柚木麻子のレビュー一覧

  • らんたん(新潮文庫)

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    ちょこっと手間取ったけど読み終えたしラストまでじんわり沁みてらんたんの題名が素敵だな希望の光あるから読めた。柚木麻子さんは浅田次郎の小説みたいだとぶっ飛んでると思っていたし(私にふさわしいホテルとか butterなんか読み応えサイコー) 長い事日本のくだらない夫家長制度に振り回された女性が行動す歴史を垣間見て、道先生の立ち振る舞いも最後の最後までブレない たね子の生徒を亡くして何も出来なかった言葉に対して意味がなかったが最後まで続けましょうがグッときます。間違いもあるけど諌めるユリとのシスターフッドの関係も良いですし、病室で道とユリとクスクス笑ってたのが最後まで分かち合う気持ちなのだなぁと思っ

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    2025年10月04日
  • その手をにぎりたい

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    時代こそ違えど、バリバリ働いている女性ならばささるポイントが結構あるなーと思いながら読んだ。
    私は主人公の青子ほどキャリアウーマンではなかったけど。

    働いていた会社を退職し東京を離れるつもりだったのに、退職日に上司に連れていってもらった高級寿司屋で寿司を食べるなり、「ここに通えるほどの収入を自力で得る」と決めて、地元へ戻ることをあっさりやめて、転職してその通りに進んでいくストーリーは読んでいて小気味が良かった。

    自分で働いたお金なのだから、好きに使うという考え方、実は私もそういうタイプなので深く共感した。

    ところで、著者の「BUTTER」を読んだときにも思ったのだけど、柚木さん、食事する

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    2025年10月03日
  • オール・ノット

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    ネタバレ

    横浜が舞台のお話。奨学金の返済を抱えて四苦八苦するヒロインと、昔はお嬢様だったのに、没落してマネキンの販売員をしている老女の交流。やる気なさげなのに、抜群の売れ行きを誇る彼女の秘密とは。以下、ネタバレ込みで。

    うーーん、モデルはいるのかなぁって。この老女(名前忘れた)の存在感、スゴイです。「さらさら流る」のヒロインにも共通する、本当の「育ちの良さ」。逆境とか困難とか他人の悪意とか、受け止めるけど染まらないんですな。ずる賢い輩に利用されたりもするし、そのせいで損害被ったりもするけれど、だからって他人をうらやんだり、恨んだりという心持に至らない。泰然自若。この老女の来し方が、次第に明らかになって

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    2025年09月30日
  • らんたん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    困った時に助け合う、シェアの精神は私も生きていくうえでお手本にしたいと思った。シェアの精神を次の世代に引き継いでいくの大事。

    いつの世も、女性のライフステージの変化による友情関係が変わってしまう悩みは一緒なんだなあと思った。

    恵泉出身なので、恵泉のイベントがどのような経緯でできたものなのか知れて良かった。
    厳しい情勢でも楽しむことは大事だし、きちんと自分の意見を言える自立した女性でいたい。
    感話の文化があったからこそ、他人の意見を否定せず色々な意見を受け入れる風土ができたのだなあと実感。

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    2025年09月27日
  • オール・ノット

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    柚木麻子さん、BUTTERを読んで以降、気になる作家さんとなったが、それ以上にYouTubeに登場する数々のトークが面白く、ますます気になる作家さんに。
    このお話は女性同士の連帯、今はやりのシスターフッドのちょっと負の部分を描いたもので、展開が全く予想できない方向に進んでいくので、最後の最後までとても面白かった。

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    2025年09月26日
  • らんたん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    私はシスターフッドものの物語が好きだ。
    今までもいくつかそういった小説を読んできたが、恋愛感情抜きでお互いを支え合い共に歩むというのを体現したものはこの小説の他にないと思う。
    読み進めるなかでわかったことですが、脚色されてはいるでしょうけど事実に基づいた話なんですね。自分の不勉強を恥じています……

    この小説は著者の母校でもある恵泉女学園の創立者で、
    明治の文明開化から始まり、昭和戦後に亡くなるまで女性の地位向上のために、時代の荒波に翻弄されながらも自分の理想を掲げ続けた実在の人物「河井道」先生の生涯を描いたものです。

    数多くの今では歴史に名を残す人物たちとの出会いと別れ、同じ志を持ちながら

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    2025年09月25日
  • その手をにぎりたい

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    バブルOL物語かぁとライトに手に取って読んだ。
    全く想像してなかった話の展開で、面白くて一気に読んでしまった。名作で、心に残る作品でした。主人公の青子の生き方がバブルにまみれてるのに芯はピュアな心がずっとあって、それが信じられて、胸を響いた。読後感が気持ち良く、また読みたいなと思いました。

