柚木麻子のレビュー一覧
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私の名前は章子!
名前で苦労した事は無かったが名字が保田で中々ヤスダとは読んで貰えなかって記憶がある。でも結婚して工藤になった時は嬉しかった(^_^)v
だからと言う事も無いが15歳になったら「名の変更許可申立書」を出すと言う選択肢もわかなくは無いのです。ティアラの子育てもいくら訳ありでも大穴は無いよね。周りの言う「あんたのママおかしいよ」は言われなくてもその通りだった。どうして普通のお母さんの様になれないのかわざわざ指摘されなくてもいつもため息をつきたかった。そんなダイアナに彩子ちゃんは変な名前じゃ無いと言ってくれた。まるで正反対の二人の出会いである。小学3年生から22歳頃迄のガール・ミーツ・ガールの物語である。
共通点は本が好き!色々な本が登場して読んだ事あるとか読んで無いとか思いながら、読んで無い本は後で読んでみたいと思いながらあっという間に読んでしまいました。呪いを解く方法は「リュークス、リュークス、フィルフィルルーなんびとたりとも、このダイアナを縛ることはできない。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ...。私だけが私のすすむ道をしめすことごできる...」そうなんです。呪いを解くのは自分一人の力でやるしかないんです。誰でも自分の足で立って流されてはいけない。自分に命令できるのはこの世界で私だけなんだからね。彩子もダイアナも自分の殻を突き破って又親友になれたのかな? -
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ふたりの対照的なヒロインが小学生からハタチを超えるまでの十数年を描くガールミーツガール小説。
性格も環境も考え方も、なにもかもが違うふたりの少女が本を傍らに悩みながら歳を重ねていくしていく様が丹念に描かれておりぐっと引き込まれた。
女の子として成長していく中で揺れる繊細な苛立ちややるせなさが澱を残していく様がリアルで、深く感情移入した。
私は綾子が自分のトラウマと自分自身に向き合う場面が特に好きで、[誰かを救うということは過去の自分を救うことです]とは正に、カラオケボックスで過去の自分自身に手を差し伸べるような構図の場面にはわず唸った。
人と人が出会うことの美しさと苦しみを、暖かく感じさせてくれる本でした。柚木麻子さんありがとう。 -
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読み応えありました。700ページ越えにこれは中々読み終えるのには日数がかかりそう…と思いましたが、面白くて先に先にと読み進めてしまいました。読み終えてしまったのがもったいない。シリーズ化にして欲しかったです。もっと主人公の人生と周りにいる人達の人生を読んでみたい。
主人公は明治〜昭和を生き、話しに出てくる人達は有名な人ばかりでそれもまた読んでいて楽しいです。
もし子供の頃にこの本と出会えていたら、学ぶとは何か自分の国はどんな国なのかを考える事が出来ただろうな、そうしたらもう少し勉強頑張れただろうなと思ってみたり。
長いお話ですが、子供にも読んでみてほしい本です。 -
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ミーハーな気持ちで『Butter』を読んだら柚木麻子さんに完全に心を掴まれて、本書が柚木さんの執筆で2冊目。これもとってもおもしろかった!
絶妙にいそうな女性の特徴を描くのがButterから鋭いなあと思っていたけど本書もなんといってもキャラクターがよい。特に大学生っていう絶妙な高校までの同調圧力下にいるひとたちじゃなくて、逆に社会人の個が世の中と戦う系でもない、個がそれぞれのカラーを出すけどまだ連帯がある大学の設定がいいなあと。
エピローグの真実子にはスタンディングオベーション。長年付き合ったメンヘラな彼氏と別れてやっと自分の人生を生きてる感じ!かっこいい!
けむたい後輩ってタイトル、けむたいがひらがなだからいろんな意味づけがありそう。後輩って固有名詞じゃなくてしかも自分が先輩っていう立場からプライドとか優越感、承認欲求が欲しい栞子にぴったり。 -
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ボロ泣きした。中盤から最後にかけて泣きながら読んだ。読む前は表紙のかわいさからほっこり系「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」のような感じかと期待していて、読み始めもルビが多くふってあることからジュベナイルかな?と思ったがどんでん返し。初めて柚木さんの本を読んだけどもう新年そうそう人生で読んだ小説の中でもトップに入るレベルで素晴らしい本だった。
彩子が大学に入って変わってしまうあたりから自分と重なる部分が多くて、他人から認められる誰かを生きれば生きるほど、誰かを見下していないと幸せを保っていられない不幸せの循環に身に覚えがありすぎて・・・。大学というシステムの中で男や酒、サークルに狂わされる生活。これで良いのだ、と信じようとする彩子。
その一方でダイアナは淡々と、経済的に余裕がないながらも自分の夢を追う。好きな人が結婚してしまったり、お父さんが思い描くような人じゃなかったり。それでも地盤を固めてきたその生き様は誰かに奪われたり壊されるようなものではない。二人の友情が最後に再開するシーンはもう、なんか二人をずっと見ていたくなりました。
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表紙や最初の数ページから爽やかな話かな?と思い読み始めたら、かなり想定と違う話に転換したので驚きました。
重いテーマではありましたが、主人公の菫が持つ根の明るさと強さで読者も暗い淀みから引きずり出される感覚がありました。
決して暗がりには閉じこもらず前に向かう菫と、育った家庭環境もあり自らの歪み・他責思考から抜け出せない足元が淀みにハマったままの光晴。
2人の対比が後半になるにつれてグロテスクな程に顕著に現れていてその描き方が秀逸だなと思いました。
あとは、初夏の空気感や緑の比喩表現が美しくてとっても好きでした!!言葉が美しくて、それだけでも読む価値があると思います。 -
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最近『翠雨の人』という女性偉人伝ものを読んだばかりだったので、つい比較してしまうが、同じように史実をベースにしながらも、こちらはぜいたくに津田梅子や新渡戸稲造などを中心に、明治の文化史を彩るスーパースターを山ほどぶちこんで、面白いエピソードがふんだんに出てくるので、単純に好奇心をかきたてられる。またそれ以上に河合道さんのキャラクターがとっても魅力的だった。戦前のああした雰囲気の中で、アメリカでの生活で身につけた自由主義と女性の権利拡大という理想を掲げながら、表面的には相手を立てつつも、実質的な実を取る良い意味での「ずぶとさ」が小気味良い。対立する相手をも魅了し、協力者に変えてしまう姿には、「格の違い」を納得させられた。作者の女性としての理想像が反映されているのだと思うが、単なる絵空事ではないリアリティを感じさせられた。
彼女が創設した恵泉女学園の大学は昨年募集停止になったそうだが、女性の高等教育進学率は男子を越えて、ある意味その歴史的役割を終えたのだと思うと感慨深いものがある。