角幡唯介のレビュー一覧

  • 極夜行

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    著者の本は、普通じゃ死んでしまうことを、結構サラッとかいてます。年齢的に集大成な旅というのもわかる。何故病院から、始まるのか?なるほど。犬への考察もなるほど。相棒犬もいろいろな意味で良かった。

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    2024年06月07日
  • 極夜行

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    ネタバレ

    これは最高傑作?

    正直前半というか、最初の印象は、

    「読みづらい本だな」

    というものだった。

    話の展開も単調だし、読むのやめようかな?面白くならなそう…

    と思っていました。

    でも無理やり?読み通していくと、

    そう、保管していた補給物資が、シロクマにことごとく食い荒らされていた、というあたりから、見事に物語に引き込まれていた。

    「事実は小説よりも奇なり」

    その言葉を地で行く展開。

    探検を共にしてきた犬を食わなきゃならないという切迫した現実。

    なにより最初の驚きは、
    犬が人糞を食べるという…

    犬が著者の排泄した糞を出したそばから食べ始め、肛門をなめ…

    腹が減っているから?

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    2024年06月06日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    内容は”冒険の現象学”。この人の冒険ノンフィクションからの流れで読むと面食らうかも。ハイデガーをちゃんと踏まえて、この人の今まで経験してきた"冒険"を考察している。ちゃんとした哲学書にもなっているので、著者のファンだけでなく、哲学クラスタにもいいと思います。ハイデガーが『存在と時間』で提示した日常の事物から展開する"現象学"のやり方は、好悪はともあれ、これだけ射程/応用範囲の広いものなのだと改めて興味深い。

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    2024年02月08日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    人はなぜ冒険をするのか、山に出かけるのかの答えは人はなぜ結婚をするのかの答えと同じということを哲学的に論考している。思いつきと隆起した事態がその答えであるとハイデガーや中動態等を持ち出して論理を展開していく過程は迫力がある。「探検家とペネロペちゃん」も衝撃的だったが本書も別の意味で衝撃的ある。これらの衝撃源である角幡夫人の書いたものを読みたい。

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    2024年02月02日
  • 極夜行

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    現代に、これだけ素晴らしい日本語を書ける人がいるのかと、衝撃を受けた。
    情景描写はリアルで美しく、適度にユーモアがおり混ざる。想像を絶する過酷な旅のストーリーなのに、何度も笑ってしまった。
    脱システムを目的に探検をする、という思想も、最高です。文明社会で何を失ってしまったか、自分でも省みる機会になった。
    真似したくはないし、決してできないけれど、でも羨ましすぎる極夜行。

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    2024年01月01日
  • そこにある山 人が一線を越えるとき

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    序章の「結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか」だけを読むだけでも、この本を買った価値はある。これまで見たり聴いたり読んだりしてきた、どんな結婚観よりも説得力がある。著者は結婚は選択ではなくこれまでの過去の経験や選択が積み重なり、それが事態として隆起したものなのだと言う。なるほど、本質をついた鋭い考察だと思う。第2章以降も、ハイデガーの存在と時間や國分功一郎の中動態の世界などを引用しながら関与や事態についての、哲学的な考察が続くのだけど、ちょっと油断すると理解できないような小難しい話のわりに、具体的な例が面白おかしく書いてあるので、ちゃんと最後まで楽しく読ませてしまうところが、著者の文章力とウィッ

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    2023年12月24日
  • 極夜行前

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    長い時間をかけて読んだ。
    そうするとこの冒険を追体験しているような感じがしてすごく面白かった。本を開けばそこには、何もかもを凍らせる極寒の大地が広がっていて、不思議と児童書を読むようなワクワクがあった。

    「極夜行」が面白くて手に取った本だったが、準備期間でもトラブル続きでヒヤヒヤする。もう、極夜が来るなと警告してるような、運命めいたものも感じる。それを跳ね除けて極夜行を遂行、達成した著者の行動力や知識力はもちろん、運命力にも人並み外れたものを感じた。
    セイウチに襲われたり、(ズボンのチャックが開いてたせいで危うく死にかけた場面は思わずニヤッとした)ウヤミリックを厳しくしつけたらスレた中学生み

