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『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』の著者による初のエッセイ集。アニメ番組「世界名作劇場」のようにゆっくりとした展開で名作を紐解いていきたい……そんな思いに駆られた著者が、古今東西の文学を読み解き、その魅力とそのお話にまつわる思い出を綴ったのが本書。名作というと敷居が高いと感じている人が多いと思うが、ページをめくってみると、そこにいるのは今の私たちと変わらない悩みやコンプレックスを抱えた人々。友情、恋の駆け引きといったワクワクするようなお話から、裏切り、三角関係といったギラギラしたお話までが、余すところなく描かれている。ここでは、有吉佐和子の『悪女について』、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』からカズオ・イシグロの『日の名残り』まで、全57冊の読みどころと、柚木氏の視点ならではの新しい魅力を紹介。読んだことがある人、これから読む人、読むつもりがない人も愉しめるブックガイドになっている。若手人気作家の日常生活も垣間見られる、キラキラした一冊。
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Posted by ブクログ
今まで外国文学にほとんど触れてこなかったことを恥じ、外国文学の「ザ名作」に手を出す今日この頃。
次に読むべき作品が見つかるかしらと何気なく手に取ったこの本だが、なかなかどうして私のツボをがんがんついてきた。
柚木氏の日常の話から作品の紹介へとつなげていくのだけど、それがまた滑らかで柚木氏の日常を垣間見ていると思いきや、いつのまにか作品の世界に入り込んでしまっている。
そしてこの柚木氏の日常の話、いわばエッセイが面白い。軽妙洒脱な語り口の一方で、さらりと至言も残しているのがいい。文章の軽重のコントロールがお上手。個人的には確定申告のエピソードを織り混ぜた「居酒屋」の紹介が秀逸だと思ったな。
さらには、やはりはずせないのが肝心の作品紹介。紹介されているのは女性が主人公のものが多いので、好みは分かれるところかもしれない。いずれにせよ柚木氏の視線がなすのか、筆致がなすのか、名作に出てくる一癖も二癖もある主人公たちをチャーミングに浮かび上がらせてしまうからすごい。
柚木氏が紹介する作品の主人公はたくましく、そしてどこか生々しくて、泥臭くても生き抜くのが大事、そんなことを思わされる。
女の一生、ナナ読んでみよう。
ちなみに本筋ではないが、柚木氏は自身が女子校出身であることに一種のアイデンティティーの拠り所を求めているように感じられて、女子校出身の私は親近感を覚えた。柚木氏の小説はタイトルも思い出せないけれど一度読んだことがあるという程度なのだが、その時に女性どうしの距離感の描きかたに妙にリアリティーを感じたのを覚えている。その理由がわかった気がする。
こんな風に紹介されたら何でも読んじゃうな、と思わせる素晴らしい書評でした。
学生さんに読んでもらったら取っつきにくい名作も興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。
少なくとも私が読まされたら全部読むね。図書室なんていう便利な物が身近にある生活は働き出したらそう無いですし。
私が一番笑ったのは白鯨とジェーン・エアです。
Posted by ブクログ
柚木麻子さんは、名作と呼ばれる本をどんなふうに読んできたんだろう?
それが知りたくて手に取った一冊。
フランス、日本、イギリス、アメリカ文学と、ずらりと並ぶ名作たち。読んだことのある本は、そんな見方もあるのかと面白く、そして、未読の本は更に興味がわく。読書案内を読むと、読みたい本がさらに増える。本好きの積読はこうして育っていくのですね。
なかでも読み返したくなったのが、宇野千代の『おはん』
ちょうど来週から始まる朝ドラ『ブラッサム』は宇野千代がモデル。宇野千代と親交のあった文豪たちも登場するそうで、芥川龍之介や梶井基次郎をモデルにした人物もいるとか。となれば個人的には、ぜひ谷崎潤一郎もお願いします。
そして本書の中で、気になったのが、宇野千代の「極道すきやき」。牛肉を生卵とブランデーにからめて焼くという、名前からしてただ者ではない一品。これは、ここぞという時に作ってみたい!
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