谷川俊太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
詩をどう楽しむか?は近年の課題だった。
この詩集を読んで、その悩みを突き抜けたように感じる。
言葉で読むのだけど、そこにあるのは言葉ではない。言葉にできない、言葉にならない、何か。例えば空気、感情、見えるもの聴こえるもの。
“詩”という存在を捉えようとするけれど、言葉にしようとすると指の間からこぼれ落ちてしまうような、そんな様子も感じられる。
言葉でどれだけ伝えられるか、を考えることが多いけど、言葉で伝えられないものがあることを伝える、とか、言葉で捉えられないものの存在を認識する、ための言葉たち、という感じがして、その感覚がとても新鮮で、でもずっと探していたという気もして、
とにかく谷 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ谷川俊太郎追悼ウィークとして、谷川俊太郎選の変わり種として何気なく手に取った。茨木のり子、教科書でも取り上げたと思うのだが記憶にない。初読として読んで、こんなに素敵な女性がいたのかと嬉しくなる。詩集自体を読んでいきたいと思った。
好きだった詩
『対話』内部からくさる桃、⭐︎もっと強く、準備する
もっと強く願っていいのだ
わたしたちは 明石の鯛が食べたいと
もっと強く願っていいのだ
わたしたちは 幾種類ものジャムが
いつも食卓にあるようにと
・・・
女が欲しければ奪うのもいいのだ
男が欲しければ奪うのもいいのだ
ああ わたしたちが
もっともっと貪欲にならないかぎり
なにごとも始まりはしない -
Posted by ブクログ
谷川さんの詩集を文庫の新刊で見つけて、買ってきました。『ベージュ』というタイトルは、あとがきを読むと、谷川さんのお茶目な面が伺えました。
書き手の想いがダイレクトに読み手の心に響くのが、詩だと思っています。谷川さんのこの詩集の言葉たちは、長年書いてこられてきたから、ここまでのものになったように思いました。
最初の「あさ」というひらがなだけで書かれた詩は、余白も多い分、余計にその気持ちがページの中に満たされているような感じを受けました。そして、ひらがなが多いと、なぜだかじっくり読みたくなりました。
谷川さんが、そのときに置かれた環境や年齢や感情などによって思うことが、言葉となって溢れている -
Posted by ブクログ
これまでの詩集からよりすぐられた詩が収められており、谷川さんの世界観がぎゅぎゅっと凝縮されたベスト盤のような詩集。
谷川作品と言うより、詩の初心者である私にも手に取り易いのではないかと購入した。
谷川さんの訃報に接した日に読み始めた。
教科書で読んだ「朝のリレー」がとても懐かしかった。タイトルだけは知っていた「二十億光年の孤独」や「いのち」は、かなり胸に迫るものがあり、そのテーマ性は永遠不滅のものではないかなと感じた。
何気ない日常に向けられた哲学的な視点や谷川さんの死生観が美しい言葉で紡がれる。
難しい言葉は一切無く、身近な言葉が時に軽やかに、時に重厚さを伴って、まるで語り掛 -
Posted by ブクログ
2024年11月13日、老衰のため、92歳で谷川俊太郎さんが亡くなった。
私にとって谷川俊太郎さんは教科書に載っていた詩ではなく、大好きな「ピーナッツ」シリーズの翻訳者としてであり、子供が気に入って何回も読み聞かせた「めのまどあけろ」などの絵本の作者としてだった。そして、ちょっとだけ、やはり好きだった佐野洋子さんの配偶者だった。
亡くなられた日から、たくさんの方が、SNSで谷川さんのお気に入りの、または自分の人生にとって重要だったという詩を投稿していて、しめやかに、囁きかけるように静かな声で、谷川さんにふさわしい、お弔いが行われていた。それはとても好もしく思われた。
「ピーナッツ」は、鶴書