角幡唯介のレビュー一覧
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『もし私が今度の旅で何か分かったことがひとつだけあったとすれば、それはあの時に感じた、ある種の生きることに対する罪悪感であった』
北西航路発見の探検で死んでいったフランクリン隊の足跡をたどりながら1600kmの道のりを歩き続けた冒険・旅
とても面白かった
”自分の体から出る水分の多さにうんざりした”
”通信手段として、岬や丘など目立つ場所にケルンを積み上げ、中に記録を残すのが連絡手段であった”
”山岳地帯の探検で重要なのはGPSが教えてくれるデジタルデータではなく地形図から読み取れるアナログデータだ。極地では緯度と経度という厳密な数字によって把握するしかない。”
”フランクリン隊と私たちの大 -
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43歳を頂点に、死にギリギリ近づいた時に得られる生の実感から、大地との調和への移行。
論文を読んでいるような感覚。先に主題が明確に掲げられて、なぜならば、、と43歳で亡くなった登山家や、作家を例にとって説得していく。納得できるところ?新しい知識が刺激的な箇所もあるが、個人の主張を一般論に落とし込んでいくだけに、無理がある、そうかなぁ?と思ってしまう箇所も多い。著者の自己肯定を聞いている気がしてしまう。動機の得方やYouTubeで話されているのを聞くと、わかるわかると思うところも多いんだけど、理屈っぽすぎるのか書いたものはちょっと苦手。
結局もう著者は降りてしまっているんだろうな、という気がし -
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・太陽が沈まない「白夜」があれば、全く太陽が昇らない「極夜」も存在する
・その極夜に、グリーンランド北部のシオラパルクから更に北上、犬一頭と共に橇で約三カ月掛けて1,600kmを移動した冒険記
・クレバスに落ちる危険のある何メートルもある氷河を超え、「断層が破壊し大地に亀裂が入ったような音」の超暴風に晒され、数年かけて準備した食料を置いたデポが白熊や泥棒に荒らされ絶望し、食料が尽き橇をずっと一緒に引いてきたパートナーの犬を食わねばならないかも知れない状況での自然と自己との向き合いの記録
・『空白の5マイル(チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む)』の鬼気迫る描写に圧倒された角幡唯介さんが「最 -
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43歳が頂点である、という考えを持つことで、過去の経験から得た知識や人脈、偶然の数々を現時点で整理することとなり、今の自分の存在や身につけた力や知識、考え方などを捉え直し、これからの自分をイメージすることが必要だということを改めて感じた。著者と同じ年齢だからかもしれないが、最近ことにそんなことを考えることが増えたところでの本書との出会いだったので、読みながら自分自身のことを考える、ということを繰り返す場面が多かった。20代、30代の人が読んでももしかしたらピンとこないかもしれないけど、少し想像力を持って読むことで、未来の自分をイメージする手助けになるかもしれないなと思った次第。同世代にはぜひ読
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山岳部なので司書さんにおすすめしてもらった。文明を拒絶してまで、あるがままの山を感じたいという思いに山への深い愛を感じる。「漂泊とは山と結婚することだ」という一文が面白くてずっと印象にのこっている。山の処女性を失わせないように苦労しつつ情報を収集する様子はさながら山専門の処女厨だ。
山での漂泊体験記がかなり壮絶で、よく死ななかったな…と思った。とくに虫の描写が過酷で、蚊に刺されごときに文句を言う自分がいかに甘ちゃんだったかを思い知らされた。あと釣りの描写がかなり多い。どれだけ楽しかったんだ。
とりあえず登山に行きたくなったので次の休みあたりに行こうと思います。 -
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角幡唯介『エベレストには登らない』小学館文庫。
極地探検家である角幡唯介の30代後半から40代前半に掛けてライト・アウトドア雑誌『BE-PAL』に連載されたエッセイ49編を収録。
