柚木麻子のレビュー一覧
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ちょこっと手間取ったけど読み終えたしラストまでじんわり沁みてらんたんの題名が素敵だな希望の光あるから読めた。柚木麻子さんは浅田次郎の小説みたいだとぶっ飛んでると思っていたし(私にふさわしいホテルとか butterなんか読み応えサイコー) 長い事日本のくだらない夫家長制度に振り回された女性が行動す歴史を垣間見て、道先生の立ち振る舞いも最後の最後までブレない たね子の生徒を亡くして何も出来なかった言葉に対して意味がなかったが最後まで続けましょうがグッときます。間違いもあるけど諌めるユリとのシスターフッドの関係も良いですし、病室で道とユリとクスクス笑ってたのが最後まで分かち合う気持ちなのだなぁと思っ
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時代こそ違えど、バリバリ働いている女性ならばささるポイントが結構あるなーと思いながら読んだ。
私は主人公の青子ほどキャリアウーマンではなかったけど。
働いていた会社を退職し東京を離れるつもりだったのに、退職日に上司に連れていってもらった高級寿司屋で寿司を食べるなり、「ここに通えるほどの収入を自力で得る」と決めて、地元へ戻ることをあっさりやめて、転職してその通りに進んでいくストーリーは読んでいて小気味が良かった。
自分で働いたお金なのだから、好きに使うという考え方、実は私もそういうタイプなので深く共感した。
ところで、著者の「BUTTER」を読んだときにも思ったのだけど、柚木さん、食事する -
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ネタバレ横浜が舞台のお話。奨学金の返済を抱えて四苦八苦するヒロインと、昔はお嬢様だったのに、没落してマネキンの販売員をしている老女の交流。やる気なさげなのに、抜群の売れ行きを誇る彼女の秘密とは。以下、ネタバレ込みで。
うーーん、モデルはいるのかなぁって。この老女(名前忘れた)の存在感、スゴイです。「さらさら流る」のヒロインにも共通する、本当の「育ちの良さ」。逆境とか困難とか他人の悪意とか、受け止めるけど染まらないんですな。ずる賢い輩に利用されたりもするし、そのせいで損害被ったりもするけれど、だからって他人をうらやんだり、恨んだりという心持に至らない。泰然自若。この老女の来し方が、次第に明らかになって -
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ネタバレ私はシスターフッドものの物語が好きだ。
今までもいくつかそういった小説を読んできたが、恋愛感情抜きでお互いを支え合い共に歩むというのを体現したものはこの小説の他にないと思う。
読み進めるなかでわかったことですが、脚色されてはいるでしょうけど事実に基づいた話なんですね。自分の不勉強を恥じています……
この小説は著者の母校でもある恵泉女学園の創立者で、
明治の文明開化から始まり、昭和戦後に亡くなるまで女性の地位向上のために、時代の荒波に翻弄されながらも自分の理想を掲げ続けた実在の人物「河井道」先生の生涯を描いたものです。
数多くの今では歴史に名を残す人物たちとの出会いと別れ、同じ志を持ちながら -
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新潮文庫特有の「500に見えて700ページ」本です。
ただ、内容は、大正から昭和に架けて激動の日本を舞台に、女性が活躍する姿が描かれていました。終始朝ドラ感がある進行で、とても読みやすく、かと言って登場人物一人一人に個性があったり、北海道や東京、大阪だけでなく、サンフランシスコやシカゴなどアメリカの描写がとにかく簡潔で読みやすいことこの上なかったです。
戦争、関東大震災そして、戦争。焦土の日本の台地で、命の灯火を絶やさない一輪花。水も乾き、干上がった荒野でも、堂々と咲く彼女の意思に励まされ、次第に皆が花の名を宣う。無償の無尽の愛を注ぎ、人々を愛した女性の名を。
天真爛漫に生きた彼女が施した -
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大河小説で、この厚さ・・・
通勤鞄の中で、一番の重量と存在感を占めていて、どうしようかと困惑したのも束の間。
すごくすごく面白かった!
たくさんの女性が、女性として生きるために、時に果敢に、時にしなやかに闘った記録。
そういうと、なんかすごい大河ーー!!って感じがしてしまって重かったり堅かったりしそうと警戒しそうだけど、そんな心配はいらない。
主人公がとても人間的で、血が通って生きていた人なんだ、ということがよくわかって、ひとりの人間の人生を追っている感じがして、すぐに愛着が湧く。
それから、出てくる人たちがみんな有名人で、
えーこれどこまでが本当!?
って、ドキドキしてしまうのも見 -
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よかった〜。最初は中学生可愛いなぁと思いながら読み進めてて、段々と可愛いだけじゃなくて良い子でえらいなぁ、特に主人公周りの子たちってなる。
読者は登場人物より歳上だからちょっと我儘なリンダさんとかかなり横暴な王妃の態度とか幼いなぁ可愛いなぁと読めるけど、同い年の主人公やチヨジ、スーさんが寛容に受け入れてるのが偉くて皆大好きになった。
主人公周りみんな大人すぎるよ偉いよと思ってたところに、最後チヨジも主人公ノリスケもまだまだ子どもであるところが垣間見えて愛おしい。
王妃の帰還が滝澤さんとチヨジのダブルミーニングなのもすごく良かった。
まだ中学生だからこそ王妃とかアッコとか恵理菜とか過ちをした子の -
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涙が止まらない うう、しょっぱい。
幸せでうっとりするような温かい涙と、悔し涙。女が女として生きる人生は、こんなにも戦いに満ちている。
フィクションなんだけど、これは一つの現実だ、と思うシーンがたくさんあった。
岩倉使節団のシーンは本当に読んでいて悔しかった。けれど、そういう、行間に、歴史の流れの中に取りこぼされてしまった失われてしまった(あったかもしれないし、なかったかもしれないけれど、きっと、あったのだとおもう)
声を、涙を、ひとつひとつ見つけて息を吹き込んで、物語として紡ぎあげていて、本当に本当に、すばらしかった。
灯を灯しつないできてくれた、誰一人欠くことのできないすばらしい女性 -
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短編集でしたが全作違った切り口から現代日本の日常生活から生まれる問題を照らしつつも、しっかり映える物語になっていて、一作読み終えるたび素直に「凄い!」と唸ってしまいました。
様々な意味で抑圧されている人たちがいて、その抑圧も抑圧された結果の現れだったりする。自分の事だけで大変だろうけど、ほんの少しでも良いから周りを見て労りや心配していると言葉を掛けたりするだけでも救われる人がいたりする。
このご時世掛ける言葉の精度には慎重にならないといけなかったりするけれども、相手への配慮を怠らなければ多少の誤解はあっても気持ちは伝わるんでないかな、なんて思いました。
どの話もとても良かったですが、主人公 -
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ネタバレ◾️record memo
------スーさんだって、怖いんだ。
隣にいる範子には、彼女の耳たぶが赤く染まっているのがわかる。目立つことが大の苦手な彼女が、精一杯勇気を振り絞っているのだ。
突然、自分が恥ずかしくなってきた。王妃のことが心配なくせに、怖くて行動には移せない。安藤さんがハブにされた時もそうだ。自分達さえ安全ならそれでいいと思っていた。これまで何人を見捨ててきたのだろう。もうごめんだ。私はそんな、卑怯な女の子じゃない。
母が再婚するのは構わない。
ただし相手は、チヨジのお父さんみたいな、お腹が突き出た優しそうなおじさんに限る。ホッシーのように若く男っぽく、同級生から騒がれてい