柚木麻子のレビュー一覧

  • BUTTER(新潮文庫)

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    久しぶりに読んだ本。
    想像以上にバターの話だった。
    女性を取り巻く働く環境、ルッキズム、人間関係、いろんな要素がバターみたいに溶け合ってる
    食べ物がとにかく美味しそう。カトルカール、何か他の本でも遠い昔に読んで、その時も食べてみたいと思った

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    2025年12月06日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    自分が幸せだと感じている家族との時間の中に、こんなにも作中の内容に心当たりがあるという事実を、投げつけられたのが冷たくて、答えを探すように読んじゃった
    「いいんだよ、それで」が自分に対してできなくて心を病んだ身としてはぶっ壊れてからも立ち直れる女たちが嬉しかった
    あたしも大丈夫だ

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    2025年12月05日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    海外でも評価されているとのことで
    さすが、本当に面白かったです。もっと早く読めばよかった。
    カジマナの狂気に触れたときは怖いと思いながらも、背景を追っていく内にルッキズムの社会の生きずらさや同性同士のコミュニケーションのむつかしさなど、人々の心の動きや葛藤がすごく緻密に繊細に描かれていて、いろんな考え方やコミュニケーションの取り方があるよねと考え方まで変えてくれました。
    現代社会に生きる人は一回読んでおきたい一冊だなと思いました。

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    2025年12月05日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    主人公が初めてバター醤油ご飯を食べたシーンも圧巻だったけれど、初めてケーキを焼いたシーンも異様に印象に残る。
    (P197)あなたには壁がない。仕事もプライベートも、本音も社交も全部がまじりあってる。見ていると疲れる。
    (P214)壁を築くとは、何も肩をいからせ、他者を拒絶することではない。(中略)甘く柔らかいお菓子だっていいのだ。
    (P217)篠井さんに頼ることを一瞬でもためらっていたら、決して作れなかった。こんな風に、取捨選択の判断を今より研ぎ澄ませば、たとえば一日の終わりに趣味でカトルカールを焼くような時間を捻り出すことは可能なのではないだろうか。

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    2025年12月04日
  • けむたい後輩

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    読後に振り返ると割と重いが、コミカルな場面が多いので笑える。学校名からしてお嬢様っぽいけれど通販会社もしてそうで印象に残った。

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    2025年12月03日
  • 注文の多い料理小説集

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    このお店(書籍)、絶対おいしいに決まってますっ!
    だってワタシ一度胃袋つかまれてるから♡

    ✨柚木麻子
    『あまからカルテット』
    『ランチのアッコちゃん』 
    『BUTTER』

    ✨伊吹有喜
    『BAR追分』

    ✨井上荒野
    『チーズと塩と豆と』

    ✨坂井希久子
    『たそがれ大食堂』

    ✨中村航
    『僕の好きな人が、よく眠れますように』

    ✨深緑野分
    『この本を盗む者は』

    ✨柴田よしき
    『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』

    本棚への登録の有無にかかわらず、どの作者さまもお料理の描写がお上手なことをワタシは知ってるのです…。
    (*´艸`*)♡

    ほんとうにおいしゅうございました
    どの作者さまもおなじ料

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    2025年12月07日
  • ナイルパーチの女子会

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    「両思い確定だけど、まだ恋人になってないワクワクキラキラキュンキュン状態」が女子の友情の特定の期間にはあると思うのですよ。自転車の2ケツシーンが正にそれで、エモすぎてこれ以上読み進めるのが勿体無い!と一旦本を閉じてエモさを噛み締めました。
    が、その後の展開が辛すぎて…。。あぁ、そうだった、私たちはそんなに一筋縄ではいかないのよね。わかるーーーー!!

