柚木麻子のレビュー一覧
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購入済み
自分にも重なる
ある二人の女性の人間関係がうまくいかなくなったところからストーリーが展開していきます
主人公のえりこは一見とんでもない人のように見えて、実は私と大して変わらないのではないかという疑問を抱かせます
人間関係の築き方や、人の気持ちを思いやるということがどういうことか、深く考えさせられる作品でした -
購入済み
こんな風に紹介されたら何でも読んじゃうな、と思わせる素晴らしい書評でした。
学生さんに読んでもらったら取っつきにくい名作も興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。
少なくとも私が読まされたら全部読むね。図書室なんていう便利な物が身近にある生活は働き出したらそう無いですし。
私が一番笑ったのは白鯨とジェーン・エアです。 -
Posted by ブクログ
「食」というものは、私たちが毎日当たり前のように向き合っている存在だ。しかし、何を食べるか、どのように食べるかという行為には、その人の価値観や人生観が思っている以上に色濃く表れる。食べ物の好みは単なる嗜好ではなく、その人自身を映し出す鏡のようなものなのかもしれない。私自身は食材など食に対してのこだわりはないものの、「食事をきちんととることは自分を大切にしていること」だと考えているので、「好きな食事をゆっくりと食べる」ということを心がけている。
柚木麻子さんが書かれた「BUTTER 」は、実際に起きた事件から着想を得て書かれた長編小説だ。
男性たちを次々と手玉にとり、死へと追いやったとされる女性・梶井真奈子。その取材を担当する若手女性記者の町田里佳は、事件の真相に迫ろうとするが、梶井はほとんど取材に応じようとしない。しかし、「おいしいバター醤油ご飯を作って食べること」をきっかけに、二人の距離は少しずつ縮まっていく。
本書を読んでまず印象的だったのは、食べ物の描写の巧みさだ。バターをたっぷり使った料理や丁寧に作られた家庭料理の数々が登場するが、その描写は驚くほど生き生きとしている。読んでいるだけで香りや味が伝わってくるようで、思わず同じものを食べたくなってしまうほどだ。単なるグルメ小説であれば食欲を刺激するだけで終わるかもしれないが、本書では食が人間関係や社会の価値観と深く結びついていることが描かれている。
また、本作の大きなテーマの一つは「女性らしさ」ではないだろうか。痩せていることが美しいとされる風潮や、女性に求められる振る舞い、仕事と結婚に関する価値観など、現代社会に存在するさまざまな固定観念が作中で浮かび上がってくる。主人公の里佳もまた、そうした価値観に知らず知らずのうちに縛られている一人だ。取材を通じて梶井と向き合うなかで、自分自身の生き方や考え方を見つめ直していく姿が印象的だった。
決して軽い内容の作品ではないが、単なるミステリーや事件小説として読むだけではもったいない一冊である。食べることの楽しさや、人が社会の中で抱える生きづらさについて深く考えさせられる。読み終えたあとには、自分にとって本当に大切なものは何かを改めて問いかけられているような気持ちになった。
おいしい料理の描写を楽しみたい人はもちろん、社会が求める価値観や「自分らしさ」について考えてみたい人にもおすすめしたい一冊だ。読む前と読んだ後では、普段の食事に対する見方が少し変わるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ4編の短編集
アッコさんがグイグイとお節介をやく2編と関西の土地柄が出ている2編。
どちらも、自分自身を振り返ることで本当の気持ちを大切にしながら、一歩踏み出す力が湧いてくるようなお話でした。
特に『3時のアッコちゃん』はアッコさんの存在がかっこいい。そして、考え方や使い方一つで無駄なことなんてないなぁと思った。
アイデアの出ないチーム会議の司会とお茶係にほとほと困っていた三智子に、アッコさんは
「お茶を用意する係こそが、頭の使い方次第で会議を牛耳り、会社の舵取りができる」
と教え、
「5日間続けて、午後3時に企画会議を開け。自分がアフタヌーンティーを用意する」
と言い放つ。
アッコさんの登場に、最初は戸惑う面々も、美味しいお茶とお菓子に場が和み、会議の雰囲気とメンバーの意識が劇的に変わっていく。
あと『梅田駅アンダーワールド』で、就活のために一生懸命自分自身を説明する言葉が、真実か虚飾か訳がわからなくなる感じが、すごくリアルだった。
回り道しても、自分の大切なものは大切なままに。そんな考え方もいいなぁ。