柚木麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
こんな…こんなお話を書く人だったっけか?
基い、こんな面白い話を書く人だったっけか?
もちろん、作者の作品を全作読破していないのにこの言いっぷりは大変失礼なのですが。
「エルゴと不倫鮨」がとにかく最高で、めちゃくちゃ共感でしか無い。パリッとした格好ができるのは家で洗濯やクリーニング対応してくれる妻が居てこそなのに、イイ男ぶって不倫正当化するオッサンの「ここは大人の社交場」発言への「男のための社交場でしょ」って言い切った美女の一言。溜飲下がるわぁ。子連れの母親がめちゃくちゃワインとそれに合う食事に造詣が深いのが、また最高。この一遍のために買ってもイイくらい気持ち良かった。
「あしみじおじさん」( -
私がこの本の存在を知ったのは滞在先のイギリスでした。昨年のクリスマスの頃、突如店頭に山積みになり文字通りのベストセラーとなっていた光景をよく覚えています。以来ずっと気になっていました。読み始めて、最初に刺さったのがバター醤油ご飯の描写です。バターとご飯、それをこれほどまでに美味しく描いた本がかつてあったでしょうか。そこから続く、まさに垂涎ものの食べ物の数々。一方で、その後ろで肥えていく主人公里佳の、揺らぐ女性としての価値観。彼女がインタビューした受刑者梶井真奈子と関わる間に得たもの、失ったもの。混然と混じり合うこれらの中から里佳が最後にどう答えを出して、自らの人生の道を決めることにするのか、最
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2025/7/7追加 19-25 第一章から引き込まれた。自分に置き換えつつも、青子と同年代の身近な人たちを重ねた。1人はバブル期から総合職で頑張り先輩と起業後、今は社長になっている前職の。もう1人は一般職で、適齢期で結婚して子供たちが小学生中学年までは専業主婦していた従姉。そして、今の職場の独身のお姉さま方。あの年代は仕事バリバリと家庭を持つことはまだ両立できなかった世代だと思う。今でも女性だからというバイアスを感じない訳ではない。青子が困難にぶつかると、自分も辛い気持ちになった。青子が自分の力で自由にすし静に通えることに喜びを見いだし、傷つきながら確かなものを掴もうと成長していく様には共感
-
Posted by ブクログ
大穴と書いてダイアナと読むのはかなりウケた。名前の由来について、最後に伏線回収あるのかなぁと思ったら特段無くて残念だった。
自分の娘を女子高に入れることのリスクを考えさせられる本だった。
性被害にあった被害者女性が、加害者男性とその後付き合うのは、外形上は矛盾した行動にしか見えないが、後に付き合うことによって「あれは性被害ではなかった、お互い好き同志だったのだ」と、自分の心を守るための行動だというのは、悲しいがそれはそれで筋は通っている(実際は単なる性犯罪だと心の奥底ではわかっていても)。
実際に色んな有名大学で学生による性犯罪で逮捕されるニュースもあるし、あれも氷山の一角で本当は色々有るんだ -
Posted by ブクログ
とても面白かった!
実は柚木麻子作品を読むのは初めて。
ドラマ化された「ナイルパーチの女子会」がとても面白かったので、きっと今作も面白いはず、、だと期待して大正解!
女性の心理描写がとても上手い。
誰もが一度は感じたであろう思い、他人への憧れや妬みがうまく表現されている。それなのに決して「性悪女」「意地悪」とは思えない。
若さゆえの「やっちまった、、、」かな。
年を経て思い返すと、あの頃は若かったな〜今ならもっと上手くやれるのに〜的な。
読んでいて気付いたが、こちら、最近読んだ山内マリコ作「一心同体だった」
に似たテイストだ。どちらもとても好き!
女性のあるあるが綴られ、共感する場面多々