柚木麻子のレビュー一覧
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リアルに起きた事件を取り入れていることは明白だったが、実際にはその事件自体は主人公里佳の物語のきっかけに過ぎず、オリジナリティある里佳の物語が展開されている。
カジマナの崇拝者となって、他者から満たされることに慣れてしまう男たちと、その崇拝者たちのために料理をするカジマナ。それと対比的に、自らを満たすために料理をすることを覚える里佳の存在。前者は、破滅を辿ったのに対し、里佳は人生を再構築しようと前向きな結末に終わったのが印象的だった。また、人間関係の構成要素が崇拝者か、里佳と伶子のような信頼か、という点も自らで満たす経験の有無に左右されていると感じた。
自分のために自分で満たすということが、私 -
Posted by ブクログ
木嶋佳苗事件を下敷きにしていることや食べ物の描写の素晴らしさももちろんそうなんだけど、
主要登場人物の女性三人の生き方に思いを巡らせる読後。
少しでも体型が変わると「太ったね」と言われ、優しさやケアや家事を求められ、つねに「見られている」女たち……
フィクションだから誇張されている部分もあると思うけれど、著者のジェンダーに向ける眼差しというか、怒りのようなものを感じ取った。
男からは崇拝されているように見えるけれど、結局は同性の友達はいないカジマナ。
男社会でバリバリ働き、自立しているように見えるけれど、自分の生活こととなると疎かになってしまう里佳。
キャリアを捨て結婚し、子どもを望むしあわ -
Posted by ブクログ
ドラマから、ジェンダー感、特に女性の描かれ方や恋愛の捉え方について考察された本。知っているドラマが沢山出てきて楽しく読めた。
「ドラマがアップデートすることで、社会認識は確かに変わるのである。」とあった。この前後の文章から、自分がどれだけドラマに影響を受けてきたかに気が付いた。この章はパワハラやセクハラに関してのことで、ドラマで是とされていると実際の日常でも「まあいいか」となりがち…というような内容だったけれど、
フィクションは、良くも悪くも人の価値観に影響を与えることを気に留めておかないといけない。
番外編は、少しドキッとした。無責任な受け手でいてはいけないなと思った。
全体的には軽や -
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モデルの事件は一切興味なかったので、話題にはなっていたものの、中々手がでなかったのですが、両替する必要があったので何となく購入。
いやぁ~めっちゃ面白かったね。
柚木麻子初めて読んだかな。
30代後半で結婚したので、独身時代に読んでたらまた違ったかも。
単行本発売時に手を出さなくて大正解かも笑
もともと人には梁山泊が必要だと思ってるんですが、それを改めて思い返しました。
篠井さんの四谷のマンションしかり、里佳の新居しかり。そうあの家は梁山泊なんですよ。
別に彼ら彼女らが英雄である必要なんてない。
いや、そもそも英雄とは世間的な評価とは関係ないな。
カジマナと共闘した里佳と伶子は当然英雄な -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!!
はじめての柚木麻子さんの作品でしたが、
世界中で話題になっているということで手に取りました。
ある事件の容疑者の女とそれを追う女記者。
記者は容疑者の女を追う上で、
仕事仲間、友人を巻き込んで真相を追うが、
容疑者との対話を重ねるうちに、犯行心理に迫りながらも、
一方で自身の深層心理にある傷を抉られるような体験をする。
ざっくりと書いてしまえばこんな構造なのだけれども、
物語の中でよく登場する記者とその友人の密な関係と
容疑者と記者の急激に密になる関係の女同士の感情の行き来の対比や、
恋人や仕事仲間との関係の間にはらむ記者感情など、
描かれるたくさんの感情の動きにとても読み -
Posted by ブクログ
本屋さんのダイアナがとても良かったので、柚木さんの作品をまた読みたいと思っていたところ、柚木さんファンの職場の後輩が勧めてくれました。
中学高校の頃に読んでいたら登場人物全員が怖くて冷たく、あまりにも極端な小説の中でしかありえない世界だと感じて終わりだったかも。
でも実は意外と皆生きている中で感じたことがあるものなのかもしれないと思った。
・友人関係も夫婦関係も成り立たせることは実は難しい。
・幼い頃の自分の経験がその後の人生ずっと影響する。
・過剰なストレスにより人はまともな思考を保てない。
・外見や振る舞いについて他人からの評価に常に気を張って、いったい自分は何者なのか何がしたいのかが -
Posted by ブクログ
カースト最上位の学園の王妃がある事件により地位を失い、所謂地味なグループに所属することになる。
そんな物語のスタートから、クラス内でコロコロ変わる人間関係を追いかけながら思春期の女の子たちの成長を描く小説。本当に、中学生のころに読みたかったなあ。
思春期の女の子同士の人間関係ってどうしてあんなにも拗れるんだろう。
今思えばどうして、と思うことで毎日苦しんでいた。
学校生活のことはもう鮮明には覚えていないけど、友達と衝突した時の記憶や、ギスギスしていた空気感、学校に行きたくない朝の気持ち、仲直りをした後の世界の全てが味方になったような気持ち、そのあたりはやっぱりまだ思い出せる。狭い狭い人間関係