角幡唯介のレビュー一覧

  • 極夜行

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    感動系な探検記を期待していたのだが思い切り裏切られた。でもあとがきで作者も語っているが、作者自身がカオスを伝えたかったということで、そういうことであれば狙い通りなんだろうと思う。なんでこれやろうと思った?いまどんな状況?みたいな部分が大半を占める。とりわけ犬の食糞についてはやたらと生々しい描写で辟易した。でも、極限の中で生を見出す作者の体験を通じて、極限の状況で生きるということは、生物の原初的かつ根源的な活動に久しく、後に太陽に再びまみえた作者の感動には生物が生きることの本質的な意義を垣間見た気がした。とにかく究極に非日常で非常識な愉快な1冊だった。

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    2026年09月07日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    角幡さん初めてリハックで拝見して、極夜行読んで、今回43歳頂点論を読んだ。独特の存在感ありますわよねこの方、リハックで「自分の人生に対して、他人の価値観を一切入れたくない、影響されたくない」と言うようなことおっしゃられてて、他人の評価ばかり気にせざるを得ない私44歳サラリーマンは打ちひしがれたのでございました。
    知識経験が充実していく一方、体力が低下していき、頭の中の想像と体の動きが一致しなくなってくるって、特にアスリートの方はおっしゃりますよね。
    自分の出すパスがイメージからボール1個2個分ズレてきてしまったことを引退の理由に挙げていたのは名波浩。イマジネーションは衰えずとも、体力的な衰えで

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    2026年09月02日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    良いタイミングで出会えたなと思う。

    私は三十代前半なので、彼曰く所謂衰退期ではないが、それでも昔に比べて自分の天井が見えてくる。

    世の中の解像度も徐々に上がり、刺激的な体験は減っていく一方。
    自分が何をやりたいのか、それは続けられるほど楽しいのか。日々そんな迷いと共に過ごす日々に閉塞感を感じざるを得なかった。

    この本はRehaqで知った本で、経験と体力の最高となる交点が43歳というメッセージに惹かれた。
    なるほど、私でも知っているような探検家、作家、著者の話がふんだんに盛り込まれ、先の主張を補完していく。

    私にとっては未知の40代だが、どうやら後半を読むと気持ちは少し晴れていく。
    自己

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    2026年08月25日
  • どうせ死ぬなら北極で

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    面白いエッセイ。お勧め。

    でも実際には同じ体験はしたくない。地元より寒い所に行きたくはないと読みながら思う。

    熊対策は声出しが有効なのか。勉強になった。

    世界にひとり取りのこされた者としての話が印象に残った。


    コロナ後変わらない日常に戻ったが心持ちは何かがかわった気がする。

    タイトルの伏線回収はあとがきにあるが妙に納得してしまった。

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    2026年08月15日
  • ヤマケイ文庫 荒地で生きる 「新・冒険論」改訂

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    角幡唯介『荒地で生きる「新・冒険論」改訂』ヤマケイ文庫。

    角幡唯介による冒険論。本多勝一で始まり、大江健三郎で締めるという構成で、極めて論理的であり、納得出来る内容であった。大江健三郎の『日常生活の冒険』は一度読んでみたいと思った。

    早稲田大学で探検部に所属していた角幡唯介はアウトドアスポーツから逸脱したような山登りや川下り、洞窟探検といった様々な経験を経て、三原山火口のマグマを肉眼で見るという『三原山計画』を切っ掛けに、国内外で様々な冒険や旅に挑み続ける。

    昔の大学生は、学問を究めるという欲求よりも社会に出るまでのモラトリアム期間を享受するという欲求の方が強かったようにも思う。そんな中

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    2026年08月15日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    冒険家である二人が、地図にも記されていないミャンマーの密林奥地で“眠る”ことを目的に探検へ挑む紀行エッセイです。
    ジャングル特有の湿気や闇、動植物の息遣いがリアルに描かれ、まるで現地にいるような臨場感に引き込まれました。
    高野氏の大胆さと角幡氏の慎重さという対照的なスタイルの掛け合いが絶妙で、二人の冒険観の違いが異色な旅に深みを与えていました。
    自然の恐怖と美しさを両面から味わえる一方で、ボリュームのある内容だけに、読むには少し覚悟が必要かもしれません。
    それでも、見知らぬ世界にまみれて眠るという発想は、日常から解き放たれたい読者の心に強く響く一冊でした。

