柚木麻子のレビュー一覧
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万人の万人に対する批評
SNSの発達普及普遍化によって、「万人の万人に対する批評」が常に飛び交っている社会になってしまった。それにより、悲喜こもごもの自体が発生している。この作品はそれを端的に切り出し描き出したものである。昔から噂話という口コミはあったが、ネットによりその影響力は比較にならないほど大きくなっている。
一方、人間の感情、気持ち、心は、その多くの部分を「言語」によって作られている。「美味しい」という感覚を言語によって表現し、自分自身の中で確認し、「必要ならば」人に伝える ということも重要なのであろう。 -
Posted by ブクログ
前情報なして読み始めて「お散歩ほのぼの恋愛小説かな?」と思ったのも束の間、柚月麻子先生がそのような作品を書くわけもなく…(好き)
過去の恋人に撮られた裸の写真の流出と、周りの協力を得ながらそこから這い上がる主人公菫。リベンジポルノというかなり重い題材ではあるが、登場人物が少しずつ自分や自分の周りの人と重なるのがさすが柚月先生だなと思った。
「今回は写真の流出という形で表に出ただけで、根っこにあるのは「女をモノ扱いする男」という問題です」というのがいろんな人の視点を通じて描かれていて、そうなんだよな〜と。それを小学生の祐の台詞として表面化させたりするのが良かった。
光晴がコテンパンに罰を受けるシンプルな勧善懲悪ではないところが物足りないみたいな感想もあったけど、そもそも社会の問題や、家庭の問題や、いろいろな原因があっての結果なので勧善懲悪しちゃったら途端に薄っぺらくなるからこれでいいと思う。
菫が「自分の中にもともと強い部分があったんだ」っていう結論に辿り着けるのすごくかっこよくて好きだった。百合との信頼関係も、元々あるのにさらに深まっていくのが良かった。