柚木麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生の分岐点が見えてくる30代、これまでの自分の人間関係はどうだっただろう?客観的に見直す機会をこの作品から得られる。
自分の恥ずかしい部分を拡大して公開されているような気分になってしまうので、少し読むのに覚悟は要ると思う。
話の構成は『BUTTER』と似ているかも。
これ以上どんな恐ろしい展開になるんだと思うと
読むのやめたくなるのにどう収束するのか気になってついつい読み進めた。真織から無理難題を吹っかけられるのが割と序盤だったのかと読み返して驚く…
栄利子のスピーチはまともに頭に入れるとおかしくなりそうでそこは無理せず流すのが良いかも。
ちょっと読むのは疲れる。
これだけの狂気を書き切るとはすごすぎる。
全体的に澱んでいるこの作品の中でスカッと空気を変える強烈なキャラの真織はもちろん好きだし愛されるのも納得だけど、個人的に圭子が一番好きかも。
一生かけても許せないことをされたはずなのに、
諦めずそっと諭してくれる良い存在。物語のエグさを中和してくれている感じ。
「あなたのためを思って」って枕詞を使わないで
相手を思いやることを言っているなあと思った。
芋けんぴに一気に持っていかれたなあ -
Posted by ブクログ
一回失敗したらアウト、親ガチャで人生が決まる――そんなふうに思われがちな日本社会で、「いや違う」とこの作品は語りかけてくる。まだ遅くない、選べる。失敗してもいい、傷ついてもいい。それでも、自分の人生を他人任せにはしない。これは、そんなふうに生きようとする女性たちの物語だった。
人生は理不尽で、心に傷を負ったり、後悔や諦めを抱えながら生きている人もいる。「もう無理」と思っていた登場人物たちは、人との出会いやふとした衝動をきっかけに、少しずつ変わっていく。
ここでのテーマは、失ったものがあっても別の何かを手にしながら生きていけるという事だと思う。それはさまざまな人間関係の結び目(knot)がつながって、人から人へと受け継がれていくことで生まれるもの。登場人物たちは自分一人の力で人生を変えたわけではない。人との出会いが人生を動かし、その人がまた別の誰かに手を差し伸べていく。読み終えて、人との出会いはやはり大切なのだと改めて感じた。
自分で変わりたいという衝動はもちろん必要だけれど、そっと手を差し伸べてくれる人がいないとなかなか踏み出せないもの。私も頑張って生きている人たちにそっと手作りのビーフティーを差し出せる人になりたいと思った。
ただ、第二章は正直かなり散らかっていて読みにくい。登場人物も多く、全体の焦点がつかみにくい。これは意図的だと思うので、挫折しないで頑張って読み続けてほしい。ここではミャーコさんのくだらない話にいつまでも付き合わされるが、真央も「自分が最短で見つけた情報よりも、彼女の無駄ばかりの人生の方が悔しいが、面白い。」と後で語っている。くだらない、時間の無駄と思った事が、実はいい経験だったなと思える事があるかもしれない。
最後まで読むと全体がつながってくる。ラストは地味だが、静かに心が温まる余韻を残してくれた。 -
Posted by ブクログ
チャプターズブックストアの森本さんがおすすめしていて、ずっと気になっていた一冊。
GOATカバーで見つけて購入しました。
80年代〜90年代初頭のバブル期。
25歳の青子は、会社を辞め東京から実家のある栃木に引っ越そうとする。
会社の上司に連れて行かれた銀座の鮨屋が、青子の運命を変える。
自分の稼いだ金で、鮨屋に通う。
バブルだと、ちょっと前に桐野夏生さんの「真珠とダイヤモンド」を読んだのを思い出しました。
当時は証券と不動産なんですね。
一人で稼いで生きてる人、
一人が楽で良いと思ってるけど、
このまま老後までいけるか不安な人、
すなわち私ですが(苦笑)、
読み進めずにはいられない一冊でした。
痛々しいし、苦しいけど、
美味しいものを食べてる時だけは別次元で。
読書しながら「ぎょっ」とするのは、
柚木さんの作品ならではです。笑
似てるようで似てなくて、
どこか振り切って狂気っぽいのに、
寂しくて不安。
だけど物語の展開にたまに、
ぽかんとしてぎょっとする。
楽しい読書時間でした。 -
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ネタバレ聞いたことあるタイトルでなんとなく気になっていたけれどなかなか手に取らなかった本。子どもの時に読むといいっておすすめされていたなぁと思いながら今回読みました。
一本の映画を観ているような小説だったなぁとまず第一に思いました。重すぎず、でも読み終わった後にしっかり心に横たわるものがあるなぁと。ダブルヒロインだけどどちらかに偏ることもなく、境遇が全く違う2人だけど、読んでいて2人に共感できる要素が自分にもあるなぁと思いました。小学生の頃〜大学までの、多感で脆くて不安定で尖っている部分をものすごく上手に書き表していると思う。学生の時に読むのがおすすめされているみたいだけど、大人になって読んでも面白いし学ぶことがあると思います。世間知らずの彩子がレイプされるシーンがつらかった。絶対あってはならないことだけど、実際に性犯罪は起こっていて、現実でもありえることであることがつらかった。どうしてもその生々しさと悲しさと怒りが自分の中で昇華できないので星4で。その時の傷を乗り越えようと行動する彩子の未来が幸せであってほしい。また、再会した2人がまた大好きな本を語り合えますように。大人になってからも大親友でいてほしい。