角幡唯介の探検記『極夜行』や『空白の5マイル』などと比べると余り面白くない。
最初は恐る恐るといった感じの筆の運びで、いきなり人生と登山を比較するなど、何とか高尚な思考を文章にしようと迷走しているかのようだった。こちとら還暦過ぎのオヤジで、人生と登山を語られたって、何を今さらという感じで、共感出来る隙間など無い。まだ人生の入口に立ったばかりの若者なら感動するかも知れない。
その後、筆は次第に滑らかに走り出すの -
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一日中日が上らない冬期の極夜から、その後登る太陽を見た時人はどのようなことを思うのだろうというを動機に冒険した筆者の物語。
本を読むことで、非日常を経験できるかなと思い手に取ったが、このレベルの非日常は全く想像がつかない。マイナス40度での北極の旅、全く太陽が出ない日々での生活、ブリザード下でのテントの保持、風呂には一度も入らないのだろうな、あれだけの荷物を運ぶそりってどれだけ大きいのなどなど。
筆者は、実費でこの冒険の旅のために何度か北極の暖かい季節に、拠点の小屋に食料、必需品も運ぶなどをした上で極夜行に挑むのだが、費やす苦労や費用の大きさを考えてしまうと、たいした冒険心がない自分とし -
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角幡唯介の本を読むのは「極夜行」に続いて2冊目。「極夜行」を読んだのは、随分以前の話なので、内容については記憶が曖昧ではあるが、北極圏での極夜(陽が昇らない時期。白夜の時期の反対)での冒険譚、それも、かなり危険な冒険譚だったように記憶している。
それに比べると、本書は、趣を異にする。筆者は、北海道の日高山脈に地図や、その他の日高山脈に関する情報を持たずに入り、「漂白」する。冒険にも色々な種類があるだろうが、何も情報を持たずに人里離れた地域に入っていき、徐々に自分なりにその土地の(今回の場合には、北海道の日高山系の)情報を積み上げていく、すなわち、その土地について、徐々に分かっていくことも冒険で -
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陽はまたのぼりくりかえす。が当たり前な世界で生活している側の人間として、闇に覆われた世界は未体験ゾーンでしかない。
その、ワンミス=死というハードコアな環境で脱システムを掲げ、現代テクノロジーを遮断し、4ヶ月もの冒険を決行する角幡氏を襲うブッ飛びエピソードの数々に恐怖し爆笑する。
そして、どんな状況下に置かれても、生き物としてのシンプルな強さとセンスで順応する、角幡氏のサイドキックである犬のエミリヤックは今作のMVP。
それ故にクライマックスの展開は映画的で、作中の言葉を拝借して、まるでフィクション。しかし事実は小説よりも奇なり。なわけでグッときた。
あと、時折挟まれる、スピリチュアルと -
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極夜行をフルに楽しむ為に、気は乗らないが今作を読んでみる。結論、面白い。
まだスタート地点にも立ってない準備段階で、ピンチの連続、死亡フラグの連続。なかでも海象への印象をガラッと変えるエピソードは、スピルバーグの傑作ジョーズを彷彿させる緊張感でゾッとする。
そして犬橇に使われる犬への、忖度しないし躾け方法は犬好きの怒りを買うのは待ったなしだろうが、ハードな環境で生きる為に、合理的な関係を築くイヌイット式犬の飼い方には納得しかない。
社会の窓、いわゆるズボンのチャックが開いてるだけで死にかけるグリーンランドの生活。こちらは日本ですが、日常生活でも引き続き気をつけて閉めて行きたいと思います。 -
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奥只見の教訓から地図無し登山を日高山脈で決行したあと、著者は極夜での放浪を終えた後に漂泊を思いつく。
第一部ではその考えから、橇を引いての北極探検へと犬一匹と向かう。
「自分の土地」を広げていく。
この言葉について、狩りを経験した人なら分かると思う。
俺自身も罠を仕掛けてイノシシを狙うハンターの一人だが、何度も同じ場所を歩いて、イノシシの動静を想像して罠を仕掛ける場所を決める。
何度も同じ場所に行くことで、その土地を深く知っていくということが「『自分の土地』を広げる」ことだと分かる。
ただ、著者のように命がけで自分の土地を広げようという領域までは理解が及ばない。
その領域の分