柚木麻子のレビュー一覧
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久しぶりにすごい本に当たった(´⊙ω⊙`)
これはアレだね。角田光代じゃん。
週刊誌の記者として働く序盤は『空の拳』、結末は『対岸の彼女』。女の生き方を描く作品は数あれど、結構クセ強の部類だと思う。
実際の事件をモデルにしながも、個性的でクセ強めな3人の女性を中心にストーリーは進んでゆく。
梶井真奈子の語る女神像は、ああそういう人いてるよね〜(σ・∀・)σ 男ウケはいいけど、周囲にも押し付けてくる女ウケ悪いヤツ笑
里佳はバリバリの記者で、西加奈子の『夜が明ける』に出てくる先輩みたい。
玲子は江國香織作品に出てくるタイプかと思ったら意外と暴走しちゃう。
描写がバターのように濃厚で、人物像の -
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イギリス人が読んでたのを見て買ってみた。日本人にしか分からないあの背徳的な美味しさがわかるのか不思議になった。
バター醤油ご飯や深夜のラーメンの描写に胃を掴まれ、主人公がぷくぷくと太っていく姿に、フィクションとは思えない生々しいリアリティを突きつけられる。物語はカジマナという希代の殺人犯を中心に、まるで推理小説のようなスピード感で転がっていくが、重苦しさは不思議とない。むしろ、連続殺人という題材が嘘のように、読後感は驚くほどカラッとしていた。
働き方やルッキズム、男性が女性に抱く無意識のステレオタイプ。作中の男性たちは決して悪人ではなく、むしろ協力的。しかし、ふとした瞬間に漏れ出る「昭和 -
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先の気になる展開で止まらず読み進めてしまった。
梶井の生き方、里佳の生き方。登場人物皆からの生活から、生きるってなに?価値観ってなに?幸せってなに?と考えさせられた。
実際自分は、完全に里佳寄りで共感があって、自分も梶井に会って、キラキラ満たされた話を聞いたら影響されるだろうなって思った。そういう部分も自分の中に残る部分だったんだろうなと思う。
また、小説中に出てくる料理の美味しそうなこと。どれも実際に食べたくなってしまう。実際、バター醤油ご飯にハマってしまった。エシレのバターも気になって、丸の内のエシレに行ってみた。エシレのフィナンシェ、マドレーヌ、クロワッサンどれもとても美味しい。それだけ -
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ボロ泣きした。中盤から最後にかけて泣きながら読んだ。読む前は表紙のかわいさからほっこり系「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」のような感じかと期待していて、読み始めもルビが多くふってあることからジュベナイルかな?と思ったがどんでん返し。初めて柚木さんの本を読んだけどもう新年そうそう人生で読んだ小説の中でもトップに入るレベルで素晴らしい本だった。
彩子が大学に入って変わってしまうあたりから自分と重なる部分が多くて、他人から認められる誰かを生きれば生きるほど、誰かを見下していないと幸せを保っていられない不幸せの循環に身に覚えがありすぎて・・・。大学というシステムの中で男や酒、サークルに狂わされる生活。こ -
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ネタバレ一気に読んだ。人間関係が目まぐるしく変わる。そういうのあったなーと思いつつ。今の子ってこれくらい苛烈なんだろうかと思ってたら2015年の本!どうりでメールで写真が回ってくるわけだ。
一人のお姫様を中心に、周りが狂わされていく話。集団から浮くくらいの美貌は周りを狂わせてしまう。王妃は帰還できてよかったけど、その後も友情が続いたのはあったかい気持ちになった。自分たちで枠を作ってしまうような視野の狭さ、身に覚えがある。
ホッシーとお母さんのことがチヨコにバレたらどうしようかと思ってヒヤヒヤしてたけど、王妃だけにバレて、王妃もそのころには許すことができるくらい成長していたのは救いだった。もっと早 -
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ネタバレ連続殺人、男の財産を奪ったとして逮捕された女。しかも若くも美しくもない。本当に殺した証拠はない。狂気的殺人鬼かと思えば、教祖のような人間。取材記者は本性を知ろうとするうちにその女へ憧れや崇拝のような感情も持つ。そんな高貴でたくさんの男から愛された女だと思っていだが、実際はコンプレックスだらけで世界を自分の色眼鏡で見る人間だった。父からの偏愛による母からの嫉妬などの幼少期の毒を持つ。男へ執着し、女性からの愛に飢え、周りを不幸へ導くエネルギーを持つ彼女。
やはり人間そのものが周りに与えるエネルギーという目に見えないものは存在するのだと思った。どんなに格上だと感じる相手でも人間であり、闇がある。私は -
購入済み
雑誌記者の里佳は、連続殺人の被疑者であるカジマナの独占取材権を得るべく、かぐや姫のような彼女からのオーダーに応えようと奔走します。里佳の親友である伶子もまた彼女の悪意に翻弄されます。
実際にある有名な事件をモチーフとしているように感じました。主題は社会から求められる正しさや、女性らしさや家庭観などに疑問を投げかけることと、様々な形の友情なのかと思いました。
生々しい料理の描写が特徴的で、作中に登場するたらこパスタをつい作ってしまいました。フランス映画のようだと感じる瞬間がありました。 -
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表紙や最初の数ページから爽やかな話かな?と思い読み始めたら、かなり想定と違う話に転換したので驚きました。
重いテーマではありましたが、主人公の菫が持つ根の明るさと強さで読者も暗い淀みから引きずり出される感覚がありました。
決して暗がりには閉じこもらず前に向かう菫と、育った家庭環境もあり自らの歪み・他責思考から抜け出せない足元が淀みにハマったままの光晴。
2人の対比が後半になるにつれてグロテスクな程に顕著に現れていてその描き方が秀逸だなと思いました。
あとは、初夏の空気感や緑の比喩表現が美しくてとっても好きでした!!言葉が美しくて、それだけでも読む価値があると思います。 -
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最近『翠雨の人』という女性偉人伝ものを読んだばかりだったので、つい比較してしまうが、同じように史実をベースにしながらも、こちらはぜいたくに津田梅子や新渡戸稲造などを中心に、明治の文化史を彩るスーパースターを山ほどぶちこんで、面白いエピソードがふんだんに出てくるので、単純に好奇心をかきたてられる。またそれ以上に河合道さんのキャラクターがとっても魅力的だった。戦前のああした雰囲気の中で、アメリカでの生活で身につけた自由主義と女性の権利拡大という理想を掲げながら、表面的には相手を立てつつも、実質的な実を取る良い意味での「ずぶとさ」が小気味良い。対立する相手をも魅了し、協力者に変えてしまう姿には、「格
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大好きな作家柚月あさこの本、今回もとてもよかった。全てのエピソードで伝えたいこと、それは、連帯することは人を奮い立たせ、人を救い、人に生きる希望を与えるということ。
あくまで個人的な感想だけれど、柚木作品にはいつも分断への抵抗として「連帯」が描かれている。読後はいつも身近な人への感謝、そして世界への希望的観測が生まれる。
今回の小説でも全てのエピソードに「連帯」が登場する。年齢も職業も性別も異なる他人同士が繋がり、協働し、心を通わせ、誰かのために自分のために前へ進む。1番好きなエピソードはBAKERSHOP MIREYS。詳細はネタバレなので省くけれど、甘いお菓子の香りを通じて、不器用だけど