柚木麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最近『翠雨の人』という女性偉人伝ものを読んだばかりだったので、つい比較してしまうが、同じように史実をベースにしながらも、こちらはぜいたくに津田梅子や新渡戸稲造などを中心に、明治の文化史を彩るスーパースターを山ほどぶちこんで、面白いエピソードがふんだんに出てくるので、単純に好奇心をかきたてられる。またそれ以上に河合道さんのキャラクターがとっても魅力的だった。戦前のああした雰囲気の中で、アメリカでの生活で身につけた自由主義と女性の権利拡大という理想を掲げながら、表面的には相手を立てつつも、実質的な実を取る良い意味での「ずぶとさ」が小気味良い。対立する相手をも魅了し、協力者に変えてしまう姿には、「格
-
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公がお店に通うために、キャリアアップしたり食の知識を増やしていく向上心が良かった。客と板前という立場を弁え、自分本位にならず約10年も通い続けたのは本当にストイックだと思う。表紙の雰囲気からもっと男女の関係に動いていくのかと思ってたけど、良い意味で裏切られた。どちらかというと推し活寄りの恋愛小説かも。
青子自身が時代の荒波に揉まれていくから、最後までどうなるんだろう?と予想がつかなくて楽しめた。仕事関係の描写や世界情勢の話題も多いから、いわゆる恋愛!というような甘ったるい雰囲気が苦手な人でも読みやすいと思う。
ラストにようやく一ノ瀬さんがこちら側に来てくれて、初めて横並びで本音を話すシ -
Posted by ブクログ
ちょこっと手間取ったけど読み終えたしラストまでじんわり沁みてらんたんの題名が素敵だな希望の光あるから読めた。柚木麻子さんは浅田次郎の小説みたいだとぶっ飛んでると思っていたし(私にふさわしいホテルとか butterなんか読み応えサイコー) 長い事日本のくだらない夫家長制度に振り回された女性が行動す歴史を垣間見て、道先生の立ち振る舞いも最後の最後までブレない たね子の生徒を亡くして何も出来なかった言葉に対して意味がなかったが最後まで続けましょうがグッときます。間違いもあるけど諌めるユリとのシスターフッドの関係も良いですし、病室で道とユリとクスクス笑ってたのが最後まで分かち合う気持ちなのだなぁと思っ
-
Posted by ブクログ
大河小説で、この厚さ・・・
通勤鞄の中で、一番の重量と存在感を占めていて、どうしようかと困惑したのも束の間。
すごくすごく面白かった!
たくさんの女性が、女性として生きるために、時に果敢に、時にしなやかに闘った記録。
そういうと、なんかすごい大河ーー!!って感じがしてしまって重かったり堅かったりしそうと警戒しそうだけど、そんな心配はいらない。
主人公がとても人間的で、血が通って生きていた人なんだ、ということがよくわかって、ひとりの人間の人生を追っている感じがして、すぐに愛着が湧く。
それから、出てくる人たちがみんな有名人で、
えーこれどこまでが本当!?
って、ドキドキしてしまうのも見 -
Posted by ブクログ
涙が止まらない うう、しょっぱい。
幸せでうっとりするような温かい涙と、悔し涙。女が女として生きる人生は、こんなにも戦いに満ちている。
フィクションなんだけど、これは一つの現実だ、と思うシーンがたくさんあった。
岩倉使節団のシーンは本当に読んでいて悔しかった。けれど、そういう、行間に、歴史の流れの中に取りこぼされてしまった失われてしまった(あったかもしれないし、なかったかもしれないけれど、きっと、あったのだとおもう)
声を、涙を、ひとつひとつ見つけて息を吹き込んで、物語として紡ぎあげていて、本当に本当に、すばらしかった。
灯を灯しつないできてくれた、誰一人欠くことのできないすばらしい女性