あらすじ
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『ピーナッツ』全作品を収録した初の全集。チャーリー・ブラウンとスヌーピーたちの活躍が始まります。シュルツ伝+ロングインタビュー付き。序:ギャリソン・キーラ、月報6-1:小野耕世
2019年から2020年まで刊行された『完全版ピーナッツ全集』を余すところなく電子書籍化。カバー・帯・表紙から月報まで、刊行時のままに資料編として巻末に収録。
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Posted by ブクログ
チャールズ・シュルツさんがこのピーナッツを世に出したのが1950年。
戦後5年だ。
たった5年で、こんなシュールな子ども(チャーリーブラウン)や犬(スヌーピー)が主人公の漫画が、新聞に毎日掲載されていたのかと思うと、日本との差を本当に感じる。良い悪いではなく、文化の差。
「個」が立っているアメリカと「家・家族」が漫画や絵本にもあらわれる日本。
かこさとしさんの、だるまちゃんとてんぐちゃんは初版が1967年だけれども、とても家族的。
そんな日本とアメリカの戦後の差なんかも感じながら読んだ。
でも普通に初期のスヌーピーはかわいい。四足歩行。
チャールズ・シュルツさんの人柄エピソードも載っており、興味深かった。
何より1950年から2000年まで50年、新聞漫画を毎日掲載し続けたことに敬意しかない。
そしてなにより、この不満たらたらそうなチャーリーブラウンが表紙絵なのもまたいい。
Posted by ブクログ
2024年11月13日、老衰のため、92歳で谷川俊太郎さんが亡くなった。
私にとって谷川俊太郎さんは教科書に載っていた詩ではなく、大好きな「ピーナッツ」シリーズの翻訳者としてであり、子供が気に入って何回も読み聞かせた「めのまどあけろ」などの絵本の作者としてだった。そして、ちょっとだけ、やはり好きだった佐野洋子さんの配偶者だった。
亡くなられた日から、たくさんの方が、SNSで谷川さんのお気に入りの、または自分の人生にとって重要だったという詩を投稿していて、しめやかに、囁きかけるように静かな声で、谷川さんにふさわしい、お弔いが行われていた。それはとても好もしく思われた。
「ピーナッツ」は、鶴書房からペーパーバックで出版された。その時翻訳を依頼されたのが谷川さんで、依頼されたから仕事として引き受けた、と、さほど思い入れのなかった動機を語られていた。でも、こんなに長く続けられたのは、やはり読むうちに作品に惹かれたからでしょうね、と。
その後、出版社が代わり、翻訳者も変わって出版されていったが、私は谷川さんの翻訳でなければ馴染めずにいた。
河出書房新社の、死を悼む投稿によって、この全集が谷川さんに改めて依頼された、最近の仕事だったと知った。そして今また、全て谷川俊太郎翻訳の、谷川さんの『ピーナッツ』を読むことができるようになった。そのことが何よりも嬉しい。ペーパーバックのように、どこでも気軽に寝転んでは読めない、重たい本になってしまったけれど。
ご冥福をお祈りいたします。