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    2025年09月23日
  • らんたん(新潮文庫)

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    新潮文庫特有の「500に見えて700ページ」本です。

    ただ、内容は、大正から昭和に架けて激動の日本を舞台に、女性が活躍する姿が描かれていました。終始朝ドラ感がある進行で、とても読みやすく、かと言って登場人物一人一人に個性があったり、北海道や東京、大阪だけでなく、サンフランシスコやシカゴなどアメリカの描写がとにかく簡潔で読みやすいことこの上なかったです。

    戦争、関東大震災そして、戦争。焦土の日本の台地で、命の灯火を絶やさない一輪花。水も乾き、干上がった荒野でも、堂々と咲く彼女の意思に励まされ、次第に皆が花の名を宣う。無償の無尽の愛を注ぎ、人々を愛した女性の名を。
    天真爛漫に生きた彼女が施した

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    2025年09月21日
  • 終点のあの子

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    はじめはおもしろいけど、そこまで掴まれたわけではなかった。登場人物一人一人がフォーカスされていくたびに、なんだこのクラスのあの子の話しかみたいな感覚になっていく。それがほんとにうまい。そして教室では関わらないあの子とあの子という掛け合わせがまたよくて。クラスに戻るとやっぱり同じ世界で仲良くするということにはならないのが、友情がちゃんと芽生えただけにとても切なく、とてもリアルだった。

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    2025年09月20日
  • その手をにぎりたい

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    選書していただいた本。
    少しずつ読もうと思っていたのに、一気に読んでしまった。バブル期のお話で、あまり共感できないかも…って思っていたのですが、恋愛・友情・仕事・経済と要素が多くて、ぐんぐん読み進めてしまった。
    そして読後感が晴れ晴れとしているところも良かった。

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    2025年09月18日
  • らんたん(新潮文庫)

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    ずっと読みたいな、と思っていた柚木麻子さんの作品。
    まさか初めて手にとるのが歴史小説になるとは思っていなかった。

    らんたん。
    シェア。
    日本社会は提灯型の社会。
    自身の足元を照らすので精一杯。
    現代に至っても、まだ日本人は足元を照らしているようなイメージがある。

    女子大は今、窮地にある。
    関西女子大の雄、武庫川女子大は共学化が決まっている。
    個人的にもあまり必要だとは思っていなかった。
    でもただ均質にするのも違うような気がしてきた。
    新しい時代の「男らしさ」「女らしさ」というものが、もう少し議題として深まればいいのにな。

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    2025年09月16日
  • らんたん

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    大河小説で、この厚さ・・・
    通勤鞄の中で、一番の重量と存在感を占めていて、どうしようかと困惑したのも束の間。

    すごくすごく面白かった!

    たくさんの女性が、女性として生きるために、時に果敢に、時にしなやかに闘った記録。

    そういうと、なんかすごい大河ーー!!って感じがしてしまって重かったり堅かったりしそうと警戒しそうだけど、そんな心配はいらない。

    主人公がとても人間的で、血が通って生きていた人なんだ、ということがよくわかって、ひとりの人間の人生を追っている感じがして、すぐに愛着が湧く。

    それから、出てくる人たちがみんな有名人で、
    えーこれどこまでが本当!?
    って、ドキドキしてしまうのも見

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    2025年09月15日
  • 本屋さんのダイアナ

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    お気に入りの一冊です。
    なんとなく手に取った本でしたが、想像以上に面白く、名作に出会えた気持ちです。

    二人の少女の出会いから社会人になるまでが描かれています。
    はじめは二人の素敵な出会いと友情に羨ましいなと物語に浸っていましたが、
    二人の成長とともにそれぞれを取り巻く環境は変わり、二人の距離感も変わって、二人の抱える様々な気持ちに共感してしまう部分がありました。
    時間の経過は早すぎず遅すぎず、テンポよく読み進めることができました。

    現代の「赤毛のアン」と紹介されています。
    「赤毛のアン」を愛する方と
    全女子におすすめできます。

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    2025年09月14日
  • らんたん(新潮文庫)

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    ゆりさんと道さんを中心にして、明治・大正・昭和の時代の女子教育を辿る物語
    女は男の従属物のような時代
    留学の機会を得た女性たちを中心に
    必要な教育を受けた女性の目が開いていく

