柚木麻子のレビュー一覧
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ネタバレ4.0
最初は推理ものかと思ったが、人間成長物語だった。
描写が細かくて、こんなに読者に頭で想像できる文章を書く作者は料理物向いてるなと思った。時々細すぎて想像出来すぎるがゆえ気持ち悪いと感じる文章も出てきたけど、主人公の忙しい日常が美飯によってゆっくり感じられたり安心して読めてよかった。
みんな何かを理由にして悲しい思い出にしたり、悲劇のヒロインになったりするけど、そのせいでとか人を理由にして結局自分のケア(豊かな食生活とか健康)を怠っているだけだという自分にも重ねた時その甘えを指摘されたような気がして、改めて考えようと思った。読んでいる間乳製品やバターがたべたくなって探して食べていた。セブ -
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ネタバレ
もしかしたら星5かも…?くらい、好きな話だった
環境が変わる展開が早くて、もっとこの職場でのアッコさんを読みたかった、残念って思っちゃったけど、
そう思えるほど、愛せるアッコさん、そして周りの人たちもなんだか一生懸命に生きてるのが好き
こういうお話のとき、悩んでる方の人はクヨクヨしすぎてる時があるけど、このお話の中では、悩んでても
前を向こうという意思や意識があるのが、
イライラしなくてよかった〜✨!
その中でアッコさんがらさらに力強く引っ張ってくれる安心感と爽快感がよかった
アッコさんもロボットのようなできすぎる女ではなく、適度に力が抜けているような、こちらも親しみを持てるような、絶 -
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柚木麻子さんの作品をきちんと読んだのは初めて。朝井リョウさんと仲が良くて、講演会で2人でダンスを踊っているというちょっとおかしな前情報のみを持っていました。
今回読んだあまからカルテット。面白かったです。
まず、食べ物が美味しそう。実はこれを読んでいるほとんどの期間、体調を崩して食欲がなかったのですが、読書中は食欲が少し戻ってくるくらいに食べ物を美味しく描いている。
そして女4人組親友の友情が爽やか、かつ濃くて憧れを覚えた。なんでも話せて、助け合える関係性。4人で相思相愛の友情なんて、社会人になったら難しい、ありえないけど、学生時代からの友人だとそんな関係が作れちゃう、不思議。
私にも数少な -
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ネタバレ現代日本の女性の生きづらさや複雑さを描いた作品だけど、単にフェミニズム文学と一言でまとめられない奥行きがある一冊だった。
実際にあった事件をモチーフとして扱いながら犯罪小説ではないという点も、容疑者と記者が料理を介して通じていくという構図も、私にとってはすごくユニークなものだった。
主人公・里佳の周りで繰り広げられる「フェミニズム(伶子)vs アンチフェミニズム(梶井真奈子)」の対立が続くのかと思ったけど、読み進めるほどに愛の物語なんだと気づく。恋人への愛だけじゃなく、家族、友人への愛、自己愛。どれについても、作中に何度も出てくる「適量」という言葉が一番のキーワードだと感じた。
梶井真奈子の -
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何かに疲れてたり、しんどくなってたりしてる人に日々の暮らし方を見直すきっかけになるような作品かも?
●ランチのアッコちゃん
三智子と黒川敦子(アッコ)の出会い
失恋で後ろ向きなミチコにキラキラとしたいろいろな外の世界を見せ、以前より前向きになれるような心温まる話
●夜食のアッコちゃん
東京ポトフでアッコさんと共に深夜ワゴンで夜を生きる人たちとの出会いを描く
●夜の大捜査先生
個人的に一番好き
派手な学生時代を送っていたがいつの間にか収まりのいい自分になっていた主人公が、昔の自分と重ねられるようなハマザキという女子高生を追う先生(元担任)との出会いを通じて若い頃のキラキラとした感性を少し取