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    2023年12月20日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    読後の脱力感が半端ない。
    一人旅が好きで、単独登山も(かつてだけど)、冬山もやっていた自分(角幡さんの足元にもおよばないが)にとっては、共感するところが多かった。
    情景だけでなく心の動きも見事に描写され、読みながらハラハラさせられた。

    最後のことばより。
    どこかに行けばいいという時代はもう終わった。どんなに人が入ったことがない秘境だといっても、そこに行けば、すなわちそれが冒険になるという時代では今はない。
    濃い緑とよどんだ空気が支配する、あの不快極まりない峡谷のはたして何が、自分自身も含めた多くの探検家を惹きつけたのか。歴史の中に刻みつけられた記憶の像は、地理的な未知や空白などといった今や虚

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    2023年11月21日
  • 極夜行

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    『空白の五マイル』依頼の角幡作品。圧倒的な冒険譚。GPSや期せずして使用することが叶わなかった六分儀などから『脱システム』することで、否応のなく外界との接触点が増え外界を自分の中に取り込み世界化されている角幡さんのリアルな語り口で極夜探検を疑似体験することができた。その角幡さんですら、冒険の最終盤のブリザードのなかで天候確認として利用した衛星電話、一度使うとシステムに組みこまれてしまうという下りに、便利だ、便利だとスマホだキャッシュレスだと浮かれる現代人の不自由さを思った。

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    2023年10月12日
  • 裸の大地 第二部 犬橇事始

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    カクハタ君の話はこれまでも共感する話が多かったんだけど、そこに犬との話が加わったことで話にも広がりが更にできて、更に面白くなった印象。

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    2023年08月24日
  • 極夜行前

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    素晴らしい行動と 素敵な文章表現能力
    「極夜行」を読んでから読むべき
    あとがき も 特別寄稿 も 最高

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    2023年01月28日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    ★なじみのないものを読ませる技術★グーグルアースで地球上のどこもが見られる時代に冒険の意義を求めるのが難しいことは著者が一番分かっており、現在の探索と歴史を交互に記して時間軸により深みを持たせる。冒険に過度な意味を持たせるの慎重に避けながら、独りよがりにならない読み物に仕立てるのがうまい。
    最初の探検だけでも十分にノンフィクションになりそうなものだが、これだけの回数を重ねるまで待った心意気にも感服する。

    それにしても単純に人間業とは思えない日々に圧倒される。20日以上も一人で山を歩きぬけるという苦難は想像がつかない。藪をこいで崖を上り下りする技術の詳細や、せっかくなので写真をもっと見たくなる

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    2022年12月29日
  • アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

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    アグルーカと呼ばれた男たちは、一人ではなかった。そのことが、さまざまな憶測と伝聞を生み、真実が靄の中に包まれていく。
    最後まで息も吐かせない冒険の数々とミステリー。
    角幡さんの極地行の初期作品なので、珍しく同行者がいるのも面白い。そして、後の『極夜行』につながる、GPSや衛星電話への疑問なども盛り込まれていて、読み応え満点。
    あと、ツンドラの夏は蚊が酷い、と亡くなった祖父(遺骨収集のためにシベリアに行ったことがある)が言っていたのを思い出した。極地は季節を問わず、人を寄せ付けない所らしい。

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    2022年11月15日
  • 極夜行前

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    角幡唯介『極夜行前』文春文庫。

    傑作ノンフィクション『極夜行』の前日譚となる準備期間を描いたノンフィクション。

    言わずもなが、面白い。男の冒険心をいたく擽ってくれる。

    『地図上の空白地帯が無くなった現代に於いては、もはや未知の状況下で過酷な自然に挑むしか探検を行う術は無い。』ということからGPSや衛星携帯電話を持たず、一匹の犬と太陽の昇らない冬の北極に挑むことを決意した著者は過酷な旅への準備を進める。

    六分儀を用いた天測を学び、極北カナダで実地訓練を行うが、極夜の世界では思うように自分の位置を知ることが出来なかった。メーカーの協力を得て六分儀に改良を加え、来たる『極夜行』に備える。そし