    国にも夫にも盲目的に従わなくても良いのだと解り自分の世界に光が射す想いがしただろうか
    新しい価値観の世界に踏み込むにはたくさんの勇気が必要だったろうか

    道さんと出会えてよかった

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    2025年09月14日
  • ほろよい読書

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     ずっと読みたかった本。想像を超えるほど自分好み本で嬉しかった。
     お酒の失敗、自家製のお酒、酒蔵の子供、お酒の嗜み方、お酒の提供の仕方などお酒一つの題材で様々な角度から話が展開されて行くのは面白かった。
     お酒は人生を彩る一つのものでしたがないが、その一つの見方、触れ合い方を変えるだけで人生を少しずつ変えることができるように思えた。
     お酒の楽しみ方もすごく教えてもらえる本だった。東京に住んでいるから、一つはお気に入りのバーを探してみてもいいかもと思った。

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    2025年09月13日
  • 王妃の帰還

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    よかった〜。最初は中学生可愛いなぁと思いながら読み進めてて、段々と可愛いだけじゃなくて良い子でえらいなぁ、特に主人公周りの子たちってなる。
    読者は登場人物より歳上だからちょっと我儘なリンダさんとかかなり横暴な王妃の態度とか幼いなぁ可愛いなぁと読めるけど、同い年の主人公やチヨジ、スーさんが寛容に受け入れてるのが偉くて皆大好きになった。
    主人公周りみんな大人すぎるよ偉いよと思ってたところに、最後チヨジも主人公ノリスケもまだまだ子どもであるところが垣間見えて愛おしい。
    王妃の帰還が滝澤さんとチヨジのダブルミーニングなのもすごく良かった。
    まだ中学生だからこそ王妃とかアッコとか恵理菜とか過ちをした子の

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    2025年09月08日
  • らんたん

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    涙が止まらない うう、しょっぱい。

    幸せでうっとりするような温かい涙と、悔し涙。女が女として生きる人生は、こんなにも戦いに満ちている。

    フィクションなんだけど、これは一つの現実だ、と思うシーンがたくさんあった。
    岩倉使節団のシーンは本当に読んでいて悔しかった。けれど、そういう、行間に、歴史の流れの中に取りこぼされてしまった失われてしまった(あったかもしれないし、なかったかもしれないけれど、きっと、あったのだとおもう)
    声を、涙を、ひとつひとつ見つけて息を吹き込んで、物語として紡ぎあげていて、本当に本当に、すばらしかった。

    灯を灯しつないできてくれた、誰一人欠くことのできないすばらしい女性

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    2025年09月07日
  • その手をにぎりたい

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    バブル期の東京で、鮨に心奪われた女性の十年弱を描いた物語。主人公が自分の人生の軸を見つけ、掴みとり、ときに揺れ、もがきながら、バブル絶頂期の東京の海を泳いでいくさまは力強く、陳腐な表現だけど、勇気づけられる。「ついでにジェントルマン」を先に読んでいたので、柚月さんの鮨描写がやけに具体的で、読み手の食欲をそそると思ったけど、こちらが先行作品だったのね。とびきり美味しいお鮨を食べたくなる一冊。

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    2025年08月31日
  • あいにくあんたのためじゃない

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    短編集でしたが全作違った切り口から現代日本の日常生活から生まれる問題を照らしつつも、しっかり映える物語になっていて、一作読み終えるたび素直に「凄い!」と唸ってしまいました。

    様々な意味で抑圧されている人たちがいて、その抑圧も抑圧された結果の現れだったりする。自分の事だけで大変だろうけど、ほんの少しでも良いから周りを見て労りや心配していると言葉を掛けたりするだけでも救われる人がいたりする。
    このご時世掛ける言葉の精度には慎重にならないといけなかったりするけれども、相手への配慮を怠らなければ多少の誤解はあっても気持ちは伝わるんでないかな、なんて思いました。

    どの話もとても良かったですが、主人公

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    2025年08月25日
  • 王妃の帰還

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    ------スーさんだって、怖いんだ。
    隣にいる範子には、彼女の耳たぶが赤く染まっているのがわかる。目立つことが大の苦手な彼女が、精一杯勇気を振り絞っているのだ。
    突然、自分が恥ずかしくなってきた。王妃のことが心配なくせに、怖くて行動には移せない。安藤さんがハブにされた時もそうだ。自分達さえ安全ならそれでいいと思っていた。これまで何人を見捨ててきたのだろう。もうごめんだ。私はそんな、卑怯な女の子じゃない。

    母が再婚するのは構わない。
    ただし相手は、チヨジのお父さんみたいな、お腹が突き出た優しそうなおじさんに限る。ホッシーのように若く男っぽく、同級生から騒がれてい

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    2025年08月20日