柚木麻子のレビュー一覧
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自分が選んだにも関わらず、期待感が薄かったり、序盤の展開に物足りなさを感じるが、中盤から徐々に「やっぱ選んで間違いなかったな」と思わせられる作品ほど心震わされる。
に加え、内容的にもおそらくほとんどの皆スルーする大衆向きでない作品。それこそが我が至高といえる。基本的に明るいのは描かないよな柚木麻子。そこが好き。(個人的には必ずしもハッピーエンドで終わんなくたっていいんじゃないかともちょっと思う、個人的に。)
作品の内容は暗い。ただし、主人公家族の一風変わった吹き回しが救い。真に風通しが良いとはこういった会社、ではなく家庭だろう。また、加害側のもう一人の主人公光晴の名前に「光」の字が入っている当てつけ感。「名は体を表す」とはいうけれど、名前負けしている陰キャといえるというか狙ってるなこれは。
柚木麻子の作品においてカサブタは非常に特別な装置なんだと改めて思う。今まで読んだ作品においても、できたカサブタを無視できずに剥がそうとしてしまう堪え症の無さが人物の人となりを表す描写として意図的に差し込まれている、と思う。これは自分自身もやっちゃいけないこととわかっていてもやめられない癖として、意識的に意識してしまう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ2024年
鑑賞作品 No.41
この本を読んで何を感じた?
そう聞かれたら迷わずこういう。
右ストレートがクリーンヒットしたような痛み
そのあとから少しずつ湧き上がってくる爽快さ
読み始めた当初、何か違和感を感じていた。
何かが他の小説と違う…
でも、その“何か“がわからない。
そして途中で気づく。
そう、
その“何か”が“マジカルグランマ”であるということに。
無意識に、小説に出てくるおばあちゃんは優しくにこやかで登場人物たちを温かくサポートする脇役だ、という偏見に満ちていた。
しかし、主人公の正子は見事なほどに真逆。
俳優である正子は、自分だけが特別で輝くことを望み、ちやほやされる他人に対して異常なほど嫉妬し、目立ちたがり屋で、自分勝手で、わがままで、夫への愛はなく、助けを求めてやってきた夫の知り合いだという高校生を追払い、結局家の滞在を許すが宿泊料は徴収し、義母や夫の残した遺産をメルカリで売り払って金に換えるなど、やりたい放題。
こんなおばあちゃん主人公は初めてだった。
自分が心のどこかで期待していた主人公は、もっと優しく謙虚でおしとやかなおばあちゃんだったと気づかされる。そして、そんな人間はこの世にはいないということも。
私たちが目を逸らしている、もしくは気づいていない社会の偏見に、否が応でも向き合わさざるを得ない。
誰しも、
人に褒められることは嬉しいし、
他人に嫉妬するし、
お金はほしい。
嫌いな人もいる。
だから、人は、白でも黒でもなくグレーなんだ。
私たちは曖昧なものなんだと、貪欲でいいんだと。
読み終えて自らを省みる。
マジカルステューデント
マジカルビジネスマン(ウーマン)
マジカルサン(ドーター)
マジカルパートナー
マジカルフレンド
マジカルヒューマン
こんな生き方をしていないか…
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今まで読んだ柚木麻子は主人公が自分を追い込んだり追い込まれたりして、社会に馴染めなくなり、ストレスから容姿が醜くなるという展開ーーー『ナイルパーチの女子会』然り『BUTTER』然りーーーだったのだが、今回は尖りまくりの社会不適合者と言わざるをえない所からスタートして少しずつ少しずつ世の中と適応していく主人公。平等でない社会を受け入れることで表情が柔らかく、性格が丸くなる。肉体の特徴と性格が反比例していく。なんかこう、良かった。女の友情、牽制も駆け引きも垣根も手前味噌も建前も無いホンネをぶつけられる関係に最後なったのが良かった。嬉しかった。ネットで荒らしをしていたのもバレるんだろうし、それが収まって一件落着で終わるんだろうなとは思ったし、実際そうなったけど感動した。
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タイトルから、美味しそうな食べ物の描写に期待して購入したのだけど。
どの作品も「なかなか変わった関係」が展開されていて、登場人物たちがどうなっていくのかハラハラしながら、美味しそうな食べ物が出てきてほんわかする、みたいな不思議な気持ちになる一冊だった。
「エルゴと不倫鮨」
どういう組み合わせ?と思わせる題名。
大人の空間に乗り込んでくるワンオペ育児明けママが、とにかく凄まじい。
高級鮨屋のおススメをモノともせず、自身の経験から鮨に注文をつけて「創作」していく。
お店の人にとっては迷惑この上ないお客様の暴走っぷりが印象的だった。
「夏も近づく」
最初にこの話を読んだ時、続きがあるかな?あるといいな、と探したほどだった。
居場所探しと釜で炊く飯。
料理を覚えるということは、一人で生きていく、その質を高めることでもあるのかなと思う。
でも、葉月という名の少年は、それでも、誰かのためを思って、美味しさを尽くす。
その姿が健気で、彼が生き生きと成長していってくれる、そんな「続編」を望む。