長靴下のピッピや赤毛のアンなどまた子どもの頃に読んだ児童書を読みたくなる。きっと大人になってまた違う感想ができたり違う目線で読めると思うので、子どもの時に読んだ本があることは二度楽しめることになるんだと思った。
butterも気になっていたけれどこちらを先に読んだのでまた柚木麻子さんの作品を読んでみようと思います。 -
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マジカルグランマ(理想のおばあちゃん)なんて居るのかな?生きて来た時間の長さや濃さにより人それぞれかと思っています。75歳ならもう就活を考える歳だと思うけど夫の死をきっかけにドンドン生活が危うくなる。お金が必要な状況になった正子は周りを巻き込みながらマジカルグランマ像をぶち壊す。そして正子の良い所は息子のカミングアウトも素直に受け入れてしまう所は凄いなぁと思ったし杏奈の事も結局は受け入れ心配迄するお人好しな所、私は好きだなぁ。圧倒的にドタバタなんだけど本当に怖いのは「こうあるべき」という価値観に自分を当てはめてしまう事。けれども正子は自分と似たような立場の誰かと助け合う事で抗う事が出来ると考えた。なんて素敵な人だろうか。私もこんな風に生きていけたなら良い老後が待っている様な気がする。私達女性、もしくは母か妻は自分を後回しにして家族の為尽くすべきだと考える人は多いのではないですか?誰かの犠牲の上に生まれた幸せは突然終わるかもしれないのです。
人生は一度きり。でもしっかり生きれば一度で充分! by. メイ.ウエスト そうだね〜 -
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ネタバレフェミニズムに関するようなお話を読んだ時には、とりあえず男性嫌いの傾向が強まってしまうのを辞めたいと思う。傾向が強まっている時ほど、閉店間際にいつまでも居座るおっちゃん。そのおっちゃんが手をズボンの中に入れているところを見てしまったときの嫌悪感たるや(おしり側で良かったね、じゃあすまないんだよな)。
つまり、「男性」嫌いと、「女性蔑視を続けてきた社会」嫌いがごっちゃになってしまうのである。
「幸せそうな女性を殺したかった」なんて事件が現実で起きてしまうのなら、常につまらなさそうな顔で生きてみようかななんて思う。
でも幸せに生きていきたいし、お父さんや彼氏はおっちゃんや殺人犯のようにはならないんだから、近くで見た例を根拠に、大きく括ってしまうのは人間のクセの一つだと思う。
そんな中で、「母親が仕事を辞めて家にいてくれてたんだから全ての女性は家にいて子供を産み育てるべきだ!」という思考から男性を解き放つなんてとんでもない苦労があったことだろう。
でもその苦労は着実に実ってきていて、来年社会人1年目の人間(私)なんて、周りにパワハラだのセクハラだの言われてもその場で跳ね返せるだろうし、結婚しろ子供産めなんて言われても「それは個人で選択することです」とハッキリ言える。言ってみせる。(だから、これだからZ世代は、とか言わないで)
私がこう言い返せるようになったのは先輩たちが長い間声を上げてくれたおかげで、たくさん悩んで呪いと向き合ってくれたおかげだ。
先輩達のおかげで少しずつ呪いは溶け始めているのだ。ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
めんや 評論家お断り、BAKESHOP MIREY'S、トリアージ2020、パテュイオ8、商店街マダムショップはなぜ潰れないのか?、スター誕生の6作品が収録された短編集です。どの短編小説もこの本の帯にある「差別、偏見、思い込み、他人に貼られたラベルはもういらない、自分で自分を取り返せ!!」にぴったりです。
めんや 評論家お断り:
ラーメンを食べたくなる作品です。ただ、登場人物の中にどうして性的マイノリティの方が出ているのかが、よくわかりませんでした。僕も時々、飲食店に対する書き込みをしますが、美味しかったら素直に書けますけど、美味しくない料理の場合は美味しくないと書かないと、僕の信用が下がるので、気をつけて書いています。
BAKESHOP MIREY'S:
登場人物の心理描写がとても上手い作品だと思いました。この作品にも食べ物が出てきますが、本から匂いが香ってきそうです。夢を持っているのに一向に行動を起こさない人、いますよね。
トリアージ2020:
コロナ禍に書かれた作品で、当時の異常事態を思い出しながら読みました。良い意味で、予想を裏切られた結末でした。面白かったです。
パテュイオ8:
舞台装置は、パティオ(中庭)のある平屋型のマンション。住人が子供をパティオで遊ばせている様子を見ながら、家事・育児などができる環境です。この作品もコロナ禍で書かれたもので、今では懐かしい「リモート飲み会」の描写があります。
商店街マダムショップはなぜ潰れないのか?:
ちょっと怖い話です。
スター誕生:
登場人物の誰に読者自身が投影するかで、少し感想が変わるような気がします。