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    2026年07月22日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    生きることの意味を考えた。考えさせられた。
    命をかけて冒険する著者だからこそ、私の心に強く響いた。ずっと前から探し求めていた生きる意味。それを言語化され、腹落ちしたこの一冊。40歳の今だから強く響いたのだと思う。生きよう。もっともっと。

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    2026年07月19日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    全体として、生と死や自己存在の証明について究極を求め、43歳前後で亡くなった冒険者たちの事例と著者の実体験を比較しながら考察した本だと感じた。中年になるまで何となく生きてきた私には共感しづらい内容も多かったが、著者の考え方には興味を引かれる点がいくつかあった。特に、取材作家を辞めた場面で語られる、言葉や文章の本質的な理解や、経験を通して内面と外界が有機的に結び付くというあたり。また、後半では50代以降をどう生きるかについても触れられており、読み進めるうちに少し気持ちが楽になった。

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    2026年07月07日
  • 地図なき山―日高山脈49日漂泊行―

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    自分の位置を知り、自分のたどってきた道を知り、そしてこれから行こうとする道を知る。地図の中には人が生き残るための情報が詰まっている。それを捨てたとき、人間はどうやって生き残れるのか。今ここにある情報だけを頼りに、未知を既知に変えていく、人間本来の生き残りかたをここに見た。

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    2026年07月04日
  • 極夜行

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    ある経営者から薦められて手に取った。4ヶ月間太陽が一切出ない極夜を探検をする。それを3年越しの計画して実行する。自分でも考えのつかない発想だったが、未知への冒険心が掻き立てられる一冊。
    角幡さんの文体から角幡さんの見ている世界や思考が伝わってくる。
    早稲田大学の探検部ということで同じ大学の先輩としてこのようなユニークで未開の地を切り拓き続ける冒険者がいるということに大変嬉しい気持ちを持った。

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    2026年05月17日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    **1. 『43歳頂点論』から導き出された核心**
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    角幡氏の思想を、人生の「固有性」と「身体性」という観点でまとめると以下のようになります。

    **◆「予定調和」への反逆と偶然の肯定**

    ・脱・ライフモデル信仰
    良い大学・企業という既定のレール(累計)を歩むことは、未来が予測できてしまう「死んだ人生」に等しい。

    ・偶然という超越性
    人生を動かす真の衝動は、計画外の「偶然の出会いや出来事」から生まれる。この「ズレ」こそが、その人の人生の固有度(オリジナリティ)を決める。

    **◆ 30代という「黄金期」の定義**

    ・肉体×経

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    2026年05月10日
  • 極夜行

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    衝撃的。
    フィンランドに住んでいるので、日が出ないことの鬱々とした気持ちはものすごくわかる。(冬でも4、5時間、日は出ますが)

    自分は十年ほど前、学生の頃にインドへバックパッカーとして訪れた。目的地だけを決め、行き方は事前にはろくに調べずに行った。悪い人の車に乗せられたり、ぼったくられたり、無駄足を踏んだりと苦労したが、充実感を感じたのを覚えている。

    自分の経験とは比べものにならないが、この本の、極夜での旅を通じた現代の便利なシステムの外に出ること、ヒトとしての原体験を得ることは、まさに自分がハタチの頃に欲していた根源的な欲求、そして自分のインド旅はそれが表出したものだったのだと、何年も経

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    2026年05月09日
  • 極夜行

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    ネタバレ

    極夜のグリーンランドを犬とともに旅する過程が、筆者の生々しい言葉で克明に記されている。トラブル続きで太陽も出ず、絶望に囲まれたような旅路だが、軽快でウィットに富んだ言い回しと、筆者なりの冒険、そして今回のテーマである太陽と月、光と闇などについての考察などは興味深く、文量は多かったが、夢中で読んでしまった。おそらく旅の間に書き留めたものをベースにしているだろうが、同じ旅の中でも、完全なる極夜の中で半分鬱?のような状態のときと、太陽の気配を感じて終わりが見えて来たときのメンタルの差が、筆のタッチの違いなどでも出て来ているのがリアルだった。前日譚もあるので、楽しみにしたい。

