あらすじ
「さみしくてたまらなくなったら」
「毎日しかめっつらだけになったら」
「家族に疲れたら」
「生きるパワーがほしくなったら」
……人生の折々に読みたい谷川俊太郎の詩を、
劇作家・鴻上尚史がセレクトし、エッセーを添えた、
谷川&鴻上版「人生処方詩集」。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
谷川俊太郎さんの詩は
有名だからいくつかは知っているつもりだった。
詩集を一冊も読んだことがないのに、だ。
尊敬してやまない鴻上尚史さんが選ぶ
谷川俊太郎さんの詩は
「こんなときは
これを読んでみて」とさりげなく
心に寄り添ってくれるものばかり。
とーっても
単純にみえる子供の下ネタ?
みたいな詩も
人の心を軽くする妙薬だ。
決して苦くない
よく効く薬を持っておくのも悪くない。
知ってるつもりでいて
ごめんなさい。そして
谷川俊太郎さんの詩を教えてくれてありがとう。
Posted by ブクログ
「詩は漢方」
その通りだと思います。
詩に興味をもった人には、まずこの本をおすすめしたいと思うような、谷川さんの詩の真ん中のところを抽出した本でした。
小説やルポや参考書がどうしても読めないときでも、詩なら読めてしまう。やっぱり詩は薬です。
Posted by ブクログ
ただ詩だけより、鴻上さんの解説(エッセイ)があって、より深まったのと、そのエッセイも面白かった。
詩は、できたら の
できたら
からだの枯れるときは
魂の実るとき
のフレーズがぐっときた
詩が好きなら!
谷川俊太郎さんの詩の中に、
「詩は誰のものでもありうる
世界が誰の所有でもないのに
すべての人のものでもあるのと同じように
詩は微風となって人々の間をめぐる」
とあるように、
詩は誰のものでもなければ、誰のものでもあって、私たちの「想い」に、「悩み」に、「迷い」に、「戸惑い」に、「日常」に、「生活」に、「人生」に、いつでも寄り添ってくれて、時にヒントを与えてくれて、励ましてくれて、感動を与えてくれて、力を与えてくれる。
詩の力って本当にすごいのです。
谷川さんの詩の中には、心の琴線に触れて、涙がぶわ〜って溢れてくる詩があります。
言葉がリズムにのって次々と頭の中に入り込んできて、ぐるぐるぐるぐる脳内に映像が入り込んで来る不思議な詩があります。
こういう感覚を共有することって難しいのかもしれないけれど、とにかく素敵な詩がたくさんあるから、きっと何か感じる詩と出会えると思うから、是非読んで欲しいと思います。
「人生処方詩集」納得のネーミングです。笑
Posted by ブクログ
2018年刊。
帯にはこう記されています。
鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩。
「さみしくてたまらなくなったら」
「毎日しかめっつらだらけになったら」
「家族に疲れたら」
「生きるパワーがほしくなったら」
・・・人生の折々に読みたい谷川俊太郎の詩を、劇作家・鴻上尚史がセレクトし、エッセイを添えた、谷川&鴻上版「人生処方詩集」。
他の谷川さんの文庫のあとがきに、どなたかが、書いていらっしゃいましたが、谷川さんの詩集の所有率は日本人においては、かなり高いだろうということでした。
でも、まだ谷川さんの詩を教科書やCMではみたことがあるけれど、本を持っていない方がいたら、最初に持つ一冊にこの本はかなりお勧めです。
鴻上さんはエッセーの中で、
「詩の言葉で自分の生命力の器にエネルギーを充填させるのは、とても効率がいい有効な方法です。長編を一冊読む時間の何十分、何百分の一の時間で、小説がくれるのと同じか、場合によってはそれ以上のエネルギーを満たすことができるのです。(中略)なんて素敵なことなのでしょう」とおっしゃっています。
私はこの本にも載っている「泣く」という詩に他の選集で読んで何度も惹かれたのですが、これって、この本の分類によると失恋の詩だったのですね。この本を読んでわかりました。でも何度読んでもよいと思います。
他にも好きな詩はたくさんあります。
