柚木麻子のレビュー一覧
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河井道さんがNHKの朝ドラ「あさが来た」と「花子とアン」、「ばけばけ」を横に縫いとるような、大河小説でした。
暗くて重い時代も、あたたかくおいしいものや明るく女学生の笑い声とともに響くような、女性のしなやかさ、やさしさ、強さ、朗らかさに包まれて光を失わずに進んだ、という恵泉女学園のお話。
女性の放つ光を外から見るような、なんともあたたかく、でも気持ちのいいお話でした。
柚木麻子さんの心はここからできているのか、となんだか納得するような気持ちになりました。
歴史観や宗教観はそれぞれだけど、女性のもつ光、という点でとても良かった。
津田梅子、広岡朝子、白州次郎や、有島武郎に太宰治…、戦後復興の話はもっと知られても良いなあ、と思います。
いつかドラマか映画になったら必ず観ます。 -
Posted by ブクログ
コロナが題材になっているものも多いけど、身近なところで起こっていそうな短編集。トリアージ2020は孤独な妊婦さんが生垣越しのやり取りから前を向いて進んでいけるようになるところに少しほっこりした。1話目のラーメン評論家の話。こういう奴いるよね、しかも周囲に配慮せずに動画を回して自分は正しいみたいな顔して反論してくるような人。でも、この評論家の上げた画像で人生を狂わされた人たちに反撃を受けていく過程が、暴力での反撃ではなくその人が一番精神的に衝撃を受けるであろう方法を選んでいるところに、この人を懲らしめてやろうという気持ちがよく表れており、読んでいて面白かった。
どの話も他社とのやり取りの中で自分を取り戻していく話で、読んでいて気持ちの良いものが多い。 -
Posted by ブクログ
再読。細かいことを忘れていたので、フレッシュな気持ちで読めました。柚木麻子は本当にうまい。というか好き。
女の子をどんどん描いていくけど、やっぱり一人ひとりがその人生の中では主人公なんだよなぁ…とさだまさしのような感想を抱いてしまう。
どの子のことも愛しくて、この先幸せに生きていってもらいたい!と願ってしまう魅力的なキャラ作り。
そういえば私も親友と二人、塾をサボって江ノ島の海に行ったことがあったなぁ、とか自分の高校生時代を思い出したりもした。
シナリオスクールに通って腕を磨いたと行くのを聞き、それに通ってこんなすごい作家になれるならみんな通うよなぁ…とぼんやり思う。
柚木麻子の新作が読みたいな。
これの映画も観たいな。
人生っていろんな味がして、多分面白い。
そう思える一冊でした。 -
Posted by ブクログ
私の名前は章子!
名前で苦労した事は無かったが名字が保田で中々ヤスダとは読んで貰えなかって記憶がある。でも結婚して工藤になった時は嬉しかった(^_^)v
だからと言う事も無いが15歳になったら「名の変更許可申立書」を出すと言う選択肢もわかなくは無いのです。ティアラの子育てもいくら訳ありでも大穴は無いよね。周りの言う「あんたのママおかしいよ」は言われなくてもその通りだった。どうして普通のお母さんの様になれないのかわざわざ指摘されなくてもいつもため息をつきたかった。そんなダイアナに彩子ちゃんは変な名前じゃ無いと言ってくれた。まるで正反対の二人の出会いである。小学3年生から22歳頃迄のガール・ミーツ・ガールの物語である。
共通点は本が好き!色々な本が登場して読んだ事あるとか読んで無いとか思いながら、読んで無い本は後で読んでみたいと思いながらあっという間に読んでしまいました。呪いを解く方法は「リュークス、リュークス、フィルフィルルーなんびとたりとも、このダイアナを縛ることはできない。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ...。私だけが私のすすむ道をしめすことごできる...」そうなんです。呪いを解くのは自分一人の力でやるしかないんです。誰でも自分の足で立って流されてはいけない。自分に命令できるのはこの世界で私だけなんだからね。彩子もダイアナも自分の殻を突き破って又親友になれたのかな? -
Posted by ブクログ
ふたりの対照的なヒロインが小学生からハタチを超えるまでの十数年を描くガールミーツガール小説。
性格も環境も考え方も、なにもかもが違うふたりの少女が本を傍らに悩みながら歳を重ねていくしていく様が丹念に描かれておりぐっと引き込まれた。
女の子として成長していく中で揺れる繊細な苛立ちややるせなさが澱を残していく様がリアルで、深く感情移入した。
私は綾子が自分のトラウマと自分自身に向き合う場面が特に好きで、[誰かを救うということは過去の自分を救うことです]とは正に、カラオケボックスで過去の自分自身に手を差し伸べるような構図の場面にはわず唸った。
人と人が出会うことの美しさと苦しみを、暖かく感じさせてくれる本でした。柚木麻子さんありがとう。