あらすじ
北極と日本を行ったり来たりする探検家のもとに誕生した、客観的に見て圧倒的にかわいい娘・ペネロペ。その存在によって探検家の世界は崩壊し、新たな世界が立ち上がった。なぜ、娘にかわいくなってもらいたいのか。なぜ、娘が生まれて以前より死ぬのが怖くなったのか。......娘を観察し、どこまでも深く考察していった、滑稽で純真で感動的な記録。
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
高野秀行さんの著書は読んだことがあり、同じ早稲田の探検部出身とあってなるほど、、と。
さくらももこを彷彿とさせる文章で、他の著作も読みたいです!
私も娘のことは、生まれた時「なんて美しい顔」と驚き、都度ほれぼれと眺めてる部類の親。笑
うちは夫も私もワンゲルなので、0歳のときから背負子で娘を山に連れてってました。
私も夫も山好きで、必然的に娘も一緒に。。
USJもディズニーも惹かれない。
でも、知床から西表島、屋久島、北アルプスから南アルプス、夏山から雪山まで、連休の度に豪遊(テント泊メイン)して楽しんでます。。
子連れ登山、カヌー、海。。映える写真も撮れるので最高です。。
私1人だと、とても子を連れ出すエネルギーは無いのですが、夫が計画準備宿の手配料理片付け等全て担ってくれるので実現してます。。
コースタイム2倍はみないとダメだし、全然歩かなかったり、だるまさんが転んだや電車ごっこをしながら登ったり、歌ったりなぞなぞをしたり、お菓子で釣ったりモノで釣ったり、、トイレ問題もあり、眠気がくるとおんぶで進み、おもちゃも持参で無駄な歩荷もあり、かなりの重労力で気苦労もありますが。。
山小屋で買うソフトクリームとか、合戦小屋のスイカとか、双六岳手前の鏡平でのかき氷とか、とても喜びますし、温泉好きな子に育ってます。
かなり疲れても、結果オーライで懲りずに次へ。。
私、娘の誕生時点で山歴15年。歩荷力もあるレアな母親。夫が荷物担当、私は空荷ですが、いざという時に子をおんぶして山行する歩荷要員。。
娘が「無理やり連れてこられた」的なことを言うのも分かり、笑いが。
夫が、ウンチを拭く係に指名されるのも同じで、笑いが。
などなど、自分も文章を書きたいなーと思わせてくれる愉快な著書でした。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
物事を小難しくも面白可笑しく捉えて、父親としての若さ故の筆の勢いも相まって勢いと著者の感覚の深さがどちらもリアリティを持って読めた。
父性とは?女児も既に女性である。といったトピックについて真摯に考察している。タブーや思春期にまで成長した娘ちゃんに臆することなく真っ向から書いているので示唆に富む。良書。
18歳の私に少しだけ子供が育つことへのイメージが湧いた。
Posted by ブクログ
娘や妻との関係を鋭く考察されている。
極地に探検に行って、生きて帰ってくる人間に求められる資質。
「朗らかさと鋭い観察眼」は欠かせないのだろうなぁ~と
ゲラゲラ笑いながら読み進めつつ感心させられた。
Posted by ブクログ
『極夜行』や『冒険家の日々本々』などでチラチラと触れられている、角幡さんの奥さんと子どもさんのこと。そっか、子どもさんいるんだ、一年の半分近くお家にいないのに子育てとか家庭生活とかどんな風になってんのかなぁ、という、半ば芸能人の私生活覗き的な興味で読んでみた。
『冒険家の…』で角幡さんは、就職、結婚、子育ては、登山家にとって人生の三大北壁であり、誰もがその前に登山家人生を諦める難事業だと言っている。じゃあ角幡さんはどうなのかというと、日本にいる半年の間、ペネロペちゃんを愛することに全力を傾けているらしい。ペネロペちゃんを連れてご近所を歩き回るときは、その愛らしさで近所の人の相合が崩れる様に悦に入り、山歩きを共にしては山頂に到達したペネロペちゃんの姿に涙している。とーっても普通のお父さんだ。いや、むしろ、昔、うちの近所に住んでた、マグロ漁船に乗って半年家を開けるおじちゃんよりもずっと子どもにエネルギーをかけている点では、立派なお父さんかもしれない。
角幡さんによれば、子どもは忍び寄る老いの恐怖から目を逸らすための、人類にとって唯一の希望なのだという。その見方には、強い共感を覚える。ペネロペちゃんにドン引きされるリスクを背負いながら、娘と父のタブーにまで踏み込んで父娘の日々のありったけを綴ってくれた角幡さんに、拍手。
Posted by ブクログ
「極夜行」という著書にて、第一子が誕生直後なのに、北極へ命懸けの旅に出かけた著者に驚く。作中にあまり妻子の話が登場しなかったので、その心中いかにと思い、手に取った。
この本には、「極夜行」前後での、家庭の話がたくさん書かれていて、意外と「普通のお父さん」であり、冒険に際してはちゃんと逡巡があったことに勝手に安心したし、親バカな様子を微笑ましく思った。
また父親の視点から子育ての話として興味深かった。自分のライフワークとの間の葛藤とか、育児場面での所在のなさとか、男親としての立場を獲得する過程とか、異性としての娘の見方とか…良し悪しは別として新鮮だった。夫が読んだら共感するのかな。気になる。
後半で娘さんが4歳以降に家族で山登りする話が書かれている。かなりハードなガチ登山で驚く。フィールドワークのプロの父親と、そのDNAを受け継いだ身体能力が高すぎる娘さんにしかできないことだと思う。純粋にそう言う経験を子どもにさせてあげられるのは羨ましい。私たちは娘にどんな経験をさせてあげられるんだろうな。