綾辻行人のレビュー一覧
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ネタバレ読み始める前は最後まで読めるか心配だったけど…そんな心配いらないくらい続きが気になりすぎて思ったよりも早く読み終わった。
今まで以上におどろおどろしくて雰囲気満載な館だった。もはやホラー。住んでる人達も一癖も二癖もあって…。でもこのいかにも何か起こりそうな雰囲気がたまらない。
今回ほど真相を焦らされてヤキモキした回はない。中也じゃないけど何回「またお預けですか」と思ったことか!
館シリーズをずっと読んできた人にはたまらない小ネタも沢山。そして中也の正体が分かった時の衝撃と言ったら…!征順から彼はダリアの祝福を受けているって言われた時も鳥肌もの。中村青司はもっと偏屈な人だと思ってたよ。
この大作を読み終わってしまって、今読める館シリーズの終わりが見えてきたのが少し寂しい…。大事に読もう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ館シリーズ第9弾(上)
依頼を受け、鹿谷 門実が参加したのは「奇面館」での一泊二日の会合。しかも、鹿谷と瓜二つの小説家 日向 京助になりすまして。
「奇面館」では主人である影山 逸史の前では必ず、鍵つきの仮面をつけなければならない。
大雪で館が孤立する中で頭部と全ての指が切断された死体が発見される。しかも、参加者の6人は仮面が取れない状態にされてしまう。
鹿谷さんが事件に巻き込まれ、謎に迫っていく姿にワクワクが止まらない。犯人が分からないのはもちろんだけど、殺人がおこっているのに、死体が誰だか分からない。とにかく下巻が楽しみです。
以前「安藤 忠雄展」に行きました。
ジオラマなどもあって、様々な建築に対する発想の豊かさと緻密なデザイン、そして情熱に心奪われました。
「中村青司 館展」 いいなぁ〜 -
Posted by ブクログ
ネタバレ災厄を避けるために「いないものとして扱う」設定が秀逸である。クラスという隔絶した空間を丸々因習村のように仕立て上げたのは見事な手腕である。と、同時に「いないものとして」扱われることを逆手に取って、好きに休めず、時間割に則って行動せざるをえず、放課後ぐらいしか自由時間がないとあう中学生特有の行動制限の縛りを、咎める大人を制したことで一時的に無くしたというのも面白い。
記憶が辻褄が合うように都合よく消され、記録すら改竄されるという立証不可能な災厄が迫る中、誰が「死人」なのかという作中最大の謎の正体は大掛かりな叙述トリックであり、これは流石に見抜けなかった。学校の先生である三神先生=主人公の叔母の怜子というのは驚くしかなく、記録や記憶の改竄があるからこそ少しズルい気もしたが、これはミステリではなくホラーだからこそできる芸当でもあり、その若干の「ズルさ」こそが本格ミステリとホラーを分けるものでもあるのだ。
ただ、父親の電話や九官鳥の言葉などの伏線は散りばめており、それでいながら減った席は職員室の席だったという理外の部分であったのも面白い。
一番驚いたのは上巻から曰くありげな振る舞いをしていたヒロインのミサキ・メイが実は何でもないただの少女であり、思わせぶりな台詞のほとんどはただの厨二病だったのでは?となった点だろう。一応全部筋が通っていて辻褄は合うものの、隠された眼以外は本当にただの人だったというのは意外すぎた。
そのミサキ・メイの能力も明かされるのは終盤であり、クライマックスは疑心暗鬼に駆られての殺戮パーティというぶっ飛び具合も凄い。しかしながら、ラストの意外性のある驚きも含めて、実力派の作家にしては珍しいほどに力技かつエンタメに完全に振り切ってて凄く良かった。学園ホラーとしては一級品である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本格ミステリの俊英が描く学園ホラー。夜見北という田舎に転校してきた転校生を巡る過去の事件とクラスに纏わる奇妙の謎が魅力的で、全編に渡って常に何かが起こりそうな不穏な雰囲気を描くのが非常に上手い。病室の死の気配から始まるどことなく寒々しい雰囲気わ、同じ言葉を繰り返す九官鳥や思わせぶりな祖母や叔母、クラスメイトの面々など、ホラーの手つきとして素晴らしく、どこかじめじめとした忌まわしさすら漂っている。上巻の半ばまでは主人公が述懐するほどに思わせぶりな展開が多く、やや辟易としたものの、展開は遅くても怖い描写だけで読ませるあたりは流石の筆力であるとも思う。
設定だけ捉えるとラノベのようでありながら、しっかりと親世代が出てくるのもポイントであり、それ故に突飛な設定でも地に足のついた生活感がある。いないことにされてる謎の少女、ミサキメイは果たして生きているのかいないのか?それとも実は主人公が死んでいるのか?というシックスセンス的な展開を予感させながらも、クライマックスでしっかりとその謎を明らかにするあたりはやはり本格ミステリを手がけてきたが故の、謎に対して明確な解答を出してくれる安心感がある。しかし恐怖は始まりに過ぎず、因習村ならぬ因習クラスとなった中でどのように「災厄」が起こり、どうすれば解決になるのかが気になったまま次巻に手を伸ばすことにする