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    2022年11月07日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    ネタバレ

    ほぼ死が確定している中、生存の希望となる橋を発見するシーンは夢中になって一気に読んでしまった。
    ツアンポー峡谷に敗れ、死が近づいてくる描写は文学的でありながら、リアリティもある本当に引き込まれた。

    自分も探検部に属しており、角幡唯介や高野秀行のような探検は一つの理想であるが、この探検のように死が隣り合わせな状況は自分には耐えられないだろう。
    しかし、角幡唯介の本を読む度に自分も探検がしたいと強く思う。

    この本のあとがきで、角幡唯介が「読み手を意識していない。自分の欲求のために探検して、この本を書いた。」とあった。
    「探検という行為は社会に還元するためにある。」というのが、探検部の上の年目の

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    2022年05月12日
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

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    未踏地や未踏峰がほぼ無くなりつつある今の地球で、それでも冒険をするとすればどういう形が可能なのか?
    20世紀までの冒険は、功名心や功利心、あるいは知的好奇心に駆動されて、人跡未踏の地に踏み込みさえすれば冒険と見做された。とてもシンプルで、わかりやすかった。
    文明の発展とともに地図の空白地帯は消えていき、一見、わからないことなど何も無いかのようにさえ思えてしまう。だから21世紀の冒険は「今、どこに行けば冒険になるのか」「どのような旅をすれば冒険になるのか」という、冒険の定義から始まらなければならないらしい。とても、知的な作業だ。単なる命知らずの冒険野郎では、もう、本当の冒険には辿り着けないのだ。

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    2022年03月17日
  • 探検家とペネロペちゃん

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    物事を小難しくも面白可笑しく捉えて、父親としての若さ故の筆の勢いも相まって勢いと著者の感覚の深さがどちらもリアリティを持って読めた。
    父性とは?女児も既に女性である。といったトピックについて真摯に考察している。タブーや思春期にまで成長した娘ちゃんに臆することなく真っ向から書いているので示唆に富む。良書。
    18歳の私に少しだけ子供が育つことへのイメージが湧いた。

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    2022年03月05日
  • 探検家とペネロペちゃん

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    最後の、少し大きくなったペネロペちゃんの頑張りが爽快な感じだった。

    普段の探検、冒険を書いた作品よりも冒険のような感じがする。

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    2022年02月05日
  • 探検家の憂鬱

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    角幡唯介『探検家の憂鬱』文春文庫。

    探検家という稀有な職業を選択した著者による初のエッセイ。

    先に読んだ高校を中退し、渡米してから歯痛で僅か8ヶ月で帰国したにも関わらず、アメリカにかぶれ、サブカルチャーの周辺を漂っている松浦弥太郎のエッセイ『最低で最高の本屋』の100倍は面白い。

    探検とノンフィクションとのジレンマに悩み、探検に付きまとう死の影に怯えながら何度も死線を乗り越えた著者ならではの面白いエッセイ集であった。やはり、全うに真っ直ぐに真面目に己れの人生を切り開こうとしている方の主張には共感するところが多々ある。終盤に傑作ノンフィクション『極夜行』に描かれたデポ計画にも少し触れている

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    2022年01月06日
  • 探検家の日々本本

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    ネタバレ

    身体も心もよわよわでヘタレの私の、中学生の頃の夢は探検家でした。
    国語の教科書でスヴェン・ヘディンがロプノール湖の謎を追ったのを読んで、内田善美のマンガ『時への航海誌』を読んで、将来は探検家になりたいと熱く思った女子中学生は、ただの夢見る夢子さんです。
    でも、ものすごく憧れました。

    それで今も、探検家が読む本に興味津々なんですの。
    死と背中合わせの状況で、一体どんな本を読むのか。

    この本を読んでわかりました。
    死と背中合わせの最中に本は読まないことを。
    でも、悪天候などで身動きが取れない時(そしてそれは結構な時間あること)、本を読むのだと。
    だってほかにすることないから。

    そんな状況で読

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    2021年10月12日