柚木麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主人公が初めてバター醤油ご飯を食べたシーンも圧巻だったけれど、初めてケーキを焼いたシーンも異様に印象に残る。
(P197)あなたには壁がない。仕事もプライベートも、本音も社交も全部がまじりあってる。見ていると疲れる。
(P214)壁を築くとは、何も肩をいからせ、他者を拒絶することではない。(中略)甘く柔らかいお菓子だっていいのだ。
(P217)篠井さんに頼ることを一瞬でもためらっていたら、決して作れなかった。こんな風に、取捨選択の判断を今より研ぎ澄ませば、たとえば一日の終わりに趣味でカトルカールを焼くような時間を捻り出すことは可能なのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
このお店(書籍)、絶対おいしいに決まってますっ!
だってワタシ一度胃袋つかまれてるから♡
✨柚木麻子
『あまからカルテット』
『ランチのアッコちゃん』
『BUTTER』
✨伊吹有喜
『BAR追分』
✨井上荒野
『チーズと塩と豆と』
✨坂井希久子
『たそがれ大食堂』
✨中村航
『僕の好きな人が、よく眠れますように』
✨深緑野分
『この本を盗む者は』
✨柴田よしき
『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』
本棚への登録の有無にかかわらず、どの作者さまもお料理の描写がお上手なことをワタシは知ってるのです…。
(*´艸`*)♡
ほんとうにおいしゅうございました
どの作者さまもおなじ料 -
Posted by ブクログ
「両思い確定だけど、まだ恋人になってないワクワクキラキラキュンキュン状態」が女子の友情の特定の期間にはあると思うのですよ。自転車の2ケツシーンが正にそれで、エモすぎてこれ以上読み進めるのが勿体無い!と一旦本を閉じてエモさを噛み締めました。
が、その後の展開が辛すぎて…。。あぁ、そうだった、私たちはそんなに一筋縄ではいかないのよね。わかるーーーー!!
全体的にデフォルメ感があるので、「いや、そんなんありえんやろ」な展開に現実に引き戻される事もありつつも(まおちゃんの指令とかね)、結局は家庭環境に端を発していることなどは頷きすぎて首がもげそうでした。
でも、子育てが若干落ち着いてきたおばさんにな -
Posted by ブクログ
ネタバレ展開が気になり、一気に読み進めてしまった。終わりに近づくにつれて終わってほしくないと思った本は久しぶりだった。
里佳がカジマナのペースに飲み込まれ自分の生活や体型が変化していく様子、玲子が横田の家で過ごす時間、里佳がカジマナの罠にかかり底に落ちていく様子どの場面を切り取っても、あまりに濃厚で胸焼けがする。
しかし恐怖で震えていたと思えば、里佳の周りに確かにある人との交流や温かさに心がじんわり溶けていく。里佳は梶井真奈子と出会わなければ、食べる喜びもカジマナにはいない友達の大切さにも気づけなかっただろう。カジマナと出会ったから、彼女を追い続けて考え続けたから最後に自らの居場所を作りみんなで七 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夢中になって、読んだ。
読み終わった感想は、
人生は、美味しい
だった。
殺人犯や男女差別、美味しい料理、夫婦関係、
女性のキャリア、週刊誌、マスコミ
いろんな角度から読める作品だけど、
美味しい料理と人生のコントラストが印象的だった。
カジマナの葛藤と異常性、
主人公の内面の変化や成長、
人との繋がり
人生の酸いも甘いも、比喩的に美味しい料理の描写でよりダイレクトに味覚に伝わってきて、
初めての刺激的な読書体験だった。
読みながらバターが気になって仕方なく、
スーパーでカルピスバターを眺めながら
これを手に取ってしまったら後戻りできないな、と
バター醤油ご飯やバターたっぷりの明 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めての読後感。とにかくリアルな本だった。
バブルを経験してないが、バブル期に激動する不動産業界の生々しさが鮮明に伝わってきた。
就職先に不動産業界やめとこう笑笑
一ノ瀬さんと青子が不倫関係になるのではなく、最後はけじめをつけて終わるのが一ノ瀬さんの生涯の堅実さをしっかりと表していてリアルだった。
まあ、なんといってもただ手を繋ぐだけ、ただ目を合わせるだけその一つ一つのちょっとした関係性の変化を官能的に描写できる著者の腕がすごい…
読んでいるこっちまでドキドキする本だった。
好きな人を心に秘めながら他の人と結婚する感じがめちゃくちゃリアルすぎた…広瀬、同僚の男、一ノ瀬、
全員一番好きな人と -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろ!
梶田の思想を私も父親から若干受け継いでいるので共感てしまった
女はのほほんと金持ちに囲われて美味しいもの食べてヨガにでも行って好きなことしているのも幸せのひとつである、、かもしれない
へー、これフェミニズム文学なんだ
めっちゃおもしろサスペンスコメディと思ってしまった
レイコのお前もかい!って展開からの梶田はキモオタを懐柔できたのにレイコはただ辟易とさせた下りとか爆笑してしまった(あのキモオタが梶田をデブだのブスだのコケ下ろす所は寒気がした あ、デブの未婚の男を嫌悪している私も、リカが太った時に嫌悪感ぶつけてきた同僚と対して変わらないのかもしれない)
リカの父親が当てつけのよう -
Posted by ブクログ
今年一かな
素晴らしい作品や
まず、食への感性がぐんと上がる。読む人すべてをバターの虜にしてしまいそうな描写のうまさ。1人暮しをして、ご飯用意した経験があるからこそ、深く共感できる。自分のために料理をすること、それを味わっておいしく食べることって何事にも変え難い、素晴らしいこと。まさに、生きるための切実で尊い行為。
料理や掃除。女性が家事として担ってきた行為への考察。それらは、ロックであり、「実は、家事ほど、才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野はない」。家事について、保守の男性は、弱弱しく何もできない女性のための仕事と捉えているかもしれない。しかし、その家事能力に潜むパワー、その行為 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終えて、胸がずーんと重くなった。
登場人物の誰にも共感できるところと、そうでないところがあって、人間って本当に複雑...
相手の感情を読み取りすぎても、無視しても、どちらも行きすぎなんだなぁ。
人間関係は白でも黒でもなく、グレーな部分を探りながら育てていくものなんだと思う。
栄利子の行動は、自分自身にもある見てほしい・認められたい気持ちで痛いほど分かった。
でもそれに飲まれると、他人が見えなくなる。
ラストは、個人的には救いを感じたかなぁ、
栄利子も翔子も実は狭い世界の中で、自分の都合のいいように考えていただけで
一歩外に出て俯瞰してみれば、苦しみから抜け出すのは案外簡単なことなの -
Posted by ブクログ
柚木麻子さんの『ナイルパーチの女子会』を読んだ。もともとはドラマ化されたものを見て、正直想像していたストーリーと違っていたので驚いたし、同時にすごくおもしろかったので原作の方を読んで、もっと登場人物が何を考えているのか知りたくなった
イメージとしては『あまからカルテット』などの柚木麻子さんお得意の女性同士の連帯の話かと思いきや、どちらかといえば『BUTTER』寄りの作品だ
人間の内部に深く潜り込んだような、ゆらめく情動が文章にみっちり詰まっている。SNSなどの台頭で世はまさに大共感時代である
共感がビジネスになる。それだけ共感を人は求めている。わかりあうことに重きが置かれると、わかりあえないこ