柚木麻子のレビュー一覧
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ネタバレよかった。
元彼が、ミソジニーから抜けきれてなくて、無意識でごりっごりの性差別しながら、悪いことを悪いことだと受け止めきれずにいて、その立場から見た世界の描写が秀逸だなと思った。
本当に酷くて取り返しのつかないことをしたのに、いつまでも自分ごととして受け止めきれない元彼の呑気さに腹が立った。実際こういうものなのだろうか。
また、性被害に遭って男性が怖くなったり全てがしんどくなったりしている主人公の心情や行動もとても共感できるもので、読んでいて辛くなったし、でもこれを描く物語があったことに救いを感じた。
また、性被害の加害者が、昔はかけがえのない大切な相手であった事、それと被害の落差がものすごく -
Posted by ブクログ
今まで外国文学にほとんど触れてこなかったことを恥じ、外国文学の「ザ名作」に手を出す今日この頃。
次に読むべき作品が見つかるかしらと何気なく手に取ったこの本だが、なかなかどうして私のツボをがんがんついてきた。
柚木氏の日常の話から作品の紹介へとつなげていくのだけど、それがまた滑らかで柚木氏の日常を垣間見ていると思いきや、いつのまにか作品の世界に入り込んでしまっている。
そしてこの柚木氏の日常の話、いわばエッセイが面白い。軽妙洒脱な語り口の一方で、さらりと至言も残しているのがいい。文章の軽重のコントロールがお上手。個人的には確定申告のエピソードを織り混ぜた「居酒屋」の紹介が秀逸だと思ったな。
さら -
Posted by ブクログ
新人賞は獲ったがその先になかなか進めない新人作家、中島佳代子がパワーとハッタリ、成功に対する執念で文壇の海を貪欲に泳いでいく。最初は無理して泊まった「山の上ホテル」で階上で缶詰になっている大物作家東十条の執筆の邪魔をして原稿を落として自分の短編を捻じ込むためにさてどうするか?から始まるのだがその解決法が可愛らしく思える程次々出てくるピンチに対する対処が大学の先輩編集者遠藤他を巻き込んでどんどん豪快になっていく。これが痛快かつ表現者の闇の深さをびりびり感じてページをめくる手が止まらない。東十条初め嫌な奴!なのに後半は掌返してしまう。実際の作家達や読書メーターまで出てきてにやり。最終章こうきたか!
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購入済み
絶対に読んで欲しい一冊
今まで出会った本の中でもトップクラスで好きな本。ダイアナと彩子という正反対な二人のそれぞれの視点で描かれ、どちらの気持ちも共感できた。
作品の中に登場するたくさんの本もまだ読んだことのない本を読んでダイアナをもっと深く知りたいと思った。 -
Posted by ブクログ
フランス、日本、イギリス、アメリカの「名作」を読み解く、書評というかエッセイ集。
フランス文学と日本文学のチョイスが特に柚木さんっぽくてよいな〜〜と思った。
ラクロ「危険な関係」の項がすき。そんなことで負けるあなたじゃないでしょ、メルトイユ公爵夫人。
日本文学編は、全て昭和の女性作家作品。そういえば日本の女性作家は今まであまり読んでこなかったなと後悔。いくつかポチッた。社会に抑圧されながらもしたたかであっけらかんと生きていく日本の女性たち。柚木さんの作品のルーツを何となく感じた。
〝女の子は誰かのものになんてならず、のびのびと感性の翼を羽ばたかせるべきなのだ。〟(「アップルパイの午後」) -
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購入済み
自分にも重なる
ある二人の女性の人間関係がうまくいかなくなったところからストーリーが展開していきます
主人公のえりこは一見とんでもない人のように見えて、実は私と大して変わらないのではないかという疑問を抱かせます
人間関係の築き方や、人の気持ちを思いやるということがどういうことか、深く考えさせられる作品でした -
購入済み
こんな風に紹介されたら何でも読んじゃうな、と思わせる素晴らしい書評でした。
学生さんに読んでもらったら取っつきにくい名作も興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。
少なくとも私が読まされたら全部読むね。図書室なんていう便利な物が身近にある生活は働き出したらそう無いですし。
私が一番笑ったのは白鯨とジェーン・エアです。