    全体的にデフォルメ感があるので、「いや、そんなんありえんやろ」な展開に現実に引き戻される事もありつつも(まおちゃんの指令とかね)、結局は家庭環境に端を発していることなどは頷きすぎて首がもげそうでした。
    でも、子育てが若干落ち着いてきたおばさんにな

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    2025年12月02日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    ネタバレ

    展開が気になり、一気に読み進めてしまった。終わりに近づくにつれて終わってほしくないと思った本は久しぶりだった。

    里佳がカジマナのペースに飲み込まれ自分の生活や体型が変化していく様子、玲子が横田の家で過ごす時間、里佳がカジマナの罠にかかり底に落ちていく様子どの場面を切り取っても、あまりに濃厚で胸焼けがする。

    しかし恐怖で震えていたと思えば、里佳の周りに確かにある人との交流や温かさに心がじんわり溶けていく。里佳は梶井真奈子と出会わなければ、食べる喜びもカジマナにはいない友達の大切さにも気づけなかっただろう。カジマナと出会ったから、彼女を追い続けて考え続けたから最後に自らの居場所を作りみんなで七

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    2025年11月30日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    迫力の有る小説とでもいうのだろうか
    獄中の容疑者にインタビューを重ねるうち、何だかマインドコントロールされているみたいに破滅の方に突き進む週刊誌記者。周りの助けを得て再出発をする。再出発の象徴の七面鳥パーティーは読んでいて自然と涙した。
    全編に散りばめられた美食のシーンも秀逸。

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    2025年11月29日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    ネタバレ

    夢中になって、読んだ。


    読み終わった感想は、
    人生は、美味しい
    だった。

    殺人犯や男女差別、美味しい料理、夫婦関係、
    女性のキャリア、週刊誌、マスコミ

    いろんな角度から読める作品だけど、
    美味しい料理と人生のコントラストが印象的だった。

    カジマナの葛藤と異常性、
    主人公の内面の変化や成長、
    人との繋がり

    人生の酸いも甘いも、比喩的に美味しい料理の描写でよりダイレクトに味覚に伝わってきて、
    初めての刺激的な読書体験だった。

    読みながらバターが気になって仕方なく、
    スーパーでカルピスバターを眺めながら
    これを手に取ってしまったら後戻りできないな、と
    バター醤油ご飯やバターたっぷりの明

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    2025年11月28日
  • その手をにぎりたい

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    ネタバレ

    初めての読後感。とにかくリアルな本だった。
    バブルを経験してないが、バブル期に激動する不動産業界の生々しさが鮮明に伝わってきた。
    就職先に不動産業界やめとこう笑笑

    一ノ瀬さんと青子が不倫関係になるのではなく、最後はけじめをつけて終わるのが一ノ瀬さんの生涯の堅実さをしっかりと表していてリアルだった。
    まあ、なんといってもただ手を繋ぐだけ、ただ目を合わせるだけその一つ一つのちょっとした関係性の変化を官能的に描写できる著者の腕がすごい…
    読んでいるこっちまでドキドキする本だった。

    好きな人を心に秘めながら他の人と結婚する感じがめちゃくちゃリアルすぎた…広瀬、同僚の男、一ノ瀬、
    全員一番好きな人と

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    2025年11月28日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    全ての登場人物に共感できる側面がある、背景や描写が浮かびやすい小説だった。実際にあった事件が元になっていて、読む前から設定にも引き込まれた。堅苦しくなく、それでいて美しい言葉が多いと思った。女性の登場人物が中心となっており働く女性、働いていたが家庭を選んだ女性、働かない女性と3人の対比が物語のポイントであったと感じる。自分のライフスタイルが変わった時に読み返しても面白いと思った。

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    2025年11月30日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    思いがけず変わっていく自分を感じながら、批判されてもそれでも自分では肯定しながら、でもやっぱり自分自身を取り戻す、けれどその場所は前とは違うところ。それが、自分1人だけでなく友だちとも分かち合いながら関係性もまた変容している…そんな物語だった。

    バターがとても魅力的で美味しそう。たらこスパゲティは試してみたい。そんなバターも手に入れにくい状況も含めて、メタファーなんだと思う。とても上手い物語だと思う。

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    2025年11月26日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おもしろ!
    梶田の思想を私も父親から若干受け継いでいるので共感てしまった
    女はのほほんと金持ちに囲われて美味しいもの食べてヨガにでも行って好きなことしているのも幸せのひとつである、、かもしれない

    へー、これフェミニズム文学なんだ
    めっちゃおもしろサスペンスコメディと思ってしまった
    レイコのお前もかい!って展開からの梶田はキモオタを懐柔できたのにレイコはただ辟易とさせた下りとか爆笑してしまった(あのキモオタが梶田をデブだのブスだのコケ下ろす所は寒気がした あ、デブの未婚の男を嫌悪している私も、リカが太った時に嫌悪感ぶつけてきた同僚と対して変わらないのかもしれない)