「ことば」(すごく懐かしい)
「しあわせ」
「生きる」
などははずせないです。
Posted by ブクログ
演出家の鴻上尚史さんが、谷川俊太郎さんの詩をテーマごとに紹介していく一冊。
詩は本当は私たちの身近にあるもので、日々の言葉にならない思いをお腹の底にストンと落としてくれるもの。
そういう観点から、鴻上さんが谷川医院の受付として、心の症状にあわせて薬という名の詩を処方してくれる本。家庭薬局、民間医療、詩をそんな風に取り上げるなんて、新鮮で面白くて、好き。そして、たしかに詩は薬になると思った。
もうだめだと思った時に、聴く曲。その詩に力をもらう、そんな経験は結構ある。詩に馴染みのない人もそんな風に詩を捉えてもらえたら、と語る鴻上さんの言葉が優しくてわかりやすい。
症状の項目は
さみしくてたまらなくなったら
毎日、しかめっつらだけになったら
愛されなかったら
愛されたら
大切な人をなくしたら
家族に疲れたら
戦争なんて起こってほしくないと思ったら
歳を重ねることが悲しくなったら
などなど
それぞれに5.6つの詩が紹介され、鴻上さんの短いエッセイがつづく。どちらも胸にしみる。
谷川さんの詩はいつ読んでもどうして、ピターッと、私の気持ち!これ!とくるものがあるのだろう。そして、読後が暗くならない。
鴻上さん曰く、どんなに悲しんでも地獄でも谷川さんはコミュニケーションの手を伸ばしているように感じる。あなたを理解したい、またはこんな風に思ってしまう自分を理解したい、という思いです。と。その先にかすかな希望があると。
折に触れて服用したい処方箋の一冊。
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谷川俊太郎をじっくり読んでみたくて、入門書として手に取った一冊。
鴻上さんが選りに選った詩について語る熱量から、改めて鴻上尚史ファンにもなった。
章によって納得度にばらつきがあるので☆4。
Posted by ブクログ
「さみしくてたまらなくなったら」「生きるパワーが欲しくなったら」などテーマ別に鴻上尚史さんが選んだ谷川俊太郎の詩との鴻上尚史さんのエッセーが綴られています。
「戦争なんて起こってほしくないと思ったら」で選ばれた詩の中に『泣声』があります。
この詩は出産したばかりのお母さん向けの詩ですが、
あなたの耳まではとどかないのだが
父も母も失ったあかんぼの
裸の尻が触れているその大地は
いまあなたが立っている大地である
という一節があります。
世の中に不条理なことが起きると詩はさらに心に深く刺さり、自分自身の在り方を考えさせてくれます。
911.5
Posted by ブクログ
詩の処方箋的なセレクトとあって、上から目線だと嫌だなと思いつつ読み始めたけれど、鴻上尚史氏の詩へのリスペクトがそこここに感じられてよかった。
冒頭の、ダイアナ妃が亡くなった時に、イギリスの人たちは献花とともに詩を添えるという話しにまんまと引き込まれ、歳後まで読んでしまった。
有名な詩の合間に、こんな詩もあったんだと思わせる作品に出会えるのがアンソロジーの魅力、素敵なラインナップだった(当たり前か!谷川俊太郎だぞ)
ラストの鴻上氏のことばにも共感。
長編を読む、ライブに行く、映画を見終えたような充実感をたったひとつの詩から、または詩の1行から得ることができる、なんて素敵なことなんでしょう✨✨
Posted by ブクログ
詩はハードルが高いと感じていましたが、他の本で大好きだった鴻上さんのフィルターが入った谷川さんの詩集本ということで気になり、勢いで購入しました。結果、詩の味わい方を少しだけでも掴めた心地がして、とても満足です。「コーダ」は読みながら涙が溢れました。
Posted by ブクログ
これまで、絵本や「朝のリレー」でしか作品に接したことがないのですが、鴻上さんの「はじめに」を読み、手を取りました。
収録作品の中では、ありがとう、うんこ、指先、を私としては推します。
鴻上さんの解説も素晴らしい。恋愛、結婚、芸術などの捉え方は、勉強になりました。