角幡唯介のレビュー一覧
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冒険家×ノンフィクション作家が書くこと、生きることの意味を問うこと。
私は山が好きだが登山ではなく歩山で、主に平地では見られない山の花々を見るのに歩いてきた。今は平地を徘徊するようになってしまったが。
最近渓谷探検を見てこれが冒険家なのかと実感した、驚異的なテレビ番組だった。
角幡さんは素晴らしい書き手だと感銘を受けた。知らなかったが登山家でもあり山から下りれば作家になってノンフィクション賞を数々受けている人だった。
少し前になるが、映画の「エヴェレスト」を見た、これは組織的に役割分担をしたチーム登山が描かれていて今はこんな形なのかと驚いた、全員が下山できなかった実話をもとにしていたそうで、 -
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エゴがすごい。そして探検という民間から離れた世界を論拠するので尚更分かりにくい、、と思ったら本質的には生と死の話から派生しているから不易性があるし、更には現代社会へのアプローチもあり普遍性もある。ものすごく共感したし、勇気をもらった感覚もある。現代の全中年が読むべき、くらいに面白かった。
個人的には自分には遅れてきたリビドー、権力意志より強い想いもあると再確認した。
そして何者にもなっていない感覚と、なりかけている可能性も感じた。それも本書に出てくる幾つかのグラフが分かりやすく説得力があったから。
あと、内容を遠ざけない文章の読みやすさも秀逸。 -
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極夜行本番に至るまでの準備期間の記録。
準備期間か、それって面白いのかなと思ったが「極夜行」が面白かったので読んでみた。結果、これを読んでこそ、極夜行を最大限楽しめると思った。
角幡さんの探検は、現代システムを脱出して、できるだけ自分の手で準備して本番を遂行することが一つ大きなテーマに感じた。
ソリを引いての探検になるため、食料や燃料の全てを一度に運ぶことはできず、旅程のポイントに事前に配置することになる。
それすらも徒歩やカヤックを駆使して自分の手で運ぶ。極夜の時期ではないにしても、やはり極北地域の行程には予想もできない自然の猛威がある。
本番さながらにハラハラドキドキの探検記録となってお -
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普段ノンフィクションは読まないけど、YouTubeで角幡唯介さんが出ている動画を見て、以前から題名だけは知っていた本書を読んだ。
これまで読んでこなかったことを本当に後悔するほど面白かった。極北地域という全く馴染みのない地域の暮らしを垣間見ることができたし、そこをソリを引いて探検するという冒険の様子を窺い知ることができた。
旅が始まって早々、予想を超える自然の猛威やアクシデントに見舞われながらも、なんとかその場を切り抜けていく様が著者の言葉で綴られていた。
読みながら、この人は本当に生きて帰って来れるのかと思いながら、でもこれが読めているということは死なずに帰ってきたのだと思った。
太 -
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探検家・角幡唯介が挑んだのは、太陽が昇らない「極夜」の世界。グリーンランドの最北の村から始まる、あまりに無謀で、あまりに美しいノンフィクションの記録だ。
「極夜の果てに昇る最初の太陽を見たとき、人は何を思うのか」。その純粋な好奇心から始まった旅は、想像を絶する過酷なものだった。荒れ狂う自然の猛威、忍び寄る獣の影、そして極限の飢え。ついには愛すべき相棒の犬を「食料」として見なければならないほど、彼は追い詰められていく。
しかし、この本の真髄は「凄惨さ」だけではない。冒頭で描かれる「妻の出産」という生命の誕生と、80日の暗闇を抜けて目にした「最初の太陽」。著者は生死の境目を彷徨う中で、その二つの光 -
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夏に読めば良かった。
長野の秋は寒い。北アルプスも白くなりました。
ストーブの前から離れたくありません。すでに。
角幡唯介氏と荻田泰永氏がタッグを組み、今から約180年前にジョン・フランクリンという男が率いた探検隊の足跡を辿る為、2011年に103日間かけて約1600キロを徒歩で北極圏を旅したお話。
いやいや、探検家とか冒険家って何?
人?
