柚木麻子のレビュー一覧

  • ナイルパーチの女子会

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    ネタバレ

    私自身も女性の友人が少なく、余計な一言で関係を悪化させてしまうことがあるため、翔子の姿には深い共感を覚えた。

    栄利子に弱みを握られてからと、毒親との関係の描写は読んでいてかなりしんどかった…
    倒れている父親を発見して死んでくれたと喜び、生きていたことが分かり落ち込む翔子にかなり感情移入した。

    読後には重さが残るものの、共感しながら読めて楽しめました。

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    2025年09月06日
  • あいにくあんたのためじゃない

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    いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある…。相手が悪いように感じても、相手は別にそんなこと考えてないし?みたいな。作品紹介とタイトルに妙に納得。
    “Butter“の時もそうだったけど、食べ物の描写が魅力的。ラーメンが無性に食べたくなった。

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    2025年09月05日
  • とりあえずお湯わかせ

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    コロナ禍で子育て仕事する小説家のエッセイ

    私も同じ時期に同じ年頃の子供を育て、仕事をしていたので、共感できる事柄が多かった。

    コロナ禍になんか負けずに子供と家の中で思い出を作ろうとアイデアを振り絞って楽しもうとする姿に既視感。
    今はどこにでも出かけられるのに、猛暑ってだけで、ユルい日を過ごした日はあの情熱はどこにいったんだろうと思う。

    後半、フェミニズムが表現されているのだけれど、気持ちはとてもよくわかる。
    私自身結婚前はそんなこと考えもしなかったけど、子供を産んでから特になんでこちらばっかり!と思うことが多く、そういう思考になりやすいと感じる。私も新幹線の中で子供を泣かせまいと必死であ

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    2025年09月03日
  • けむたい後輩

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    ネタバレ

    読み終わって一番に「ホラーじゃん」って思っちゃった。

    栞子さんは所謂「サブカルクソ女」なのだと思う。
    本が発行されたのが2012年なのでサブカル全盛期だし。キュウソも「サブカル女子」って曲を出してた時代だ。この頃はサブカルチャーが流行ってた。サブとは名ばかりのメインカルチャーだった。

    私もサブカルクソ女だった。
    「冷たい熱帯魚」とか観たし浅野いにお好きだしベルセルク読んでたしバンド追いかけてた。
    楽しかった。楽しいですよ。私は見た目こそサブカル(黒髪ボブヘア伊達メガネ)に寄れなかったけど、でもやっぱサブカルだったと思う。マイナーがかっこいいと思ってた、みたいな。
    栞子さんの場合は「詩集を出

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    2025年09月02日
  • らんたん(新潮文庫)

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    寅に翼を始めとする近年のフェミニズム作品のおかげで日本女性がどのように人としての尊厳と地位を確立してきたのか、断片的には知っていたが、この作品によって明治大正昭和とその流れをしっかりと知ることができた。
    この作品では女子教育を主軸に置きつつも、女性は苦しみ我慢をすることが美徳という、まじあり得ないが当時は浸透していた考え方をおかしいと主張することの当時の大変さを、ひしひしと伝えてくる。
    100年近くたった今でも女性の生きづらさはなお存在しているが、道たちのように女性一人一人の力で、次の世代のために変えていかなければ。

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    2025年08月25日
  • その手をにぎりたい

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    ネタバレ

    よい、よい……!!!(笑)
    最後、ワンナイトしちゃいなよ!ってファン心が出ましたけども、しちゃわないところがまた絶妙にもどかしい。
    一ノ瀬さんの奥手具合にもドギマギした〜。
    個人的に、最後安全に着地したのがもどかしくて星5つに出来なかっただけ(笑)

    やっぱり柚木麻子さんの作品好きみたい。
    Butterも読むぞ〜

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    2025年08月22日
  • 終点のあの子

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    高校生の時に出会いたかったー、、!30歳になった今でも凄く気持ちがわかる。どの子の気持ちも共感できる、、逆に周りも皆んな、あれこれ抱えて気持ちは同じなんだなって思える小説
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    星5:周りに全部読んで欲しい、4:一部or要約版を読んで欲しい、3:家には置いておきたい、2:読むのは一回でよい、1:時間が無駄だった
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    2025年08月16日
  • 王妃の帰還

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    ネタバレ

    お嬢様女子中学校のスクールカーストのお話。憧れの王妃と関わることでどんどん強気になって、今までの親友を蔑ろにしてしまう点がリアルだった。

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    2025年08月18日
  • 3時のアッコちゃん

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    神出鬼没のアッコさん。

    「ランチのアッコちゃん」よりも、
    ワールドワイドになってます。

    現実から離れて、元気になりたい時に◎

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    2025年08月15日
  • 奥様はクレイジーフルーツ

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    割と重めのテーマなんだけどコミカルに、でも真剣に書かれていてさっくり読めた。はちゅが健気で可哀想で愛おしい。だがしかし私も他人事とは言えないのであった…。

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    2025年08月14日
  • ナイルパーチの女子会

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    ネタバレ

    栄利子ほどの狂気さはないけれど、相手がどう思うか、ではなく、相手にどう思われるか、という、自分を主軸に置いた人間関係の取り方を私もしていて、栄利子の挙行には自分を見ているようでドキッとする場面がいくつかあった。だから、どちらかというと、翔子よりも栄利子に共感した。あと、やっぱり栄利子は賢い。女同士を戦わせているのは男(社会)だと気付いてる。女の友情は薄いだの、女の職場は怖いだの、そう言って女同士を分断させる。私を含め、女性もだいぶ内面化しちゃってるなあと感じる。作者の柚木さんがダガー賞の候補者としてインタビューを受けたとき、候補作のButterやナイルパーチのような(いわゆるフェミの?)作品は

