角幡唯介のレビュー一覧
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19世紀半ばに「北西航路」発見を目指してイギリスを出発し、北米大陸の北部、北極圏で全員が死亡したとされるフランクリン隊。本書は、このフランクリン隊がたどったルートとほぼ同じルートを徒歩で踏破する冒険の記録となっている。
北極圏のとんでもなく厳しい自然環境の描写に加え、フランクリン隊の生き残りの行方について様々な資料を照らし合わせて分かったことや現場に立って考えたこともそのつど織り込まれている。一種のミステリーとしての趣きもあると思う。
淡々とした内省的な描写ながら、どんどん先を読みたくなる。とくに中盤の麝香牛のエピソードには、激しく心を揺り動かされた。冒険とは何か、なぜ人は生命を賭し -
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『もし私が今度の旅で何か分かったことがひとつだけあったとすれば、それはあの時に感じた、ある種の生きることに対する罪悪感であった』
北西航路発見の探検で死んでいったフランクリン隊の足跡をたどりながら1600kmの道のりを歩き続けた冒険・旅
とても面白かった
”自分の体から出る水分の多さにうんざりした”
”通信手段として、岬や丘など目立つ場所にケルンを積み上げ、中に記録を残すのが連絡手段であった”
”山岳地帯の探検で重要なのはGPSが教えてくれるデジタルデータではなく地形図から読み取れるアナログデータだ。極地では緯度と経度という厳密な数字によって把握するしかない。”
”フランクリン隊と私たちの大 -
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以前、登山家や冒険家にとって43歳が頂点だと著者が書いていたのを目にした。本書にも出てくるが名だたる登山家や冒険家が43歳で亡くなっているという事実がある。それを根拠に43歳が頂点であるという。本書はそれに加え、自身の経験から43歳頂点論を語っている。
年を重ねることによって経験や知識が増える、しかし一方で肉体は衰える。知識と経験、そして肉体のピークが43歳だという。登山家や冒険家たちは、経験を積むことにより発想のスケールが巨大化する。その頃には肉体は衰えており、その発想とのミスマッチによって、目標を達成できず散ったのだという。
登山家や冒険家がなぜ危険な行為に魅了されるのか、疑問であったが -
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ネタバレ面白かった。毎年北極へ長期滞在し、犬橇で冬の原野を放浪する著者のエッセイ。そりを引く犬たちの話、狩猟の話、グリーンランドの村の話など知らない世界の面白い話がたくさんで、文章も読みやすくてかつ読ませる印象。芯に確固とした信念があって一つ一つの行動にきっかり理論があるタイプの方で、登山や放浪や狩猟を心から楽しんでいるからエッセイも生き生きして強度があるように感じた。
著者自身の意志がすごく強いからだろうか、時事問題を扱う章はちょっと人間の意志とか自主性を信じすぎではと思うところもあったが…。
個性たっぷりの犬橇の犬たちについて書いている章が特に好き。交配して子犬を手塩にかけて育てる楽しさの話はワク -
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角幡唯介『裸の大地 第一部 狩りと漂泊』集英社文庫。
北極圏で最低限の食料を橇に載せ、1頭の犬と共にひたすら北を目指す狩猟を前提とした75日間1,000キロに及ぶ漂泊行を描いたノンフィクションである。
人類はエベレストのような高所や北極や南極といった極寒の地などの難所へは行き尽くし、さらなる冒険を求めるためにはエベレスト冬期無酸素単独到着とか、北極点単独徒歩到達など、より可能性の低い条件を設定するしか手が無くなっているようだ。
しかし、角幡唯介が自ら設定する冒険の条件が厳しければ厳しいほど、冒険というよりもエンターテインメント性の高いゲームのように思えてしまう。
マイナス40℃の中、1 -
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43歳を頂点に、死にギリギリ近づいた時に得られる生の実感から、大地との調和への移行。
論文を読んでいるような感覚。先に主題が明確に掲げられて、なぜならば、、と43歳で亡くなった登山家や、作家を例にとって説得していく。納得できるところ?新しい知識が刺激的な箇所もあるが、個人の主張を一般論に落とし込んでいくだけに、無理がある、そうかなぁ?と思ってしまう箇所も多い。著者の自己肯定を聞いている気がしてしまう。動機の得方やYouTubeで話されているのを聞くと、わかるわかると思うところも多いんだけど、理屈っぽすぎるのか書いたものはちょっと苦手。
結局もう著者は降りてしまっているんだろうな、という気がし -
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・太陽が沈まない「白夜」があれば、全く太陽が昇らない「極夜」も存在する
・その極夜に、グリーンランド北部のシオラパルクから更に北上、犬一頭と共に橇で約三カ月掛けて1,600kmを移動した冒険記
・クレバスに落ちる危険のある何メートルもある氷河を超え、「断層が破壊し大地に亀裂が入ったような音」の超暴風に晒され、数年かけて準備した食料を置いたデポが白熊や泥棒に荒らされ絶望し、食料が尽き橇をずっと一緒に引いてきたパートナーの犬を食わねばならないかも知れない状況での自然と自己との向き合いの記録
・『空白の5マイル(チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む)』の鬼気迫る描写に圧倒された角幡唯介さんが「最 -
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43歳が頂点である、という考えを持つことで、過去の経験から得た知識や人脈、偶然の数々を現時点で整理することとなり、今の自分の存在や身につけた力や知識、考え方などを捉え直し、これからの自分をイメージすることが必要だということを改めて感じた。著者と同じ年齢だからかもしれないが、最近ことにそんなことを考えることが増えたところでの本書との出会いだったので、読みながら自分自身のことを考える、ということを繰り返す場面が多かった。20代、30代の人が読んでももしかしたらピンとこないかもしれないけど、少し想像力を持って読むことで、未来の自分をイメージする手助けになるかもしれないなと思った次第。同世代にはぜひ読
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山岳部なので司書さんにおすすめしてもらった。文明を拒絶してまで、あるがままの山を感じたいという思いに山への深い愛を感じる。「漂泊とは山と結婚することだ」という一文が面白くてずっと印象にのこっている。山の処女性を失わせないように苦労しつつ情報を収集する様子はさながら山専門の処女厨だ。
山での漂泊体験記がかなり壮絶で、よく死ななかったな…と思った。とくに虫の描写が過酷で、蚊に刺されごときに文句を言う自分がいかに甘ちゃんだったかを思い知らされた。あと釣りの描写がかなり多い。どれだけ楽しかったんだ。
とりあえず登山に行きたくなったので次の休みあたりに行こうと思います。 -
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角幡唯介『エベレストには登らない』小学館文庫。
極地探検家である角幡唯介の30代後半から40代前半に掛けてライト・アウトドア雑誌『BE-PAL』に連載されたエッセイ49編を収録。
角幡唯介の探検記『極夜行』や『空白の5マイル』などと比べると余り面白くない。
最初は恐る恐るといった感じの筆の運びで、いきなり人生と登山を比較するなど、何とか高尚な思考を文章にしようと迷走しているかのようだった。こちとら還暦過ぎのオヤジで、人生と登山を語られたって、何を今さらという感じで、共感出来る隙間など無い。まだ人生の入口に立ったばかりの若者なら感動するかも知れない。
その後、筆は次第に滑らかに走り出すの