同じ人間とは思えない…。
でもね、とっても面白かった。途中何度か吹き出した笑
口唇ヘルペスにボラギノールって笑
もうね、ありえない事の連続。
そりゃそうだよね、イヌイットでさえ行かないところを歩いて旅するのだから。
こんなすごい冒険話 -
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はじめの方はなかなかページをめくる手がすすまなくて、少しずつしか読めないでいたけど、しばらくすすめると話にどんどん惹き込まれて、かわいそうと思ったら、次は笑い、その次は手に汗握るような緊張、同情、読んでる方の感情もいそがしく展開するような作品だった。あとがきでは、泣いちゃいました。そして極夜行に引き続き、私の人生では絶対に見ることのない景色を伝えてくれてありがとうございます、これが読書の醍醐味です!って思うのです。
そしてこんな生活をしてる角幡さんは、日本に帰ってきたときにどのような生活、感情になるんだろう。家族がいて、お風呂に入って、ご飯をたべて、冷暖房のある部屋で暮らすときに何を思うんだ -
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先日「バリ山行」と言う面白くない小説を読んだが、同じ感じだと嫌だなーと思いながら手に取ると「チベット・ツアンポー」の人と言うことに気付く、これは間違いないなと期待が高まる。
出会えて、良かった。著者が山行を行い、本書を書いてくれたことに感謝と思うほど良かった。
GPS等機器の発達により未開の地が無くなった今、地図を見ないことで、自分で未開の地を作りそこを冒険したドキュメンタリー。
私も山が好きなので同じ事をやってみようとは思わないが、ワクワクさせられた。冒険に対する意思の表現も素晴らしく、彼の世界に引き込まれる。
計4回の山行が行われているが、準備期間、実際の山行期間。1回終わったあと -
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こんなに明瞭に語って大丈夫だろか?と思ったら、後書きで、「こんな本を書いてしまったら、読者は、この人はもう書くことをやめるのだろうか、と受け止めるかもしれない。」と。まんまとそう思ってしまった。
しかもそれがめちゃくちゃわかりやすい。こんな私でも結論へと至る道筋で迷子にならなかった。
自身の冒険と、読書の経験とを混ぜながら、ある種の書評のような部分もあり。
三島由紀夫論は本当に素晴らしかった。めちゃくちゃ腑に落ちた。
内在と関係の話は、先日読んだ最首悟のなぜ障がいのある娘を愛するのか、という話とリンクしており、その解答を披露してくれたかのようで、めちゃくちゃスッキリしたし興奮した。
自と他の境 -
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感想
私は山に行く。
その時は必ず地図を見れるようにするし、行動中も要所で確認する。
ただ、なるべく見ないようにするし、ラジオも聞かないし、人とも話さない(一人で行くことがほとんど)。
私が山へ行くのは、自然の中に身を置いて、日々の細々したことから自分を切り離すためだ。
ただ山を登って、鳥の鳴き声や風に揺れる枝葉の音を聞いて、土や木の根を踏んで、そういう感覚を味わうために山へ行く。
そうしている間、いろいろなことを考えたり、考えなかったりする。
仕事のことも考えたりもするけど、意外とそういう時にはネガティブな感情ではなくて、思いもよらないことを考えついたりもする。
そんな風に -
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予定調和の現代社会から逃れ、目の前にある自然と対峙する。登山が趣味です。といった人とは違う、圧倒的なかっこよさ!(登山が趣味でもいいけど、それとは違ういっちゃってるかっこよさがある。)
人はなぜ冒険を求めるのか、原始の狩猟最終民への憧れに対する答えを探りながら、地図のない日高山を漂白する。スマホ時代の息苦しさを明確な言葉で解明してくれる。ある意味痛快。単なる山岳ドキュメントではなく、作者の心情というか思想の言語化が面白く、淡々とした語りが達観しててイヤミがなく読みやすかった。
私的には「バリ山行」「サピエンス全史」「クロニクル千古の闇」「三島由紀夫と東大全共闘」など、最近はまった本の答え合わせ -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤は、こんな分厚さに見合う内容があるのかな?と少し甘く見ていたけど、中盤以降トラブル多発の急展開。デポが破壊されていると気付いたときの絶望感たるや。。手に汗を握りながら、途中息苦しくもなりながら、旅を見守った。
結果的になんとか生還して、この本を生み出してもらえてよかった。
命懸けのミッションから得た貴重な経験を文章という形でおすそ分けしてもらえてありがたい限りだ。
未踏の地ではなく、何度か来訪している土地であっても、極夜という特殊な状況になると全く別の顔を見せる。
極限の環境下で、古代の人々の追体験をしたり、犬と人間との原始的な依存関係に気づいたり、宇宙と繋がっている感覚を得たりなど、