキの探検記録となってお -
Posted by ブクログ
普段ノンフィクションは読まないけど、YouTubeで角幡唯介さんが出ている動画を見て、以前から題名だけは知っていた本書を読んだ。
これまで読んでこなかったことを本当に後悔するほど面白かった。極北地域という全く馴染みのない地域の暮らしを垣間見ることができたし、そこをソリを引いて探検するという冒険の様子を窺い知ることができた。
旅が始まって早々、予想を超える自然の猛威やアクシデントに見舞われながらも、なんとかその場を切り抜けていく様が著者の言葉で綴られていた。
読みながら、この人は本当に生きて帰って来れるのかと思いながら、でもこれが読めているということは死なずに帰ってきたのだと思った。
太