柚木麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当にいる人をみているような、だから柚木さんの小説は面白い!
ひと続きになった物語が好きで、短編集はなかなか読まないけど、これは色々と繋がってるところもあったし、全部が独立した物語じゃないから読めた。
朱里の、人を見下していて、かつ咄嗟に人を貶めるようなことをしたくなってしまう人…本当にこういう人はいる。その描写がリアル過ぎる。なんなら全員めちゃくちゃリアル。
恭子のような他人からの目を常に異常に気にする、なのに優先席には気にせず座れる、みたいな人もきっと現実にいる。
全部が全部、ハッピーエンドじゃないのも逆に新鮮でいいというか、夢物語すぎなくていい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、柚木さん、だいすきです……
この前まですこしアカデミックな本を読んだからエンタメに戻ろうと、文庫の柚木さんの本だからって理由で手に取った。最高だった。最後の激エロ展開になり得る部分で、どエロに走ったりすることはもうやめてただただ今繋がっているこの時間を引き延ばすことに徹する青子を見てて、落ち着くってこういうことなのかなとか思ったりした。
こんなに色々を経たのに33の青子はまだまだすごく若いように思う。
青子から贅沢をした記憶が無くなりませんように。自分1人のために自分で稼いだお金で幸せを感じられた自分のこと。私もそういう私のこと忘れないでいようと思う。
大好きな話だった、柚木さんありがと -
Posted by ブクログ
ネタバレ主役の澤田三智子は、派遣社員。失恋して食欲も元気もない。そんな折、部長の黒川敦子(アッコ女史)に、昼ご飯に誘われるも食欲がないと断る。三智子の弁当を見たアッコ女史は、三智子の弁当とアッコ女史がいつも昼ご飯を食べに行く場所を1週間だけ、交換するという内容。
アッコ女史のランチ先は三智子が知らない、色々な味と人々がいる世界だった。
2話では、すっかりアッコ女史に惚れ込んだ三智子が、アッコ女史と一緒にキッチンカーで活躍する話。深夜でも食を必要としている人はいると、アッコ女史はポトフを売って大忙し。(前の会社は潰れちゃってる)
的確に必要とする場所に行き、三智子はまた新しい成長をとげ、会社における正社 -
Posted by ブクログ
楽しかった…!4日くらいで読んでしまった~。
柚木さんの書く物語やっぱり好きだなあ。
女子校で何年もずっと一緒だと考えると、確かにこういうことあるよな…と思ったり。
身近な人も中高一貫女子校で、「嫌なところも好きなところも一人ひとり全部一周する」って言ってて、まさに。
田舎公立出身の私だけれど、これに近いものがあったよなあ、と学生時代を思い出した。
中学生の多感な時期なんて、こういうことめっちゃある。残酷なことを平気でするし、まさに「悪魔」だと思う。
いわゆるカースト制度の話だと思うけれど、一人ひとりを見てみるとただ等身大の中学生でしかないんだよな。
でも自分が学生のときは、頭では分かって