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    2026年03月08日
  • 極夜行前

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    ネタバレ

    「極夜行」の前日譚として行った、3回に渡る準備およびデポ設置旅の記録。夏の旅であったりして、本番の旅の臨場感には及ばないものの、ウヤミリックとの初旅や、海象に襲われたカヤック旅、そしてそれでもようやく設置したデポが、最終的に白熊に荒らされることがわかっていただけに、なんとも言えない徒労感とともにこちらも入り込んでしまった。脱システムという思考など、「極夜行」でも言及されていたものもあったが、途中で娘が産まれたことによる人生への考え方の変化などは興味深かった。

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    2026年03月01日
  • 雪男は向こうからやって来た

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    素晴らしいノンフィクション。単に雪男捜索の話ではなく、なぜそれに情熱を燃やし、中には命を落とすほどの危険を犯すのかを考察している。実際に冒険家であり、捜索隊に加わった筆者にしか書けない内容。伝説の探検家鈴木が雪男捜索にハマっていたとは知らなかったので感慨深い。エピローグにある鈴木の最期に関する考察は非常に説得力がある。見たことがあるというだけでなく、一番最初に達成したいという冒険家の性があるのだろう。

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    2026年02月13日
  • 書くことの不純

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    冒険家×ノンフィクション作家が書くこと、生きることの意味を問うこと。
    私は山が好きだが登山ではなく歩山で、主に平地では見られない山の花々を見るのに歩いてきた。今は平地を徘徊するようになってしまったが。
    最近渓谷探検を見てこれが冒険家なのかと実感した、驚異的なテレビ番組だった。
    角幡さんは素晴らしい書き手だと感銘を受けた。知らなかったが登山家でもあり山から下りれば作家になってノンフィクション賞を数々受けている人だった。

    少し前になるが、映画の「エヴェレスト」を見た、これは組織的に役割分担をしたチーム登山が描かれていて今はこんな形なのかと驚いた、全員が下山できなかった実話をもとにしていたそうで、

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    2026年02月04日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    エゴがすごい。そして探検という民間から離れた世界を論拠するので尚更分かりにくい、、と思ったら本質的には生と死の話から派生しているから不易性があるし、更には現代社会へのアプローチもあり普遍性もある。ものすごく共感したし、勇気をもらった感覚もある。現代の全中年が読むべき、くらいに面白かった。
    個人的には自分には遅れてきたリビドー、権力意志より強い想いもあると再確認した。

    そして何者にもなっていない感覚と、なりかけている可能性も感じた。それも本書に出てくる幾つかのグラフが分かりやすく説得力があったから。
    あと、内容を遠ざけない文章の読みやすさも秀逸。

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    2026年02月03日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    冒険家とは縁遠いと思っていたが、抽象的には誰しも共通項がある加齢論を具体的な経験を通じて理解できた。
    私はまだ32歳だが、40-50代になるとそういう感じなのかと先取り感とともになんか楽しみな気持ちになれた。とにかくポジティブに年齢を重ねていきたいと思う。

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    2026年02月02日
  • 43歳頂点論(新潮新書)

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    43歳と言う運命の歳。
    “その年になったら、いったん休んで次の年から再開する。と考えても、結局その時を迎えると焦りがあり、逃げては駄目だという気持ちになって挑んでしまう。”
    ・・植村直己も、そして平出和也氏も。

    登山家の限界論から、三島由紀夫・開高健にも話が展開して行き、それらの書籍も読破しなくてはと思わされる。

    登山関連本として手にしたが、これはキャリア論として内省しながら読み終えたのでした。

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    2026年01月29日
  • 極夜行前

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    極夜行本番に至るまでの準備期間の記録。
    準備期間か、それって面白いのかなと思ったが「極夜行」が面白かったので読んでみた。結果、これを読んでこそ、極夜行を最大限楽しめると思った。

    角幡さんの探検は、現代システムを脱出して、できるだけ自分の手で準備して本番を遂行することが一つ大きなテーマに感じた。
    ソリを引いての探検になるため、食料や燃料の全てを一度に運ぶことはできず、旅程のポイントに事前に配置することになる。
    それすらも徒歩やカヤックを駆使して自分の手で運ぶ。極夜の時期ではないにしても、やはり極北地域の行程には予想もできない自然の猛威がある。
    本番さながらにハラハラドキドキの探検記録となってお

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    2026年01月21日