柚木麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前情報なして読み始めて「お散歩ほのぼの恋愛小説かな?」と思ったのも束の間、柚月麻子先生がそのような作品を書くわけもなく…(好き)
過去の恋人に撮られた裸の写真の流出と、周りの協力を得ながらそこから這い上がる主人公菫。リベンジポルノというかなり重い題材ではあるが、登場人物が少しずつ自分や自分の周りの人と重なるのがさすが柚月先生だなと思った。
「今回は写真の流出という形で表に出ただけで、根っこにあるのは「女をモノ扱いする男」という問題です」というのがいろんな人の視点を通じて描かれていて、そうなんだよな〜と。それを小学生の祐の台詞として表面化させたりするのが良かった。
光晴がコテンパンに罰を受けるシンプルな勧善懲悪ではないところが物足りないみたいな感想もあったけど、そもそも社会の問題や、家庭の問題や、いろいろな原因があっての結果なので勧善懲悪しちゃったら途端に薄っぺらくなるからこれでいいと思う。
菫が「自分の中にもともと強い部分があったんだ」っていう結論に辿り着けるのすごくかっこよくて好きだった。百合との信頼関係も、元々あるのにさらに深まっていくのが良かった。 -
Posted by ブクログ
今まで外国文学にほとんど触れてこなかったことを恥じ、外国文学の「ザ名作」に手を出す今日この頃。
次に読むべき作品が見つかるかしらと何気なく手に取ったこの本だが、なかなかどうして私のツボをがんがんついてきた。
柚木氏の日常の話から作品の紹介へとつなげていくのだけど、それがまた滑らかで柚木氏の日常を垣間見ていると思いきや、いつのまにか作品の世界に入り込んでしまっている。
そしてこの柚木氏の日常の話、いわばエッセイが面白い。軽妙洒脱な語り口の一方で、さらりと至言も残しているのがいい。文章の軽重のコントロールがお上手。個人的には確定申告のエピソードを織り混ぜた「居酒屋」の紹介が秀逸だと思ったな。
さらには、やはりはずせないのが肝心の作品紹介。紹介されているのは女性が主人公のものが多いので、好みは分かれるところかもしれない。いずれにせよ柚木氏の視線がなすのか、筆致がなすのか、名作に出てくる一癖も二癖もある主人公たちをチャーミングに浮かび上がらせてしまうからすごい。
柚木氏が紹介する作品の主人公はたくましく、そしてどこか生々しくて、泥臭くても生き抜くのが大事、そんなことを思わされる。
女の一生、ナナ読んでみよう。
ちなみに本筋ではないが、柚木氏は自身が女子校出身であることに一種のアイデンティティーの拠り所を求めているように感じられて、女子校出身の私は親近感を覚えた。柚木氏の小説はタイトルも思い出せないけれど一度読んだことがあるという程度なのだが、その時に女性どうしの距離感の描きかたに妙にリアリティーを感じたのを覚えている。その理由がわかった気がする。 -
Posted by ブクログ
「どうなるの??」ときになって、どんどん読み進めてしまった!!
美女を妬んで恨んでいたやいこや、美女同士の繋がりに依存していた美女たちが、どんどん変わっていく姿がとてもかっこよかった。
(劇的ビフォーアフター的なの好きだから)
たまたま「あまからカルテット」の次に読んだけど、この流れは我ながらナイスだったな。全然違う女の友情。でも、きっとこれからあまからカルテットのように、お互いの得意分野を生かして助け合う友達になっていくんだろうなと思った。
ビフォーアフター的なの好きだから、やいこが変わっていくシーンや、ユリエのエイジとの再会はなんかスカッとした!!
ノブヨさんは印象に残った。こんな風になりたいなって思った。
最後の日記の部分は、これまでハラハラすることが多かった分、ほっこりしながら読めた^^バレンタインどうなるんだろう、キュンキュン -
購入済み
絶対に読んで欲しい一冊
今まで出会った本の中でもトップクラスで好きな本。ダイアナと彩子という正反対な二人のそれぞれの視点で描かれ、どちらの気持ちも共感できた。
作品の中に登場するたくさんの本もまだ読んだことのない本を読んでダイアナをもっと深く知りたいと思った。 -
Posted by ブクログ
フランス、日本、イギリス、アメリカの「名作」を読み解く、書評というかエッセイ集。
フランス文学と日本文学のチョイスが特に柚木さんっぽくてよいな〜〜と思った。
ラクロ「危険な関係」の項がすき。そんなことで負けるあなたじゃないでしょ、メルトイユ公爵夫人。
日本文学編は、全て昭和の女性作家作品。そういえば日本の女性作家は今まであまり読んでこなかったなと後悔。いくつかポチッた。社会に抑圧されながらもしたたかであっけらかんと生きていく日本の女性たち。柚木さんの作品のルーツを何となく感じた。
〝女の子は誰かのものになんてならず、のびのびと感性の翼を羽ばたかせるべきなのだ。〟(「アップルパイの午後」)
イギリス文学とアメリカ文学編はもう完全に趣味の世界。
「1789年」は普通によかったし、「グレート・ギャツビー」は読んでいてなんだかキュンとしてしまった。
あと「ねじの回転」。釈然としないなと思っていたんだけど、あれはそういう視覚化できない不気味さを楽しむ作品だったんだな。
そしてダウントン・アビーが観たくなる。