    リカの父親が当てつけのよう

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    2025年11月26日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    ネタバレ

    かじまなと利佳の不穏な空気感、それぞれの思惑とその緊迫した描写だけで中盤まで牽引されその力量に驚いてたら伶子までもが不穏に。君もか。三つ巴できな臭い心理レースが続く。底辺を流れるのはバターで紡がれた丁寧な料理描写。エシレバター食べたい。かじまなが真犯人なのかというフーダニットの視点から少しずつ軌道がずれ利佳を水先案内人としてかじまなの心理フローを推理しつつ果ては利佳の深層にクローズアップして関係性の作り方が変化していく所絶妙に上手い。利佳は読んでて宝塚男役が頭から離れずだった。七面鳥メンバーに入れて。

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    2025年11月25日
  • BUTTER(新潮文庫)

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    今年一かな
    素晴らしい作品や

    まず、食への感性がぐんと上がる。読む人すべてをバターの虜にしてしまいそうな描写のうまさ。1人暮しをして、ご飯用意した経験があるからこそ、深く共感できる。自分のために料理をすること、それを味わっておいしく食べることって何事にも変え難い、素晴らしいこと。まさに、生きるための切実で尊い行為。

    料理や掃除。女性が家事として担ってきた行為への考察。それらは、ロックであり、「実は、家事ほど、才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野はない」。家事について、保守の男性は、弱弱しく何もできない女性のための仕事と捉えているかもしれない。しかし、その家事能力に潜むパワー、その行為

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    2025年11月27日
  • 本屋さんのダイアナ

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    めっちゃよかったです。本へのオマージュや愛情はところどころにありましたが、それより主人公と友人の二人称で章ごとにストーリーがすすむのですが、その成長物語が心に来ます。柚木麻子、バターとは違う良さを感じさせてくれます!!!

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    2025年11月18日
  • ナイルパーチの女子会

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    ネタバレ

    読み終えて、胸がずーんと重くなった。
    登場人物の誰にも共感できるところと、そうでないところがあって、人間って本当に複雑...

    相手の感情を読み取りすぎても、無視しても、どちらも行きすぎなんだなぁ。
    人間関係は白でも黒でもなく、グレーな部分を探りながら育てていくものなんだと思う。

    栄利子の行動は、自分自身にもある見てほしい・認められたい気持ちで痛いほど分かった。
    でもそれに飲まれると、他人が見えなくなる。

    ラストは、個人的には救いを感じたかなぁ、

    栄利子も翔子も実は狭い世界の中で、自分の都合のいいように考えていただけで
    一歩外に出て俯瞰してみれば、苦しみから抜け出すのは案外簡単なことなの

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    2025年11月13日
  • ナイルパーチの女子会

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    独占欲、嫉妬、承認欲求、孤独感、仲間意識...

    身に覚えがあるような女性特有の心理や感覚が、
    何かの拍子に行き過ぎた言動になる。黄色信号を周りが発しているのに、当の本人はその行動、言葉を止めることが出来ず、エスカレートしたときには、その状況は滑稽で異様なものとなる。
    最早、そこまで行くと清々しいしい気持ちになる。

    柚木麻子さんにハマるきっかけとなった一書。
    女性心理の描き方に、とても共感できた。
    そして、とにかく面白い。

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    2025年11月10日
  • ナイルパーチの女子会

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    柚木麻子さんの『ナイルパーチの女子会』を読んだ。もともとはドラマ化されたものを見て、正直想像していたストーリーと違っていたので驚いたし、同時にすごくおもしろかったので原作の方を読んで、もっと登場人物が何を考えているのか知りたくなった
    イメージとしては『あまからカルテット』などの柚木麻子さんお得意の女性同士の連帯の話かと思いきや、どちらかといえば『BUTTER』寄りの作品だ
    人間の内部に深く潜り込んだような、ゆらめく情動が文章にみっちり詰まっている。SNSなどの台頭で世はまさに大共感時代である
    共感がビジネスになる。それだけ共感を人は求めている。わかりあうことに重きが置かれると、わかりあえないこ

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    2025年11月08日