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    2025年08月12日
  • ランチのアッコちゃん

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    サクッと読めた!
    おもしろかったし可愛かった。
    働くこととか食べることとか、なんかもっと気軽に考えて、でも大切にしていきたいなと思った。
    「食べることは生きること」って本当にそうだよなぁ……としんみりしていたらアッコさんが「ほっこりしたこと言ってんじゃないわよ!」と言ったのでケラケラ笑ってしまった。
    私は結局ああいう人が好きなんだよな。

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    2025年08月11日
  • 本屋さんのダイアナ

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    全く違う魅力や苦しみを持った2人の少女の物語。赤毛のアンなどの名作と2人の少女がリンクしながらも若干ずらした設定にしてあったり、すごく考えられて大切に描かれているなと感じた。
    少女の頃のキラキラ感も味わえるし、大人になるにつれての葛藤も味わえる、すごくいろんな要素がギュッと詰まった物語だった。

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    2025年08月10日
  • ついでにジェントルメン

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    女性たちが立ち上がったり、寄り添ったり。見ていてエンパワーされるような物語たちだった。
    女性たちが言いたいことを言っている描写はただそれだけで気持ちがよく、だからこそ抑圧を感じていることが当たり前になっていることに気付かされたりもした。

    柚木さんの本は「ナイルパーチの女子会」だけ読んだことがあり、あまりに強烈な内容だったため(好きな作品ではある)、「ついでにジェントルメン」はまた全く雰囲気の異なる、明るく元気が出る小説集で驚きもあった。

    シスターフッド的なお話が好きなのでとても楽しかったし、
    勘違いおじさん、みたいな男性もたびたび登場するものの、出てくる男性の全てが女性の敵として描かれてい

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    2025年08月10日
  • あいにくあんたのためじゃない

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    0803それぞれ背景がちゃんとあって登場人物全員嫌いになれない。もっとスカッとするお話かと思ってたけどそうでもなかったかな

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    2025年08月05日
  • 私にふさわしいホテル

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     作家が本を書いて人気が出ると言う事が、なかなか思い通りにいかず、時には人気作家に媚びを売って色々コツを教わることや、出版社の編集者との人間関係なども大事である事、万引き犯を捕まえたりする社会貢献も大きく関係して いる事が書かれていて、どこの世界も大変だなぁと思いま
    した。

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    2025年08月05日
  • 幹事のアッコちゃん

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    読むと前向きになれそうなアッコシリーズ

    その第三作にしてラストの今巻。
    やはり社会人にとっていいこと書いてあるな〜。
    特に新卒に近い社会人にとっては特にいい作品なのではないかな。

    アッコさんはとても有能で万能なスーパーレディの様なけれども、裏ではやっぱり普通の人間なんだなと。
    そして普通人間代表の様な三智子には、彼女なりの強みとなる特徴がある。

    どんな人にも強さと弱さが同居しているし、それをどう扱うか。それを理解するのが大事な事。分かってはいてもそれがなかなか難しい。
    アッコさんはそれが得意なんだな。三智子はアッコさんの弟子として大きく伸びたようです。

    シリーズ通して読んで、面白かった

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    2025年08月03日
  • ついでにジェントルメン

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    ネタバレ

    表紙が可愛くて…
    短編7編。最初の「Come Come kan!!」を読んだ時に失敗だったかもと思いました。ファンタジーな方向にいってしまったので、それをやられたら何でもありになってしまうと。
    なので「勇者タケル~」を好きじゃないです。
    やっかいな男がどうなるのかと思ったらファンタジー世界に飛んで改心?してしまって。期待はずれ。
    そのほかの5編は面白かったです。「あしみじおじさん」が
    好みの話でした。

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    2025年08月02日
  • 終点のあの子

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    ネタバレ

    なんか、、具合悪くなった、、、

    高校生、大学生、男、女、美女、醜女、、、
    登場人物全員の傲慢さと、自分が特別だと思いたい気持ち、誰かを見下して安心する気持ち、そういうのがぎゅうっと凝縮されていて、読んでて具合悪くなって来た、、、

    同じストーリーラインの話をそれぞれの登場人物目線で語る話が四篇入ってる。読みやすくてするする読めます、が。具合が悪くなります。あはは。

    人それぞれの感情を描くのが上手すぎて、分かるなあ、がありすぎて、自分が恥ずかしくなったり過去を思い出してしんどくなったりします。

    一話目の【フォーゲットミー、ノットブルー】 は親が有名人であるが故、自分は特別だと思い込んでいる

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    2025年08月01日
  • あいにくあんたのためじゃない

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    ネタバレ

    この世界を回すのは誰だ。

    悪気はなかった。でもあなたの言動に傷ついた。そんなことが多い世の中になっている。どうして、と振り上げた拳をほどいて、手を差し伸べるためには。日常の中でもがく人たちを描いた短編集。シスターフッドの物語ともいえるし、今までの世の中を牛耳ってきた価値観に対抗する人たちの強かさを描いているとも。

    「トリアージ2020」母娘がちゃんと存在するオチでよかった!

    「パティオ8」多分文藝で一度読んでる。動き出した女性たちが強すぎて脱帽。

    「商店街マダムショップは何故潰れないのか?」タイトルに全面的同意。決してマダムが何かしているわけではないだろうが魔女っぽさがあるの、わかる。

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    2025年08月01日